都響の新世界と小泉さん
都響がサントリーホールでドボルジャークの「新世界」を演奏するというので、ともかくかけつけました。しかも指揮は マエストロ小泉(図) ということで期待は大です。演奏は期待に違わぬすばらしいもので、マエストロもいつになくのりのりで、こんな名演にはめったに出会えるものではないでしょう。
ビシッと整理整頓されたアンサンブルなのに、激しく情熱的でもあり、深く感銘をうけました。
小泉さんのインタビューをちょっと引用します。きっと業界でも変わり者だと思われているのではないでしょうか。
>私自身都響の指揮者を務めながら、東京都には申し訳ないが大都会ではなかなかリラックス出来ないのです。田舎に民家を持って、多少の畑で百姓をしているのは有名になってしまったけれど、耕作する事がひとつの文化、文化の根源と思ってやっています。
>どうもスコアの最後のページがうまく指揮出来ていません。この終わりの部分の精神状態というか、脳波の状態というか、何とも難しい。言おうとしても言えない、指揮をしようとしても出来ない、何か他からの力でないと出来ない様な、そんな感じなのです。
>しかし、この山里で、眼前に広がる山々の夕映えをじっと見ていると、何だか出来そうな気持ちになってきました。そう、きっと出来る、何かがやらせてくれる、この土地は何かそういう力を与えてくれる場所のようです。
>たとえば年末にやるあの〝第九〟が一番の問題です。私自身もその良し悪しはよくわかっていますし、詳しくはここでは述べませんが、同じ曲を同じオーケストラが短期間に毎日毎日繰り返す事が、あれ程の価値ある芸術作品、大曲を、日常茶飯事のように演奏させてしまうという事が問題なのです。ベートーベンの第九交響曲をこの様に演奏している国は、世界中どこにもありません。どんな大名曲であっても、その提供の仕方が重要な意味を持ちます。
マジョルカフィルのKさんも言ってましたが、日本にいた頃、年末の第9は本当に演奏するのがいやだったそうです。一昨年まではそういう考え方に多少の反発も感じていたのですが、昨年から考えをあらためて、私は年末の第9は聴きに行かないことにしました。
最後になりましたが、ブラームスのバイオリンコンチェルトも、岡崎慶輔さんのとびきりの美音でなかなか楽しめました。
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