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2022年3月30日 (水)

新版 生物の分類

私たちが学生の頃に学んだのはヘッケルの3界説で、これが最も大雑把な生物の分類でした。この表をみるとヘッケルの3界説は100年以上も揺るぎなく君臨していたわけです(1、図1)。

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図1 生物の最も大雑把な分類法の遷移

それが遺伝子解析が進むとともに、20年くらい前にスーパーグループという概念が生まれて、真核生物を動物・植物・原生生物などと分類してはいけないこととなりました。それはなぜかと言えば、原生生物と一括されていた生物の中には動物と植物以上に分類学的にはるかに遠く離れたグループが存在することが明らかになったからです。さらに昆布などの海藻を植物と呼ぶには、これらが陸上植物とはあまりにも遠いかすかな関係しかなく、適切でないということもわかりました。

そのスーパーグループも最近ではすっかりリニューアルされて、15年前の名残りは星印のものしかなく、同じ地位を与えられているのは Archaeplastida しかありません(2、図2)。図2では色分けしているグループが当時のスーパーグループに相当するとして確定されたものです。Excavates はおそらく今後解体されて複数のスーパーグループになると思われます。

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図2 最新の分類法(クリックして拡大して見てください)

私たちが日常語で動物と言っている生物は Amorphea というスーパーグループに含まれます。この中にはアメーバ、襟鞭毛虫、私たちがその一員である Opisthokonta(オピストコンタ)などが含まれています。日常語で植物と言っている生物は、Archaeplastida というスーパーグループのなかの Chloroplastida という分類群に所属することになります。

オピストコンタとは鞭毛が体の後方にあるという意味で、ヒトの場合も精子をみると後方に生えた1本の鞭毛を使って前方に進むという生物であることがわかります。オピストコンタの中には菌類(カビやキノコ)なども含まれているので、日常語で動物と呼ばれる生物群は、生物学ではオピストコンタのなかの分類群のひとつメタゾア (Metazoa) ということになります。

参照

1)ウィキペディア:生物の分類
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E7%89%A9%E3%81%AE%E5%88%86%E9%A1%9E

2)Fabien Burki et al., The New Tree of Eukaryotes, Trends in ecology and evolution., Vol.35, Issue 1, PP.43-55, (2020) DOI:https://doi.org/10.1016/j.tree.2019.08.008
https://www.cell.com/trends/ecology-evolution/fulltext/S0169-5347(19)30257-5

 

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