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2018年8月29日 (水)

やぶにらみ生物論111: 体節形成と進化

原始的な生物で口と肛門がおなじという場合もありますが、口と肛門が別個にある動物は、前後については対称形にはなれません。前は口で後ろは肛門です。左右や上下は対称形になることができます。

さまざまな動物門の基本型はカンブリア紀の初期またはそれ以前に形成されていたと考えられますが、カンブリア紀に食うか食われるかの捕食ヒエラルキーがはじまると、頂点に君臨する動物以外は、守るか、逃げるか、隠れるか、強い繁殖力をもつか、など生き残るための特別なストラテジーを必要としました。そのためにさまざまな形態的バリエーションが生み出されました。

守るために上下の対称性を放棄して、背中に棘をつけたり甲羅をつけたりする者が現われましたし、逃げるには上手に高速で泳ぐ必要があります。海底の様々な地形に対応して隠れるには脚が便利かもしれません。

ここでひとつ見逃してならないのは体節が形成されたことです。頭と肛門の部分はそれぞれ別仕立てになるのは仕方ありませんが、中間部分は消化管と神経を通せば良いだけなので、同じ構造をリピートさせて体長を伸ばすというのは一つのアイデアです。

長い体は、かみ切ることができない生物のエサにはなりにくく、また体が小さい生物のエサにもなりにくいという利点があります。岩陰の迷路を進むこともできます。ただそうは言っても体節形成がカンブリア紀における弱肉強食社会への対応の結果かというと、それは必ずしも正しくないような気もします。

体節という構造を採用した動物門(黒字)と、採用しなかった(または放棄した)動物門(赤字)を図1に示しました。

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体節を採用しなかった(または放棄した)生物群の代表は軟体動物です。体節を採用するしないは知能の高低とは無関係です。軟体動物の中でも貝類は自前のシェルターに隠れて生活するという道を選んだので、高度な知能は必要としませんでしたが、自由生活を選んだ頭足類などは高度な知能を発達させました。

体節形成はB点で起こったと考えるのは可能です。線形動物は体節を持ちませんが、いったん獲得した形質を失うのはひとつの遺伝子変異でも可能なので、不思議なことではありません。ただそれならA点で起こったという考えも成り立ちます。実際軟体動物の中でもヒザラガイ(多板綱)のグループは体節を思わせる背板をもっています(2)

私達脊索動物も、後に述べるように体節構造を持っています。これはC点で獲得したものなのでしょうか? 脊索動物はすでにミロクンミンギアやピカイアなどがカンブリア紀から存在していました(1)。したがって体節形成の基本様式はすでにA点で完成しており、以後の体節を持たないすべての生物群は、遺伝子変異などでその機構をうしなった結果と考えることも可能でしょう。

扁形動物はA点直前に分岐したのではないでしょうか。プラナリア(扁形動物)の神経系を腹側から見せた免疫染色の写真を阿形氏がアップしていますが(3、図2)、これをみると筋肉や皮膚が体節化する前に、神経がある意味体節化している状況がよくわかります。見た目環形動物の神経系より「はしご状神経系」というネーミングがふさわしいように思われます(図2)。これは単なる想像ですが、神経系をはしご状に構築した遺伝情報が、体節形成の契機になったのではないかと想像させられます。

環形動物では体節ごとに神経節が形成され、体節ごとに付属する脚などの動きや感覚を統御する役割を果たしています。そしてそのような機構は節足動物にも引き継がれています(図2)。

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私達が所属する脊索動物門と、イカ・タコ・貝類が所属する軟体動物門は非常に離れた分類群で、どちらも5億年以上前のカンブリア紀から存在しています。脊椎動物にも匹敵するような高度な知能を持つ頭足類(イカ・タコなど)も、はやくもカンブリア紀に棲息していたとされています(5、6、図3)。この古代の頭足類はネクトカリスという生物で、何しろ名前が「泳ぐエビ」という意味ですから、当初節足動物だと誤認されていたくらい原始エビ的な風貌です。この生物に体節がある(5)とすると、図1のA点で体節が形成されたという説が信憑性を帯びてきます。

