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2007年3月16日 (金)

白髪と酸化ストレス

153pxhydroquinonesvg色素細胞はチロシンというアミノ酸からメラニンを合成しているわけですが、この過程で活性酸素ができてしまうため、常に酸化ストレスにさらされています。ですから、よく美白剤に含まれているハイドロキノン(図に化学構造を示す)などが上乗せされると、こらえきれずに死滅してしまいます。色素細胞が死滅するわけですから、肌が白くなるわけです。

ハイドロキノンは生体内で還元されてベンズキノンになりますが、これはNADHによって還元されてまたハイドロキノンになるというサイクルができて、そのたびにNADHが消費され、その過程で活性酸素ができてしまいます。これは基本的にメラニンができる途中のドーパキノンについても同じと考えられます。

Ark 博士らは毛包細胞を培養し、ある濃度のハイドロキノンを加えることによって、選択的に色素細胞が死滅することを確認しました。色素細胞は死滅しても、角化する細胞をはじめ他の細胞は元気でした。また白髪の色素細胞の観察なども行った結果から、彼らは白髪の原因が酸化ストレスであると主張しています。

酸化ストレスは紫外線、ハイドロキノンなどの薬剤、炎症、心労などによって増強されます。もちろん遺伝的要因も関与していることは明らかですが、白髪にならないためには酸化ストレスを回避することが重要なのでしょう。

参照: Petra Clara Arck et al: Towards a "free radical theory of graying": melanocyte apoptosis in the aging human hair follicle is an indicator of oxidative stress induced tissue damage. FASEB J. 20, E908-E920 (2006)

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