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2018年10月29日 (月)

2018クラシコ: バルサなんとメッシ抜きでマニータの勝利

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美しく彩られたカンプノウで、いよいよクリロナ&メッシのいないクラシコ。

バルサはやはり冒険はせず、デンベレは使わないでラフィーニャを右デランテーロに起用。右SBはセルジ。マドリーは左デランテーロにイスコを起用(メディアプンタ=トップ下としてプレーすることも多い)。右SBはナチョです。

マドリーはなんと現在7位という信じられない順位で、それにふさわしい脆弱な右サイドの守備でした。ジョルディ・アルバが自由に動けるのでバルサは楽です。得意の深く進入しての折り返しをコウチーニョが決めてバルサ先制。ヴァランがスアレスの突入を止めてPKで加点。前半は2:0で折り返し。

楽勝ムードだったバルサですが、さすがに後半はロペテギもフォーメーションを変更して、なんとカゼミーロがCBの3バック。ルカス・バスケスを投入して中盤を支配し、バルサは完全に主導権を奪われました。これであれだけ警戒していたマルセロに得点を許し、危機感は頂点に達しました。

バルサが活路を見いだしたのはカウンター攻撃。セルジのクロスをスアレスがデスヘッドでゴール。さらにスアレスがもう一発決めてハットトリック。完全にマドリーの息の根を止めました。

最後はコウチーニョと交代で出たデンベレのクロスを、やはり途中出場のヴィダルがヘッドで決めてマニータ。5:1でバルサ勝利でした。うまく行きすぎたようなクラシコでしたが、メッシがいなくても、とりあえずバルサは戦えることを証明しました。

https://www.youtube.com/watch?v=o8jMLaLNAPE&feature=onebox

https://www.youtube.com/watch?v=-qtsZxlkdWc

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2018年10月27日 (土)

ジャーナリスト?

A0001_016923ここ半年ほどジャーナリストまがいのことをやっています。

ほんとに小さな町の出版物なのですが、何か書くと必ず文句をつけてくる輩がいて、まあ会社なら会社が防壁になってくれるのでしょうが、実質ひとりで編集しているのでダイレクトにいろいろきます。

1番ひどかったのは、見出しのデザインや色を変えろなどと上から目線で言ってくる輩で、まったく相手をしていられません。何しろそんなどうでもよさそうなことに、いろんな筋を使って圧力をかけてくるわけですからあきれました。

別に好きでやっていることではなく、報酬のある仕事でもないので、いつやめてもいいようなものなのですが、一応それは任せられた責任を放棄することなのでやむなく続けています。

都響の会員を更新しました。1年半も先のチケットを買うのは不安でもありますが(生きてるかどうかもわからないので)、一方で確保できていると言う意味で安心でもある不思議な気持ちです。ともかくまとめて買うと圧倒的に安いというのが肝要ではありますが。

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2018年10月25日 (木)

日本は法律を整備して移民を認めるべきです

Japan_sex_by_age_2000

上の図は2000年の国勢調査の結果に基づく人口構成比の図です(ウィキペディアより)。30才以下の人口が急速に減少していることは明らかです。このまま推移すれば、いずれ老人国家になることはこの時点でサルでもわかります。この異常事態に対して、政府はなんら有効な対策を実施してきませんでした。

今安倍内閣がやろうとしてる入管法改正は、もうおしりに火がついて体に火が回りそうになってからの泥縄式の改革です。自民党は国粋主義的傾向を持つ一定の国民の支持を得ているため、あからさまに移民政策を促進するとは言えなかったのです。それによって政権を失うことを恐れたのでしょう。

ですからなし崩し的に少しづつ法改正を行なって、外国人労働者をなるべく国民に知られないような形で増やしてきました。しかしそれももう限界です。きちんと移民法を制定して、米国のグリーンカードのようなものを発行し、永住権を認める政策に転換すべきです。

土建屋さんに訊くと、今労働者は15,000~20,000円/日で集めても、必要な人員をなかなか確保できないそうです。ですから植え込みの位置を10メートル移動するというような仕事もスムースにはいかないとのこと。日本の労働者不足は、専門的技術を持った人に来てもらうというような事態をはるかに越えているのです。

私達は、「日本国は日本人という人種だけのものではない」という覚悟をすべきです。それは何も有効な対策を打ってこなかった政府をずっと支持してきたことのツケです。

日本国民としてのアイデンティティーを何に求めるべきかというと、それは日本語を話すということでいいのではないでしょうか。米国ではスペイン語しか話せない人が多いと聞きますが(わが阪神タイガースのヒーローインタビューでもスペイン語通訳付きの場合がままあります)、そのようなことにならないよう、日本語教育は政府が支援してきちんと行なうべきです。

野党も政府を批判するだけではなく、移民法と人種差別禁止法をセットで国会に提出するくらいのことはやってほしいと思います。

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2018年10月22日 (月)

メッシ骨折の衝撃 来週はクラシコ

Braugranaなんとクラシコを目の前にしたセビージャ戦で、メッシが腕を骨折するというアクシデント。自分で地面についた手ですから、誰にも文句は言えません。

試合はまさしくバルサスタイルの絶妙のなショートパスの連続からコウチーニョが決め、さらにカウンターからメッシがお得意の中央に切れ込んでの左足シュートを決める、という理想的展開で4:2で勝利しました。

