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2022年5月29日 (日)

UEFAチャンピオンズリーグ決勝

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先日のクラシコではバルサになすところなく敗れたレアル・マドリーが、なんとなんとビッグイヤーを獲得してしまいました。私の予想ではマンCかバイエルンが優勝するのではないかと思っていたので意外な結果です。

決勝はサンドニでリバプールとマドリーの争いとなりました。リバプールはがっちりと守備を固めた上にフォワード陣が絶好調で、特にサラ(うちのサラとはRとLの違いがある)は若い頃のような素晴らしいシュートを連発していました。それらを含めてマドリーのGKクルトワは獅子奮迅の大活躍で雨あられのシュートを全部止めました。

アンチェロッティが右エストレーモにフェデ・バルベルデを起用したのが当たり。後半素晴らしいラストパスをゴール前に通して、ヴィニシウスがゴール。マドリーらしい勝利でした。まずはおめでとうございます。

バルサはラ・リーガを2位で終了しましたが、わけのわからないまま終わったシーズンでした。チャビがどんなサッカーをやりたいのかもよくわかりませんでした。結果的にはエストレーモからのクロスを頭で決めたケースが多かったようです。それならずっとルークとオーバメヤンを2トップで使えばいいのにそれはタブーのようでした。FWは数だけは有り余るくらい選手がいて、サラリーキャップにひっかかり今オフは大変な事態になっています。誰が出るのか残るのかさっぱりわかりません。さて来シーズンはどうなることやら。

 

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2022年5月28日 (土)

アリゼのステージ

French singer Alizée at Les Enfoires 2013 - DSC5744.jpg

アリゼももう40才近くの年齢に達しているそうですが、彼女が10代の頃のパフォーマンスの衝撃は忘れられません。最初に知ったのはブルボンのCMだと思いますが、来日して「笑っていいとも」にも出演していたそうで、これは見逃しました。

最近素晴らしいステージの映像がアップされていることに気がつきました。

Moi...Lolita  多分これがデビュー曲
https://www.youtube.com/watch?v=sz4xDGUr91A

J'en ai marre!    大ヒット曲 (うんざり 日本でのタイトル=恋するアリゼ)
https://www.youtube.com/watch?v=d8KPZAC4rAc

Toc de mac (ぴかいち)
https://www.youtube.com/watch?v=yTfFYEBKUr4

J'ai pas vingt ans (はたちじゃないの)
https://www.youtube.com/watch?v=B8uoyPZhuUw

Gourmanndises (ごちそう)
https://www.youtube.com/watch?v=MshULZzbpc0

Tempete (暴風雨) バラードです
https://www.youtube.com/watch?v=r3LPL67YPF8

(写真はウィキペディアより)

 

 

 

 

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2022年5月25日 (水)

小泉-都響 チャイコフスキー交響曲第4番@東京芸術劇場2022/05/25

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都響は以前の賑わいが戻って快調に復活しました。池袋の街も賑やかで活気をとりもどしています。今日の指揮者は小泉さん、コンマスはボス矢部、サイドはゆずきです。ソリストは清水さんで、ラフマニノフの2番のピアノコンチェルト。この曲は曲自体が素晴らしいので、普通に衒いなく弾いていただければメロディに没入できる曲です。清水さんは巨匠ですが、瑞々しいタッチで聴かせていただいて大変楽しませていただきました。

後半はチャイ4ですが、なぜか指揮台を交換して背もたれ付きになりました。今日はかなりエキストラが多くて、特にクラリネットのN響の方は目立っていました。この方のプレイスタイル好きです。もうひとり珍しかったのはヴィオラに黒人奏者の方が参加しておられたことです。チャイ4は欧州での演奏会にも持って行ったくらいで、都響の18番です。

都響は小泉さんが指揮をすると、なぜかのびのびと思い切り弾けるみたいで、特に弦楽器のアンサンブルの凄さはこの大編成でも全くゆるぎなく、まさしく鳥肌ものです。最近割とうるさいことが多い柳原ですが、今日は目立たず良いバランスで演奏していました。打楽器は今日くらいガンガンやった方がいいですよ。特にこの曲の場合はね。

終了後1Fに降りたら、「風呂敷東京」という催し物をやっていて、皆さんに風呂敷を無料で配っていました。東京都も税金使ってバカなことをやるものです。私も並んで風呂敷をもらって帰りましたが。

 

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続・生物学茶話179: 頭と胴尾、脳と脊髄

オットー・マンゴルトはシュペーマンの弟子で、その仕事を受け継いで発展させた功労者です。ドイツ動物学会の会長まで務めた著名人ですが、教科書などで取り上げられる場合も少なく、ウェブサイトの情報は多くありません。これは彼がナチの協力者であったことが影響していると思われます。Second.wiki や de.zxc.wiki などには少し情報があります(1-3)。

