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2023年1月29日 (日)

地球は寒冷化に向かうのか?

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2015年に管理人は、ヴァレンティナ・ザルコヴァ教授の研究室が報告した論文が「地球は寒冷化の方向にある」ということを示唆しているという記事を書きました。
http://morph.way-nifty.com/grey/2015/07/post-24ab.html

昨今の寒さから考えると、彼女らの意見が正しいのではないかと思えてきます。
当時の記事を一部再掲します。

「Maunder minimum (マウンダ-極小期) という言葉を最近知りました。これは1645年から1715年にかけて起こった、太陽の黒点がほとんどみられなかった期間だそうです。この時期にはテムズ川の凍結が起こるなど、地球はミニ氷河期だったそうですが、最近ニューカッスルの Northumbria 大学教授 Valentina Zharkova が英国天文学会で報告したところによると、あと15年前後で地球は再びそのミニ氷河期に突入するとのことです。

報告の内容は私には理解できませんが、権威のある専門誌に論文も発表されているので、信頼できる報告だと思います。私たちも準備する必要があります。私が政府高官なら、嘉手納基地を返還してもらって、首都を沖縄に移転する準備をしますが、どうでしょう。これはまじめな話です。東京は雪が降るとジ・エンドです。いやいやその前に多摩川が凍結したら、どこから水道水を供給するのでしょうか?

ザルコヴァ教授は “The Sun buys us time to stop these carbon emissions” (太陽は二酸化炭素放出を削減するための時間を私たちに買ってくれたのです)と発言しています。そうですね、寒いからと言ってバンバン石油や石炭を燃やしていると、氷河期が終わったときに想像を絶する危機がせまってきます。この太陽がくれた絶好のチャンスに、私たちは地球温暖化を防ぐための施策を完了しなくてはなりません。」

サイモン・シェファードらの論文(フリーで読めます)
PREDICTION OF SOLAR ACTIVITY FROM SOLAR BACKGROUND MAGNETIC FIELD VARIATIONS IN CYCLES 21-23
Simon J. Shepherd, Sergei I. Zharkov, and Valentina V. Zharkova
Published 2014 October 13
The Astrophysical Journal, Volume 795, Number 1
DOI 10.1088/0004-637X/795/1/46
https://iopscience.iop.org/article/10.1088/0004-637X/795/1/46

鎌田浩毅(京都大学) トンガの海底火山噴火から想定される気候寒冷化
現在、世界中で問題となっている地球温暖化は、1回の大噴火による急激な寒冷化で状況が一気に変わるかもしれない。
https://ieei.or.jp/2022/03/expl220301/

丸山茂徳(東京工業大学) CO2温暖化説はねつ造
IPCCは、自分たちが導き出した、過去の気温は一定であるという話に一致するように、各種の変数を調整した。例えば、過去1300年間のCO2、CH3、N2、H2Oなどの温暖化ガス、あるいは雲量など寒冷化の要素を気温が一定になるように操作した。その上で、過去約130年間の要素のうち変化しているのはCO2濃度だけだから、気温が0.8℃上昇したのはCO2濃度が原因であると説明した。見かけは、たくさんの要素を入れた複雑な気候モデルに見えるが、中身はでたらめだ。これがGCM(全球気候モデル)の実体だ。 
https://www.fn-group.jp/2855/




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2023年1月28日 (土)

高関-東京シティフィル「英雄の生涯」@オペラシティ2023/01/28

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今朝テレビをつけると上野耕平がサックスで「石焼きいも」を演奏していました。それがあまりに素晴らしくて唖然としました。今日も寒くて一晩中チロチロ水を出しておいたのに、氷の音がします。ちゃんと水が出るのを確認してから、完全装備(ヒートテック+キルティングコート+ドンキのマスク)で初台へ出発。

このブログで確認すると、私がオペラシティに前に来たのは2019年の5月「第18回東京国際音楽コンクール<指揮者>入賞デビューコンサート」で、ほぼ4年ぶりです。久しぶりのサンクンガーデンは拍子抜けするほど地味で、シンキングマンがさみしそうに口だけ動かしていました。

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演奏会はなかなか盛況で、日本最高のカペルマイスターの呼び声も高いマエストロ高関とご懐妊の小林さんの組み合わせで盛り上がっていました。演奏も文句のつけようがない堂々としたものでした。「英雄の生涯」も迫力も叙情性も文句なしで、圧倒的な演奏でした。シティフィルをここまでのオケに育てたマエストロの力には頭が下がります。

帰ってくると、千葉NT駅前にはちーば君と印西君のイルミネーションが迎えてくれます(ふなっしー以外、東京の人は千葉ローカルのマスコットはほぼ知らないと思いますが)。印西君は目が寄っているのがかわいい。

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2023年1月26日 (木)