図3のネクトカリスは現在の頭足類と同様漏斗(ジェット水流を任意の方向に噴き出して推進力とする)をもち、頭に2本の足が生えています。貝殻はもっていないようです。これは頭足類の研究者にとっては驚きでした。もともとは原始的頭足類がもっていた貝殻が退化して、現在のイカ・タコとなったと考えられていたからです。

現在でも痕跡的な貝殻を持つイカがいます(7)。英語では貝殻を持つイカは cuttlefish、 持たないイカは squid です。私的には、貝殻もさることながら、ネクトカリスに体節の痕跡があるかどうかに興味があります。

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頭足類の脳は昆虫の脳と同様、部分的には私達の脳よりすぐれているところがありそうです。タコの脳神経系には5億2千万個の神経細胞があると報告されています(8)。ジョン・ヤングによって描かれたタコ脳のスケッチ(9、図4)をみると、視葉が著しく大きく(細胞数6千5百万x2)、脳本体(細胞数4千万)をはるかに凌駕しています。さらに特徴的なのはこれらを足しても1億7千万で、残りの3億5千万個の神経細胞は末梢に存在することです(9)。

ブデルマンによると、これは足と吸盤を操作するためとのことです(9)。確かに8本の足を整合性を持って動かすというのは私達人間には想像を絶する複雑な行為です。

単に本数が多いというだけでなく、彼らには骨や関節がありません。私達の腕や足には骨と関節があるので、動きはデジタル的となり、タコに言わせれば驚くほど単純な動きしかできません。たこの足は任意の位置で曲げられますし、ヒモのように何かに巻きつけることもできます。吸盤を個別に機能させることもできます。彼らはこのような複雑な動きを、各足の神経節で独自に判断して実行することもできますし、脳による統制のもとで、すべての足を協調させて泳ぐなどの行動もできます(10、11)。

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タコに利き腕・利き足があるという話まであります(12)。ヒトや馬は手(前足)が右利きなら足(後ろ足)も右利きのようですが、タコはいったいどういうことになっているのでしょうか?

ちょっと寄り道が長くなりましたので、元の体節の話に戻りましょう。体節形成の分子機構についてはマウスでかなり研究が進んでいて、FGF、Mesp2、Notch、Tbx6などの制御因子がみつかっていますが、まだまだ教科書に記述するにはほど遠い感じがします(13)。

体節形成が生物にとって本当に重要であるかどうかはわかりません。現にタコやイカに体節はありませんし、私達の体も見かけ上は体節はなく、退化途上にあるのかもしれません。ただ環形動物・節足動物・脊索動物などの共通の祖先が体節を発明して、それを今生きている様々な生物がさまざまな形で引き継いでいるのでしょう。なかでも基本型をそのままに近い形で引き継いでいると思われるのがゴカイとムカデです(図5)。

図5は tree of life web project のものです (14)。ゴカイの図をみていただきますと体節は尾節から発生し、古い体節の順に前に押し出されます。ですから頭部に一番近い体節は、発生の過程で早期に形成されたことになります(図5)。

ただ頭部近傍には尾節から形成されたものではない体節らしき構造があり(赤で示した部分)、これは頭部から独自に形成されたものと思われます。ムカデも体節はそれぞれワンペアの足をもつ構造の繰り返しで基本型ですが、頭部は複雑に分化していることがわかります(図5)。

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ヤスデにもムカデと同様明瞭な体節がみられますが、重要な違いがあります。それは一つの体節に2ペアの脚が生えていることです(図6)。これはふたつの体節が進化の過程で融合したためと考えられています(15)。

ヤスデは脱皮する度に体節が増えて体調が長くなります。図6のヤスデは脚が618本もありますが、どうしてこんなに体長が長くなるのかがわかりません。途中で切れてしまったらプラナリアのように再生するのかというと、それはできないようです。この様な奇妙な生物ですが、ヤスデは落ち葉を食べて栄養豊富な土壌をつくる役割をはたしているので、生態系のなかでは重要な生物です。