オットー・マンゴルトはシュペーマンと共にオーガナイザーの研究を行ったヒルデ・プレショルトと結婚しましたが、新婚のヒルデはキッチンでのガス爆発が原因で亡くなりました。さらに息子は第二次世界大戦で戦死するという家庭的には悲運の人です。彼はシュペーマンと同様両生類の胚を使って、原口背唇から外胚葉の裏側に潜り込んだ組織がその後どのような役割を果たすかについて研究を行いました(図179-1)。

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図179-1 オットー・マンゴルトとイモリ

原口背唇部は原腸形成後、原腸の天井に位置することになりますが、オートー・マンゴルトはその周辺領域(ルーフ)に、将来頭部・胴部・尾部を形成する活性が前後に順に並んで存在することを証明しました(4、5、図179-2)。すなわちルーフの前部を他の個体のルーフに移植するとその部分に2次的な頭部ができ、中央部を移植すると2次的胴体、後部を移植すると2次的尾部が形成されます(尾は肛門より後ろの胴体のことです)。つまりそれぞれの部分にヘッド/トランク/テイルのオーガナイザーが存在するというオットー・マンゴルトのモデルです(図179-2)。

その後ニューコープらはマンゴルトらがみつけた誘導現象はワンステップではなく、まず原口背唇部・ヘンゼン結節・ノード・ノトコードなどによって外胚葉が前脳になるような誘導 (activation) がかかり、その後側板中胚葉などから中脳・後脳・脊髄への誘導 (activation) がかかるという理論=Activation-Transformation theory を唱えました(6)。この理論は若干の修正はあるものの現在でも概ね正しいとされています(7)。前脳とは脳科学辞典の記述によれば「大脳(扁桃体、海馬などの辺縁皮質を含む)、中隔核、乳頭体、視床前核、嗅球といった大脳皮質外の構造、視床、視床上部、視床下部などからなる領域」ということになります。

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図179-2 オットー・マンゴルト、ピーター・ニューコープの理論

シュペーマン、オットー・マンゴルト、ニューコープらは両生類の胚を実験材料として使っていましたが、それと共により私たちに近いマウス、ニワトリ、ゼブラフィッシュの胚の予定領域を並べて見ると驚くことがあります。それはマウスやニワトリなどの有羊膜類では、対応する発生ステージにおいて予定脊髄領域が著しく小さいことです(8、図179-3の黄色の部分)。

哺乳類と鳥類には羊膜がありありますが、魚類や両生類にはありません。しかしこのことが予定脊髄領域のテリトリーに関与しているかどうかはわかりません。ただ前者は後者に比べて脳が格段に発達しているので、ともかく発生段階から脳と視・聴・嗅覚を先に発達させて、胴部・尾部は後回しというボディープランになったと想像できます。

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図179-3 脊索動物胚背部の予定運命

頭部優先で発生を行うためには、原溝(原条)は前後平等であってはいけません。実際原溝最前部にはヘンゼン結節(鳥類)・ノード(哺乳類)など特に活発な活動を行う部位があり、ここから落ち込んだ原外胚葉細胞を中心に頭部形成の準備を始め、それが一段落してから原溝は後退して、体節中胚葉や脊髄の前駆細胞を送り出します(8、図179-4)。

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図179-4 ニワトリ原溝の消長と体節・脊髄の形成

ツァキリディスらは2014年に細胞培養などの手法を用いて、多分化能を持つエピブラスト(原外胚葉細胞)がWntの作用によって体節中胚葉と神経細胞などの限定分化能をもつ幹細胞に変化し、さらに体節中胚葉を形成する細胞と、脊髄を形成する細胞を生み出すことを報告しました(9)。

すなわちヘンゼン結節やノードには分化の可能性は限定されつつも、自己増殖あるいは不等分裂によって自分自身を保存しながら分化した細胞を生み出すことができる幹細胞が存在し、その働きで幹細胞を温存しつつ予定体節細胞や予定ノトコード・予定神経細胞を結節外に送り出し、順次体節や脊髄の形成に資することができるわけです(10、図179-5)。

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図179-5 ヘンゼン結節またはノードには幹細胞がある

図179-6では単純化していますが、実際には自己複製と単一の分化しか行わない細胞(図179-5)以外に、このような体節にも神経にも分化できる細胞が実際にありそうだとされています。Sox2は神経系細胞のマーカー、Brachyury は中胚葉細胞のマーカーで、バイポテンシャルな前駆細胞には両者が存在します(10)。

ただ原外胚葉細胞からは他のタイプの幹細胞・前駆細胞も形成されていると思われますし(たとえば多分化能を持つ細胞)、それぞれの分化誘導機構も様々でしょうから、実際にはコンピュータでしか答えが出せない複雑なメカニズムが潜んでいることは容易に想像できます。