続・生物学茶話200:意識の起源

生物学茶話1~100は管理人と仕事上ある程度かかわりがある話題でしたが、101以降の続・生物学茶話については私はアウトサイダーであり、意識の問題などについて書いているこの記事も含めて単なるスタディノートにすぎません。とりわけ難解な「意識」についての考察などというラビリンスにどうして迷い込んだかと言えば、円口類について調べているうちにファインバーグとマラットの論文に行き当たり、彼らが単に円口類の生物学者ではなく壮大な脳科学の難問にチャレンジしていることがわかったからです。これも何かの縁ということで彼らの著書(1)を購入して読んでみることにしました。翻訳したのはやはり円口類の研究者である鈴木大地氏です。よくまあこんな本を翻訳しようと思いついたと思います。さぞかし大変なご苦労だったと思います。

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意識とは何かを考える上での1丁目1番地は「意識についての神経存在論的な主観的特性」の定義だそうですが(1)、この言葉自体の難解さで最初のドアから開けられなくなります。とりあえず「意識を科学的にみるとどんな特徴があるか」とでも考えた方がよさそうです。脳科学者は哲学的問題まで取り扱うので、やたらと言葉が難解になりがちというのが大きな障害です。

ファインバーグとマラットによれば、意識とは1.参照性、2.心的統一性、3.クオリア、4.心的因果だそうで(1)、言葉を羅列しただけではなんのことかさっぱりわかりません。最初の参照性からして難解ですが、どうも生物が感覚器から得た情報は、それが脳によって記憶されるということ自体は全く知覚されることはなく、外界または体全体に投影されたものとして感じられるということらしいです。例えば押上のスカイツリーを見るという経験をすると、別の日に空を見上げるとそこにスカイツリーを投影するという形で情報を引き出すことができます。脳のどの部位にこの映像が収蔵してあるかを知覚することはできません。指を骨折して痛かったという記憶は、指を意識することによってその記憶を引き出すことができるわけですが、脳を探ることによって引き出すことはできません。それは参照性という言葉が適切かどうかは別として、確かに脳神経系の特徴のひとつであるということは納得できます。脳科学には参照点依存性(2)という言葉があるので混同しそうですが、これは別の意味のようです。

心的統一性というのは割とわかりやすい概念です。人間は2つの眼で別々の画像を見ているのに、その映像は一つとして認識されます。それぞれ別の神経系で処理された情報が脳で統合されて、その統合された後の結果だけが認識されるというわけです。処理されるプロセスを私たちは認識することができません。文献(1)の表現では、脳は客観的には砂粒の集まりのように見えるのに、主観的には砂浜全体として意識が経験されるということです。私の理解ではプロセスは認識されず、結果だけが認識されて「意識」を構成するということなのでしょう。

3つめのクオリアというのは難解です。感覚質と訳されているようですがあまり使われてはいません。脳科学辞典のクオリアという項目にある「点と十字を組み合わせた動く画像」がヒントになりそうです(3)。この動画の中央の緑の点滅をずっと見つめていると、まわりの黄色い3つの点が消えたり現れたりします。個人的には左上の点がよく消えます。これは脳の作用によって、実際に見えているはずのものとは違うものが認識され意識を構成することがあるということを意味します。人間はある画像を見ても記憶できるのは中央部だけであり、周辺部は全体的な雰囲気としてその「感じ」は認識しているものの、詳細を記憶として引き出すことはできないのです。その「感じ」がクオリアだというわけです。という風に聞かされてもやはりよくわかりません。結局自然科学寄りの人はとりあえずスキップしても良いのではないかと思いました。

最後の心的因果というのは脳科学辞典やウィキペディアにも項目がなく、「心の哲学まとめWiki」などというサイトに説明がありますが(4)、これは哲学の問題であり、実験科学の立場に立つ者としてはとりあえず避けて通るべきではないかと思われます。ただ神経伝達という単純なプロセスと意識の形成という高次な過程の間には大きなギャップ(ハードプロブレム)があるというのは事実で、それは新しい手法で解明しなければならないということは明らかです。

ファインバーグとマラットはハードプロブレムを解決するために、神経進化的アプローチを試みようとしています(1)。それは単純な生物であるほどハードプロブレムにおけるギャップは小さいと考えられるからでしょう。神経細胞がない生物に意識があるはずはなく、ハードプロブレムも存在しません。しかし脳がある<下等?>な生物には意識があるかもしれません。

彼らの考え方の基本は、進化の初期段階で獲得された意識は後々の高次に進化した意識でも反映されるということです。それは進化は古いものをとっぱらって新しいものを作るという形ではなく、古いものを抱え込んだまま徐々に変化するという形でしか実現できないからです。彼らは「反射」を「意識」の対置概念ではなく、先駆けとしてとらえています。

脳科学辞典によると、反射とは「特定の感覚入力が、定型的な身体反応を誘発する現象」と定義しています(5)。「反射」のアントニムが「意識」ではありません。私たちは右足と左足を同時に出すと歩けません。「無意識」のうちに左右交互に足を出すことによって歩けるわけです。始原的左右相称動物も筋肉を使った移動、すなわち定型的な身体反応は「無意識」のうちに行っていたのでしょう。ではエサの位置をなんらかの感覚で知覚し、そこに向かって歩くという行為はどうでしょう? ファインバーグとマラットはそれは「意識」とは言えないとしています。そればかりかフェロモンに導かれて行う生殖行為も「意識」には至らない行為としています(1の71ページ)。彼らはアン・バトラー説にしたがって視覚を重視していて、イメージを形成できるレンズを持った眼によって得られた情報を解析するためにニューロンの複雑な階層構造が形成され、そのニューロンの連鎖が「意識」を形成したと考えているようです(7)。ただヌタウナギはレンズ眼を持っていないので、彼らには意識がないかというと、そうは言えないと思います。嗅覚が特別に発達した動物はそれなりの意識を持っているに違いありません。

