« 2022年5月 | トップページ | 2022年7月 »

2022年6月29日 (水)

サラの考察8: ひも

Img_0201a

サラはシェルターに来る前に野良猫だったことがあるようです。まあ17年も前の話ではありますが。でも三つ子の魂百までと言うことわざがあるように、子供の頃に強く心に焼き付いたことは死ぬまで忘れることはないようです。

そのひとつが細長いものにたいする執着です。写真はカメラのストラップにかみつこうとする様子で、うちに来た当初からネズミのおもちゃには全く興味を示さないのに、ただの紐には強い関心を示していました。

「どうして?」
「むかしヘビを食べたら美味しかったのよ」
「なるほどね、ほかにはどんなものを食べていたんだい?」
「あとは枯葉ね。生きている植物は私たちには毒のものが多くて食べられないんだけど、枯葉は大丈夫なのよ」
「猫草は大丈夫なんだよ」
「わかっていても枯れてから食べるのが好きなのよ」
「まあ一度しみついた習慣からはなかなか逃れられないもんだね」

| | | コメント (0)

2022年6月26日 (日)

マケラ-都響 ショスタコーヴィチ交響曲第7番@サントリーホール2022/06/26

20220626-194026

今をときめく若手のスター指揮者クラウス・マケラの登場とあって、久々のチケット完売。サントリーホールはこの炎暑の中大変な賑わいです。最近見かけなかった最前列の○○氏も早々と登場。いつもは閉場ぎりぎりなのでびっくりです。

最初の曲は多分マケラのお友達のジノヴィエフが作曲した「バッテリア」。本邦初演です。ジノヴィエフは会場に来ていて、演奏終了後登壇し満場の拍手を浴びました。私としてはなんだかよくわからない曲なので、感想文の書きようもありません。休憩なしと言っても、かなりの時間をかけて楽器などのセットアップを行ない、いよいよ本日のメイン「ショスタコーヴィチ 交響曲第7番」です。これなら休憩入れてもよかったと思います。

都響が演奏するこの曲を聴くのは多分3回目で、前の2回の感想文は下記です。

都響-カエターノのショスタコーヴィチ交響曲第7番「レニングラード」@サントリーホール2013年9月25日
http://morph.way-nifty.com/grey/2013/09/post-84e8.html

インバル-都響:ショスタコーヴィチ交響曲第7番「レニングラード」@東京文化会館2018・3・20
http://morph.way-nifty.com/grey/2018/03/post-ac67.html

死の街を照らしたショスタコーヴィチ交響曲第7番
http://morph.way-nifty.com/grey/2019/01/post-5f66.html

マケラという人は天才のおもむくままという人ではありません。よく曲を勉強して、演奏者に細かく指示を出して繊細に細部から全体を構築する人という印象をうけました。むしろ考えすぎて少し不自然になる部分があるような気もします。第1楽章のファゴットのソロなども少し違和感がありました。ただあまりにも暴力的全合奏の迫力がすごくて、これには度肝を抜かれました。そしてこう演奏するのがきっとベストなんだろうと納得しました。第3楽章の沈潜美、第4楽章の苦い勝利も味わい深いものがありました。

いまの世の中は多くが軍縮という言葉を忘れ、敵国への憎悪をあおり立てて軍拡競争に明け暮れています。これがどのような結果を招くかは想像できるでしょう。この曲はそれを暗示しています。

 

| | | コメント (0)

2022年6月23日 (木)

続・生物学茶話181: 神経系細胞と中胚葉系細胞に分化できる幹細胞

2009年にそれまでの発生生物学の常識である「嚢胚形成時にすべての細胞は、外胚葉・中胚葉・内胚葉の3つのそれぞれ役割分化が限定された細胞系列に分岐する」というパラダイムをひっくり返す論文が出版されました(1)。著者はパスツール研究所のツザナクーやニコラスらを中心としたグループです(図180-1)。

