表慶館の加藤知子
春です。上野の西郷さんの横の桜2本はいつも早咲きですが、今年はもう満開でした。ほかにも満開の木が何本かありました。桜並木はまだですのでご安心を。
東京国立博物館に行ってきました。ここのなかの表慶館は1909年に建てられた重要文化財の石造建築物で、普段は閉鎖されているのですが、本日は加藤知子さんのヴァイオリン・リサイタルがあるというのでご開陳となりました。こんな貴重な建物がよく地震や空襲に耐えて生き残ったものだと思います。
エアコンはもちろんありませんし、トイレも使用禁止です。外はすっかり春なのに、建物の中は冷え冷えとしていてビックリしました。さぞかし夏は涼しいのでしょう。入り口でホカロンを渡してもらって、コート着用で演奏会を聴くというはじめての体験です。演奏者用にストーブが持ち込まれていて、おしりに温風を当てながらの演奏です。
加藤知子さんをはじめてみたのは、日本音楽コンクールで優勝したときのNHKTVでの放映ですから、かれこれン10年になりますか・・・。すごく私と波長の合う音楽をやる人だなと思ったことをおぼえています。聴いていて違和感がまったくないのです。まだ桐朋の学生でしたが、すぐに渡米してどうしているかなと思っているうちに、チャイコフスキーコンクールで2位に入賞して、びっくりしました。昔は夜のヒットスタジオで布施明のバックなんかもやってました。
その後多くのCDを出版してくれて、大変楽しませていただきました。特に1年間暗室にこもって、8000枚くらい、朝から晩まで写真の現像・焼き付けを、ひとり手焼きでやっていたことがありまして、(暗闇の作業中ではなぜかポップスはダメです)ずっと数枚のクラシックのCDばかり聴いていました。その中に加藤さんの小品集があって、多分20回以上は全曲聴きました。現在彼女は桐朋の助教授だそうです。白髪がでてきたのか、茶髪にしてました。
本日のプログラムは図ようなものですが、お客さんが満席で気をよくしたのか、「愛のあいさつ」をアンコールにまわして、曲目が3曲増えていまして、ブリッチ、ミヨー、ドビュッシーの小品(みんな素晴らしい曲)が演奏されました。このほかアンコールでシューマンの「ロマンス」とパラディスの「シシリアーノ」(聴いたことのある曲だと思います 名曲)を聴かせてくれました。ピアノ伴奏は梅村祐子さんです。
すごく反響の多いライヴな会場で、最初は違和感がありましたが、すぐに馴れました。彼女のバイオリンは所謂ブランド品ではないそうですが、とても深い響きのいい音がします。今日はうすいピンクのイヴニングで(まあ春をテーマにするならピンクしかないか)、この寒い会場でよくやってくれたなと思いました。いつも聞き慣れているので、彼女の演奏には安心感がありますが、今日は特にご機嫌が良かったのか、曲ごとに満面の笑顔で(トレードマークのようではありますが)、最後の方にはクラシックの演奏会としては異例な長いMCも、みっちりとやってくれました。朝はバルサの不可解な敗戦でくさっていた私ですが、これですっかりごきげん回復です。
参照: http://www.kajimotomusic.com/artist_jap/tomoko_kato.html
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