今のところイメージを形成できると推定される眼をもつ最古の生物は5億2000万年前のハイコウイクチス(=ミロクンミンギア 7)です。この少し後の時代のメタスプリッギナも同様な眼を持っています。これらの生物はおそらく脊椎動物だと推定されています(7)。そしてファインバーグとマラットは、これらの生物が「意識」を持っていたと考えています。彼らはさらに、このような眼が形成されたのは5億6000万年前から5億2000万年前の間、つまりエディアカラ紀終盤からカンブリア紀序盤にかけてと考えています(1)。


参照

1)トッド.E.ファインバーグ、ジョン.M.マラット著「意識の進化的起源」 日本語訳:鈴木大地 勁草書房(2017)

2)道産子北国の経済教室 【参照点依存性とは?】他人と比較してしまう理由
https://kitaguni-economics.com/referencepoint/

3)脳科学辞典 クオリア
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%82%AF%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A2

4)心の哲学まとめwiki
https://w.atwiki.jp/p_mind/

5)脳科学辞典 脊髄反射
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E8%84%8A%E9%AB%84%E5%8F%8D%E5%B0%84

6)Ann B. Butler, Hallmarks of consciousness., Adv Exp Med Biol., vol.739: pp.291-309. (2012) doi: 10.1007/978-1-4614-1704-0_19.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22399410/

7)ウィキペディア:ミロクンミンギア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%AD%E3%82%AF%E3%83%B3%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%82%A2

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2023年1月23日 (月)

まきちゃんぐ 15周年おめでとう

Ccc

前に王子に来たのはもう20年くらい前のような気がします。王子ミュージックラウンジは飛鳥山公園に沿って坂を上がっていったところにあります。この坂の名前は飛鳥坂で、ちなんだ歌もあります(歌:水森かおり、作詞:みろく師匠 作曲:西島三重子)。
https://www.youtube.com/watch?v=3tjiAiRPSmU

着くともう20人くらい並んでいました。入場してカウンターにならび、関東ではとてもめずらしい岡山名物「ままかり」酢漬けのおにぎりを注文。こんなに美味な魚をどうして関東では捨ててしまうのか不思議です。ちゃんぐさんが岡山出身ということで、お店が気を利かせたようです。

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まきちゃんぐは絶好調で名曲を次々と熱唱

ハニー
雨と傘と繋いだ手
ちぐさ
鋼の心
愛の雫
海月
赤い糸
不器用
ジンジャエールで乾杯
花の種まき
愛が消えないように

などなど

彼女はアンコールはやらない主義なのですが、なんと「愛と星」をスキップしていたことが判明し、あらためて歌いました。

愛と星
https://www.youtube.com/watch?v=XI468c7Hlxk

1番をアカペラで歌ったのですが、なぜかオフマイクだったので生声が聴けました。これが天国的に美しくて、やっぱりマイクは声をスポイルするんだとあらためて思いました。

終了後撮影タイムがあって、この写真お客さんのスマホが体にかかっているのがちょっと残念ですが、私のベストショットはこれかな。

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アルバムの制作も進めているようで、本年もご活躍をお祈りします。

official HP: https://twitter.com/makichang_info

 

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2023年1月22日 (日)

お詫び

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このブログのサイドバーのトップが上のようになっていない方がおられるかもしれません。アクセスカウンターが消えている場合があります。これは多分ウィンドウズ10で Firefox を使っているときだけだと思いますが、その他の場合にも発生しているのかもしれません。まあこんなところを見ている人はほとんどおられないと思いますが、その不具合はこちらの問題です。

@ニフティと何度かやりとりしたのですが、結局現時点ではこれを修正するスキルがないという情けないアンサーなので致し方ありません。Firefox でもウィンドウズ11では正しく表示されています。またエッジでは10でも11でも正しく表示されています。これだけの問題ならまあ仕方ないのですが、崩壊の序曲でないことを祈りたいです。ご心配をおかけして申し訳ありません。

後記:1月29日にFirefoxのウィンドウが現れ、最新版のFirefoxにリフレッシュすることによって問題が解決しました。

 

 

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2023年1月19日 (木)

続・生物学茶話199:神経堤と頭部プラコード

節足動物の中には早くもカンブリア紀に肉食を行っていた生物がいましたが、多くの脊索動物はまだ濾過摂食(1)といって、体長が1mm 以下のプランクトンなど海水に浮遊する生物あるいは有機物を何らかの方法でトラップして食べていたようです。ただコノドント動物は歯を持っていて、肉食していた可能性があります(2)。現在の円口類の歯は私たちのとは違ってケラチンを主成分とするので、当時の大部分の円口類の祖先たちもおそらく歯はケラチンだったのでしょう。コノドントの歯は石灰質ですが、ケラチンはタンパク質なのでそれ自体は化石として残りません。オルドビス紀の魚類はまだ濾過摂食で、顎のある肉食の魚類が生まれたのはシルル紀と考えられています(3)。肉食を行うためにはエサを見つけて・捕獲し・殺さなければなりません。このためにはさまざまな進化が必要です。