彼らはROSA26サイトにLaacZを組み込んだマウスを作成し、これがランダムに起こる相同組み換えでLacZとなることを利用して、β-galによる呈色で細胞のクローンを可視化するという方法で研究を行いました。ひとつの個体で2回組み替えが起こるという可能性は排除できませんが、その確率は非常に低いのでとりあえず無視します。実験の1例を図180-1に示します。青い細胞集団はそれぞれひとつの細胞から増殖したクローンと考えられます(1)。文献1にはこのほか多数の実例が示されています。

1811

図181-1 神経管と体節の細胞を生み出す幹細胞

妊娠6.5日目に約660個だった胚細胞は7.5日目は15,000個、8.5日目には170万個と対数的に増加し、この間ひとつのクローン内の細胞数が少ないクローンの数が対数グラフで直線的に増加します(1)。このことから著者は増殖に同調性があると指摘しています。

図180-1に示した呈色細胞は図180-2のET74.2というクローンで、これは嚢胚形成終了期から臓器形成期初期にかけて形成されたものです。したがって、この時期に神経外胚葉性の細胞と体節中胚葉の細胞がひとつの親細胞から分化したことが示されています。図180-2をみると、胎生10日目以降すなわち嚢胚形成(gastrulation)がとっくの昔に終わった後でも外胚葉と中胚葉の両者のポテンシャルを持った幹細胞が存在し、ひとつのクローンが2つのラインの細胞群を生み出していることが明らかです。そしてそのような複数の分化可能性を持つ幹細胞の位置は、発生が進むとともに体の後部に移行していることが示唆されています(1、図180-2)。

1812

図181-2 発生過程でのクローン追跡

ツザナクーらは胎生8.5日目の胚でみつかった1017の呈色クローンについて解析し、このうちわずか49のクローンが内胚葉に分布していることがわかりました。このことは内胚葉が非常に限られた祖先細胞から作られるということを意味します(1)。これらの祖先細胞は囊胚形成前はエピブラストに存在し、胚体外中胚葉の祖先細胞とともに原条をトラバースして移動するようです(2)。

中胚葉と外胚葉のバイポテンシャルな幹細胞が頭部形成後にも尾部に分布して活動することは、脊索・脊髄・筋節などがセットになって生物が成長していくことを考えると、目的にかなった配置であると思われます。このバイポテンシャルな幹細胞は胎生8.5日目には神経前駆細胞と中胚葉前駆細胞という新しい細胞群を生み出すようになります(3、図180-3)。

エピブラストから神経方向への分化は、まずBMPによる分化抑制を阻害することによってスイッチが入ることからはじまりますが(4)、これはあくまでも脳を最終到達点にした過程であり、脊髄形成は脳形成とは全く別のプロセスによるという考え方は、すでに19世紀にケリカーによって発表されていたそうです(5)。ツザナクー、オリヴェラ-マルティネス、ツァキリディスらはそれに実験的根拠を与えました(1、6、7)。

1813

図181-3 神経・中胚葉に分化する幹細胞は囊胚形成終期からは尾部で活動する

現在は神経誘導と底板や脊索に発現するソニックヘッジホッグとの関係が焦眉の的になっているようです(8、9)。

考えてみれば幹細胞の重要性は1970年代から言われていたわけですが、ようやく最近になって発生生物学の領域でも、幹細胞の性質、その変化、増殖の方式などを中心に考えていかなければならないというパラダイムシフトが起こってきたような気がします。3胚葉を中心とした説明が遙か遠い昔の遺物のように感じられます。

参照

1)Elena Tzouanacou, Amelie Wegener, Filip J. Wymeersch, Valerie Wilson and Jean-Francois Nicolas, Redefining the Progression of Lineage Segregations
during Mammalian Embryogenesis by Clonal Analysis., Developmental Cell vol.17, pp.365-376, (2009) DOI 10.1016/j.devcel.2009.08.002
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19758561/

2)Lawson,K.A.,Meneses,J.J.,andPedersen,R.A., Clonal analysis of epiblast fate during germ layer formation in the mouse embryo., Development vol.113, pp.891–911 (1991) DOI: 10.1242/dev.113.3.891
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1821858/

