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2006年10月 6日 (金)

食欲を調節する

Photo_37脳の中心に、視床と視床下部からなる間脳という部分があります。その下半分である視床下部は、意識しないで体の調節を行うという役割を持った、非常に重要な器官です。

具体的には自律神経・ホルモン・体温・食事・飲水・性衝動・感情などを制御する機能を担っています(脳の断面図を参照-クリックで拡大できます)。最近その視床下部に、食欲を調節しているタンパク質があることが判明しました。

発見したのは群馬大学医学部の大井晋介博士らで、そのタンパク質をネスファチン-1と名付けまた。ネスファチン-1をラットの脳に投与すると、濃度に応じて食事の量が減り、逆にネスファチン-1の中和抗体を投与すると(つまり ネスファチン-1 を無効にすれば)、食欲が増進します。

持続的にネスファチン-1を10日間投与すると食事の量は2/3に減少し、体重が減少し、皮下脂肪が20%減少する一方、筋肉は減少していませんでした。一方ネスファチン-1を抑制すると体重が増加することがわかりました。すなわちネスファチン-1 は食欲を抑制するホルモンなのです。

このホルモンを人為的に制御することができれば、ダイエットは簡単にできますし、メタボリックシンドロームを防ぐこともできます。また逆に、カレン・カーペンターのような拒食症による死を防ぐこともできるでしょう。

ちょっと残念だったのは、下記の論文に使われているネスファチンー1抗体の特異性について記載がないことですが、そのうち発表していただけるものと期待しています。

参照; Shinsuke Oh-I et al: Identification of nesfatin-1 as a satiety molecule in the hypothalamusNature, advance online publication 2006/10/1

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コメント

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