カテゴリー「書籍(books)」の記事

2022年11月 7日 (月)

最後の NOROJOURNEY

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長年愛用してきた日記帳「NOROJOURNEY」です。コロナまではスケジュール帳として使っていただけなんですが、コロナ禍のなかで自分の行動の記録をつけるべきだと思って、以来本来の日記帳としても使ってきました。

その黒猫NOROが老衰のため20才で他界したということで、この2023年版がおそらく最後のNOROJOURNEYになるのでしょう。黒猫にしてはフォトジェニックで、世界37カ国を旅して各国の風景も楽しませてくれました。検疫などの困難を乗り越えてのことで、著者の平松さんもご苦労なさったと思います。ご冥福をお祈りします。

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2022年10月13日 (木)

デジタル・ファシズム

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デジタル・ファシズム 堤未果著 NHK出版新書 2021年刊

マイナンバーカードと健康保険証・運転免許証・その他資産などの個人情報を統合しようとする試みが急ピッチで進行しています。これはまさしく堤未果が警告していたようなデジタルファシズムの暗雲が日本を覆い尽くそうとしているのでしょう。

この様な試みは中国のような全体主義国家だけでなく、米国でも1970年代から進められています。当時の米国は不況で貧困者が増え援助が必要な状況でしたが、富裕層からは福祉予算に対する反発が激しい状況でした。堤未果によると、それを解決するために編み出されたのが、援助受給者の個人データをデジタル化して整理するという試みでした。これは不正受給を防止するという錦の御旗があったので、徹底的に推進されました。

しかしその結果、社会保障番号-名前-住所-年齢-顔写真-家族-資産-病歴-勤務先-勤務先での評価、そしておそらく現在ではアマゾンでどんな本を買ったか、グーグルでどんな検索をしたか、フェイスブックやインスタでどんな人と付き合いがあるのかなどもデータベース化され、その人に関する家族や友人も知らないような個人情報が政府に集められるわけです。

こんな社会でいいのか という判断はまだかすかに主権者にあると思いますが、それも風前の灯火のような気がします。

《きっこ》さんの発言 ↓

自民党政権は「マイナカードは義務や強制ではない」と断言して導入したが、管理する政府に信用がないため加入が進まず、ポイントで釣っても未だ49%の加入率。すると今度は「2024年までに紙の国民健康保険証を廃止してマイナカードに一元化する」という事実上の義務化。これを世間では「詐欺」と言う。

 

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2022年8月20日 (土)

堤未果 America, Inc.'s plan to dismantle Japan

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堤未果著「株式会社アメリカの日本解体計画」経営科学出版(2021)

堤未果という人はなかなか頭のいい人です。文章を読めばすぐわかります。実際日本エッセイストクラブ賞、中央公論新書大賞、日本ジャーナリスト会議新人賞など受賞しています。また学術畑の人ではなく、国連や米国野村証券に勤務していたという国際政治や資本主義のインナーサイドにいた人なので説得力があります。

内容の多くは反政府系のウェブサイトではよく知られていることですが、たいていの人はそんなサイトは見ていないので、このようなコンパクトにまとめた書籍で出版するというのは大いに有意義なことだと思います。いまや世界はGAFAやゴールドマンサックスなどの思惑通りに動かされている社会とそれに抵抗する勢力とに2分されています。日本も郵政民営化やGPIFの運用を突破口として強欲資本主義の餌となりつつあります。

個別の記述にも興味深いものがありました。米国が無理矢理イラク戦争を強行した裏に何があるのだろうと私は疑問に感じていたのですが、この本を読むと、そのひとつの理由はチグリス・ユーフラテス流域の肥沃な農業地域を米国企業の支配下に置くことだったと書いてあって、実際に流域の農家は自分たちで種をつくることができなくなっているそうです。これで腑に落ちました。そうしてみると米国がウクライナを支配下にいれようとしていたことも理解できます。21世紀は気候変動で農産物の取り合いになることを見越して、米国は食糧支配に着々と手を打っているというわけです。これには水の支配も含まれます。