3)Domingos Henrique, Elsa Abranches, Laure Verrier, and Kate G. Storey, Neuromesodermal progenitors and the making of the spinal cord., Development. vol.142(17): pp.2864–2875 (2015) doi:10.1242/dev.119768
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26329597/

4)Di-Gregorio A, Sancho M, Stuckey DW, Crompton LA, Godwin J, Mishina Y, Rodriguez TA., BMP signalling inhibits premature neural differentiation in the mouse embryo. Development., vol.134, pp.3359–3369 (2007)
doi: 10.1242/dev.005967.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17699604/

5)Kölliker A. Die embryonalen Keimblätter und die Gewebe. Z Wiss Zool., vol.40, pp.179–213 (1884)

6)Olivera-Martinez I, Harada H, Halley PA, Storey KG., Loss of FGF-dependent mesoderm identity and rise of endogenous retinoid signalling determine cessation of body axis elongation. PLoS Biol., 10:e1001415. (2012)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23118616/

7)Tsakiridis A, Wilson V. Assessing the bipotency of in vitro-derived neuromesodermal progenitors.
F1000 Res. 2015; 4:100.  DOI: 10.12688/f1000research.6345.2
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26401264/

8)脳科学辞典:ソニック・ヘッジホッグ
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%82%BD%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%83%E3%82%B8%E3%83%9B%E3%83%83%E3%82%B0

9)Nitza Kahane and Chaya Kalcheim, From Bipotent Neuromesodermal Progenitors to Neural-Mesodermal Interactions during Embryonic Development., Int. J. Mol. Sci. vol.22, 9141. (2021) https://doi.org/10.3390/ijms2217914
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8431582/

 

 

| | | コメント (0)

2022年6月22日 (水)

My favorites 9: 愛から遠く離れて by 伽藍琳

A_20220622124401

愛から遠く離れて(中島みゆき) by 伽藍琳
https://www.youtube.com/watch?v=OwmEBrrF-6U

20世紀がユーミンの時代だったとすると、21世紀は中島みゆきの時代でしょう。みゆきは生まれてくるのが早すぎましたね。21世紀になって本当にカバーする人が増えました。この曲は夜会 vol.10で歌われているそうですが、私は夜会はおろか、彼女のコンサートには一度も行ったことはありません。私はユーミンにしても中島みゆきにしてもあまりに圧倒的で、私が存在する余地がないような世界なので、多分コンサートには行かなかったのだと思います。しかし今の時代が中島みゆきの時代だということは認めざるを得ません。カバーだとその強大な圧力が緩和されるので、結構カバーは聴きます。私的にはバラードが好きなので、この曲などは特にお気に入り。りん・がらんさんの本業はプロデューサーだそうです。美しい日本語。

Naru&ぷりん 誕生
https://www.youtube.com/watch?v=cHMfZPAlzYs

Naru&ぷりん   地上の星
https://www.youtube.com/watch?v=OnjL-zaj3EE

YO-EN   ホームにて
https://www.youtube.com/watch?v=UY87XmwggsA

iNO 夏土産
https://www.youtube.com/watch?v=ZR6Iq70k1N4

まきちゃんぐ   空と君とのあいだに
https://www.youtube.com/watch?v=kZ4-AOQwilE

本家本元『誕生』中島みゆき
https://www.youtube.com/watch?v=iGh3zA4DPVs

 

 

| | | コメント (0)

2022年6月19日 (日)

修理センターからPC帰還!

2_20220619112001

大手術をして帰還した私のPCです。中身はウィンドウズ以外真っ白の白紙になってしまいました。元通りにはなりませんが、使えるようにリハビリをしなければなりません。ともかくメールができるようにセットアップして、バックアップがあったメールアドレスを入力しました。

ブックマークはバックアップがなく、一からやりなおしです。資料は昔集めたものはバックアップしてあるのですが、最近のものはありません。音楽はDドライブ、写真は外部ストレージにすべて入れてあったので助かりました。