脊椎動物におけるこのような進化は、主に発生過程で神経板と表皮の中間領域に存在する神経堤と頭部プラコードに由来する細胞によって実現しました(4、5、図199-1)。脊椎動物に進化する少し前の動物の姿に似ていると考えられている頭索動物のナメクジウオには、神経堤やプラコードに相当する組織が見当たりません。ただ Six1/2とEyaを産生する細胞は神経板以外の外胚葉に点在し、神経細胞に分化するようです。また神経板と外胚葉の境界には脊椎動物と同様、中枢神経系の形成に関与するPax3/7、Zic、神経堤の外胚葉→中胚葉転換に関与する Msx1/2 などの発現があり境界領域の萌芽はみられます(6)。

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図199-1 外胚葉由来の4つの部域 表皮・神経板・神経堤・プラコード

プラコードや神経堤からは脊椎動物にあるべき視覚・聴覚・内分泌・感覚神経・自律神経・骨・歯などに関連した組織が発生するので(7、図199-2)、発生過程でこの2つの部域を獲得したことは脊椎動物らしさを獲得するために重要です。脊椎動物と思われるコノドント、ハイコウイクチス、ミロクンミンギアなどはカンブリア紀に生きていましたし、ホヤらしき生物もいたようです(8)。つまり神経堤・プラコードは脊椎動物がまだ濾過摂食を行っていたカンブリア紀に、すでに存在していたということです。

図199-2に血管条という言葉がありますが、これは私も初めて聞く言葉だったので調べてみました。日比野浩氏のサイトが参考になりました(9)。音を感知する細胞は内リンパ液と接しており、その内リンパ液は高濃度のカリウムを含んでいて、細胞内のカリウムとの濃度差を利用して振動が電気パルスに変化することによって音は感知されます。血管条というのは耳の内耳蝸牛にある組織で、リンパ液のカリウム濃度を高く保つために必要であるとされています。通常の神経細胞はナトリウムの濃度差を利用して興奮するので、耳の神経細胞に相当する有毛細胞は特殊な機能を持つ細胞と言えます。このような新組織をつくるためにもプラコードという新機軸が進化の過程で必要であったと思われます。

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図199-2 プラコード、神経堤から分化する細胞

神経堤・プラコードという第4の胚葉を獲得するという進化を実現したヤツメウナギは、エディアカラ紀の生物の特徴を色濃く残していると思われるナメクジウオに比べて、脳や周辺の感覚器官が格段に複雑になっています。濾過摂食からいわゆる肉食の生物に進化するためには、視覚・嗅覚とそれらの情報を処理するための脳の構造が格段に複雑化することが必須だったと思われます(10、11、図199-3)。ヤツメウナギは私たちと同様な脳のコンパートメントを持っていますが、ナメクジウオの脳には形態学的な分化はみられません。

こうしてみるとナメクジウオが現代に生きていることは奇跡のように思われます。彼らと近縁な、しかしよりすぐれた感覚器官・運動器官・脳を持つほとんどの生物が種としての生命を終えた中で、海底の砂に潜るという一芸で絶滅をまぬがれ、また脊椎動物と非常に近い生物であるにもかかわらず、私たちがまだ知らないその能力によって5回の大絶滅時代をしぶとく生き延びたナメクジウオは、まさに「生きた化石」と言えます。

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図199-3 ナメクジウオとヤツメウナギの頭部 Vedantu free education for kids (modified by the auther) および Wikipedia: Lamprey の図を利用しました 引用文献10、11。

神経堤やプラコードができてくる過程で、そこにどんな因子(モルフォゲン)が発現してくるかというのは昔から発生生物学の基本的テーマです。とはいっても、なにしろ細胞数個分の領域に一時的に発生する多くの物質の濃度勾配や相互作用が複雑に関係して細胞の運命が決まるわけですから、最終的にはAIに答えを求めるしかないと思いますが、大雑把に理解することもまた重要であり、サワニとグローヴスが提供してくれている最新情報を図199-4に示しておきます(12)。

おおまかにはBMPやWntが濃い状態では表皮に分化し、それらのアンタゴニストが濃い状態では神経に分化するわけですが、神経堤やプラコードはその中間の微妙な状況のなかで出現する部域です。中間的であるということは分化の方向性決定を保留できるということでもあります。具体的には多能性幹細胞として残って表皮や神経に早期に分化するのを回避し、後の適切な時期や移動した場所で分化するということです。オリジナルの図(閲覧フリー)に付属している説明文をそのまま掲載しておきました。

