パリオリンピック:なでしこジャパン1
バルサファンにとってオリンピックでスペインと対戦したなでしこジャパンの試合は、とても複雑な気持ちになるものでした。なでしこは完全にバルサスタイルのサッカーにはめられて、身動きがとれないまま敗れてしまいました。
もともとバルサスタイルとは、体格やフィジカルに劣るスペイン人がその欠点を補うために、ポゼッションによって相手の攻撃時間を減らすために考案された作戦ですが、現在のスペイン女子は体格・フィジカルも一流で、そんな人たちが完成されたバルサスタイルでやっているわけですからたまりません。現在のバルサトップチーム(FCバルセロナ)はボランチもトップも外国で育った選手の場合が多いので、必ずしもバルサスタイルのサッカーをやっているわけではなく、むしろこの女子チームの方に伝統のスタイルを感じます。
なでしこはよくスペインの田舎のチームがやるようにファイブバックで守備を固めてカウンターを狙うという作戦でしたが、これは中盤で自由に回せるのでバルサスタイルにとって思う壺で、手慣れた感じであしらわれてしまいました。
バルサスタイルを破壊するには、相手のサイドバック(SB)より走力が勝るSBを配置して、必ず前に出てくるSBの裏を狙うというのが定石です。そのための選手を選出して長谷川からのパスで走らせるという作戦をとるべきでした。
そもそも高倉監督時代から長谷川は軽視されていて、その天才を利用しようとせず、ベンチを温めるケースすら多かったように思います。池田監督になってから出られるようにはなりましたが、チーム全体として彼女を司令塔としてプレーしようという雰囲気は全く感じられず、それはなでしこの伝統ともいえます。
長谷川唯 (画像はウィキペディアより)
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