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図179-6 2種類の細胞に分化できる幹細胞

ここで忘れてはならないのは脊索(ノトコード)の存在です。ここまでの説明では脊索がこの種の前駆細胞とどのようにかかわっているかはわかりません。脊索が脊髄を誘導することは昔からしられていますが、新しい考え方が出てきたからには再検討が必要になります。中胚葉系の細胞群と神経系の細胞群を制御統括するのが脊索であることが示唆されていますが(11)、このあたりの問題は次の機会にとりあげたいと思います。

参照

1)second.wiki: Otto Mangold
https://second.wiki/wiki/otto_mangold

2)Qw: Otto Mangold
https://de.zxc.wiki/wiki/Otto_Mangold

3)The Embryo Project Encyclopedia: Otto Mangold (1891-1962)
https://embryo.asu.edu/pages/otto-mangold-1891-1962

4)Mangold, O., Uber die Induktionsfahighkeit der verschiedenen Bezirke
der Neurula von Urodelen. Naturwissenshaften vol.21: pp.761-766.(1933)
https://link.springer.com/article/10.1007/BF01503740

5)Claudio D. Stern et al., Head-tail patterning of the vertebrate embryo:
one, two or many unresolved problems? Int. J. Dev. Biol. vol.50: pp.3-15 (2006)
doi: 10.1387/ijdb.052095cs
https://web.mit.edu/7.72/restricted/readings/Stern%20et%20al.pdf

6)Nieuwkoop, P. D. and Nigtevecht, G. V., Neural activation and
transformation in explants of competent ectoderm under the influence of
fragments of anterior notochord in urodeles. J Embryol Exp Morphol vol.2: pp.175-193. (1954)
https://journals.biologists.com/dev/article/2/3/175/49249/Neural-Activation-and-Transformation-in-Explants

7)Fraser, S.E., and Stern C.D., Early rostrocaudal patterning of the
mesoderm and neural plate, In Gastrulation: from cells to embryo, C. D. Stern,
ed. (New York: Cold Spring Harbor Press), pp. 389-401. (2004)
http://gastrulation.org/

8)Ben Steventon, and Alfonso Martinez Arias, Evo-engineering and the cellular and molecular origins of the vertebrate spinal cord., Developmental Biology vol.432, pp.3-13 (2017)
https://doi.org/10.1016/j.ydbio.2017.01.021
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0012160616305103

9)Anestis Tsakiridis et al., Distinct Wnt-driven primitive streak-like populations reflect in vivo lineage precursors. Development vol.141, pp.1209-1221 (2014) doi:10.1242/dev.101014
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24595287/

10)Domingos Henrique, Elsa Abranches, Laure Verrier and Kate G. Storey
Neuromesodermal progenitors and the making of the spinal cord
Development vol.142, pp.2864-2875 (2015) doi:10.1242/dev.119768
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26329597/

11)Nitza Kahane and Chaya Kalcheim, From Bipotent Neuromesodermal Progenitors to
Neural-Mesodermal Interactions during Embryonic Development., Int. J. Mol. Sci., vol.22, no.9141, (2021) https://doi.org/10.3390/ijms22179141
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8431582/

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2022年5月23日 (月)

内田康夫「中央構造体」

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これは2002年に講談社から出版された、皆さんお馴染みの浅見光彦が大活躍する内田康夫の小説ですが、スケールが大きくまさしく日本の政治経済の背骨の病巣をえぐった物語です。

モデルとなった日本長期信用銀行(長銀)はバブル崩壊によって膨大な不良債権をかかえ、結局税金を4~5兆円投入したにもかかわらず(ウィキペディア)倒産し、米国資本に二束三文で買い取られて新生銀行となりました。ひとつの企業が税金4~5兆円をドブに捨ててしまったのです。小説の中で光彦も激しく言及していますが、これで革命どころか政権交代もおこらなかったというのは日本の恥です。

先日私の預金通帳のプリントがいっぱいになったので新しい通帳にしようと思ったら、みずほ銀行の最も近い(といっても往復は半日仕事)支店である鎌ケ谷支店が廃止され、業務が船橋支店に移管されていました。たかが通帳更新のために船橋までいかなければならないとは末期的です。駅やスーパーから時計が消えたのも末期的、水道事業を外国企業にやらせるのも末期的、バスや鉄道の路線がなくなるのも末期的、交番の縮小も末期的です。最近デジタル化とうるさく言われますが、これもお役所の弱体化を糊塗するためと、外国資本へ産業を売り渡すためのプロパガンダです(堤未果著 「デジタル・ファシズム」 NHK出版)。

この小説のストーリーとはあまり関係がない会話の中で、内田康夫は何度も「日航ジャンボ機墜落事故の原因は自衛隊の誤射」と言わせています。このことははマスコミが報じていないだけで、関係者の間では常識なのかもしれません。