ヤスデの形態を詳しく見ていくと、実は頭部に続く3つの体節では脚がワンペアだということがわかります(図6)。昆虫の場合、頭部に続く3つの体節は胸部という特殊な構造になるわけですが、ヤスデの場合と関係があるかどうかはわかりません。ヤスデやムカデが属する多足類の生物は、昆虫に先立ってシルル紀には棲息していたと考えられています。

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図7は「MASA ラボ---鸚鵡(オウム)の会議は白昼夢」から引用させていただきました(16)。扁形動物が分岐して以降、動物は体節を獲得し、その基本型となる図7左図1番上のようなシンプルなボディプランの生物から、さまざまな生物が派生してきたと考えられますが、昆虫は進化の過程で最前部から数個の体節が特殊な分化を行なって、触角、眼、顎、中枢神経系などを形成しました。さらに脚は頭部の後方3体節(胸部)で計6本のみで、腹部の脚は退化しました(図7)。このあたりの事情は前稿トビムシのところで記しました(19)。

さらに革命的だったのは、頭部に続く3つの体節から羽が生えたということです(17、18、図7)。昆虫はデボン紀には誕生していましたが、羽のある昆虫がみられるようになったのは次の石炭紀です(20、図7)。

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石炭紀の中期には羽が4枚の、現在とほとんど同じ形態の昆虫が出現しました(図8)。当時は酸素濃度が高く、血管系を持たない昆虫にとっては住みやすい時代でした。図8のメガネウラ(オオトンボ)などの仲間には、翼開長70センチメートル前後の史上最大の昆虫の化石もみつかっています(21)。

ウィキペディアによると「これら原蜻蛉目のトンボは、その原始的な翅の構造(翅脈も単純である)から、現生トンボ類に見られるようなホバリングの能力はなく、翅を時折はばたかせながら滑空していたと考えられる」だそうです。

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脊索動物あるいは後口動物の体節形成の歴史は謎です。なにしろピカイアはカンブリア紀にすでに繁栄していたのですから、それ以前が問題ということになって、今のところ雲をつかむようなお話です。

脊索動物の体節は、脊索に沿って両側にある中胚葉が分節して発生します(22)。現在の知識では、すべての体節形成はクロックアンドウェイヴフロント (clock and wavefront)
理論によって説明できることになっています(23-25)。とはいえ関与する因子は生物によって異なるので、多くの生物でそれらを調べることによって体節形成の進化も明らかになってくると思われます。

いずれにしても、脊索動物にとっても各体節から神経が決まった臓器や組織に連絡していることから、脳神経系にとって体節はきわめて重要な意味を持つことに変わりはありません(図9)。このことはいずれ後に、別の記事で取り扱うことになると思います。

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脊椎動物は体節形成でひとつの新機軸を生み出しました。それは体節中胚葉が真皮と筋肉以外に、硬節から脊椎骨を形成して、神経を被覆することによって脊椎と脊髄を生み出したことです(26、図10)。このことは、脊椎動物がそのはじまりから食うか食われるかの生存闘争に明け暮れた生活を送っていた-すなわち肉は切らせても中枢神経系は守りたい-ことを示唆するのではないでしょうか?

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参照

1)https://en.wikipedia.org/wiki/Myllokunmingia

2)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%9A%E6%9D%BF%E7%B6%B1

3)http://www.jsdb.jp/leaders/post-15.html

4)日本大百科全書(ニッポニカ) 集中神経系

5)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%B9

6)Smith, M. R. and Caron, J. B., Primitive soft-bodied cephalopods from the Cambrian., Nature vol. 465 (7297): pp. 469–472. (2010)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20505727?dopt=Abstract

7)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AB%E3%81%AE%E9%AA%A8

8)Young. J.Z. (1963) The number and sizes of nerve cells in Octopus. Proc. Zool. Soc. London, vol. 140: pp. 229 -254.