とはいえセビージャは3322という変則的なフォーメーションで、3列目サイドのアラーナとヘスース・ナヴァスが左右から攻め込むというのが止めにくく、手こずりました。試合開始からしばらくの間、この2人が引き気味だったのがラッキーでした。

メッシが引っ込んだ後デンベレがでましたが、もうデンベレはポジションフリーでやらせた方がはるかに良いということがわかっているはずなのに、この試合では右固定でした。これでは彼の良さが引き出せません。鎖につながれた猛獣のような感じですね。ミスも多かったと思います。

クラシコでは彼を完全フリーでやらせて欲しいですね。そうすればコウチーニョやスアレスとのコンビネーションもうまくいきます。私のカンでは、バルベルデは使ってこないような気がします。おそらくセルジを使うのでしょう。まあその方が安全策ではありますが。

Barca vs Sevilla
https://www.youtube.com/watch?v=lDl2nBU7mZQ

エル・クラシコ:

ゴール集
https://www.youtube.com/watch?v=ZbXTZQ5tGds

アクシデント
https://www.youtube.com/watch?v=b0o9rc66F0M

バルサのアート
https://www.youtube.com/watch?v=_lHClR8TO24

直前スペシャル(WOWOW)
https://www.wowow.co.jp/detail/113947/-/01

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2018年10月21日 (日)

サラとミーナ208: すっかり落ち着いた感じのサラ

Imgaもうすぐ13才となるサラ。同じ12才でもミーナは子供のままなのですが、サラはそれなりに落ち着いた感じになってきました。

昔のように家中点検してまわるというようなこともなく、のんびりと過ごしています。

私とのコミュニケーションが必要なときは、若干のジュスチャーとともに小さな声でミャーと鳴くので、だいたいわかります。

水の容器の前で鳴くと「水が古いから替えろ」

ベランダと私を交互に見ながら鳴くと
「ベランダの扉を開けろ」

鳴いた後私をエサの場所に誘導すると
「エサが残り少ない」

そのほか数語は理解できるので、そこそこコミュニケーションはできている感じがします。

一方ミーナはどんなときに鳴くかというと、

「サラばかり可愛がらないで、私もなでて」
「もっと遊ぼう」
「もっと抱いて」
「はやくイベント(ミーナとのイベントがいくつかある)をやろう」

などで、ずいぶんサラとはしゃべる言葉が違うようです。

Imgb


サラはあまり歓迎しないのですが、サラとくっついて眠るのが好きなミーナ。

2匹分のスペースはないので、無理につめこむか、このように下半身がはみ出した状態で我慢するかです。

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2018年10月20日 (土)

大野-都響 サン=サーンス交響曲第3番オルガン付き@サントリーホール2018・10・19

Img今日は矢部ちゃんがコンマス(指揮はマエストロ大野、サイドはゆづき)でやっぱり雨降りの六本木。

サントリーホールに到着すると、チケット引き替え窓口で絶叫している女がいて、それが止まりません。カラヤン広場に係と通訳(?)が出てきて説得するも納得せず、延々と衆人環視の前で絶叫は続く。どうも日本語ではないようです。

日本の大企業のモラルの劣化は著しいですが、中小企業も同じでしょうかね。サントリーホールの係員はどうしてこの人を事務所に案内して、関係者だけで座って話をしようとしないのでしょうか? 常識が欠如しています。そのくせ周りで写真におさめようとしている人がいると阻止にはこまめに向かっていきます。カラヤン広場で誰かが絶叫していれば、それは見世物でしょう。

ところがこの日のアクシデントはこれが序の口で、マントヴァーニの本邦初演曲の演奏中に、ソリスト(ツィンマーマン)の弦が切れて演奏中断というびっくりのアクシデント。交換している間みんな手持ち無沙汰で困りますが、マキロンだけは爆笑していました。

曲はまあ眠らずに聴けるという程度の内容でした。ソリストの2人のヴィオラ奏者は大変だろうなという難曲でしょう。私的にはわざわざCD買って聴くような有難い音楽ではありません。こういうのをやるならオネゲルかペッテションのシンフォニーをやって欲しいと思うのは私だけでしょうか。

本邦初演は大失敗でしたが、大喝采に答えてソリストアンコール。ここでタメスティは鈴木と楽器を交換して演奏(ジョークだと思いますが)。しかも曲がバルトークの「嘆き」とは!!
・・・余裕です。

一方マエストロ大野はドカンとアドレナリンが上昇したらしく、後半は鬼神のような指揮でサン=サーンスの交響曲第3番。冷静を棄てたときの大野はすごい。すごすぎてピアノが活躍すべきところなどに若干の不満はありましたが、物凄くテンションの高い爆演を楽しませていただきました。

こんな曲です
https://www.youtube.com/watch?v=ZWCZq33BrOo

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2018年10月17日 (水)

The surf girls

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Internet explorer から YouTube が閲覧できないという不具合が発生したため、いったん削除しましたが回復したのでもう一度トライしてみました。

写真は The surf girls。 美しい米語(個人的にはカレン・カーペンター以来だと思う)で、「I can hear music」を歌っています。
https://www.youtube.com/watch?v=Lq1Ip1PxJIE
https://www.youtube.com/watch?v=aeKosgyL100