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図199-4 脊椎動物発生過程におけるモルフォゲンの分布 Early ectodermal patterning at the anterior epiblast. Although the ectodermal patterning varies significantly across chordates, and even within amniotes, we illustrate, here, the key stages of ectodermal patterning most faithful to amniote development. The medial epiblast begins to exhibit molecular differences compared to the surrounding tissue, with the medial region expressing pre-neural/neural (salmon) markers and lateral (blue) region with predominantly non-neural/epidermal gene expression. At the initial stages of gastrulation, the transitional zone between the neural and non-neural ectoderm, called the neural plate border (yellow), becomes more defined. By the early stages of neurulation, two distinct spatially segregated populations of cells can be detected at the border region – pre-placodal ectoderm laterally (purple) and neural crest cell progenitors medially (green). Although much remains uncertain about the roles and timing of WNT, BMP, and FGF signaling pathways and associated gene-regulatory networks during the early ectodermal patterning, a general consensus of the signaling levels and classic spatially distinct markers are indicated below the epiblast cartoons. Additionally, the asymmetric WNT signaling along the anterior-posterior axis and, subsequently, key molecular expression differences are also presented on the right-most panel.

頭索動物は組織としての神経堤やプラコードがみられませんが、それに相当する Six/Eya を発現する細胞は予定表皮のなかに存在し、実際化学物質や機械刺激などに反応する感覚器や関連する神経細胞、あるいはハチェックスピットと呼ばれる分泌器官などに分化します(7、12、図199-5)。これらは表皮に分化するのをある確率で免れた細胞なのかもしれません。肉食に必要な諸器官をつくるためにはナメクジウオのような機構ではまかないきれなくて、多数の未分化細胞が予定表皮と予定神経の中間に大きな集団となって確定して出現するように進化した生物、すなわち脊椎動物の祖先にあたる生物がカンブリア紀に適応放散したのでしょう。

尾索動物は一見両者の中間のようにも見えますが(図199-5)、彼らの祖先はいったん脊椎動物と同様な進化を遂げながら方向転換して全く別の生き方を選んだので、これはそのような方向転換の結果と考えるべきでしょう。

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図199-5 脊索動物における神経・表皮境界領域の進化 Evolution of the neural plate border in chordates. The diagrams compare the neural plate border (neural – salmon; non-neural – blue) derivatives between different taxa within the phylum Chordata. The vertebrate neural plate border gives rise to two distinct cell populations – the placodes (purple) that thicken and invaginate in the anterior embryo and the neural crest cells (green) that migrate along the entire length of the embryo except for the anterior neural fold (black arrows show migratory properties). However, this feature is an evolutionary novelty in vertebrates. The embryos from the sister clade, urochordates, have a molecularly distinct border region with several gene markers common with the vertebrates (magenta and light green); however, the crest-like migratory cell populations (light green) are relatively limited, such as the bipolar tail neurons. Cephalochordates, the phylogenetic neighbors considered less evolved to tunicate-vertebrate group, have some migratory epidermal sensory cells (pink) with similar molecular signatures to the vertebrate placodes; however, these are largely scattered individual cells that delaminate from the ectoderm much lateral to the neural/non-neural boundary.

参照

1)ウィキペディア:濾過摂食
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BF%BE%E9%81%8E%E6%91%82%E9%A3%9F

2)ウィキペディア:コノドント
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%8E%E3%83%89%E3%83%B3%E3%83%88

3)ウィキペディア:棘魚類
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%98%E9%AD%9A%E9%A1%9E

4)R. Glenn Northcutt and Carl Gans, The Genesis of Neural Crest and Epidermal Placodes: A Reinterpretation of Vertebrate Origins., The Quarterly Review of Biology, vol.58, no.1, pp.1-28 (1983)
https://www.journals.uchicago.edu/doi/10.1086/413055

5)G.Schlosser Evolution of neural crest and cranial placode in "Invertebrate origins of vertebrate nervous system" Elsevier (2017)
https://books.google.co.jp/books?hl=ja&lr=lang_ja%7Clang_en&id=XTUYCwAAQBAJ&oi=fnd&pg=PA25&dq=protoplacodal+ectoderm&ots=Io8phXiMHX&sig=yUOWMHO4GlFA6TlysMPUzFJrfbk&redir_esc=y#v=onepage&q=protoplacodal%20ectoderm&f=true

6)G.Schlosser, From so simple a beginning – what amphioxus can teach us about placode evolution., Int. J. Dev. Biol. vol.61: pp.633-648 (2017) doi: 10.1387/ijdb.170127gs
https://www.academia.edu/70157393/From_so_simple_a_beginning_what_amphioxus_can_teach_us_about_placode_evolution

7)G. Schlosser Evolution of neural crest and cranial placode., Elsevier (2017)
https://books.google.co.jp/books?hl=ja&lr=lang_ja%7Clang_en&id=XTUYCwAAQBAJ&oi=fnd&pg=PA25&dq=protoplacodal+ectoderm&ots=Io8phXiMHX&sig=yUOWMHO4GlFA6TlysMPUzFJrfbk&redir_esc=y#v=onepage&q=protoplacodal%20ectoderm&f=true

8)Jun-Yuan Chen, Di-Ying Huang, Qing-Qing Peng, Hui-Mei Chi, Xiu-Qiang Wang, and Man Feng, The first tunicate from the Early Cambrian of South China., Proc Natl Acad Sci U S A., vol.100(14): pp.8314–8318. (2003) doi: 10.1073/pnas.1431177100
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC166226/

