田部京子が弾く! ベートーヴェン2大コンチェルト
ピアノ:田部京子
指揮:飯森範親
オケ:東京交響楽団
約半年ぶりにコンサートを解禁しました。とはいってもこのコンサートは本来なら5月2日に開催される予定だったのが、9月1日に延期になったものです。コロナもどのような状況になると感染するのかというのがだんだんわかってきたので、お店も会場もそれなりにきちんと対策して、感染する確率は非常に低くなったと思います。
開始1時間前にサントリーホールに設置された専用窓口に行って、元のチケットを新しい席割りのチケットと交換します。結果はもとと近い場所でした。時間があるので森ビルのスタバに行くと、ここでリモートワークをしている人が結構いてびっくりしました。画面のお客さんとしゃべっているので(延々とひとりごとを言っているように見える)、違和感あります。六本木って東京のど真ん中でしょう? ここでリモートワークするのなら会社に行けよって話ですが、まあそれぞれ事情があるのでしょう。いざホールに入場すると、なんとお客が20%くらいしかいません。日本人の自粛指向もすごいと思いました。そういえば道行く人も電車の中でもほぼ100%マスク装着なので、これじゃあ欧米のようにはならないというのもわかります。
今回の演奏会は田部さんがひとりでベートーヴェンの協奏曲を2曲演奏するという趣向です。ピアノ協奏曲ニ長調はもともとヴァイオリン協奏曲だった作品を、作曲者自身が編曲したものです。私は初めて聴く作品でした。CDも持っていません。ベートーヴェンはかなりリラックスして編曲したようで、彼がこんなにユーモアのある人だとは思いませんでした。カデンツァはなんとピアノとティンパニの掛け合いで、それにしてはティンパニの位置が絶対にピアニストとアイコンタクトができない場所だったので違和感がありましたが、飯森さんが、ピアノは自由に弾いてティンパニがピアノに合わせるように配慮したのかもしれません。とても新鮮でしたし、第2楽章のピアノと弦楽ピチカートの掛け合いも良かったですね。
東響の演奏はいまいちもやっとして解像度が低いような印象をうけましたが、最近は演奏機会が希で合わせる機会が少ないので仕方ないのかもしれません。それより半年ぶりに聴く生オケの素晴らしさに圧倒されました。特にオーボエのノリの良さにはびっくりしました(荒木さん?) あとファゴットの女性奏者も同様にノリの良さが素晴らしいと思いました(福士さん?)。
後半の皇帝協奏曲は田部さんの第2楽章の演奏が好きで、私の定番となっています。田部さんのCDが出版されるまでは、グルダ-スワロフスキー-ウィーン交響楽団の演奏を聴いていましたが、乗り換えました。文句なしの素晴らしい演奏。それにしてもこのお客の数では稼ぎにならなかったと思いますが、映像も収録していたみたいなので、後々DVD/BDなどが出版されるのかもしれません。
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