リハビリしなければいけないのはPCだけでなく、私も2週間ぼーっと過ごしたので脳がたるんでしまいました。あらためて思うのは、将来PCは単なる通信装置となって、すべてクラウドで作業をするようになるかもしれません。そうするとモノに対する愛着が失われて、さみしい人生になるのではないでしょうか? それにクラウドがまるで神のようにすべてを知っていて、まさしくデジタルファシズムのツールになる可能性もあります。

 

| | | コメント (0)

2022年6月17日 (金)

周防亮介という素晴らしいヴァイオリニストを発見した日

202206

今日から急に夏になって、ようやくすべて夏服に変更です。アイロンもかけて準備万端。錦糸町のすみだトリフォニーホールにでかけました。少し早く着いたので、ホールの正面の路地にあるイタリア料理店「Terzo3」でランチしました。ちゃんとしたパスタとコーヒーとデザートで税込1100円とはリーズナブル。

トリフォニーは素晴らしい音響のホールです。サントリーホールより秀逸という人も多いですが、3F席が少しステージから遠いのが難点。最後列はサントリーと比べるとかなり遠く感じます。新日本フィルのフランチャイズで、今日もその新日本フィルの演奏会です。

今日のコンサートは原田慶太楼氏が振るはずだったのですが、いろいろあってキンボー・イシイ氏が振ることになりました。上品で丁寧な指揮ぶりです。ソリストの周防亮介氏はきっちりお化粧して出てくる男性ですが、その演奏はとびきりやわらかく優しい響きで、ベートーヴェンのコンチェルトで完全に自分の世界をつくりあげ、聴衆を吸い込んでくれます。神尾真由子氏とともに、聴衆を自分の世界に引きずり込む力魔力を持った希有のヴァイオリニストだと思います。

休憩後の吉松隆氏のシンフォニーは第1楽章はドビュッシー&メシアン風、第3楽章はまるでポップスという不思議なアンバランスの作品。第2楽章はとても美しいですが、チャイコフスキーの悲愴交響曲のメロディーがまるごと出てきてびっくりしました。この人が作ったメロディーで、心に残ったのがひとつもないというのは残念。

周防さんのソリストアンコール
バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番よりサラバンド

YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=ThOyzlk4uk4&t=173s
https://www.youtube.com/watch?v=Re5Uy-vXL4w
https://www.youtube.com/watch?v=oVz1l-zxd7Y&t=308s

 

| | | コメント (0)

2022年6月16日 (木)

Windows 11

Index_20220616185101

明日でPCを預けてからもう2週間経過しました。ツクモの修理センターからPCが帰還しません。かなりの重症なのかもしれません。マザーボードを交換するという通知が来ましたが、それではまだ不十分だったのか?

やむなく普段は囲碁・将棋用に使っている予備のPCでウェブにもアクセスするしかありません。ところが暇なのでウィンドウズ11にアップグレードしてしまいました。結果まあ大して変わりはありませんが、進歩がない割には細かい操作などに違いがあってイラッとします。今のところメリットに感じるところはあまりありません。強いて言えば左下に温度と天気が表示されるようになったことぐらいか。

デメリットに感じるところは、K-Shogi というソフトで駒を動かすとビリビリと画面が震えるようになって気持ち悪いことです。あと Steam のアクセスに失敗するケースが出ています。ゲーム関係は非常に改良されたと聞きましたが、私的にはむしろ改悪されました。囲碁ソフト Leela はいまのところ無事に動いています。

個人的にはウィンドウズ7が完成形で、その後は必要悪に迫られてつぎはぎした結果、肥大化のデメリットが発生しているように感じます。

| | | コメント (0)

2022年6月13日 (月)

内田康夫「氷雪の殺人」

Img_0180a

Img_0181a

内田康夫の「氷雪の殺人」を読了。なんと、ご同業の大沢在昌さんが帯に推薦文を書いています。しかもカバーをはずすと、あっと驚くことに今までの表紙が畳になっていました。この小説の内容は自衛隊に関わる汚職にまつわる殺人事件です。昔テレビでも見た気がしますが、やはりオリジナルを文章で読むのはそれなりの面白さがあります。