9)日比野浩、内耳聴覚研究班
https://www.med.niigata-u.ac.jp/ph2/past/ri_bi_ye_yan_jiu_ban.html

10)Vedantu free education for kids  (modified by the auther)
https://www.vedantu.com/question-answer/wheel-organ-is-found-in-a-herdmania-b-amphioxus-class-11-biology-cbse-5f2235d705c8ea56440f6f8d

11)Wikipedia: Lamprey
https://en.wikipedia.org/wiki/Lamprey

12)Ankita Thawani and Andrew K. Groves, Building the Border: Development of the Chordate Neural Plate Border Region and Its Derivatives., Front. Physiol., Sec. Developmental Physiology vol.11: no.608880. (2020)
https://doi.org/10.3389/fphys.2020.608880
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7750469/

 

 

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2023年1月16日 (月)

冬だけの家族2023

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カーテン越しで不鮮明ですが、今年もジョージⅢ世(ひよどり)が12月からうちの家族となっています。ちょうどパンくずを食べているところ。危険を感じさせてはいけないので、カーテンは引いたままで撮影しました。Ⅲ世というのは寿命から推測しただけで、個体識別はしておりません。ひょっとすると文化の伝承なのかもしれません。最近の生物学ではあり得ない話じゃないそうなので。お正月くらいまでは2羽で来ていたので、どこかで抱卵しているのかも。

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おまけ写真。これはたまたま撮影できたのですが、団地から見えた月とヴィーナスベルトです。

 

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2023年1月13日 (金)

私のインスタントランチ:ドライカレー

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ドライカレーにミニトマトとイタリアンパセリ。ドライカレーは冷凍物をフライパンで加熱するだけなので5分でできます。

昨今地上波テレビのつまらなさにはあきれ果てますが、たまにすごい番組にあたることがあります。クレイジージャーニーというTBSの番組はときどきすごい。最近は南アフリカでのサバンナ徒歩ツァーをやっていました。現地ツァーコンである日本人女性太田ゆかさんの案内で、猛獣が徘徊するサバンナを乗り物なしで歩いて、野営するというものです。

水辺に近づくとカバが猛スピードで追いかけてくるとか、野営していると深夜に象の一家がやってくるとか、すごい話です。ライオンはちょっかいださない限り割と安全だというのにはびっくりしました。ハイエナや豹が来たらどうするんだろうと思います。でも一番怖いのは人間の密猟者だそうで、一つ間違うとライフルやマシンガンで撃たれるそうです。密猟を防ぐためにサイの角を切断しているという話にも愕然です。そういえば南米で猿に育てられた女性の本を読んだときに、猿たちが一番恐れていたのはジャガーではなく人間だと書いてあったことを思い出しました。

2番目に怖いのは年老いて群れから追い出された水牛だというのもなんとも言えないもの悲しさがあります。彼らは眼も耳も衰えてしまって、判断できない恐怖のために、近づく生物に襲いかかってくるそうです。

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2023年1月11日 (水)

この死者の増加をどう説明するのか?

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?の部分が増加した死者です。マスコミはまだあまり取り上げていないようですが、超過死亡が発生しているようです。どう説明すれば良いのでしょうか? 単調増加しているので、医療逼迫で救急車が間に合わないからというわけではないようです。

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2023年1月 8日 (日)

サラの考察25:少子化問題

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私「日本は少子化で滅亡しそうなんだよ。何かいいアイデアはないかな」

サラ「母猫は1ヶ月しか子猫の面倒は見ないのよ。寿命の差を考えて人になおせばせいぜい数ヶ月程度。20年も面倒見なきゃいけないなんて人は異常としか思えない」

私「それは種によって成長が違うんでまあ仕方ないんだよ。戦前は子供が数人いるのは普通で、私の大伯父などは16人もいたんだけどね(母親は2人)。別に大学なんか行ってなくても普通に成長してそれぞれ生きていけた時代だったようだ」

サラ「ふむふむ」

私「子供が16人いても誰も保育園なんて通ってないし、乳離れしたら放置が基本で、どうしても必要な世話は年長の兄姉がやるということで、先に生まれた者は大変だったと聞いている」

サラ「要するに放置を基本とすれば少子化は解消するってこと?」

私「放置というとすぐに炎天下の車の中に子供を放置というのを思い出すけれど、これは放置じゃなくて監禁だろう。どこにでもいけるようにしておいたら死なないんだよ。」

サラ「猫はマイクロチップを埋め込まれるけど、あれを人の子供にも埋め込めば場所はわかるわね。自由猫が熱射病で死んだっていうのもないわね。猫の頭脳でも暑けりゃ涼しい場所に移動するからね」

私「そうそう。だから科学が発達した現代では、戦前よりも少ない労力で子育てはできるはず。近藤とも氏によると肉食の習慣はここ50年ほどのことで、戦前は牛や豚を食べるなんてほとんどやっていなかったので(1)、本当は食費だってもっと節約できるはずだよ」

