コウモリウィルス研究の第一人者 石正麗
石正麗氏(写真 from Chinese state media GCTN)は武漢ウィルス研究所の研究者で、一時コロナウィルス漏洩の犯人と疑われていましたが、私はもし武漢の研究所から漏洩したなら、肖波涛教授の指摘のように武漢疾病予防管理センターの可能性の方が高いと思いました。武漢ウィルス研究所は世界的に有名なハイレベル研究機関で、ウィルスの取り扱いは厳重に行われていると思われるからです。SARSウィルスなど、恒常的に多数の危険なウィルスを取り扱っているので、研究者だって命は惜しいわけですから、いい加減な管理で研究ができるわけがありません。
http://morph.way-nifty.com/grey/2020/02/post-f079d5.html
石正麗(シー・ジェンリー)博士はバットウーマンと言われるように、コウモリが持つウィルスの世界的権威であり、2019年12月30日に研究所に妙な肺炎の患者の検体が持ち込まれたとき、上海で会議をしていました。博士は急いで武漢に帰って分析をはじめました。すぐにこの検体に含まれるウィルスがコロナウィルスの仲間であることはわかりましたが、きちんと分析しているうちに市中感染が広がって、4月には中国で3000人を上回る死者が出てしまいました。
博士のグループはすでに数百種のコウモリ媒介ウィルスを発見しており、大半は無害だそうですが、そのうち数十種はSARSウィルスの仲間で人の組織でも増殖して危険だということがわかりました。博士のグループは2015年に雲南省のコウモリ洞窟の近くにある村の住人200人の血液を調べて、うち6人がコロナウィルスの抗体を持っていることを確認しています。2019年に研究所に持ち込まれた検体のウィルスは、雲南省のコウモリから同定していたウィルスとゲノム配列が96%一致していました。雲南省の感染者が武漢を訪問すれば、当然感染を広げる可能性はあります。
コロナウィルスはヒトだけでなく多くの動物に感染するので、現在流行しているウィルスの発生源が何であるかはわかりません。センザンコウが中間宿主だという説もあります。多くのウィルス研究者達が懸念しているのは、コロナウィルスが豚にも感染するということです。豚とヒトは免疫系がよく似ていて、ウィルスが行き来しやすいそうです。
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