My favorites 12: Maureen Forrester sings Mahler
不思議なタイトルです。さすらう若人の歌が「Song of a wayfarer」で英語、( )内にドイツ語、亡き子をしのぶ歌が「Kindertotenlieder」でドイツ語、( )内に英語というアンバランスでちょっと居心地がわるいですね。Wayfarer という言葉は聞いたことがなくて、辞書を引くと「徒歩旅行者」とありました。1958年の録音です。
歌:モーリン・フォレスター(コントラルト)、指揮シャルル・ミュンシュ ボストン交響楽団の演奏です。シャルル・ミュンシュは1891年生まれのドイツの指揮者(後にフランスに帰化)ですが、若い頃はライプチッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団でコンマスをやっていて、当時の指揮者がワルターだったのでマーラーの交響曲は演奏しているはずです。しかしCDとして残されているのはこの歌曲の伴奏だけだそうです。
まあマーラーは当時は忘れられた作曲家で、復活したのは1970年代ですからこの1枚があるだけでもラッキーだったのかもしれません。SP時代はもちろん、LPになってからも曲が長すぎて1枚にはいりきらないので、レコード会社も売りにくい作曲家だったのでしょう。CD時代になってからはなぜかトップクラスの人気作曲家になりました。
モーリン・フォレスターはカナダ人で、日本人にはほぼいないコントラルト。本来歌詞の内容から言って、さすらう若人の歌は男性が歌うべき曲だと思いますが、フォレスターは全く自分の音楽として再構築し、まるでコントラルトにために書かれた曲のようです。亡き子をしのぶ歌にいたっては、まさに独壇場です。
アルト・ラプソディーを歌っている映像が残されています。イゴール・マルケヴィッチが指揮している姿も見られます。
https://www.youtube.com/watch?v=IPbcGz7I-OU
ミュンシュがフランス国立放送管弦楽団を率いて来日したときの映像も残されています。
曲目はブラームス交響曲第1番(2~4楽章)。
https://www.youtube.com/watch?v=d1u4bD6Vqhk
上記の公演は多分大阪NHKホールだと思いますが、NHKの録音に不具合があり、販売できなかったそうです。それがなんとフランス国立視聴覚研究所(INA)に残されていた音源がクリアであることがわかって、2021年にCDが発売されました。これはそのうち是非手に入れたいと思っています。
https://tower.jp/article/feature_item/2020/10/16/1115
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