ウィキペディアの記事をみると、平将門は決して小説で持ち上げているような革命家ではなく(見ていませんがNHKの大河ドラマでも持ち上げていたそうです)、関東豪族間の私闘を制して自ら天皇を名乗ったお調子者のような印象を受けました。とはいえ現在でも神田明神をはじめとして多くの神社が将門を祀っていることを思うと、平安時代の当時としては将門の反乱はとてつもない大事件だったのでしょう。

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2022年5月21日 (土)

サラの考察6: 休暇

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サラ「最近は天気が悪いんで、眠くて。考察はお休み」

私「そりゃ猫は雨天だと狩りができないから、眠くなるのは本能だろうけど、あまり動かないと糖尿病になるかも」

サラ「糖尿病は人間の病気じゃないの?」

私「とんでもない、猫だって糖尿病になるし命を落とすこともあるんだよ」

サラ「じゃそろそろ起きるとするかな」

私「来週は天気が良くなるそうだから、ベランダで遊ぼう」

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2022年5月19日 (木)

Feam のオタ芸@インドネシア

最長不倒の地下アイドル「Feam」はもはや日本の重要なサブカルチャーのひとつですが、そのパフォーマンスに欠かせないファンのオタ芸が、なんとインドネシアにまで移植されていました。

Ota

https://www.youtube.com/watch?v=5f3J8raZNNA

本家オタ
https://www.youtube.com/watch?v=YJHY4mSqYn0

Feam (2006年結成~現在に至る)
https://www.youtube.com/watch?v=ANO23YtHmSk

なんと「笑顔のスイッチ」にはバラード版まである
https://www.youtube.com/watch?v=c6GRVwXWC-o
https://www.youtube.com/watch?v=gmt1V4YOVxM

イーロン・マスクが「当たり前のことだけど、出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなるだろう。これは世界にとって大きな損失になる」と言ったそうですが、同意します。出生率があがらないのなら、どんどん移民をふやして賑やかな国にしましょう。そして日本は常に世界の辺境にあるようにしましょう。優れた文化は辺境のカオスから生まれます。

 

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2022年5月15日 (日)

クレア・フアンチ ピアノリサイタル@多古町コミュニティプラザ文化ホール2022/05/15

曇天で湿度は高いとはいえ、気温は最適で過ごしやすい日曜日です。今日はピクニック気分でディープ千葉の多古町にでかけました。アクセス特急でまず成田空港のターミナル2に行き、エスカレーターで到着ロビー前のバス乗り場に行きます。

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ここから多古町行きのシャトルバスが出ています。海外との往来が解禁されたとはいえ成田空港はまだ閑散としていて、なんと構内をツバメがたくさん飛び交っています。ターミナル2の看板の裏に巣を作っていると思われる者もいました(2の数字の上にいます)。

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バスに乗って美しい水田をながめつつ多古町へ向かい、役場前で降りて少し歩くと立派な文化ホールがありました。

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入り口にある催し物の看板。

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ホールは大変立派で、特にステージはヤマハのフルコンサートが小さく見えるほど広大。

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フアンチのリサイタルは、白寿ホール、ブルーローズと通って3回目ですが、なぜ今回こんな不便な片田舎のホールでリサイタルをやるのかわかりません。お客も少ないです。彼女は今次々とメジャーレーベルからCDも出版していて、絶好調の状態だと思います。

本人が登場すると、あれれプレグナント? そのことと新型コロナが関係して東京でのコンサートを避けたのかもしれません。まあ彼女はヨーロッパでもほぼ週1回のコンサートをやっていて、片田舎のホールで演奏することもしばしばあるようではあります。

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以前と比べて、今回の演奏には全く新しい印象をうけました。作品を一度自分の中で完全に解体して再構築しているような感じで、バッハにしてもモーツァルトにしても、とても新鮮な感覚の演奏に感じました。すごかったのはトッカータとフーガで、まるで彼女がダイヤモンドナイフのような指でたたく鍵盤から散乱する鉄塊が、ホールを粉々に破壊するような迫力を感じました。

ベートーヴェンの田園交響曲をリストがピアノ独奏用に編曲した作品ははじめて聴きましたが、特に嵐から感謝に至る終盤のやわらかな感動がテンションを高めてくれました。

Claire Huangci | Bach-Busoni - Toccata and Fugue in D minor BWV 565 (live recording)
https://www.youtube.com/watch?v=WJ5eIxZ4cIc


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2022年5月13日 (金)

続・生物学茶話178: ラウバーの鎌

ニワトリ胚の卵割については、私は学生実習でもやったことがないので簡単に復習しておきます。カエルのような両生類は単に水中に卵を産み落とすだけですが、陸上生活をすることになった生物は殻付きの卵を産む爬虫類・鳥類のグループと、胎盤を形成する哺乳類に分かれました。殻と卵白に包まれた鳥類の胚は大部分が栄養成分である卵黄で形成されているため、卵割する胚本体は卵黄にへばりつくような薄く小さなスペース(胚盤 直径2~3mm)しか与えられていません。このため盤割とよばれるタイプの、まず薄いシート状に細胞が増殖することから発生がはじまります(図178-1)。

