My favorites 10: セミヨン・ビチュコフのボックス
どんな指揮者が優れた指揮者かというのはいろいろ議論があるところだと思いますが、実演ではやはりオケメンをやる気にさせる能力でしょう。レコーディングではあまり指揮者の恣意を感じさせずに、曲に浸れる自然な流れをつくることができる人を好ましく思います
セミヨン・ビチュコフ(ビシュコフ、ビチョコフなどとも)はまさしくそういう能力を持った指揮者で、かつ細部にまで血液が生き生きと脈動している演奏で安心して聴けます。このボックスセットは2016年に出版されたものですが、そろそろ商品の数が減って買いにくくなりつつあるようです。ブラームスやベートーヴェンの交響曲ははいっていなくて、写真のようなロシアとフランスの代表的な交響曲や管弦楽曲を中心に、パリ管弦楽団やベルリンフィルなどと収録しています。
奥様がマリエル・ラベックというラベック姉妹で活動するピアニストなので、ピアノ2台とオーケストラのためのめったに演奏されない作品が4曲も収録されています。契約の関係か彼が長く指揮者を務めたケルンWDR交響楽団との演奏は収録されていません。WDRと制作したボックスセットはオペラを中心とした特殊なものです。ただYouTubeには多くの映像付きの演奏が残されています。
彼は現在はチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を務めていますが、そちらはそろそろ若手のチェコ人にまかせて、最後は都響に来てくれないかなあ・・・とかすかな期待を抱いています。
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調
https://www.youtube.com/watch?v=YWwssdM6BVY
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