オリジナルは多分 The ronettes だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=9HLHIpiUjmE
https://www.youtube.com/watch?v=fDnlWG40gmw&start_radio=1&list=RDfDnlWG40gmw

Beach Boys & Kathy Troccoli version
https://www.youtube.com/watch?v=wBBJP4RS4VE

それにしてもHPは閉鎖されていますし、CDも売っていないということで、解散してしまったのでしょうね。

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YouTube のアクセス障害の記事がいったんアットニフティーニュースに掲載されたにもかかわらず、すぐに削除されるという不穏な事態になっています。

ひょっとするとGoogle社に悪意を持っている者が、いかにもGoogle社の仕業のようにみせかけてハッキングしたのかもしれません。

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2018年10月14日 (日)

大野-都響 フルネ没後10年記念コンサート@東京芸術劇場2018・10・13

Img芸術の秋です。第一弾は都響永久名誉指揮者ジャン・フルネ没後10年記念コンサートです。マエストロ大野がプレトークでフルネさんの想い出を語りました。アンサンブルが整うまで、同じフレーズを10回もやり直させたというお話をうかがいました。

本日のコンマスは四方さん。サイドは矢部ちゃんです。ジャン・フルネの最後のコンサートですが、私はどうしてもの仕事で行けなかったのは残念な思い出です。

大野さんはいつもきちんとした仕事で信頼は厚いのでしょうが、本日のプログラムは特に自家薬籠中のものらしく、ノリノリでした。

ただラヴェルのピアノ協奏曲は、ソリストのリーズ・ドゥ・ラ・サールにペースを奪われて、彼女のなすがまま。こんなピアノは日本人や中国人やドイツ人には弾けないんでしょうね。参りました。でも第2楽章でイングリッシュホルンの南方とはアイコンタクトなどとりつつ合わせていました。いい感じでしたね。

終了後大歓声でソリスト・アンコールもやってくれました。
(ドビュッシー前奏曲集第1集からパックの踊り)

いい感じと言えば、ステージの中心でイケメン男子がフルートを吹いています。やわらかくていい音色です。上野星矢というそうで、HPをみるとまるでアイドルタレントです。
http://www.mori-music.com/seiya.html

こういう人が中心にいるとオケのイメージが変わります。エキストラだったのでしょうが、彼は基本ソリストでやっていくみたいで、団員にはなってくれないでしょうね。

久しぶりでフルートの小池さんが演奏していました。休み明けにしては妙にやつれた感じがしたのはどうしたことでしょう?

都響提供の動画
https://www.youtube.com/watch?feature=youtu.be&v=id9bFs4kEig&app=desktop

ジャン・フルネさんのインタビュー
https://www.youtube.com/watch?v=C-muFcrrbH0

ジャン・フルネさんの指揮
https://www.youtube.com/watch?v=nxtKmbkLoi0

リーズ・ドゥ・ラ・サールさんの演奏
https://www.youtube.com/watch?v=wZG5hOS6blk
https://www.youtube.com/watch?v=gLg1jPVRqzo

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2018年10月13日 (土)

やぶにらみ生物論115: 昆虫の単眼

多くの昆虫たちは立派な複眼を2つ持っている上に、3つの単眼を持っています(図1)。彼らはどうしてこんなに贅沢な眼のセットを装備しているのでしょうか?

図1中央のカマキリ(1)の3つの単眼をみると、左右の単眼は左右を、前の単眼は前を向いているように見えます。これは左のアシナガバチの場合とは違う感じがします。

右図のカマキリが飛んでいるところを示しますが(2)、カマキリは人間で言えば立った状態で飛んでいるように見えます。こんな状態だと、眼が前を向いていないと視界が上と後方に限られます。ですから単眼の前の1個は前方を見ている必要があること、そして後ろの2個は左右を見ていることが推測できます。

ハチは体を水平にして飛ぶので、体の外側に眼が飛び出してさえいれば、広い視野が確保できるのでしょう。

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私が単眼に興味を持ったのは、水波誠著「昆虫-驚異の微小脳」(3)を読んでからです。この第4章はすべて単眼について述べてあります。

素晴らしい本なのですが、この第4章は記述に混乱がみられ、私も原著をさがして検証していったので少し疲労しました。特にチャールズ・テイラーの仕事(後述)については、名前を出して解説すべきではないでしょうか? 是非改訂版を出版して欲しいと思います。

単眼の構造はヤフー知恵袋にきれいな絵があったので(4)、改変して図2を作成しました。図2に示したように、昆虫たちの単眼が私達の眼と異なるのは、ピントを合わせたり光量を調節したりする装置がまったく装備されていないことです。ですから網膜の上に像を結ばせることはできませんし、まぶしさを回避することもできません。

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単眼からは少し話がそれますが、ドナルド・ウィルソンという登山家としても有名な研究者が1961年に「The central nervous control of flight in a locust」という論文を出版しました(5、図3)。これは衝撃的なタイトルです。それまでは動物のリズミカルな運動は末梢神経における反射の連続で行なわれると考えられていたからです。