堤氏はGAFAによる情報支配の危険性も指摘していますが、これについて今日興味深い情報がありました。それは旧統一教会系の建物に張り出してあった自民党国会議員のポスターが、グーグルストリートビューでモザイク処理が施されて見えなくなっているということです。

https://johosokuhou.com/2022/08/19/60860/

不都合ならポスターを剥がせばすむことなのに、それはしないでグーグルと組んで偽りのストリートビューを作成するとは驚きです。こうしてみると不都合な情報はGAFAによってすべて隠蔽され、一般市民は偽りのバーチャルな世界だけしか見られなくなる世界になりつつあるという恐怖を覚えます。

 

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2022年4月 9日 (土)

My favorites 4: ふたごパンダのこころコロコロ

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上野動物園の双子パンダ シャオシャオとレイレイ は3月25日から公開を再開しましたが、観覧は事前申し込みの抽選制だそうです。この本はその双子パンダにちなんで、はせがわゆうじ氏が描いた絵に、みーちゃん(西島三重子)がニフティワーズをつけた本です。

みーちゃんは1月26日にご主人を亡くされたばかりで、この本への思いはひとしおと思われます。ご主人のWOOさんはライブにも必ず顔を出してカメラマンをやっておられまして、常連さんとはいつも親しくトークしておられたとても気さくな方でした。合掌。

私も16年間毎日文字通り何時間も一緒にいたミーナを亡くしてしまい、体調を壊してしまいました。この本のページをめくりながら回復に努めたいと思います。

シャオシャオとレイレイのサイト
https://www.ueno-panda.jp/topics/detail.html?id=487

みーちゃんのフェイスブック
https://www.facebook.com/mieko.nishijima

水色の季節の風
https://www.youtube.com/watch?v=e7elduTJot8

私が残していくもの
https://www.youtube.com/watch?v=n-2KXYRepGA

アマゾン
こちら

 

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2021年12月11日 (土)

「製薬業界の闇」 by ピーター・ロスト

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ファルマシアという会社はあまり一般には知られていないかもしれませんが、スウェーデンの製薬会社でさまざまな医薬品を販売していたほか、研究用の試薬についてもメジャーなメーカーだったので、20世紀の医学・生物学研究者にはなじみ深い会社です。2003年にファイザーに買収されましたが、この本の著者ピーター・ロストはそのときファルマシアで管理職をやっていた人です。

ファイザーはバイアグラなどでお馴染みの米国の会社ですが、世界でもトップクラスの製薬会社です。現在も新型コロナウィルスと戦う最前線の会社です。

そんな会社に買収されて、ファルマシアは「よかったね」というわけではなく、そこには非情な解雇という地獄が待っていたのです。ピーター・ロストはその解雇を担当することになりました。どうすればうまく解雇できるかという綿密な研修を受けて、それを実行することになったのですが、一番の問題は解雇された職員が次の就職先を探すために最も必要なこと、すなわち上司が推薦状を書くことを禁止されたことです。このようなひどい仕打ちに激怒したロストは会社と戦うことにしました。

これはロストと会社の血みどろの戦いの記録です。この本を読めばファイザーがとんでもないブラック企業であることがわかります。

ロストの言葉です「現在の米国は”強欲”の上に成り立っている。・・・強欲とは、ファイザーの最高経営責任者のような連中をいうのだ」

The Whistleblower by Peter Rost
Soft Skull Press, New York (2006)
日本語版監訳 斉藤武郎
東洋経済新聞社刊(2009)

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2021年7月10日 (土)

藤田嗣治画文集「猫の本」

藤田嗣治画文集「猫の本」講談社2003年刊

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日本を代表する画家のひとり藤田嗣治(ふじたつぐはる)は、太平洋戦争の間、戦場の絵ばかり描いていました。戦意高揚のために軍に依頼されたからですが、彼は戦場の悲惨ををありのままに描いたために、戦意高揚にならないと批判され、戦後は軍の協力者として批判されました。彼は失意のうちにフランスに移住し、レオナール・フジタとしてたくさん猫の絵を描きました。特に自画像とか裸婦の絵に猫がいるというパターンが好きだったようです。

