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2021年1月27日 (水)

新型コロナウイルス感染症の抗体治療薬がいよいよ登場

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ワクチンは人間に抗体を作らせるために抗原またはツールを投与するわけですが、手っ取り早く抗体を直接投与するという手もあります。イーライリリーとリジェネロン(どちらも米国の製薬会社)はそれぞれモノクローナル抗体のカクテルによる新型コロナウイルス感染症予防治療薬を開発し、現在審査中です。

https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-lilly-idJPKBN29V23D

通常の抗体と違って、モノクローナル抗体は常に同じモノを製造できるので再現性があるというアドバンテージがあります。ただ抗原分子のごく一部しか認識できないので、カクテルで使うとより有効です。

イーライリリーの方は「バムラニビマブ」と「エテセビマブ」という舌をかみそうな名前のカクテルだそうです。リジェネロンも2種のモノクローナル抗体の組み合わせです。これらはおそらくウィルスが臓器を侵食した後に投与したのでは手遅れで、濃厚接触者にあらかじめ投与するとか、まだ症状が軽いうちに投与するとかするときわめて有効なのではないかと思われます。クラスターが発生している地域の住民に投与するのもいいでしょう。

ですから日本の保健所がクラスター・濃厚接触者の調査を縮小したというのは非常にまずいです。もう流行がはじまってから1年経つのですから、政府は保健所の機能を強化する手立てを講じなくてはいけないのに、なぜ後退を続けるのかわけわかりません。新規感染者数の正確さが失われ、国際的な信用も失墜します。

日本の製薬会社も動きが遅くて失望させられます。おそらく研究部門をリストラしてしまって機能不全に陥っているのではないでしょうか。

 

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