ドナルド・ウィルソンはバッタの飛翔が全身の感覚器を動員して、中枢神経の制御のもとに行なわれることを証明しました。彼の論文は単独名ですが、ジェラルディン・タカタという方が実験のお手伝いをしていたようです(6)。

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ドナルド・ウィルソンは1970年に37才の若さで亡くなりました。アイダホ州の川でラフティング(急流下り)を楽しんでいるときに不慮の事故にあったそうです。あるサイト(7)に、彼の仕事と生涯の記録がアップされています。プライベートな多数の写真も見ることができます。

マーチン・ウィルソンはドナルド・ウィルソンの仕事を引き継ぎ、バッタの飛翔には3つの単眼から得られた情報が中枢神経で処理されることが重要であることを示しました(8)。さらにチャールズ・テイラーはバッタの3つの単眼がそれぞれ空と大地などの明るさを識別し、その割合と境界線の角度を知ることによって、飛翔を安定化していることを示しました(9、10)。これこそが主要な単眼の機能だったのです。

前に位置する1個の単眼は、暗部が多いと下向きの飛翔、明部が多いと上向きの飛翔であることを認識し、これを中枢神経に伝えて、もし水平飛行すべきであればそのように筋肉に修正の指示を出すわけです(図4)。後部のふたつの単眼はそれぞれの明暗部の割合から左右どちらに傾いているかを認識し、修正することができます。また明暗域の左右への移動から旋回の方向と速度を測定することができます(図4)。まさしく航空機が搭載しているジャイロスコープのような役割を果たしているわけです(9、10、図4)。

しかし地平線とか景色とかは複眼でも見えているわけですから、なぜ単眼でなければならないのでしょうか? 複眼は見ているものの形を識別するために、多数のニューロンに個別にパルスを発生させ解像度を高めています。また記憶と照合するなどの作業のために神経回路も複雑になっています。一方単眼はもともと結像していませんし、単眼といってもそれなりに視細胞は多数ありますが、実はそれぞれの情報を極めて僅かなニューロンに集積しているのです。しかもその結果を最少のシナプスで中枢神経に伝えます。

このようなシステムによって、単眼は明るさ暗さを精細かつ短時間に中枢神経に伝達することができます。水波の著書(3)によると、バッタの単眼と複眼に光刺激を与え、刺激開始から運動中枢のニューロンに応答が起こるまでの時間を測定したところ、複眼では25ミリ秒~33ミリ秒であったのが、単眼では9ミリ秒だったそうです。飛翔の制御は迅速に行なうことが特に重要なので、単眼のメリットは十分にあると考えられます。

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単眼はすべての昆虫に3つづつ配置されているわけではなく、ゴキブリや類縁関係にあるシロアリでは2個しかありませんし(11、12、図5、単眼は触角の根元にあるようですが、私はどこにあるのか判定できませんでした)、多くの甲虫は単眼を持っていません。おそらく生活の中で、上手に飛翔する必要がないグループでは退化してしまったのでしょう。実際カミキリムシなど甲虫の飛翔は実にのんびりしたものです。それでも体が硬いので鳥のエサにはなりにくいのでしょう。

単眼が2個のゴキブリですが、バッタやミツバチに比べてゴキブリは実験室での飼育が圧倒的に簡単です(さすがに大量に飼育しているのを見るのは気持ち悪いですが)。

水波はワモンゴキブリを材料として単眼の研究を行ないました(3)。水波によると、ワモンゴキブリの単眼には約1万個の光受容細胞がありますが、それらは僅か4つの二次ニューロンとシナプス結合するそうです。これは明るさの違いを二次ニューロンが精細に識別することができることを意味します。そして1個の二次ニューロンはそれぞれ13個以上の脳細胞(3次ニューロン)に接続しているそうです。

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ゴキブリはおそらく上手に飛翔するよりも、主として明るさを避けたり、暗闇の中での確実で迅速な行動のために単眼を使っているのではないかと考えられます。ゴキブリの飛翔は何度か見たことがありますが、ミサイルのように直線的に突進する感じでした。

さて、では私達の祖先にもあったはずの単眼はどこに行ってしまったのでしょうか? ヒトの場合、その痕跡は脳の奥深くに松果体という組織で残っています(図6)。私達の祖先には頭頂部に光を通す頭蓋骨の「窓」があり、現在は松果体となった光感知組織(網膜)が存在したと考えられています。

今その松果体は何をやっているかというと、メラトニンという催眠ホルモンを分泌し、概日リズムを保つ(ひらたくいえば夜が来ると眠くなる)上で重要な働きをしています。松果体自体は脳の深部にあるので光を感知できず、眼や皮膚で感知した光の情報が視床下部に届き、視床下部が松果体に指示を下すとされています(13)。

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脊椎動物の中にも、祖先が持っていた単眼(頭頂眼)を失わずに持っている種類がいます。図7のウシガエル、マダガスカルミツメイグアナ、カリフォルニアアノールトカゲなどです。ほとんどの脊椎動物は三畳紀にこの頭頂眼を失ったとされています(13)。どうしてそうなったのかは全くわかりませんが、哺乳類についてはおそらく多くが夜行性だったために、夜になると眠くなるのでは困ったのかもしれません。もっともゴキブリは単眼があるのに夜行性です。ただこれは察知して明るいところを避けているとか、日光の照射には弱いとか別の理由がありそうです。