サラ「いろんな子育ての仕方を認めるということね」

私「ごはんだけ食べさせてあげれば、あとは放置してもバッシングを受けないという社会的コンセンサスが必要だと思うね。子育てに税金をどんどんつぎ込むと、税金がどんどんふくらんでマッチポンプになってしまう。戦前は子供が多すぎて困っていたんだから、そこにヒントがあるのは当然だと思うよ。戦後でも私が子供の頃は保育園はなく4歳くらいから幼稚園に通っていた子が多かったけど、スクールバスなんてなくて私も含めて一人で1キロくらい歩いて通うのは当たり前。車は結構走ってたけど、はねられたという話は聞いたことがないね。そういう育てられ方をしてたんだね」

サラ「少子化解消のためには、たくさん産んで放置で育てるってことが出発点ってことね」

私「そうそう。それを社会が認めることが大事」

1)近藤とも 私たちはいつから肉を食べるようになったのか?日本人と肉の歴史を徹底解説!
https://intojapanwaraku.com/culture/48024/

 

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2023年1月 5日 (木)

続・生物学茶話198:エディアカラ紀のトピック

1945年9月2日 戦艦ミズーリにおいて、日本政府は無条件降伏とポツダム宣言受諾の署名を行い第2次世界大戦は終了しました。レジナルド・スプリグは1942年に修士号を取得していましたが、大戦中は従軍し原爆に必要なウラニウム資源の調査に従事していました。終戦後化石の調査を始め、1946年にはアデレード郊外で採掘された鉱物の残渣を調査していました。そこでカンブリア紀以前と思われる地層からクラゲ様の化石を発見し、Nature 誌に投稿しましたが掲載を拒否されました。その後英国の学会でも発表しましたが話題にもなりませんでした(1)。

それでもスプリグは地元の雑誌に論文を発表しましたが、なんとそのタイトルは early cambria にクエスチョンマークをつけたものでした(2)。しかしその後他の研究者も興味を持って研究を始めた結果、しだいに彼の成果も認められるようになりました。スプリグは古生物の研究に興味を失ったわけではありませんでしたが、むしろ天然ガス・ウラニウム・ニッケルなどに関連した資源調査の会社を作って社長としての仕事に取り組むことになりました(1)。彼の業績が本当に認められるようになったのは、おそらくグレスナーが1959年にNature誌に論文を書いてからだと思います(3)。エディアカラ紀という名称を国際地質科学連合(IUGS)が正式に承認したのは2004年のことでした。スプリグはエディアカラ紀という名称が認められる10年前の1994年に亡くなりましたが、彼の声と映像は YouTube で知ることができます。クラゲの化石を手にして説明しています(4)。彼の写真とその名前に因んだ生物を図198-1に示しました。

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図198-1 スプリグと彼に因んで命名された古生物

地質時代の名称として、カンブリア紀以降は顕生代(Phanerozoic eon)、エディアカラ紀以前は原生代(Proterozoic eon)ということになっています。このような分け方は生物学の観点からは好ましいものではありません。なぜならエディアカラ紀は現代の生物が誕生する上で非常に根源的で重要な時期だったからです。エディアカラ紀とカンブリア紀が分断されるのは、エディアカラ紀においては化石になりやすい骨格や殻などが未発達であったからに過ぎません。従って生物学の観点からはエディアカラ紀以降とクライオジェニアン紀以前に分けて命名するのが適切だと思います。クライオジェニアン紀はその名前からも想像できるように、赤道付近まで凍り付くいわゆるスノーボールアースとなった極寒の時代でした。まあ区分を決めるのは地質学者なのでそれなりの理由があるのでしょう(図198-2)。

エディアカラ紀には前口動物と後口動物共通の祖先となる左右相称動物=ウルバイラテリアが存在したはずという仮説がデ・ロバーティスと笹井によって1996年に提出されましたが(5、6)、その実態は謎に包まれていました。以前からエディアカラ紀の地層に残された移動の痕跡に注目していた研究者はいましたが、それを残した生物についての情報はありませんでした(7、図198-2)。

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図198-2 エディアカラ紀以前の年代区分とエディアカラ紀の生物痕跡

しかしエバンスらはついにその生物の実体を捉えたようで2020年にプロナスに論文を発表しました(8)。この論文には美しい再構成図も添えられているので是非ご覧ください。フリーで閲覧できます。感動します。ウィキペディアにも別の図(漫画的)がでているので、こちらはコピペしておきます(9、図198-3)。

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図198-3 エディアカラ紀のウルバイラテリアに近いとおぼしき生物

エディアカラ紀は海底に細菌が繁殖し、その上に何層もの藻類がびっしりと生えそろった、ある意味楽園のような世界が広がっていましたが(10)、海水に浮遊する細菌や浮遊物を食べている動物しかいなかった時代はこの楽園が維持されていました。しかし藻類を食べる動物が生まれたことによって状況は徐々に変化しました。藻類を食べるには口が下になければいけません。このためには平衡感覚が必要となります。藻類を食べる動物はまわりの藻類を食べ尽くしたら、他の場所に移動しないと食事ができません。そしてランダムに移動すれば良い時代から、探さないといけない時代に移行するのは時間の問題でした。上下を判断する必要性とエサの方向に進む必要性は、左右相称動物誕生の進化的圧力になったと思われます。

