メインの前にぶっ飛んだ演奏会の巻 山形交響楽団@サマーミューザ2023
長年コンサートに通っていても、有名曲のなかで抜け落ちている曲目はあります。それが私の場合シューベルトのザ・グレイト。今回はそういうわけで山響を聴きにミューザ川崎まで遠征しました。JR川崎駅のコンコースは暑いです。でも日曜日の午後、37℃程度ではそれを理由にステイホームする人はほとんどいないと思われ大変な混雑です。下に降りてトモズに寄った後、「つばめグリル」でほたてガーリックをいただいてサマーミューザ2023の会場へ突入。
本日のプログラム
川崎市はクラシック音楽を町おこしの基盤のひとつに据えて成功しています。山形県も同様です。山響は50年以上の歴史をもち、地元で大切に育てられているようです。
指揮者の鈴木秀美氏のプレトークがありましたが、どうやら口下手らしく、楽団の理事さんが出てきて司会役でサポート。古楽器で演奏するのでその説明や、リピートを省略しない理由とかを説明しました。後者はこれでこの曲を生で聴くのが最後になる人もいるだろうから、リピートしなくちゃもったいないとか話されてました。ホルンやトランペットには確かにバルブがありません。
前半のベートーヴェンのヴァイオリン・コンチェルトはノーケアだったのですが、これがびっくり仰天。ソリストの石上真由子って何者なのでしょうか。ヴァイオリニストなら誰でも自分の楽器から美しい音を引き出したいと思うでしょう。でも彼女は自分の楽器に詩を語らせようとするのです。聞き慣れたこの曲が全く別の世界の曲に聞こえました。まあ彼女の演奏を聴いた人じゃないとわからないでしょう。
呆然として休憩時間を過ごし、後半が始まる直前音がしたのでそちらの方を向くと、人が倒れていて係員が救助していました。その最中に指揮者が入場し曲がはじまってしまいました。なんとか曲の途中で会場外に助け出したようです。
驚いたのはバストロンボーンです。スライドが長すぎて手で操作できないので、ロッドのようなもので操作しています。第2楽章になるといったん外に連れ出された件の客が席に戻ってきて、血圧を測りながら聴いています。そこまでして聴くべき音楽だったのでしょう。わかります。
このオケは木管が本当に素晴らしい。ノリノリの演奏でオーケストラを猛然と牽引します。ザ・グレイトがチーターやインパラが失踪するサバンナの音楽のようです。演奏が超絶困難と思われる金管もついていきます。弦は極小ビブラートで音を整理していきます。まるでサバンナの灌木やそよぐ草の背景のようです(1Vn:2Vn:Va:Vc:Cb=8:7:5:5:3)。対向配置でCbは向かって左側。古いタイプのティンパニも良い味出してます。
終演後はブラボーと拍手の嵐でした。空席がかなりあったのはもったいない。
ソリストアンコールとオーケストラアンコールがありました ↓
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