サラの考察5: 愛について
サラ「私たち猫族のメスはひとりで子育てできるから、愛は完全に自由で純粋なのよ。どう、うらやましいでしょう」
私「人類が始まった頃はメスひとりで子育てするのは無理だっただろうね。まあ21世紀の今でも困難なことだけど」
サラ「天敵のいる弱い生き物のメスは、どうしても腕力や権力を持ったオスを求めるのよ。だから愛といっても、私たちの愛とは違うのよね」
私「ヒトも元々は弱い生物だったから、メスが集団社会のボスやマッチョなオスを求めるのは自然な流れだね」
サラ「ヒトの祖先のサルも社会を作って、そのボスに多くのメスが寄ってくるような脳のしくみがあるのでしょう。ヒトにもそういう私に言わせれば不純な愛の要素は残っているはず」
グレチコ「ヒトは文明を発展させて、もはや天敵は寄生生物だけになったので、このまま数百万年経過すれば、猫のような愛の形になる可能性はあるかもな」
私「それは楽天的すぎるんじゃない。完全に男女平等な社会では、実はオスは精子を運ぶ以外に用無しになるんじゃないだろうか? そうすると愛は消滅するかもしれない」
サラ「魚や昆虫にはそういう連中もいるわね」
グレチコ「オスだけが持っているY染色体はX染色体に比べると圧倒的に欠陥があって、X染色体を2本持つメスの方が生命力は強いんだ。だから遺伝子を劣化させない技術があればオスは不要という説は一理ある。遺伝子操作の技術は進んできたからね。オスに何らかの社会的優位性がない場合、生殖にも不要となればオスは自然淘汰されて消滅する可能性すらあるね。そういうメス主導の社会では、特に遺伝子の管理をどうするかというかということが問題になるだろうね」
私「セックスというランダムな遺伝子のまぜあわせを経由しない生殖というのは重い課題ですよ。しかもたとえば暴力に関わる遺伝子、支配欲に関わる遺伝子、差別に関わる遺伝子など、どのような遺伝子を残すか潰すかという議論が無数にでできますね。」
グレチコ「その問題でトラブルになる可能性は大きいね。イスラム教というのはそれが失敗した場合の保険かな」
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