コロン-都響 ストラヴィンスキー「火の鳥」@東京芸術劇場2019・02・02
まだまだ寒い日々ですが、久しぶりの東京です。都響C定期で池袋芸劇へ。本日のコンマスは山本さん、サイドは塩田さん(プルチネルラはサイドなし)。私は彼がサイドをやるのははじめて見ました。トレモロなんかコンマスと著しい誤差があって、ちょっと引きましたけどね。
今日は値段の安い席ほど空席が多という不思議な演奏会でした。まあイケメン見たさに前の席に殺到するというのは当然か? 人気沸騰中の指揮者に売り出し中の若手ピアニストの演奏会にしては、やや物足りません。曲目が地味だったのかもしれません。私的にはなかなか好ましいラインアップだと思います。
指揮者はニコラス・コロン。スマートな肢体でイケメンです。細身のボディコンスーツにすごいカフスで登場。1983年生まれで、なんと2004年にはオーロラ管弦楽団を設立し、芸術監督に就任しました。ケンブリッジ大学出身と言うこともあり、おそらく英国の貴族階級の人ではないでしょうか?
プルチネルラがはじまると、やはりノーブルで繊細な指揮ぶりでした。この曲はバロック音楽の編曲なのですが、なぜかクラリネットのパートがなく、オーボエ広田氏の独壇場。たっぷり聴かせてもらいました。
2曲目はハイドンのピアノ協奏曲ニ長調。ソリストはキット・アームストロングです。彼は1992年生まれで、まだ20才台の若手ですがブレンデルの1番弟子ということで非常に注目されています。コロンに合わせたわけじゃないのでしょうが、切れ味は十分でも大変上品な演奏でした。都響の弦パートも彼らの趣味に合わせたように繊細で上品な演奏。こういうのもできるのねと感心しました。アームストロングは歓声に応えて、ソリストアンコールもやってくれました(ハイドンのファンタジア)。
休憩後の後半はお馴染みの「火の鳥」。ですが、こんな火の鳥を聴いたことはありません。まるで王宮のステージに貴族達が集まって演奏会をやっているような感じです。気品に満ちあふれ、隅々まで配慮が行き届いた美しさ。ファゴット(岡本さん)の子守歌も素晴らしくハートフェルトでした。ただ序奏だけはちょっと上品すぎて、不気味さが足りないという不満が残りました。
コロンが常任になったら、都響も全く違ったオケになるかも知れないと思いました。彼は指揮者のタイプとしてはセミヨン・ビシュコフとやや似てるかな。コロンもビシュコフと同様、世界のトップオケを振ってまわることになるのでしょう。
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