エサを探すには移動するための筋肉、それを制御するための神経、エサをみつけて移動方向を決めるための感覚器などが必要です。藻類が食べ尽くされるにつれて、移動するための器官・組織の必要性は大きくなります(10)。エバンスらがみつけたこの体長数ミリの生物(Ikaria wariootia)は直線的に進むだけでなく曲がることができたようです(8)。このことは左右の運動器官を整合性をもって制御しながら進むことができるということで、この生物がかなり高度な神経系をもつことを意味します。

藻類を探して食べているうちにその藻類も食べ尽くされ、ついに肉食生物が登場したのがカンブリア紀でした。肉食生物を代表するのは節足動物のアノマロカリスの仲間たちで、イメージを構成できる眼とエサをつかむ触手を活用し、彼らは海の帝王の地位を獲得しました(図198-4)。他の生物はこの節足動物に食べられないように遺伝子を改変した者が生存に有利となりました。私たちの祖先に近縁な脊索動物、ハイコウイクチス、ミロクンミンギア、メタスプリッギナ、ピカイアなどは泳いで逃亡するという手段を選択しました(図198-4)。これは結構成功したようで、現在でも彼らにかなり近いタイプの子孫=魚類が繁栄しています。

この他にも防御の装備をかためる(ハルキゲニア、ウィワキシア、貝類)、海底の砂に潜る(オットイアなど)、海綿の中に潜る(アイシュアイア)など様々な作戦で捕食を免れる生物が現れました(図198-4)。これによってバラエティーに富んだ生物が生まれたのがカンブリア紀です。貝類は現在でも繁栄していますし、海底の砂に潜る生物も数多く見かけられます。

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図198-4 カンブリア紀に多様化した生物

 

参照

1)Wikipedia: Reg Sprigg
https://en.wikipedia.org/wiki/Reg_Sprigg

2)Sprigg R.C., Early Cambrian(?) jellyfishes from the Flinders Ranges.
Transactions Royal Society South Australia vol.71, pp.212-214 (1947)
https://web.archive.org/web/20070929092905/http://www.samuseum.sa.gov.au/Journals/TRSSA/TRSSA_v071/trssa_v071_p212p224.pdf

3)M. F. Glaessner, Precambrian Coelenterata from Australia, Africa and England. Nature vol.183, pp.1472-1473 (1959).
https://doi.org/10.1038/1831472b0

4)Reg Sprigg's Discovery in South Australia
https://www.youtube.com/watch?v=cpTTdcH0Tvc

5)E. M. De Robertis & Yoshiki Sasai, A common plan for dorsoventral patterning in Bilateria., Nature vol.380, pp.37–40 (1996). https://doi.org/10.1038/380037a0 
https://www.nature.com/articles/380037a0

6)続・生物学茶話 124: ウルバイラテリアをめぐって
http://morph.way-nifty.com/grey/2021/01/post-4f9530.html

7)Soren Jensen, The Proterozoic and earliest Cambrian trace fossil record; patterns, problems and perspectives. Integr. Comp. Biol. vol.43, pp.219–228 (2003)
https://doi.org/10.1093/icb/43.1.219

8)Scott D. Evans, Ian V. Hughesb, James G. Gehling, and Mary L. Droser., Discovery of the oldest bilaterian from the Ediacaran of South Australia., Proc.N.A.S., vol.117, no.14, pp.7845–7850 (2020) doi/10.1073/pnas.2001045117
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32205432/

9)Wikipedia: Ikaria wariootia
https://en.wikipedia.org/wiki/Ikaria_wariootia

10)トッド・E・ファインバーグ、ジョン・M・マラット 翻訳:鈴木大地 「意識の進化的起源」 勁草書房 2017年刊

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2023年1月 3日 (火)

2023初詣

毎年近くの阿夫利神社に初詣に行くのですが、数年前までは大変でした。特に元日に行くと狭い田舎道が渋滞し、渋滞するとすれ違えないので車の中から人が出てきて口論になったりして、新年早々険悪な雰囲気になるのが常でした。その後徐々に駐車場が整備されたりして混雑は緩和しました。そこでコロナですから昨年などは閑散としていましたが、さて今年はどうなるかと思っていたら、人は相当増えましたが車の整理をする人などもいて、神社もかなりきちんと管理体制をととのえたようで、スムースな初詣になりました。

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神社に行くにはこの長い階段を上がります。

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鳥居の前には花手水が用意してあります。これは今年の新機軸。

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参拝します。元日は階段の下まで行列ができますが、2日は鳥居の前くらいからです。

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参拝が終わったら、破魔矢を購入し、おみくじを引いて豚汁をごちそうになります。たき火は豪快。

 

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2023年1月 1日 (日)

謹賀新年

Photo_20221231113801

明けましておめでとうございます。

今年も読者の皆様にたくさんいいことが
ありますように。

A HAPPY NEW YEAR ユーミン (miko sings)

https://www.youtube.com/watch?v=b05fL1Z2Uq4

 

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