この胚盤周辺には学術的な名前がつけられていて、卵黄部分は Area pellucida (暗域、不透明域)、細胞部分は Area pellucida (明域、透明域)、中間部分は Marginal zone (境界域)とされています(1、図178-1)。Area の代わりに Zone が使われることもあります。

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図178-1 ニワトリの卵割

Area pellucida が細胞のシート(エピブラスト=胚盤葉上層)で埋まる頃、まだ卵白も殻もついていない卵は輸卵管を移動し始めます。このときに移動方向の前後がそのまま胚の前後となるそうです(2)。このとき後方にあたる部分のエピブラストの裏側にラウバーの鎌と呼ばれる構造ができます(図178-2)。

ラウバーの鎌(Rauber's sickle)というのは、図178-2のように胚の後方からハイポブラスト=胚盤葉下層となる細胞が増殖し始めた形が鎌に似ているからですが、コラーの鎌 (Koller's sickle)ともいうことがあるそうです。ウィキペディアによれば発見者がラウバー (August Rauber 図178-3、3)なので、ラウバーの鎌というのが適切かと思います。そのあたりの事情はおそらく Atlas of Chick Development という本(4)に詳しく書いてあると思われますが、Marc Callebaut and Emmy van Nueten の文献(5)によると、ラウバーが1876年にこの構造を発見しましたが、そこから原条が発生することを記載したコラーにちなんでコラーの鎌と呼ばれるようになったそうです。この文献の著者らはラウバーの鎌と呼んでいます。

胚盤葉上層の裏側には上層から剥離した細胞が落ち込んでいますが、後方からの増殖で伸びてきたラウバーの鎌はこれらの細胞をひろって結合し。最終的には最前方の胚盤葉上層まで到達して閉じた構造になります(6)。ラウバーの鎌が多少なりとも脚光を浴びたのは Marc Callebaut と Emmy van Nueten がウズラの鎌をニワトリに移植すると第2の原始線条(primitive streak) が発生したことを報告してからでしょう(5)。これはラウバーの鎌が両生類のオーガナイザーに相当することを意味します。

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図178-2 ラウバーの鎌と胞胚の形成

ラウバーはウィルヘルム・ヒスの弟子でドイツ人ですが、エストニアのタルトゥー大学で仕事をした発生学者です(図178-3)。タルトゥー大学は知らなかったので調べると、なんと江戸時代初期の1632年設立で、現在も150のビルを擁するエストニア最大の大学だそうです。それでも辺境の学者だったせいか、ラウバーの鎌(コラーの鎌)の発見は100年以上も前の業績にもかかわらず、発生生物学の教科書にはよくてちょっぴりふれてあるというのが普通で、私はその種の学科の出身ですがまったく習いませんでした。スコット・ギルバートの教科書(第7版)にもラウバーの名はありません(Koller's sickle という記載はあります)。

オーガナイザーに相当するラウバーの鎌は、そこに含まれる細胞から増殖した細胞群が原始線条 (primitive streak) やヘンゼン結節 (Hensen's node) を誘導するというはたらきがあり、ニワトリの胞胚・嚢胚形成=形態形成はここからスタートすると言っても良いような重要な組織です。

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図178-3 アウグスト・ラウバー

ラウバーの鎌を構成する細胞群の予定運命を Bachvarova らの知見に基づいて図示しました(7、図178-4)。ラウバーの鎌は自らが活発に増殖するとともに胚盤葉上層細胞を誘導してヘンゼン結節と原始線条を形成し、中胚葉や脳神経組織などに分化します。また下部の細胞は内胚葉となります。生殖三日月環は、原条形成期に内胚葉細胞の増殖によって胚盤葉下層の細胞群(黄色)が前方に押されてできた形態ですが、それ自身は臓器に分化するわけではありません。しかしこの領域は生殖細胞の前駆細胞を含んでおり、これらの前駆細胞は将来血流によって生殖巣に運ばれることになります(6)。

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図178-4 ラウバーの鎌の発生予定運命

ステージが進むとラウバーの鎌部分はテイルバッドと呼ばれるようになりますが、囊胚期になってもこの領域は、筋・骨格・神経などに分化する幹細胞(neuromesodermal progenitors)のニッチとして重要な役割を果たすことになります(8)。


参照

1)ボヘミアンへこっち 存在の耐えられない軽さ ニワトリ初期発生のまとめ
https://kohecchi.hatenablog.com/entry/2019/04/06/184733

2)東中川徹・八杉貞夫・西駕秀俊編 「ベーシックマスター 発生生物学」オーム社 p.53 (2008)