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彼が戦時中に描いた大作に「アッツ島玉砕」というのがあります。精魂込めて描いたすさまじい作品ですが、その屍となった兵士の傍らに、とても小さな菫(すみれ)の花が描かれています。無罪で死刑になった人々や戦争で死んだ召集兵達ほど気の毒な人々はいません。フジタの思いやりに感動します。

9月5日まで箱根のポーラ美術館で「フジタ-色彩への旅」という展覧会をやっていますが、コロナがもう少し下火になれば出かけてみようと思っています。

https://www.polamuseum.or.jp/sp/foujita/

ポーラ美術館が新たに収蔵したフジタの猫の絵

https://www.polamuseum.or.jp/sp/foujita/o_202104_12/

 

 

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2021年3月 4日 (木)

加藤陽子著 「戦争まで」

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それでも日本人は、「戦争」を選んだ という本が面白かったので、「戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗」という続編も読んでみました。
http://morph.way-nifty.com/grey/2020/11/post-3525d4.html

この本で一番印象的だったのは、日本に「ハル・ノート」という最後通牒を突きつけて、日本を戦争に追い込んだ元凶とされるコーデル・ハル国務長官が、実は米国政府の中でも代表的なハト派だったということです。

ローズベルト大統領も日本との戦争は避けたいと思っていましたが、モーゲンソー財務長官、スチムソン陸軍長官、アチソン国務次官などは主戦派で、さっさと日本をひねり潰そうとしていたというのが米国政府の勢力分布でした。

中国の日本軍は米国の教会・学校をはじめとする諸施設や軍事施設を再三誤爆してハルの顔をつぶしていたのですが、交渉しようとするハルにとって日本軍の仏印進駐は大打撃でした。さすがに日本に対して経済制裁を行いましたが、進駐が北部にとどまっていた頃には、かなり名目的な制裁であり、日本が実質的に窮地に陥らないように配慮されていたのです。

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当時の仏印の地図 現在のベトナム・ラオス・カンボジアなど

しかし1941年に南部仏印進駐がはじまってからは、これが英国や米国にとって致命的な脅威をもたらすものだったので、一気に事態は悪化していきました。もともと日本海軍は石油の備蓄が米国と開戦した場合には1年しかもたないことを知っていたので、米国とは戦争できないことを政府や国民に徹底すべきだったのですが、そんなことはメンツ上できなかったのが日本を壊滅に追いやることになりました。

それでも日本に対する1941年8月1日からの対日石油全面禁輸は、ハル長官やローズベルト大統領が用務や夏休みでワシントンに不在な時に、前記の主戦派が勝手にやってしまって、ハルやローズベルトが知ったのは1ヶ月後だったという話には驚きました。

ハルはその後もあの手この手で日米交渉によって戦争を回避しようとしましたが(*)、結局日米の主戦派によってぶち壊され、最後はハル・ノートの提示に至ったというわけで、この間の事情を知れば、開戦の本当の経緯を知ることができます。コーデル・ハルは1933年から1944年までの長きにわたって米国国務長官を務め、戦後は国連の創設に尽力して、1945にノーベル平和賞を受賞しています。

私はこの本の著者加藤陽子氏のように、政府がやってきたこと、国民が扇動されてきたことについて正確に検証することは大事なことだと思います。政府の重要な会議の議事録を廃棄したり改ざんしたりすることは許されません。

* 公文書に見る日米交渉
https://www.jacar.go.jp/nichibei/reference/index13.html

 

 

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2021年2月 5日 (金)

「今日の人生」 益田ミリ

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以前にまきちゃんぐの推薦で「腐女子のつづ井さん」という本を読んでみて、あまりに無感動だったので驚いた経験があるのですが、そんな希有な経験があったので、もう一度だけ彼女の推薦にのってみることにしました。

「腐女子のつづ井さん」
http://morph.way-nifty.com/grey/2019/09/post-1e3c2f.html

2度目の挑戦、それが「今日の人生」益田ミリ(2017 ミシマ社刊)。
あらまあ 意外や意外、面白いじゃないですか!