9)Budelmann, B.U., The cephalopod nervous system: What evolution has made of the molluscan design., The Nervous Systems of Invertebrates. An Evolutionary and Comparenve Approach, Birkhauser Verlag Basel/Swuzertand (1995)
https://www.researchgate.net/profile/Bernd_Budelmann/publication/270052369_The_cephalopod_nervous_system_What_evolution_has_made_of_the_molluscan_design/links/5a2d935145851552ae7eec3d/The-cephalopod-nervous-system-What-evolution-has-made-of-the-molluscan-design.pdf

10)タコの心臓は3つ!脳みそは9つ!ハイスペックなタコの生体に迫る
https://macaro-ni.jp/34925

11)「海の賢者たこ」 心臓は3つ。脳は9つの超生命体だった!
https://matome.naver.jp/odai/2139056755492819601

12)タコの足、実は8本じゃなくて腕が6本で足が2本
http://digimaga.net/2008/08/octopuss-foot-is-two-the-remainder-is-an-arm

13)国立遺伝学研究所 発生工学研究室 体節形成に関する研究
http://www.mmd-lab.net/research/research02.html

14)Tree of life web project
http://tolweb.org/tree/phylogeny.html

15)https://en.wikipedia.org/wiki/Millipede

16)MASA ラボ---鸚鵡(オウム)の会議は白昼夢
https://plaza.rakuten.co.jp/nakabisya/diary/?ctgy=4

17)Evolution of Insects in terms of the Implicate and Explicate Orders.  Evolution of the flight-function in insects. Part VI.
http://www.metafysica.nl/wings/wings_6.html

18)Palaeodictyoptera
https://en.wikipedia.org/wiki/Palaeodictyoptera

19)渋めのダージリンはいかが: トビムシ
http://morph.way-nifty.com/lecture/2018/08/post-72a8.html
http://morph.way-nifty.com/grey/2018/08/post-d5d4.html

20)デボン紀
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%9C%E3%83%B3%E7%B4%80

21)メガネウラ Meganeura
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%AC%E3%83%8D%E3%82%A6%E3%83%A9

22)体節
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%93%E7%AF%80_(%E8%84%8A%E6%A4%8E%E5%8B%95%E7%89%A9)

23)J. Cooke and E. C. Zeeman, A clock and wave-front model for control of the number of repeated structures during animal morphogenesis. J. theor. Biol., vol.58, pp. 455–476. (1976)
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022519376801312
https://pdfs.semanticscholar.org/fed2/243c0ca8faad67d99c5b8e4e128bbfe59196.pdf

24)二反田康秀 体節形成過程における遺伝子発現振動を利用したパターン形成のメカニズム(URLから直行できないので、タイトルで検索して下さい)
https://library.naist.jp/mylimedio/dllimedio/showpdf2.cgi/DLPDFR010645_P1-80

25)小田広樹ら 脊索動物と節足動物の共通祖先を理解する
https://www.brh.co.jp/research/lab04/activity/07.html

26)理科年表オフィシャルサイト 体節のできかた
https://www.rikanenpyo.jp/FAQ/seibutsu/faq_sei_006.html

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2018年8月25日 (土)

グラーフ-都響&スカナヴィ@サントリーホール2018・8・25

Img酷暑がぶり返しましたが、都響定期会員なのでサントリーホールに行ってきました。本日の指揮者はハンス・グラーフ、コンマスは山本さん、サイドはゆづきです。90%くらいの集客です。

その山本さんが音合わせをピチカートでやって爆笑。彼にこんなユーモアのセンスがあったとは!?最初はモーツァルトの交響曲第34番。アーティキュレーション勝負の曲だと思いました。グラーフの見事なコントロールで文句なしの名演。

オーボエが大活躍の曲なのですが、広田氏のオーボエはどう聴いてもオーボエの音にきこえません。この音になってから慣れの問題かなとずっと思ってきましたが、やっぱり慣れません。これでいいと思ってやっているのでしょうが、疑問です。マエストロ・グラーフはいちいちべっとり指をなめてから楽譜をめくるのが非常に気になりました。

2曲目はサン・サーンスのピアノ協奏曲第2番。本日のソリスト、カティア・スカナヴィは日本人に受ける感じの美人で、ピアノもとても繊細かつクリアなタッチで素晴らしい演奏でした。