業者と癒着することは、仕事を進める上で大きなメリットがあります。年間数十万円の取引でも任意のものなら業者はしばしば顔を見せて、御用聞きだけでなく有益な情報をくれます。例えば商品AはBに納入したけれども、○○の弱点があってクレームがついたとか、C社は経営が傾いていて、アフターサービスに不安があるとか様々。一方厳格に相見積もりをすると、安かろう悪かろうで不良品をつかまされたりします。ですからできることなら業者とフレンドリーなつきあいがしたい、そして指定業者から買いたいというのはよくわかります。

ただ取引の金額が億単位にもなれば、しかも税金ということになれば、そうも言ってられません。それでも軍隊で使う高額な装備ともなれば、事実上相見積もりが困難なこともあるでしょう。しかもどんな装備を購入するかというのは秘密の場合もあるでしょうから、不正取引やリベートの温床でもあります。どこの国の軍隊でも同じようなものでしょう。武器商人たちもそのあたりはよく心得ていると思います。

ただ日本では特に自衛隊に傷をつけてはいけないという圧力が強くかかっているので、様々な形で不正取引や利益供与が行われていても解明は難しいでしょう。内田康夫はこのあたりに関心を持って、この小説を書いたと思います。汚職はともかく、私が一番問題だと思うのは米国から装備を輸入する場合、事実上言い値で買わされることです。

 

| | | コメント (0)

2022年6月11日 (土)

ビチュコフ(Bychcov) とWDRそして四方恭子

Img_4329a

セミヨン・ビチュコフとケルン放送交響楽団はそれぞれ来日していますが、両者がコンビで来日したことはあるのでしょうか? 私には記憶がありません。ケルン放送交響楽団は旧称で、現在は正式にはWDR交響楽団(Westdeutschen Rundfunk Sinfonieorchester Koln)です。このビチュコフのCDボックスには(箱に細かい傷が多くて恥ずかしいですが)、ベルリンフィル、コンセルトヘボウ、ロンドンフィル、パリ管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団、バイエルン放送交響楽団と欧州のそうそうたるトップオケを振った演奏が収録されていますが、13年も彼が指揮者を務めたWDRとの演奏は、契約の関係でしょうか、1曲もありません。

しかし最近WDRは多くの過去の演奏会のMVを YouTube に公開していて、その中にビチュコフが指揮しているのもあります。中には現在都響のコンミスである四方恭子さんがコンサートマスターを務めている作品もあってこれは聴きものです。オケの落ち着いた音・高い技術とともに、ビチュコフもなかなかの熱演でありながら、何度も聴きたくなる飽きの来ないタイプの演奏です。ただ他の方がコンサートマスターを務めているMVに比べて、四方さんの場合 映っている時間が短いような気がします。カメラマンかディレクターが人種差別主義者だったのでしょうか? ビチュコフは現在チェコフィルハーモニー管弦楽団の音楽監督・首席指揮者です。

チャイコフスキー 交響曲第6番ロ短調
https://www.youtube.com/watch?v=uKsNyuiyRIM

ブルックナー 交響曲第8番ハ短調
https://www.youtube.com/watch?v=g3_Mvh0Fpcg&t=13s

ブラームス 交響曲第3番ヘ長調
https://www.youtube.com/watch?v=mpvpu-sN4gY&t=11s

ブラームス 交響曲第4番ホ短調
https://www.youtube.com/watch?v=Uqv04x2_4d0

| | | コメント (0)

2022年6月10日 (金)

PC難破、そしてナス

修理を依頼しているPCですが、そこにストックしてある資料が無事かどうかがわかりません。だめだったら再収集するしかありませんが、いまのところ動けません。エアーポケットに入ってしまったブログですが、暇なはずの私のスケジュールが今週は異常にタイト。医院に3回、親戚の通夜と葬儀、理髪の予約が1件ありました。なんとか繰り合わせて乗り切りました。

手のひらくらいのポッドに植えたなすの苗が、この曇天がつづく中でもベランダで成長して、ようやく実をつけました。 

Img_4328a

 

 

| | | コメント (0)

2022年6月 7日 (火)