また三畳紀末期は哺乳類を派生した単弓類のほとんどが壊滅するような絶滅時代で、これは乾燥によるとされています。この時代を生き残るには夏眠(冬眠)ができるものが有利で、概日リズムはむしろ上書きされなければならなかったのでしょう。三畳紀には翼竜という空飛ぶ爬虫類も出現しましたが、昆虫のように3つの単眼でジャイロスコープの役割を果たすというような特殊な進化はみられなかったと思われます。3つの単眼を持つ脊椎動物はみつかっていません。

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参照

1)南大沢昆虫便り
https://blog.goo.ne.jp/mos314/e/8ef2c28d7e5a9d8cdc7bc313160a3a86

2)昆虫の楽園
http://a-kurosawa.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-0461.html

3)水波誠著「昆虫-驚異の微小脳」中公新書1860(2006)

4)https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11174624961

5)Donald M. Wilson, The central nervous control of flight in a locust., Exp. Biol., vol.38, pp. 471-490 (1961)
http://jeb.biologists.org/content/209/22/4411

6)Donald M. Wilson, Inherent asymmetry and reflex modulation of the locust flight motor pattern. Exp. Biol., vol.48, pp. 631-641 (1968)

7)Donald M. Wilson~ the point that must be reached ~ (1932 - 1970)
http://faculty.ucr.edu/~currie/donald-wilson.htm

8)Martin Wilson., The functional organisation of locust ocelli., J. Comp. Physiol., vol. 124, pp. 297-316 (1978)
https://link.springer.com/article/10.1007/BF00661380

9)Charles P. Taylor., Contribution of compound eyes and ocelli to steering of locusts in flight. I. Behavioural analysis.,  J. Exp. Biol., vol. 93., pp. 1-18 (1981)
http://jeb.biologists.org/content/93/1/1

10)Charles P. Taylor., Contribution of compound eyes and ocelli to steering of locusts in flight. II. Contribution of compound eyes and ocelli to steering of locusts in flight.,  J. Exp. Biol., vol. 93., pp. 19-31 (1981)
https://pdfs.semanticscholar.org/d5f7/0c0958c6dc3ac9674038bb2ff20e53dcceb3.pdf#search=%27Contribution+of+compound+eyes+and+ocelli+to+steering+of+locusts+in+flight.+I.%27

11)BSI生物科学研究所 衛生昆虫の微細構造 第一章
http://bsikagaku.jp/insect/cockroach.pdf#search=%27%E3%82%B4%E3%82%AD%E3%83%96%E3%83%AA+%E5%8D%98%E7%9C%BC%27

12)山野勝次 昆虫学講座 第3回
https://www.bunchuken.or.jp/wp-bunchuken/wp-content/uploads/2012/03/60_4.pdf

13)松果体(ウィキペディア)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E6%9E%9C%E4%BD%93

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2018年10月11日 (木)

都響: 2019~2020シーズンプログラムを発表

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都響の2019-2020シーズンのラインナップが発表になりました。

http://www.tmso.or.jp/j/topics/detail.php?id=1414

#アンナ・ヴィニツカヤが共演してくれるのはうれしいのですが、非常にニュアンス豊かな方なので、どちらかというとソロで聴きたいピアニストです。

#マエストロ・小泉は最近芸域を広げていますが、演奏効果も重視しているので、プログラムも名曲揃いです。特にプロムナードは激しいのがてんこ盛りでオケは大丈夫か?

#マエストロ・アラン・ギルバートがマーラーの6番をやるというので楽しみです。今シーズンの都響マーラーはこれのみということで呆然。チケット取るのは大変そう。

#マエストロ・インバルはショスタコ-ヴィチの11番、12番などエキサイティングなラインナップ。まだ昨年井上-大フィルの演奏で、一日で両方聴いてノックアウトされた余韻が残っていて、ちょっともったいない気もします。
http://morph.way-nifty.com/grey/2017/02/post-860b.html

#ベルクもニールセンもブリテンも全く苦手なので、今シーズンのマエストロ・大野はシベリウスナイトくらいかな。ただ美音の柳原と、超美音のエーベルレは・・・どうしよう? インバルがショスタコーヴィチの11、12番で大野は10番と、ショスタコーヴィチは大繁盛です。

#おそらくマエストロ大野は都響が永年積み上げてきたマーラーオケブランドを解体したいのではないかと思いますね。

#特に聴きたいのはマエストロ・ロトのコンサートでしょうかね。ラモー「優雅なインドの国々」とラヴェル「ダフニスとクロエ」です。ミンコフスキの悲愴交響曲も興味津々ですが。

#ひとつ気がついたことは、年末恒例の第9を除くと、ベートーヴェンは7番のみです(マエストロ?・ペンデレツキが担当)。そうえいば、矢部ちゃんが都響のメンバーを使って「トリトン晴れた海のオーケストラ」でベートーヴェン・チクルスを進行中でしたね。

#「5大陸音楽めぐり」とはまあ苦心惨憺のサブタイトルですが、無理しなくてもそのまま「プロムナードコンサート」でいいのにと思います。

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2018年10月 9日 (火)

