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2023年4月15日 (土)

新札のデザイン

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新札のデザインが発表されました。多くの人が指摘しているようにデザイン自体は非常にチープな感じで、没落する日本を象徴しているような感じですが、それはそれとして少し言いたいことがあります。

津田梅子が採用されたことには私なりの感慨があります。彼女はトーマス・ハント・モーガンの研究室でカエルの発生を研究していたことがある人で、動物学に縁のある人がお札になるとは素晴らしいと思いました(1)。とは言ってもだから政府が素晴らしいわけではありません。政府は理研を大幅にリストラするという暴挙をやったばかりです。

それよりも政府が津田梅子を選んだのには深いわけがあると思います。それは彼女が今で言えば小学校に上がったばかりの頃に日本初の女子留学生として米国に渡って、日米友好の礎となった人であることにあります。つまり政府が米国に拝礼するために彼女が採用されたと思うわけです。ちなみにこの最初の女子留学生5人はすべて幕府側(反政府勢力)の子女であり、見方によっては米国に差し出された人身御供とも受け取れます(2)。

新札のチープなフォントは米国が主導するユニバーサルデザインを採用したものだそうで、この点でも「漢字は捨てました」と脱中国を表明し、米国に媚びを売っているように受け取れます。結局このフォントのために全体の印象が非常に悪くなっていることは否めません。

旧札で米国に拝礼する役は野口英世が果たしていました。彼は多くの業績が実は間違いだったとして否定されている科学者で、日本に居た頃には窃盗や結婚詐欺を働いて本来なら塀の中にいる人物でもありました。しかしロックフェラー研究所に縁が深いということでお札に採用されたと思われます(3)。本来なら国家の顔になるような人物ではありません。新札で北里柴三郎が採用されたことは歓迎したいと思います。

ただ北里柴三郎はノーベル賞受賞者ではありません。それを考えると、日本人で初めてノーベル賞を授与された湯川秀樹が一度もお札になっていないというのは不思議です。これは戦時中に彼が原爆開発プロジェクトにほんの少しかかわったことで、米国の不興を買うことを政府がおそれているためだと思います(4)。彼が原子力発電所の稼働に慎重で政府と衝突したことが原因だという見方もあります。

参照

1)やぶにらみ生物論38: ハエ部屋
http://morph.way-nifty.com/grey/2016/10/post-152f.html

2)ウィキペディア: 津田梅子
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B4%A5%E7%94%B0%E6%A2%85%E5%AD%90

3)ウィキペディア: 野口英世
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E5%8F%A3%E8%8B%B1%E4%B8%96

4)ウィキペディア: 湯川秀樹
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B9%AF%E5%B7%9D%E7%A7%80%E6%A8%B9







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