サラの考察7: ミーナ

Img_0158a

私「ミーナが死んで2ヶ月近くになるけど、どう?」

サラ「なんかちょっと疲れる」

私「それは今まで君がミーナの陰に隠れて、こそこそ生きていたからなのかな」

サラ「そうかもしれないけど、じゃあもんはどうなの?」

私「別にふさぎ込んだり、泣き暮らしたりはしていないけど、自律神経がダメージを受けたらしく、体調はずっと悪いね」

サラ「ミーナはもんにべったりだったからね」

私「この寂しさは、君が生きているからと言っても埋められないね」

サラ「私も思ったより環境が激変したために、やっぱり精神が変調よ」

私「諸行無常、ケセラセラだね」

| | | コメント (0)

2022年6月 3日 (金)

悲劇:PCが難破 キャリーをひいてツクモに

PCが突然落ちてしまいました。これはウィルスを食ってしまったかと大ショック。まあこういうときのためにキャリーにはいる小型のPCを買ったので、クッションを集めてパッケージングして駅に向かいました。

路傍に咲くランタナが可憐です。ランタナは侵略的外来種ですが、別にいいんじゃないかと思います。もう世界中に帰化植物として分布しています。

1a_20220603215001

2a_20220603215001

3a_20220603215101

3年ぶりの秋葉原はすっかり復活していて、派手な壁のデコレーション(The idolm@ster)や道ばたのメイドさんも復活。ツクモ本店までキャリーを引いて歩き、3Fの修理センターまで上がって係に対応してもらいました。係の方は親切でいろいろチェックしてもらって、どうも電源まわりに問題があるようだということがわかりました。来た甲斐がありました。ラッキーだったのは延長保証にぎりぎりでひっかかっていて、無料で修理してもらえるとのこと。ウィルスじゃなくてハードウェアの問題だと、ファイルが救出できる可能性があります。

4a_20220603215301

5a_20220603215301

帰りに本郷三丁目に寄りました。「カミュとマドレーヌ」は健在。こんな小さなお店ですが数十年間変わらず営業しています。「麦」も健在。ここで昼食休憩。ヴィヴァルディのフルート協奏曲がかかっていました。なかなかいい曲。

6a_20220603215501

7a_20220603215601

修理に10日~2週間かかるとのことだったので、帰宅してから予備のPCをなんとかセットアップして記事をアップしました。

当分こいつに頑張ってもらわないとね。

 

| | | コメント (0)

2022年6月 1日 (水)

続・生物学茶話180: ポロネーズから原条形成へ

鳥類や哺乳類での目に見えるドラスティックな形態形成の始まりは、原条形成を契機とした原外胚葉細胞(エピブラスト)の陥入による中胚葉化ですが、実はその前に原外胚葉細胞がぐるぐると表層を移動することが19世紀から知られていました(1、2)。これらのの論文はドイツ語で私は未読ですが、当時から一部の発生学者らはこの細胞運動を「ポロネーズ」と呼んでいたようです(3)。

ポロネーズはショパンの曲でもおなじみなように、チャンチャカチャンチャンという3拍子のリズムで、1拍めは膝をゆるくして、2-3拍目は普通に歩く感じで進み、何度かくりかえして円を描くようにして元の位置に戻るというポーランドのダンスです(4)。多分細胞がぐるっと移動して元の位置にもどる感じが似ていると思ったのでしょう。

ヴォイスレスキューとスターンらは、かなり以前からこのポロネーズ現象の重要性を再認識し、原条形成のメカニズムの解明に取り組んできました(3、図180-1)。原条が形成される前の段階ではポロネーズで元に戻ってきた細胞は、再度中央の通路を前進することになりますが、原条ができると溝の中に落ち込むことになります。

1801a

図180-1 ポロネーズ運動

スターンの研究室では原条形成を誘導するのはポロネーズの細胞ではなく、またラウバーの鎌でもなく、ラウバーの鎌より後方のマージナルゾーン(PMZ=posterior marginal zone)の細胞であることを20世紀にニワトリ-ウズラ移植実験によって確認していました(5)。彼らおよびアンダーソンらの研究の蓄積によって、鳥類や哺乳類での原条形成のトリガーは、PMZから放出される Gdf1、Nodal およびエピブラストから放出されるWntの作用であることがわかりました(6、7)。