3)Wikipedia: August Rauber
https://en.wikipedia.org/wiki/August_Rauber

4)Ruth Bellairs, Mark Osmond “Atlas of Chick Development”Elsevier (2005) 新版(2014)
https://www.amazon.co.jp/Atlas-Chick-Development-Third-Bellairs/dp/0123849519

5)Marc Callebaut and Emmy van Nueten, Rauber's (Koller's) Sickle: The early gastrulation organizer of the avian blastderm., Eur. J. Morphol. Vol.32, No.1, pp.35-48 (1994)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8086267/

6)Scott F. Gilbert “Developmental Biology”7th edn Sinauer Associates Inc., p.355 (2003)

7)Rosemary F. Bachvarova, Isaac Skromne and Claudio D. Stern, Induction of primitive streak and Hensen’s node by the posterior marginal zone in the early chick embryo., Development vol.125, pp.3521-3534 (1998) doi: 10.1242/dev.125.17.3521.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9693154/

8)Charlene Guillot, Yannis Djeffal, Arthur Michaut, Brian Rabe, Olivier Pourquie, Dynamics of primitive streak regression controls the fate of neuromesodermal progenitors in the chicken embryo., eLife vol.10: e64819. (2021) DOI: https://doi.org/10.7554/eLife.64819
https://elifesciences.org/articles/64819

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2022年5月 9日 (月)

サラの考察5: 愛について

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サラ「私たち猫族のメスはひとりで子育てできるから、愛は完全に自由で純粋なのよ。どう、うらやましいでしょう」

私「人類が始まった頃はメスひとりで子育てするのは無理だっただろうね。まあ21世紀の今でも困難なことだけど」

サラ「天敵のいる弱い生き物のメスは、どうしても腕力や権力を持ったオスを求めるのよ。だから愛といっても、私たちの愛とは違うのよね」

私「ヒトも元々は弱い生物だったから、メスが集団社会のボスやマッチョなオスを求めるのは自然な流れだね」

サラ「ヒトの祖先のサルも社会を作って、そのボスに多くのメスが寄ってくるような脳のしくみがあるのでしょう。ヒトにもそういう私に言わせれば不純な愛の要素は残っているはず」

グレチコ「ヒトは文明を発展させて、もはや天敵は寄生生物だけになったので、このまま数百万年経過すれば、猫のような愛の形になる可能性はあるかもな」

私「それは楽天的すぎるんじゃない。完全に男女平等な社会では、実はオスは精子を運ぶ以外に用無しになるんじゃないだろうか? そうすると愛は消滅するかもしれない」

サラ「魚や昆虫にはそういう連中もいるわね」

グレチコ「オスだけが持っているY染色体はX染色体に比べると圧倒的に欠陥があって、X染色体を2本持つメスの方が生命力は強いんだ。だから遺伝子を劣化させない技術があればオスは不要という説は一理ある。遺伝子操作の技術は進んできたからね。オスに何らかの社会的優位性がない場合、生殖にも不要となればオスは自然淘汰されて消滅する可能性すらあるね。そういうメス主導の社会では、特に遺伝子の管理をどうするかというかということが問題になるだろうね」

私「セックスというランダムな遺伝子のまぜあわせを経由しない生殖というのは重い課題ですよ。しかもたとえば暴力に関わる遺伝子、支配欲に関わる遺伝子、差別に関わる遺伝子など、どのような遺伝子を残すか潰すかという議論が無数にでできますね。」

グレチコ「その問題でトラブルになる可能性は大きいね。イスラム教というのはそれが失敗した場合の保険かな」

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2022年5月 7日 (土)

連休

私が連休に行った場所は、ペットショップ、イオン、コンビニ、医院の4ヵ所だけでした。どこも普段より人は少なかったと思います。しかしテレビで見る野球場・江ノ島・鎌倉の混雑はちょっと怖いものがありました。またあの悪夢がぶり返すのか? 来週はちょっと緊張します。

自粛していた人は目だけでも楽しみましょうか? 昔仕事で行ったドイツの写真です。

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ミュンヘン空港。着いたのは夜で、空港直結のホテルで一泊しました。従業員がチュースと言って挨拶していたのが、日本語のチヮ-スと似ていて笑ってしまいました。方言的な挨拶のようです。

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ミュンヘン駅から列車に乗ります。切符を買うときに駅員に「発音が悪い」と言われて3度も言い直しました。それが本当にわからないのではなくて、アジア人に教育的指導を行ってやろうという感じだったのが嫌み。しかし私が直立不動で3度目の発音をしたので、それを評価したらしく、駅員はうなずいて切符を発行しました。

田舎の町で下車したら、目的地へは交通機関がタクシーしかないことがわかりました。

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ここが目的地。修道院の宿舎で3泊しました。

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仕事(会議)が終わった後、エクスカーションのバスから見たアルプスの山々。ドイツの農村は美しい。本当にきちんと農業をやっている国です。

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ノイシュバンシュタイン城。この画角の写真はかなりやばい吊り橋の上からしか撮影できません。

