シティ・フィル-藤岡@ティアラこうとう2023/1/29
オミクロン株はそんなに恐れるべきものではないことが明らかになってきたので、久しぶりにコンサートに出かけることにしました。土曜日のマチネということで、ティアラこうとうへの電車は往復ともガラガラでした。
ティアラは半蔵門線住吉駅から5分くらいの便利な場所にあります。コンサートホールらしいところはなくて、ホワイエはおろかロビーも狭く質素なつくりで、全く街の公会堂という感じです。2F席の後ろは狭い廊下です。ただステージが広いのには感心しました。フルオーケストラがはいっても、ピアノを含めて演奏者と客席の間に3メートルくらいスペースがありました。音響も悪くはありません。
マエストロは藤岡さん、ソリストは田部さん、オケは東京シティフィルです。このコロナ禍のなかで満席に近い大盛況でした。今日の前半はスペシャルプログラムで、シューベルトの最後のピアノソナタ第21番を、吉松さんが編曲してピアノ協奏曲にした新曲の世界初演です。その辺のことを藤岡さんと吉松さんがプレトークで解説してくれました。
この曲は23年前にすでに完成していて、藤岡さんは当時演奏を依頼されたのですがびびって断ったそうです。それ以来お蔵入りしていたのを何故か今演奏の運びになりました。曲は悪くはないですが、シューベルトや田部さんや楽壇に遠慮があったのか、できるだけ原曲に近い形にしようという配慮が裏目に出ている感じのところもありました。また原曲の寂寥感よりも楽しさが前面に出ていました。それなら誰にも忖度なくバッサリと書き換えて、普通のコンチェルトとしての体裁をととのえた方が良かったのではないかと思いました。
後半のシベリウスの交響曲第1番は、藤岡さんも言ってましたが、どうして演奏機会が少ないのか不思議になる素晴らしい名曲で、日本ではシベリウスの最高権威である藤岡さんの指揮で今日聴けたのは幸いでした。シティフィルの演奏もストレスを一気に解消できるような解放感のある名演でした。
藤岡幸夫指揮 関西フィルハーモニー管弦楽団
エンター・ザ・ミュージック 2018年12月8日放送
シベリウス「交響曲第1番」
https://www.youtube.com/watch?v=URReMG2igO8
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