ひとつ紹介しますと、作者が映画館で映画を見た後売店でプログラムを買ったそうです。そのとき販売員の人が「当館ではこれが最後の一冊です」と言って売ってくれたことに感動するというエピソードなんですが、ミリさんはそれが販売員の人の生き方を表していると言うんですね。

それはひとつはミリさんが言っているように「お客さんのことを考えて、こう言えばきっと喜んでもらえる」という、相手のことをいつも考えながら生きている人であることと、もうひとつ人生にはプラスアルファ、美しい生け花とか鳥のさえずりとか寝そべる猫とかが必要で、不要不急ではないひとことだって、それらと同様に大事なんだと言うことなんですね。なんでも要件だけ事務的に済ませて進む人生であってはいけません。

前者はまきちゃんぐのような音楽制作者にも重い問題を投げかけています。自分をそのまま表現することと、それを社会が自分が生活できるくらいは受け入れてくれるかどうか、もっと多くの人にエンターテインメントとして認めてもらえる必要があるのではないか・・・と誰もが迷うところでしょう。ベートーヴェンだって悩んだに違いありません。

わたしがこのことで思い出したのは、スウェーデンのアラン・ペッテションという作曲家です。彼は中年になるまで自分の想念の中を「ぐるぐる周り」する、恐怖と怨念で埋め尽くされた音楽を書いていたのですが、7つめの交響曲で自分の音楽には聴衆がいるということをはじめて意識して曲を書いたのです。それで一部の人々が彼が天才であることに気づくことができました。

そして1973年になってスウェーデン最古のウプサラ大学創立500周年記念式典(1977年)のための音楽を委嘱されました。そうしてできたのが名作の交響曲第12番「広場にて死す」で、これはパブロ・ネルーダの詩に音楽をつけたもので、彼の作品の中で一番自分から離れた作品だったのですが、素晴らしい感動的な作品に仕上がりました。彼の交響曲第7番は、今年都響がアラン・ギルバートの指揮で演奏します。ペッテションが自分という貝殻の中で一生堂々巡りをしていたら、どんなにその音楽が一部の人々にとって感動的なものであっても、それを知ることすらできなかったと思います。

まきちゃんぐの音楽 「赤い糸」
https://www.youtube.com/watch?v=X9F7Qgr9QE4

 

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2021年2月 1日 (月)

日本はいつ建国されたのか?

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菅義偉にパージされなければ加藤陽子氏の名前も知らなかったわけですが、パージのおかげでこの本「戦争まで」(朝日出版社 2016年刊)も読んでみました。おかげでいろんなことを知ることができました。

誰もこの日に日本が建国されたとは信じちゃいない「建国記念の日」がもうすぐやってきます。別に神話に基づく記念日が悪いとは思いませんが、神話ではないちゃんとした歴史書にはじめて日本(倭)という国家が記述されたのは3世紀に書かれた魏志倭人伝でしょう。この歴史書には日本の最初の王として、神武天皇ではなく卑弥呼であることが書かれています。

加藤氏の記述によると、最近の学会では「なぜ卑弥呼を王とした統一国家が生まれたか」ということに関して、魏の脅威という理由が有力になっているそうです。63ページに掲載されている3世紀東アジアの地図を見て驚いたのですが、現在の平壌周辺は魏の版図になっています。北九州の諸国にとって南朝鮮は小国分立(辰韓、弁韓、馬韓など)だったので脅威ではありませんでしたが、巨大な軍事国家である「魏」の朝鮮半島への進出は脅威であり、統一国家を形成せざるを得なくなったのでしょう。ですから卑弥呼を統一国家「倭」の王と定めた日がわかったとすれば、それが正しい建国記念の日です。

当時の北九州の指導者達は、とりあえず諸国の争いをやめて統一国家を造り、王を立てて「魏」に自分たちの統一国家「倭」を臣下の国として認めてもらおう・・・という安全保障上の知恵を働かせたのでしょう。実際魏は金印紫綬を与えて、卑弥呼を親魏倭王に任命しています。

