フォード vs フェラーリ
フォードvsフェラーリという映画を見てきました。1966年のル・マン24時間レースとその裏側を題材にしたドキュメンタリーに近い作品ですが、フォードのドライバー:ケン・マイルス役のクリスチャン・ベイルが素晴らしかった。彼は商売第一の会社組織の中でも、夢とロマンに生きる余地は必ずあるということを、実話だけに大きな説得力で示してくれました。
当時のル・マンのコースや観戦スタンドなどの雰囲気を実物を建設して忠実に再現するというのはさすがにハリウッド。監督(ジェームス・マンゴールド)はじめスタッフの心意気を感じる映画です。もちろん近代兵器のドローンなども使ってレースの迫力もたっぷり見せてくれます。しかしものすごい数のスタントマンを使って、実際のレースをドライバー目線でみせてくれるというのがこの映画の本当に凄いところです。この映画自体がスタッフの夢とロマンなのでしょう。CGなんてくそくらえ・・・かな?。
車デザイナー役のマット・デイモンはどちらかというと、ベイルの存在感をサポートする立場に徹している感じです。フォードの社長はレーシング・カーに乗せられたときの顔がすごくて、これは一見の価値があります。ヒール役の副社長もいいですね。この映画を一番盛り上げてくれたのは彼の演技かもしれません。ベイルの妻の暴走運転はわざとらしいエピソードで、ドキュメンタリータッチのこの映画で唯一の汚点でした。
マット・デイモンが最初に買った車はホンダ・アコードだそうで、いかにも彼らしいなという感じがしました。彼の出世作のボーン・アイデンティティーは深く印象に残った作品で、今でもよく冒頭の港町のシーンを思い出します。
映画館に行かないとル・マンの迫力は味わえないという意味で、この映画は小さな画面ではなく大スクリーンでの鑑賞をおすすめします。
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