ただ演奏の姿勢が極端にかがむ感じで、頸椎を痛めそうな感じがしました。満場の拍手の後、アンコールのショパン・ノクターンを弾いたときには姿勢が良くなっていたので、プレッシャーがかかると姿勢が悪くなる人のようです。アンコールがあまりにも素晴らしかったので、アマゾンでCDを注文しました。それで気がついたのですが、フライヤーの写真はCDの写真の流用じゃありませんか。こんなところで手を抜かないで欲しいし、だいたい2回分の演奏会をフライヤー1枚で済ませるというのは手抜きも甚だしく、恥ずかしいことだと思います。

後半はドヴォルザークの交響曲第8番。部分的に見ればどこも文句なしの名演なのですが、何か乗れませんでした。オケが指揮者の意図に忠実に従おうとするあまり、全体の流れが悪くなった感じがします。ドヴォルザークにしては重厚すぎるのかもしれません。あるいはこの指揮者が客演向きじゃないのかもしれません。

スカナヴィ
https://www.youtube.com/watch?v=Y6BxGsQBShE
https://www.youtube.com/watch?v=yAa5S69Lq-o
https://www.youtube.com/watch?v=pQmUnJ0Mjl4
https://www.youtube.com/watch?v=4yl92M5BHJU
https://www.youtube.com/watch?v=qYkCbzVcUlI

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2018年8月21日 (火)

JPOP名曲徒然草188:「時には母のない子のように」 by カルメン・マキ

Imga寺山修司を知る人ももう少なくなったと思いますが、古い競馬ファンならいつもフジテレビの競馬放送にゲストで出演していたので、よくご存じだと思います。

本職は歌人&シナリオ作家ですが、そちらの方は私はよく知りません。私は彼の競馬小説のファンで、すべて読みました。47際の若さで病没したのは誠に残念でした。

このカルメン・マキのアルバムは、全曲寺山修司が作詞した特異な作品です。なかでも「時には母のない子のように」は大ヒットしました(作曲は田中未知)。こんなに脱力する歌は、これ以降聴いたことがありません。

もともとカルメン・マキは寺山修司が主宰する劇団の団員であり、本職は女優です。しかしこの曲の大ヒットで1969年の紅白歌合戦に出場することができました。1972年にはカルメン・マキ&OZというとてつもないバンドを結成し、数々の名唱を残しました。最後の「私は風」を聴いてみてください。

アルバムの中に「かもめ」という曲がありますが、浅川マキの「かもめ」とは別の曲です。ただし浅川マキの方も作詞は寺山修司です。

時には母のない子のように
https://www.youtube.com/watch?v=uhRaSYyols4
https://www.youtube.com/watch?v=f6I-Shd9Oqk
https://www.youtube.com/watch?v=TuN03KG8Ymk

(ハーモニカ)
https://www.youtube.com/watch?v=pl3bNeIhb50

(ギター)
https://www.youtube.com/watch?v=Sq1hm0bE89s

山羊にひかれて
(aki)https://www.youtube.com/watch?v=KkvP8ul3Q-k
(三上ナミ)https://www.youtube.com/watch?v=0AIQMrcb1oc

さよならだけが人生ならば
https://www.youtube.com/watch?v=TDy_axc7Jd0

かもめ
https://www.youtube.com/watch?v=FCIQ6ubaNMk
https://www.youtube.com/watch?v=gFlUcQ9ELHk

二人のことば
https://www.youtube.com/watch?v=BUKSw8DG2zk

マキの子守唄
https://www.youtube.com/watch?v=684dyWEYQcQ

時計を止めて
https://www.youtube.com/watch?v=9HBYpo-cGqY

記憶の海
https://www.youtube.com/watch?v=F_HHfn43UJY

空へ(これは貴重な映像・音源だと思います)
https://www.youtube.com/watch?v=__Vog1kE2KU

私は風
https://www.youtube.com/watch?v=zVPU9U0GWpY
https://www.youtube.com/watch?v=HLEQCKVfy44
https://www.youtube.com/watch?v=7ewJjSmfFBw
https://www.youtube.com/watch?v=s93kMH_5syM