 

 

 

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2022年5月 5日 (木)

おかげさまでブログが17周年となりました

For-blog

今日はちょっぴり昔話を。

SNSは21世紀になってフェイスブックやツイッターができたことによってはじまったと思っている人が多いと思いますが、実は半世紀前にすでに存在していました。このブログが利用している@ニフティは当時ニフティサーブという名前で存在し、そのメインはフォーラムというまさしくSNSでした。

フォーラムの実態は一昔前の2チャンネルのようなボードと似ていて、同じ趣味を持った人のウェブ上での集いの場でした。現在と一寸違うのはテキストしかアップできないことと、固定電話の回線を使っていたので、つないでいた時間だけ電話代を請求されるということです。チャット機能もありましたが、寝落ちすると莫大な電話代をとられることになります。有料なので広告はなく、荒らしや工作員などももちろんいなくて牧歌的な世界でした。

フォーラムは有志によって管理運営され、ボードに何か書き込むとウェイトレス係の人が「いらっしゃいませ、コーヒーはいかがですか?」などとエアー喫茶風のもてなしを受けるサイトもありました。オフ会も盛んで、それで知り合って結婚する場合も多かったようです。趣味が一致しているわけですから、お見合いよりはよかったのかもしれません。ただ運営方法をめぐって管理者の仲間内でいさかいが起きることもままあったようです。

SNSは社交ですが、ブログはちょっと違っていてある種の文化だと私は思っています。他の会社が次々とブログサービスを廃止する中で、@ニフティが危機を乗り越えて継続してくれているのは有難いことだと思っています。

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2022年5月 4日 (水)

My favorites 8: Carpenters "I need to be in love"

Imgcarpentars

カーペンターズの名曲はたくさんありますが、私的に一番はこの「I need to be in love」です。写真のペストアルバムでは2枚目に収録されています。このアルバムは37年前に出版されたものですから、ずいぶん年月がたちました。

歌詞の意味(私の解釈)は 「世の中はすべて不完全である。なのにどうして私は愛に完全を求めていたのだろう。不完全な愛を容認し、そのなかに飛び込んでいくべきだがそれはなかなか難しい」というようなことでしょう。

シンガーとして世界の頂点を極めたカレンが、たかが少し太っていたからといってダイエットがきっかけで拒食症で死ぬなんて受け入れがたい悲劇ですが、いったん脳に変なスイッチがはいってしまうと、脳は薬でコントロールするのは困難な臓器なのでどうしようもなかったのでしょう。現在でもなかなか治療が難しい難病だそうです。

カバーしている人は多いですが、本人の歌唱はやはり一番です。

https://www.youtube.com/watch?v=EmFiOb0To7w
https://www.youtube.com/watch?v=-60LjZd8Ocs

Oncemores:

https://www.youtube.com/watch?v=50ovGUYfACQ

素晴らしい声で浸れます。ただ英語が日本語っぽいゆるい発音でちょっぴり気になります。

Ai Ninomiya:

https://www.youtube.com/watch?v=W-ssTfBc0i4

すごい実力派のシンガーだと思いますが、こんなに情熱を込めてたっぷり歌い上げられるとちょっと違うんじゃないかと首をかしげたくなります。

峠恵子:

https://www.youtube.com/watch?v=wajljR0yS9Q

なんとリチャード・カーペンターの前で歌うという・・・。フェミニンなベクトルですが、多分この曲のニュアンスをよく理解した歌唱で、リチャードも絶賛しています。

 

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2022年5月 2日 (月)

続・生物学茶話177: 神経幹細胞の源流

ニワトリの発生図はどんな生物学の教科書にも記載してあると思いますが、ここでも教科書(1)を参考にして模式図を描いてみました。トリの場合原溝前端の盛り上がった部分をヘンゼン結節と呼びます。マウスの場合は単に結節(ノード)です。原溝は原条と区別せず原条と表現することもあります。結節より前で頭部形成の準備が行われ、結節部分から後方で脊髄形成の準備が行われます。脊髄形成に先立って結節周辺から体節が形成されます。

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図177-1 ニワトリの発生

ニワトリの卵割が盤割であるのに対して、マウスなど哺乳類は等割で初期発生が行われるので、初期胚の形はかなり違うように感じますが、図177-2(参照文献2に基づいて作成)でニワトリの図を上から見て時計回りに90度回転し、さらに正面から見て時計回りに90度回転すると似たような感じになります。頭部を形成するための細胞がまず大量に蓄積し、脊髄などの尾部は後回しになっていることがわかります。ですからこの頃の体は2等身くらいの感じです。