JPOP名曲徒然草190: nekomeshi by やくしまるえつこ

Imgやくしまるえつこさんは泣く子も黙る「相対性理論」のプロデューサー兼ボーカルで著名な人ですが、私は相対性理論の曲はわりとよくわからないものが多い、というのが本音(業界の評価は非常に高いらしい)。

けれども、やくしまるえつこ名義のこの「nekomeshi」は気に入っています。時代の空気が流れているんだけれども、少し距離を置いている感じなのかな。

作詞・作曲:ティカα(=やくしまるえつこ)、編曲:Jimanica、キングレコードKICM1312 (2010)

公式HP:http://yakushimaruetsuko.com/

相対性理論公式HP:http://mirairecords.com/stsr/

nekomeshi
https://www.youtube.com/watch?v=Mt468q_jqoY

ジェニーはご機嫌ななめ(ジューシーフルーツ)
https://www.youtube.com/watch?v=enXuwImFYl4

ロンリープラネット
https://www.youtube.com/watch?v=CLKO4yWY-0g

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わたしは人類

https://www.youtube.com/watch?v=92Dcp9Fbdac

https://www.youtube.com/watch?v=BMiogElZRGw

わたしは人類(ライヴ)

https://www.youtube.com/watch?v=WOkZ0cAv-Is
↑自分の音楽をシアノバクテリアのゲノムに移植
(実演は5分45秒から@リンツ・ブルックナーハウス)

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「YOU & IDOL」相対性理論
https://www.youtube.com/watch?v=FYtBA-1eXhE

「LOVEずっきゅん」相対性理論
https://www.youtube.com/watch?v=nFG4oQE1Et8

「たまたまニュータウン」相対性理論
https://www.youtube.com/watch?v=jO4C_m-c8eo

「ケルベロス」相対性理論
https://www.youtube.com/watch?v=hLMJXH8TMJg

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2018年10月 6日 (土)

サラとミーナ207: ミーナに大接近

Imga


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ミーナ(12才)のクローズアップショットに挑戦!

緊張するとカメラ目線になるので、リラックスしてる方かな。

それにしても立派なおひげです。

青は私のスエット。

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2018年10月 4日 (木)

井上-読響 マーラー交響曲第8番@東京芸術劇場2018.10.3

Imga井上-読響の「千人の交響曲」です。読響主催ではなく、芸劇主催ですが、たいしたプロモーションがなくてもチケット完売。

ステージの前に「こぶ」みたいな小さなステージをくっつけて、指揮台を置いていました。コーラスを収容するために必要な措置だったのでしょう。客席もかなり減らしていました。

マーラー交響曲第8番「千人の交響曲」は、今回の公演でもホルン9本というような大規模な編成のうえに、コーラスがとてつもない大人数になるので、ブッキングと練習が大変な曲です。めったに上演できるものではありませんし、聴けるものでもありません。

先週はびわ湖ホールでの公演が台風で中止となり、ゲネプロを公開して公演にかえるという主催者の奇策が物議を醸しました。
https://www.biwako-hall.or.jp/performance/2017/12/02/208.html

今日のコーラスは首都圏の音楽大学が総力を挙げて取り組み、立派な演奏をなしとげました。

第1部が終了したところで、「若い天使たち」のパートの方々が、ステージ上でお色直しをしたのには仰天しました。初めての経験です。

私は第1部が終わったところで休憩したらと思いますが、指揮者は(こんな無理筋をやっても)休みを入れたくないんですね。

井上-読響の演奏はバラで悪魔を打つところから、マリア崇拝の博士が歌い出すまでのところが息をのむような美しさでした。特に1Vnの驚異のアンサンブルとロマンティックな雰囲気が素晴らしいと思いました。

ソリストの中では特に池田さんの声が印象に残りました。慶応大学法学部出身だそうで、声楽家にはいろんな方がおられます。マリア崇拝の博士のグリフノフは張りのあるエキサイティングなテナーですが、ステージではなくそをほじるのはやめてほしい。青戸も素晴らしいですが、立ち位置を間違えてあわててもどるというのは爆笑です。

森麻季は例によって栄光の聖母役で、おいしいところを持っていきます。オルガンの前で歌うのですが、手すりに両手をついて歌うというのにはびっくり。どうしてなんでしょう? 謎です。ひょっとして高所恐怖症なのか?

井上さんの指揮はいつ聴いても魅了されます。結局最後は彼の人徳なんですね。演奏終了の合図は客席を向いてやるのですが、大野やヤルヴィや上岡がこれをやったらいやらしいでしょう。

最後に芸劇のリーフレットですが、児童合唱も含めて出演者全員の名前が記してあるのは好感が持てました。

都響はマーラーが売りなんですが、今年は他のオケに持って行かれましたね。来年は頑張って欲しいと思います。

こんな曲です
https://www.youtube.com/watch?v=sgEvco07TWw

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2018年10月 2日 (火)

やぶにらみ生物論114: ミツバチは日々記憶をたぐり、考え、判断する

今回はミツバチのお話しです。ミツバチの研究は日本でも活発に行なわれており、玉川大学にはミツバチ科学研究センターがあり(1)、山田養蜂場にはみつばち健康科学研究所があります(2)。ここでは簡単なミツバチについてのお話しと、私が関心を持ったことについて少し述べたいと思います。

