ゴーンの逃亡劇に思う
日産のサニーはいい車でした。10年くらい乗りました。そのあとプリウスなども使いましたが、使い勝手はサニーが一番しっくりくる感じでした。人間の感覚に寄り添った設計になっていたからだと思います。プリウスは何か違和感があって車との一体感が生まれず、いつも乗せていただいているという感覚が断ち切れませんでした。
日本政府特に経産省が戦略的に関わってきた産業政策はことごとく失敗してきました。製鉄・造船・航空機・原発・携帯電話・半導体・液晶などすべて壊滅的な結果を招いています。カジノもどんどんミソがついて、利益は米国に吸い上げられ、結局博打脳の人間が増えただけで終わりそうです。
たとえばなかでもましな方の造船についても、エキサイトニュースによると「 1990年代半ばまで30年強にわたって日本が世界の造船市場の主役を務めた。まさに“造船王国ニッポン”だったが、韓国勢が追い上げてきた。日本勢が国の指導で設備を縮小するなか、韓国側は90年代後半から大々的に設備を拡張。安値受注で日本勢を駆逐し、一気に市場を奪っていった・・・中略・・・造船の花形は、1隻当たりの船価が200億円程度と高く技術的にも難しい液化天然ガス(LNG)運搬船だ。かつて日本勢の十八番だったが、16年以降は1隻も受注していない。韓国の業界関係者によると、日本勢が成長の柱に掲げる単価の高い液化天然ガス(LNG)運搬船は、19年年始の受注残が現代重工と大宇海洋の2社で世界の約6割(72隻)を占める」(1)ということになっています。
自動車産業は最後の砦的な位置にありますが、それも日本では斜陽産業で、イージスアショアをはじめとして恐ろしいほどの税金を貢いで米国に買ってもらおうとしているのが現状です。この政策も今までの例から考えれば失敗に終わるでしょう。
日産もそのなかに巻き込まれているわけですが、これも会社や政府がルノーにとりこまれるのを嫌がって策を弄したのがゴーン事件でしょう。政府が関わった重大事件の容疑者なのに、警察が監視していないというのも間抜けな話です。弁護団の責任追及なんて八つ当たりに過ぎません。
さっさとルノーに日産を取り込ませた方が結果は良い方に出たという気がしてしかたありません。それは最初に述べたように、政府は産業政策については常に失敗をくりかえしているので、日産の独立性を確保しようとした政策もおそらく失敗に終わるだろうと予想するからです。
(1)エキサイトニュース こちら
https://www.excite.co.jp/news/article/Bizjournal_mixi201905_post-15347/
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