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2018年8月18日 (土)

モンサント社敗訴 ラウンドアップは発がん剤

1024pxroundup_svg

↑ラウンドアップの主成分グリホサートイソプロピルアミンの分子構造

AFP情報によると、ラウンドアップは発がん剤であると裁判所で認定されたそうです。
http://www.afpbb.com/articles/-/3185756

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【8月11日 AFP】米カリフォルニア州在住で末期がんと診断されている男性が、がんになったのは農薬大手モンサントの除草剤「ラウンドアップ」のせいだと同社を提訴した裁判で、陪審は10日、モンサントに約2億9000万ドル(約320億円)の支払いを命じる評決を出した。

 陪審は全員一致で、モンサントの行動には「悪意があり」、除草剤「ラウンドアップ」とその業務用製品「レンジャープロ」が、原告のドウェイン・ジョンソンさんの末期がんの「実質的」な原因だったと結論付けた。モンサントは上訴する意向を示した。

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ラウンドアップの主成分である「グリホサート」については、2015年にWHO外部組織であるIARC(国際がん研究機関)が、毒性や発がん性の懸念がある発表しています。

2017年6月26日に米国カリフォルニア州環境保健有害性評価局(OEHHA)が、同州で定める通称プロポジション65の物質リストに、発がん性物質としてグリホサートを加えると声明を出しました。

しかし日本政府は発がん性はないとしています。

https://inakasensei.com/roundup-cancer

ラウンドアップはその辺のお店で普通に売っている除草剤なので、あまり危険性は認識されていませんが要注意です。グレイゾーンにある薬剤であることははっきりしているので、とりあえず使うべきではないでしょう。

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植草一秀氏によると:

モンサント社は世界最大級のアグリビジネス企業として、その名がとどろいているが、有害性が懸念される除草剤、除草剤に耐性を持つ遺伝子組み換え種子製造販売の代表的企業である。安倍内閣は、主要農作物種子法(種子法)を突如廃止した。

政府は「種子法は戦後食糧増産のために、コメ、麦、大豆等主要な穀物の種子を種子法で安定して供給できるように制定された法律で、コメも消費が落ち込んで生産が過剰になった現在ではその役割は終えた」と説明したが、真っ赤なウソである。

世界の種子市場の7割弱、世界の農薬市場の8割弱が、モンサント、ダウ・デュポン、シンジェンタなどの遺伝子組み換え多国籍企業6社によって支配されている。国が管理して安価で優れた種子を安定供給したのでは、民間の種子ビジネスが成り立たない。そこで(米国政府は:管理人註)安倍内閣に命令して種子法を廃止させたのだ。

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西島三重子 Birthday Live 2018 @ 原宿ラドンナ セットリスト

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最近ではめずらしく、かなり昔の歌をやってくれました(大歓迎)!

想い出づくり、きのうよりごきげん、星めぐり、双曲線、池上線は40年くらい前の曲です。

私的には「陽ざかりの午後」と「夜間非行」が聴けたのは望外の幸運でした。

「花のように 鳥のように」はすぎもとまさとさんのカバーです。

サポートメンバーは

ギターとマンドリン:平野融、 ピアノとキーボード:織原洋子

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2018年8月16日 (木)

WOWOW ラ・リーガ放映を決定

Braugranaぎりぎり、ぎっちょんちょんでWOWOWが放映を決定。ここまでぎりぎりで交渉するというのはスペインらしいとも言えます。

はやまって余計な契約や、物品購入をしなくてよかったです。放送権を複数年獲得とはWOWOWも頑張りましたね。昔の映画もWOWOWでみているので、私的には契約をどうしようか考えなくてよい状況になって胸をなでおろしました。

WOWOWの告知です↓
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いつもWOWOWを視聴いただきまして、誠にありがとうございます。
権利元の都合により放送未定となっていた世界最高峰のサッカーリーグ「スペインサッカー リーガ・エスパニョーラ」を昨シーズンに引き続き今シーズンもテレビ独占で放送することが決定いたしました。