しかしその後中国は混乱し北九州の安全保障も崩壊して(中国に使節を派遣したら、その国はもうなかったというようなこともあったようです)、中国の侵攻にビビリまくっていた豪族達はそれぞれ城を造営せざるを得なくなり、北九州諸国は衰弱してしまいました。その結果近畿地方の王によって倭国は統治されることになりました。実は中国に強力な国家が出現しない限り、日本は(内部抗争は別として)平和です。北九州豪族達の心配は杞憂でした。その後300年くらい倭国は国際的な脅威とは無縁の時代が続きました。

7世紀になって、しばらく弱体化していた中国に強力な「唐」という統一国家が出現し、またもや朝鮮半島に勢力を伸ばしてきました。645年には唐と高句麗との戦争が勃発しました。この頃「倭」国は蘇我・物部の権力闘争でガタガタになっていて、とても唐に対抗できる状況ではなく、それを憂慮した中大兄皇子らは暗殺などによって蘇我家を滅ぼし、天皇主導の中央集権国家を樹立しました。この頃朝鮮半島では高句麗は頑強に唐に抵抗していましたが、百済は660年に滅ぼされてしまいました。これに脅威を感じた中大兄皇子は九州まで出向いて陣頭指揮の下に朝鮮に出兵し、白村江で唐と戦争を行いました。

朝鮮半島まで海軍を送って世界一の大国となった唐と戦うとは、当時の大和朝廷の勢いはすごかったと思いますが、戦争は倭国の完敗に終わりました。668年になって高句麗もついに滅亡し、朝鮮半島は唐の属国である新羅によって統一されました。これをみて、大和朝廷はもう唐と戦っても無駄だと思ったに違いありません。で大和朝廷はどうしたかというと、加藤氏の著書によれば702年に粟田真人を唐に派遣し、「倭」国を廃止し「日本」という新しい国家を樹立して唐に朝貢することで和平を実現したわけです。ですから日本という国家ができたのは702年です。この意味では建国記念の日は、粟田真人が則天武后に会って「日本」という国家名を国際的に宣言した日が正しいのかもしれません。

国 熊木杏里

https://www.youtube.com/watch?v=52PyD80-ESc

 

 

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2020年12月11日 (金)

ガス抜き本

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毎日科学系の本や論文、ウェブサイトの記事などばかり読んでいるとぐったりすることもあります。そういうときに読む本。

小泉政権のときから総理のご機嫌を損ねてマスコミからパージされた政治評論家は何人かいますが、安倍政権になってからはそれがエスカレートして、政権を批判する政治評論家はテレビに出さないというポリシーが確立されました。摘菜収や佐高信もテレビには出演できない評論家です。

摘菜収の「国賊論 安倍晋三と仲間たち」(KKベストセラーズ 2020年刊)は安倍政権の欺瞞と無能をさまざまな観点から徹底的に批判した本です。摘菜収は自分は右翼であると言っています。彼の定義によると左翼は人間の理性を信ずる者たち、右翼は人間の理性を信じない者たちということですが、この定義には非常に考えさせられました。私は理性を信じているので左翼と言うことになりますが、そう単純には割り切れないものがあります。イスラエルは世界で最も非理性的な宗教的団結が強い国だと思いますが、20世紀の科学の驚異的な進歩を牽引したのはユダヤ人です。永遠のテーマだと思います。

私は理論的背景はともかく摘菜の指摘は多くの点で支持できます。安倍政権が行った行為のなかでも、政策を云々する以前に、公文書の改ざんや国会の無意味化は許しがたいと思います。

佐高信は以前にはテレビにもよく出演していたと思いますが、パージを食らった一人です。この「新・佐高信の政経外科 官房長官菅義偉の陰謀」(河出書房新社 2019)はタイトルが適切ではなくて、菅現総理だけをターゲットにした本ではなく、政治評論家をはじめとして政治の周辺にいる人々を評価した、科学の世界でいうピアレビューのようなものです。タイトルが長すぎる上に適切じゃないというのはいただけません。

彼はやや下品な表現が得意なので、かなり刺激的な本です。彼の思想的原点は魯迅にあるそうで、私は魯迅の本は読んだことがないのでよくわかりません。ただ彼はこう述べています「私が権力を追求するのは正義感ではなくて、安倍みたいなとんでもないやつらに楽な思いさせてたまるかって思いですよ」。

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