Wntによる情報伝達経路は複雑ですが、それでもそこそこわかっている方で、エピブラストの原条陥入・中胚葉化の場合には noncanonical PCP pathway が用いられているようです。PCP は planar cell polarity の略称です。Wntが細胞膜7回貫通受容体のひとつ Frizzled と co-receptor に結合すると、その情報は Frizzled の形態変化により、その細胞内ドメインが dishevelled をリクルートします。Dishevelled は Dishevelled-associated activator of morphogenesis 1(Daam1) という複合体を形成し、これが RhoA の活性化を介して ROCK の活性化を行い、活性化された ROCK はミオシン軽鎖キナーゼをリン酸化しアクチンとの相互作用を強めように働きます。またストレスファイバーやデスモソームの形成を促します(8、9、図180-2)。

Daam1 はまた profillin とアクチンとの結合を促進し、アクチンによるマイクロフィラメントの形成を促進します。Dishevelled は RNF185 を介して Paxillin を活性化します。Paxillin はデスモソームの形成や、中胚葉性細胞の運動の活発化に関与しているようです(10-12)。また dishevelled は RhoA とは別の GTPase である Rac1 を介して JNK による遺伝子発現の調節にかかわり、囊胚形成に寄与しているようです(12、13)。Noncanonical Wnt-PCP pathway は要するに、デスモソーム形成・偽足形成・運動の促進などを通して、まさに原条陥入など細胞の集団的移動をサポートしているようです。

1802a

図180-2 Wnt-PCP 経路

Gdf1 については情報がまだ少ないのでここではとりあげません。Nodal については発見されてから30年以上経過し、かなり情報の蓄積があります。この分泌性の因子は最初にコンロンによって発見され(14)、後にジョウらによってマウスの囊胚形成に重要な役割を果たすことが報告されました(15)。ノードに顕著に認められたので nodal と命名されました。

Nodal は細胞膜の受容体タイプ1とタイプ2の複合体にトラップされることによって情報伝達を行ないますが、細胞外で Nodal に結合して無力化する Lefty と Cerberus という因子が存在していて、これらが分布する領域では機能を発揮できません(16、17)。でないと組織がすべて中胚葉化されてしまうので、このような因子が存在するのは当然ではあります。たとえばニワトリのハイポブラストは Cerberus を発現していて nodal の影響を受けないようになっています(7)。

受容体に nodal が結合すると smad2, smad3 がリン酸化されてヘテロダイマー(またはホモダイマー)が形成され核にはいります。これと smad4 およびその他の転写因子の働きで合成されるさまざまな転写産物が原条形成にかかわっているとされています(7、図180-3)。ただこれらの smad 分子群がどのようにかかわっているかについては文献によって相違があって詳しいコンセンサスはまだ得られていないようです(16、17)。また転写産物についても全貌が明らかにされたわけではありません。

1803a

図180-3 Nodalによる情報伝達経路

図180-4はヴォイスレスキューらの論文の図ですが、ニワトリ原条形成期の Nodal、Wnt-PCP、外胚葉から中胚葉への転換をマーカーを用いて領域を示しています。これらのすべては原条近辺に局在化していて、それぞれ密接な関係があることが示唆されています。ヴォイスレスキューらは Nodal と Wnt-PCP 経路によって誘起された細胞間相互作用によって、原条近辺でのエピブラストから中胚葉細胞への転換がすべて説明できるとしています(7)。

ヴォイスレスキューらはまた、中胚葉への転換は個々の細胞レベルではポツポツと起こっていて、転換した細胞はエピブラスト集団からは排除されて内部に落ち込んでいく様子を観察しています(7)。しかしこれらの細胞がまとまって新しい組織や臓器を形成して行くには、細胞接着によってコミュニティーを作って変化していく必要があるわけで、コミュニティーができるとそれらは接着性によってエピブラストからは排除され、原条を形成して内部に落ち込んでいくのかもしれません。

1804a

図180-4 Nodal、Wnt-PCPの可視化

 

参照

1)Graper, L. Die Primitiventwicklung des Hunchens nach stereokinematographischen Untersuchungen, kontrolliert durch vitaleFarbmarkierung und verglichen mit der Entwicklung anderer Wierbeltiere. Arch. EntwMech. Org. vol.116, pp.382-429 (1929).