ミツバチはご存じのように社会性昆虫でハイブと呼ばれる巣(そういえばバイオ・ハザードのアンブレラ社の研究所はハイブといって、ボスはコンピュータでした)をつくり、1匹の女王(図1)と多数の働き蜂と少数のオス蜂で社会を構成します。働き蜂の形態は図1の右に示したようなもので、尾部に毒針をもっていることが目立った特徴ですが、これについては最後にふれます。

もうひとつの特徴はかなり毛むくじゃらだということで、この毛は哺乳類の毛とは全くちがったものですが、哺乳類と同じ役割を果たすのかどうかはわかりません。保温や紫外線の直射を逃れるのには多少役だっているのかもしれません。多分より大事な役割は花粉をくっつけることで、蜜をまぜて花粉団子をつくり巣への運搬に役立てています(3)。このほか単眼や複眼や体全体に花粉がくっついて、それを足で払いのける際にキズがつかないようにという役割もあるのでしょう。

A_8

みつばちはひとつのApisという属の生物ですが、コミツバチ・オオミツバチ・ミツバチという3つの亜属にわけられていて、セイヨウミツバチとトウヨウミツバチはミツバチ亜属に含まれます。ニホンミツバチはトウヨウミツバチの亜種なので、もちろんミツバチ亜属に含まれます。

セイヨウミツバチは欧州・アフリカに分布し、トウヨウミツバチ・オオミツバチ・コミツバチはアジアに分布します(コトバンク)。オーストラリアやアメリカ大陸にはもともとミツバチはいませんでした。ただし養蜂業者が持ち込んだために、現在では図2のような分布図は無意味となっています。セイヨウミツバチは採取できる蜜の量が多いので、最近では日本でもセイヨウミツバチが優位の分布になっているようです。

A_9


さて、ミツバチが8の字ダンス(waggle dance)で花の位置を仲間に教えるということは大変有名で、高校などの教科書にも記載されています。このことを発見したのはカール・フォン・フリッシュです(4、5、図3)。無脊椎動物が言葉を持っているという大発見でしたが、彼がノーベル生理学医学賞を受賞したのは研究発表後50年も経過してからの1973年のことでした。

ミツバチは蜜が吸える花が巣から数メートルくらいの距離にあるときは、ぐるぐる回るだけですが、花が少し遠いところにあると、方角と距離を仲間に教えるために8の字ダンスを踊ります。図3の蛇行曲線の位置をおしりを振りながらブンブン羽音をたてて進みます。

この尻振りダンスの重力の鉛直線(図3の上下の青線)からの角度が、太陽からの角度(θ)を示し、尻振りダンスをしながら進む時間の長さが距離をあらわしています(図3)。現在ではリアルタイムで自動的にミツバチのコミュニケーション・ダンスを検出、解読、そしてマッピングできるシステムが開発されています(6、7)。

A_10


大事なのは、ミツバチが垂直に巣板をならべるように巣をつくることです(図4)。図4はたまたま外側の覆いが無く、内部が露出した巣です。左のスズメバチの巣(8)は私達の団地のように水平に1F・2F・3F・・・となっていますが、右のミツバチの巣(9)は垂直の層構造になっています。もし水平の構造だったら、8の字ダンスはありえません。なぜならY軸が決まらないからです。ミツバチは重力のベクトルと反対方向を0度とし、そこから何度ダンスの進行方向がずれているかで太陽と花の角度を仲間に知らせます。

ですからスズメバチのような巣だと、地磁気探知の機能を使って方位を知る能力でも持たない限り、太陽からの角度を表現できません。

A_11


ここで一つ驚くのは、太陽と花の角度は図3の左図のように地面に水平な地図上の角度ですが、ミツバチはこれを90度ずらして、垂直な壁に角度を表現します。これは彼らが壁に地図をかけて位置を知ることができる人間にも似た能力を持っていることを意味します。人間にも地図が読めない人がいる(10)ことを考えると、これは驚異的です。

そしてミツバチの知能はまだまだこんなものではありません。Martin Giurfa らはいろいろな図形を左右に傾けて、右に傾斜したときだけご褒美(砂糖水)をあげると、ミツバチはやがて学習した図形以外のさまざまな図形がどちらに傾いているかを認識することができることを証明しました(11、図5)。つまり彼らは図形の傾きという抽象的概念を抽出して頭脳に記憶し、さまざまな図形に適用してそれらが傾いていることを判断できるのです。

A_12


文献(11)では、さらにさまざまな対称性をもつ図形と対称性を持たない図形(図6a)をミツバチに見せ、片方を選択した場合だけご褒美をあげるというトレーニングをすると、学習した図形とはまったくことなる図形群(図6b)を見せた場合も、それが対称性を持つものか持たないものかを判別することができることを証明しています(図4)。

つまり彼らはさまざまな図形から対称性という抽象的概念を抽出して頭脳に記憶し、さまざまな図形に適用してそれらが対称性をもつものかどうかを判断しているのです。図5や図6の図形はミツバチやその祖先が何億年もの間みたこともないものです。彼らはあきらかに本能にしたがって生きているだけではなく、私達と同様日々記憶し、また日々記憶をたぐっていろいろ迷い考えて、そして最後は決断しながら生きているのです。

