井上-都響 サン=サーンス交響曲第3番@池袋芸劇2021/05/18
緊急事態宣言が効いてきたのか、新型コロナも少し下火になってきました。ただインド株の蔓延を許してはいけませんが。今日のコンサートも一人置きの座席ではありませんでした。最近は会場で咳が聞こえません。マスクの効果は絶大です。
マエストロ井上(ミッキー)は「風呂場の事故でも大勢死んでいるんだから、コロナなんてたいしたことない 騒ぎすぎだ」とうそぶいていたような人なのですが、音楽はたいがい素晴らしく仕上げてきます。本日のコンマスはボス矢部で、やっぱり雨か・・・。ボス矢部も近頃大分目が悪くなったのか、楽譜が近いと思いました。サイドはゆづきさん。ソリストの辻さんは折り目正しくかつ迫力満点の若手ヴァイオリニストです。
冒頭のサティの音楽ははじめて聴きました。そこで使われる楽器がびっくり。
1.洗面器に水をたっぷり入れて、両手を開いてバシャンと水面に突っ込んで音を出します。もちろん奏者はびしょ濡れですが、周りに水が飛び散らないようビニールで囲ってあります。
2.タイプライターとベル。私たちの世代はタイプライターを使った最後の世代だと思いますが、改行するとチンとなりました。タイミングをあわせるためにチンの音はベルを横に置いて鳴らします。
3.巨大なダーツ板のようにみえますが、周辺にこちら向きにピンが多数付いていて、スティックで大きく手を回しながらはじいていきます。
4.カバーをとるとサイレンが出てきます。手で回して音を出します。
5.酒瓶を吊り下げてあり、これをスティックで叩いて音を出します。音程が調整してあるようでした。
このほか曲の途中で、奏者が二丁拳銃で銃弾を指揮者に発射しますが、ミッキーは「ウァ」と言って倒れる真似をします。それにしても、まさかあのジムノペディのサティがこんなド派手な音楽を作っていたとは!! 指揮者を撃つという仕掛けは反戦のアピールのようです。
サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲はソリスト辻さんの素晴らしい演奏を堪能しました。曲もなかなか素晴らしい。特に叙情的なパッセージが好きですね。拍手に答えてソリストアンコールもあり・・・権代敦彦:Post Festum-ソロ・ヴァイオリンのための-より「Ⅱ」。辻さんはずいぶん天井の方を向いて演奏する人だとの印象ですが、このアンコールでは地面を向いて演奏する場面もありました。
後半のサン=サーンス交響曲第3番は名曲で、芸劇名物のパイプオルガンも大活躍。私はこの曲の緩徐楽章に相当する部分が好きです。弦の響きが素晴らしい。今日助っ人で来ていたフルートの女性の音色がやわらかくて綺麗な音だなあと感心しました。どなたなのでしょう? ただ前半の2曲があまりにも強烈な印象だったので、この曲は少し影が薄くなってしまった感じは否めません。
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