2)Wetzel, R. Untersuchungen am Huhnchen. Die Entwicklung des Keims wahrend
der ersten beiden Bruttage. Arch. EntwMech. Org. vol.119, pp.188-321 (1929).

3)Octavian Voiculescu, Federica Bertocchini, Lewis Wolpert, Ray E. Keller & Claudio D. Stern, The amniote primitive streak is defined by epithelial cell intercalation before gastrulatio., Nature, vol.449, pp.1049-1052 (2007)

4)Jak tacczyc poloneza? kroki taneczne
https://www.youtube.com/watch?v=fbq187_-Eqg

5)R F Bachvarova, I Skromne, C D Stern, Induction of primitive streak and Hensen's node by the posterior marginal zone in the early chick embryo., Development vol.125(17): pp.3521-3534. (1998) doi: 10.1242/dev.125.17.3521.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9693154/

6)Andersson O., Reissmann E., Jornvall H., Ibanez C.F., Reissmann E., Jornvall H., Ibanez C.F., Jornvall H., Ibanez C.F., Ibanez C.F. Synergestic interaction between Gdf1 and Nodal during anterior axis development. Dev. Biol. vol.293: pp.370–381 (2006) https://doi.org/10.1016/j.ydbio.2006.02.002
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0012160606000807

7)Octavian Voiculescu, Lawrence Bodenstein, I-Jun Lau1, Claudio D Stern, Local cell interactions and self-amplifying individual cell ingression drive amniote gastrulation.,
eLife vol.3: e01817. (2014) DOI: 10.7554/eLife.01817

8)Wikipedia: Wnt signaling pathway
https://en.wikipedia.org/wiki/Wnt_signaling_pathway

9)Wikipedia: Rho-associated protein kinase
https://en.wikipedia.org/wiki/Rho-associated_protein_kinase

10)Wikipedia: Paxillin
https://en.wikipedia.org/wiki/Paxillin

11)基礎生物学研究所 プレスリリース 運動能の高い細胞、動きの制御に新知見
https://www.nibb.ac.jp/press/070608/070608_open.html

12)Sino Biological: Non-Canonical Wnt Signaling Pathway
https://www.sinobiological.com/pathways/non-canonical-wnt-pathway

13)浅岡洋一 初期発生期における JNK シグナル伝達経路の多様な生理的役
比較生理化学 vol.30, no.2, pp.59-67 (2013)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hikakuseiriseika/30/2/30_59/_pdf/-char/ja

14)Conlon FL, Barth KS, Robertson EJ, A novel retrovirally induced embryonic lethal mutation in the mouse: assessment of the developmental fate of embryonic stem cells homozygous for the 413.d proviral integration., Development., vol.111 (4): pp.969–981, (1991) doi:10.1242/dev.111.4.969

15)Zhou X, Sasaki H, Lowe L, Hogan BL, Kuehn MR, Nodal is a novel TGF-beta-like gene expressed in the mouse node during gastrulation. Nature vol.361 no.6412: pp.543–547. (1993)
doi:10.1038/361543a0
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8429908/

16)Siim Pauklin and Ludovic Vallier Activin /Nodal Signaling in Stem Cells., Development., vol.142(4): pp.607-619 (2015) doi: 10.1242/dev.091769.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25670788/

17)Caroline S Hill, Spatial and temporal control of NODAL signaling., Current Opinion in Cell Biology vol.51, pp.50-57 (2018) doi.org/10.1016/j.ceb.2017.10.005
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0955067417301412?via%3Dihub

 

| | | コメント (0)

« 2022年5月 | トップページ | 2022年7月 »