ベートーヴェン第9交響曲 第1楽章の謎
オリカイネンが指揮する第9を聴いているうちに、一つ気がついたことがあります。第9の第1楽章は謎の音楽といわれていますが、ベートーヴェンはここで、興奮性の刺激と抑制性の刺激を短かいサイクルで交互に聴衆の脳に与えて、これからはじまる音楽を聴くトレーニングを行っているのです。
脳トレは知覚や知識を得るというポジティヴな側面だけではなく、リラックス・休養を誘導するネガティヴな神経系のトレーニングも同じくらい必要です。脳は興奮性と抑制性の神経系が対峙してバランスを保っていてこそ機能するのです。つまりベートーヴェンは真の脳トレの方法を知っていたのです。
そして第1楽章で十分な準備運動を終え、脳を活性化した後、本番の第2楽章(興奮性)、第3楽章(抑制性)、第4楽章(脳全体が爆発的に駆動)に進むという仕掛けになっています。
YouTubeでの第9演奏時間の比較(解説などがはいるので、実際の演奏時間はここに記したより若干短い。バーンスタインのはベルリンの壁崩壊記念なので、長い解説などがあります。)
オリカイネン:1:00:51
https://www.youtube.com/watch?v=MACdY0cWqUg
パーヴォ・ヤルヴィ:1:03:32
https://www.youtube.com/watch?v=s5Ezdc4z1ZM
カラヤン:1:04:49
https://www.youtube.com/watch?v=HV7bgY626rU
ヤノフスキ:1:06:32
https://www.youtube.com/watch?v=RkeM9N0l2Jc
トスカニーニ:1:07:32
https://www.youtube.com/watch?v=DuK133dK6eQ
ドゥダメル:1:12:51
https://www.youtube.com/watch?v=reR6josvHP8
フルトヴェングラー:1:14:40
https://www.youtube.com/watch?v=dHDXdbSWu0E
ムーティ:1:21:22
https://www.youtube.com/watch?v=rOjHhS5MtvA
バーンスタイン:1:33:51
(実際の演奏時間はムーティより若干長い程度)
https://www.youtube.com/watch?v=IInG5nY_wrU
朝比奈隆(実質最長か?)1:27:14
https://www.youtube.com/watch?v=nYZkZXOHh-c
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