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図177-2 マウスおよびニワトリの中枢神経発生

マシスとニコラスは初期胚における幹細胞が、発生が進むにつれてどこに移動し、どのような運命をたどるかを解析するため、伝統的なβガラクトシダーゼとX-galによる青色の発色が偶発的な相同組み換えによって発動するというシステムを考案しました(3、図177-3)。このシステムの利点は遺伝子レベルでの置換なので、細胞を通常の方法でラベルすると増殖することによって「ラベルが希釈されてしだいに判別困難になる」という弱点がないことです。プロモーターとしては神経系細胞特異的に機能するエノラーゼのプロモーターを使用します(図177-3)。

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図177-3 相同組み換えで発色させる仕組み

マシスとニコラスはこの方法を用いて中枢神経系をつくる幹細胞の動態を解析しました(4)。彼らの方法の難点のひとつは偶然に頼るということですが、それでも3000個の胚を調べて、163のクローンのデータを得ることができました。そのなかの2つの例を図177-4に示しました。Aのクローンは脳の全域に分布していますが、体幹部には分布がみられませんでした。Bのクローンは脳には見られず体幹部のみにみられました。これは発生初期に中枢神経の中でも脳部分を受け持つ細胞と、脊髄部分を受け持つ細胞が分岐するということを意味しています。

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図177-4 神経幹細胞クローンの可視化

163のクローンのすべてについてまとめたデータが図177-5に示してあります(4)。これは彼らのオリジナル図そのものですが、この右下の二等辺三角形領域が空白の奇妙な図を見て、私は最初意味がわからず1時間くらい呆然とみつめていて、あるときやっと意味が理解できました。

まずマウスの中枢神経系を頭から尾まで64等分して、最前部(頭)を1、最後部(尾)を64と番号付けします。たとえば左上に中空きの赤点が集中していますが、その左上隅X=1、Y=64の位置にあるクローンは、64等分した端から端まで広範囲に発色細胞が分布していることを意味します。このクローンは予定中枢神経細胞ができてすぐに発色可能になった幹細胞からできたクローンというわけです。著者はこのようなクローンを very long clone と表現しています。つまり最初から頭部を作る幹細胞と脊髄をつくる幹細胞が別々に生まれるのではなく、最初はどちらにでも移動・分化ができる幹細胞ができるというわけです。

次に中埋めの赤点群がグラフ中央上部にありますが、これらのクローンは X=1~24のいわゆる頭部には発色細胞がみられないタイプのクローンです。つまりこのタイプのクローンをつくる幹細胞は頭部をつくることはなく、脊髄をつくることを運命づけられた後の幹細胞であると言えます。逆に左下の黄色い部分のクローンは脳をつくることを運命づけられた後の幹細胞がつくったクローンです。空白部分との境界線である斜め45度のライン上のクローンは狭い領域に限定されたクローン(short clone)で、移動または細胞分裂終了間近で発色可能となったと考えられます。水色の領域のクローンはすべて脊髄を構成する細胞です。

ここでひとつ注目すべきは、斜めのはしごで示された領域の大部分がクローンがほとんどみられないことです。これは何を意味するのでしょうか? 著者が言う long clone と short clone の中間のいわば middle clone が極めて少ないということは、発生のある時点で急激に幹細胞の移動が制限される(25をまたいだ移動は困難)と考えれば理解できます。特に脳の方向に移動した細胞は体前部、尾の方向に移動した細胞は体後部のみで移動・増殖をおこなうようになることが示されています。

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図177-5 予定中枢神経幹細胞クローンの分散性の検証

マシスとニコラスは図177-5にみられるクローンの動向を解析し、頭部に展開する幹細胞と尾部に展開する幹細胞の分岐は胎生6.5日目前後に起きるものと推定しています(図177-6 参照文献4にもとづいて作成)。胎生8日目くらいにはそれぞれの幹細胞は移動先に定着して増殖・分化をおこない、中枢神経系の構築に中心的役割を果たすものと思われます。

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図177-6 神経幹細胞の胎生時の動向

 

参照

1)Scott F. Gilbert 「Developmental Biology」7th edition, Sinauer Associates, Inc., Publishers, Sunderland, Massachusettd, 2003

2)Ben Steventon, Alfonso Martinez Arias, Evo-engineering and the cellular and molecular origins of the vertebrate spinal cord., Developmental Biology vol.432, pp.3-13 (2017)
http://dx.doi.org/10.1016/j.ydbio.2017.01.021

3)Luc Mathis and Jean-Francois Nicolas, Autonomous Cell Labeling Using a laacZ Reporter
Transgene to Produce Genetic Mosaics During Development., A. Cid-Arregui et al. (eds.), Microinjection and Transgenesis, Springer-Verlag Berlin Heidelberg 1998
https://rd.springer.com/chapter/10.1007/978-3-642-80343-7_24

4)Luc Mathis and Jean-Francois Nicolas, Different clonal dispersion in the rostral and caudal mouse central nervous system., Development vol.127, pp.1277-1290 (2000)
https://journals.biologists.com/dev/article/127/6/1277/41116/Different-clonal-dispersion-in-the-rostral-and

 

 

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