A_13


こんな画像から抽象的な概念を抽出するなどという複雑なことがうちのサラやミーナにできるでしょうか? いやそれは無理でしょう。ミツバチはほとんどの哺乳類の脳ができないようなことができるという、きわめて知的な動物であることがわかります。

私達とミツバチとは系統的にはずいぶん離れていますが、結局毎日なさねばならぬ事はそんなに違わないということでしょうか? エサをみつける、エサかエサでないかを判断する、エサの場所を記憶する、共有すべき情報を仲間に伝える、住む場所をつくる、捕食者から逃れる、敵と戦う、などはヒトもミツバチも日常的にやっていることです。そのようなことを上手にやれるように進化してきた結果、似たようなことになる部分もあるというのはわかる気がします。

最後に蜂の毒針についてふれておきます。毒針はもともと産卵器だった構造が変化してできたそうで、すべての蜂がもっているわけではありませんが、スズメバチ・アシナガバチ・ミツバチなどは持っています。ただし産卵器が変化したものなのでオスは持っていません。

A_14


図7の毒針の形態図は生きペディアのサイト(12)から拝借しました。ここで示すように、毒針は2本の穿刺針と1本の毒液注入針からなります。穿刺針の外側は矢尻状になっていて、いったん刺すと抜けにくくなっています。抜けるかどうかは刺された生物の皮膚の硬さによります。ミツバチはいったん刺すと、刺した針を抜けず無理に抜こうとすると体内の臓器ごとはがれてしまうので、やがて命を落とすことになるとされていますが、それは人を刺した場合のことであって、「皮膚が硬いが刺せないほどではない」というミツバチにとってはまずい事情のためにそうなってしまうのです。ですから、刺した動物(昆虫も含む)によってはうまく抜いて再使用できる場合もあるようです。

図7の右側には毒の成分を示しました。一部しか記していないので、詳しいことが知りたい方は他の文献(13など)をご覧下さい。なかでもスズメバチのマンダラトキシンは神経伝達を阻害する強力な毒素のようです。私達哺乳類が刺された場合、毒性そのものはたいしたことない場合でも過剰な免疫反応でアナフィラキシーショックを起こすことがあるので気をつけなければなりません。

参照

1)http://www.tamagawa.jp/research/academic/center/honey.html

2)https://www.bee-lab.jp/?prid=pli_ad_aac_A02_Y426&sc_cid=pli_ad_aac_A02_Y426

3)NHK for school  だんご職人 ミツバチの秘密
https://www.nhk.or.jp/rika/micro/shiryou/2010_001_01_shiryou.html

4)Uber die "Sprache der Bienen". Eine tierpsychologische Untersuchung. In: Zoologische Jahrbucher (Physiologie), Abteilung fur allgemeine Zoologie und Physiologie 40, S.1-186 (1923)

5)Aus dem Leben der Bienen. Springer Verlag Berlin (1927)
https://www.springer.com/de/book/9783642649226

6)ニューラルネットで「ミツバチのダンス」解読、大量死の謎解明へ
http://ascii.jp/elem/000/001/549/1549709/

7)Automatic detection and decoding of honey bee waggle dances. Fernando Wario, Benjamin Wild, Raul Rojas, Tim Landgraf., arXiv:1708.06590 (2017)
https://arxiv.org/abs/1708.06590

8)スズメバチの巣(やす緑のひろば) 
http://midorinohiroba.shiga-saku.net/e977278.html

9)ミツバチの巣(山里の素人農業) 
https://daii.jp/bee/kaiho_s.php

10)「地図が読めない人」の脳はどうなっているのか
https://wired.jp/2013/12/05/map-sense/

11)Julie Bernard, Silke Stach, and Martin Giurfa., Categorization of visual stimuli in the honey bee Apis mellifera. Anim Cogn col.9, pp. 257-270 (2006)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16909238
https://www.cs.helsinki.fi/group/cosco/Teaching/CoscoSeminar/spring2007/articles/benard-2006.pdf

12)https://ikimono-seibutu.com/hati-hari/

13)高見台クリニック ハチ毒について
http://takamidai-clinic.com/?p=44408
http://takamidai-clinic.com/?p=44411

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2018年10月 1日 (月)

福島原発の汚染水 海洋投棄問題

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===情報拡散します===

元情報↓
情報速報ドットコム
https://johosokuhou.com/2018/09/29/9411/

東京電力「福島原発の汚染水浄化、実は嘘でした」

福島第一原発の汚染水タンクが限界に近付いているとして政府と東京電力が検討している浄化汚染水の海洋放出ですが、実際には浄化が出来ていなかったことが分かりました。

東京電力が汚染水タンクの状態から推定したところ、8割以上の75万トンで放射性物質の濃度が環境中に放出する際の基準を上回っていた事が発覚。
トリチウム以外の放射性物質も基準値を超えており、このうち複数のタンクで基準の2万倍近くに達しているとみられる放射性物質もあると発表されています。

政府と東京電力は汚染水が浄化されているという前提で地元に説明し、汚染水放出の方向で調整していました。前提条件となる放射性物質の浄化そのものが出来ていなかったということになり、再び東電や政府の対応に批判が強まっているところです。

(写真はウィキペディアより)

参照(東電が謝罪)

https://johosokuhou.com/2018/10/02/9471/

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