またこの度の契約で同リーグの放送権および配信権を複数年にわたり獲得いたしました。

ご心配をおかけいたしました皆さまに、改めてお詫び申し上げるとともに、放送を心待ちにしてくださった皆さまに感謝いたします。

世界王者レアル・マドリード、メッシを擁するバルセロナ、
W杯で大活躍した日本代表の乾貴士所属ベティス、柴崎岳所属ヘタフェなど、
注目の「スペインサッカー リーガ・エスパニョーラ2018-19シーズン」をWOWOWでお楽しみください。

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2018年8月15日 (水)

サラとミーナ204: お気に入りの場所

猫は肉食動物なので、どこに住処を定めるかはエサがいる場所によります。エサの動物が移動すれば、自分も移動するほかありません。また自分をエサにする動物に居場所を知られないためにも、ときどき居場所を変える必要があるのでしょう。

それでもいくつかお気に入りの場所を定めて、ときどき移動しながらすごします。どの場所を気に入ってくれるかは飼い主にはよくわかりません。予想通りのこともあれば、意外な場所を気に入ることもあります。

Imga

最近のサラのお気に入りはグローブを枕にして眠ること。草食動物の臭いに安心するのでしょうか?

Imgb

ミーナは本棚にもたれて眠るのが好きなようです。

暑すぎる夏で、団地で咲いている花はサルスベリとムクゲくらいです。

Imgc

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2018年8月12日 (日)

西島三重子 Birthday live 2018 が開催されます

Imga西島三重子さんは本名で、(株)西島畜産の社長令嬢です。新井薬師の西島ミートプラザはテレビでも何度か紹介されています。私も一度行ったことがありますが、素晴らしいお店です。
https://n-meat.co.jp/

子供の頃のことなどを「ヤクシ団欒物語」(有朋堂 1996年刊)という本にまとめて出版されています。歌詞はあまり書かない人ですが、散文をまとめるのはうまいなと思いました。昭和の庶民の生活が生き生きと描かれています。

小学校から短大まで川村学園に通われていたそうです。同級生の方にうかがうと芸能に優れていたばかりでなく、理系の科目も得意で成績優秀な生徒だったそうです。大学では化学部に所属されていたと聞いています。

そんな彼女がなぜかシンガーソングライターとして1975年にワーナー・パイオニアからデビュー。同期は岩崎宏美・山崎ハコ・中島みゆき・矢沢永吉・憂歌団らです。デビュー曲は「ろくでなし」。「ろくでなし」というタイトルで思い出すのはサルヴァトーレ・アダモの曲(原題 Mauvais Garcon) です。
https://www.youtube.com/watch?v=BM_2igjbxjc

アダモは西島さん(以下みーちゃん)がデビューした年にも中野サンプラザで3日連続のコンサートをやっているので、一度アダモの「ろくでなし」を意識したのかと本人に訊いてみましたが、怪訝な顔をされてしまいました。全く無関係のようです。

ともあれこの曲はヒットせず、2曲目のシングル「池上線」が大ヒットしました。私は当時西島三重子という名前は全く知らなかったにもかかわらず、この曲はよく覚えています。

私がはじめて彼女の名前を憶えたのは5枚目のアルバム「シルエット」が発売された頃です。この頃は所属芸能事務所がファンクラブを組織していて、当時の様子は私の過去記事を参照していただくと雰囲気が判ると思います。会誌を復刻しました。
http://morph.way-nifty.com/grey/2015/02/post-955d.html
http://morph.way-nifty.com/grey/2015/02/post-e8c5.html

ワーナー時代のみーちゃんは一応フォーク歌手というジャンルに分類されていて、ほんわかとしたフォーキーな曲を歌っていたのですが、ワーナー時代最後のアルバム「シルエット」は一転して甘酸っぱい青春とかシンガーの主張とかを排した、ひんやりと暗く切実な音楽です。欧米で生まれたアシッド・フォークとは全く異なる形のフォークの進化形・新ジャンルです。以下の5曲はすべてこのアルバムの収録曲です。

かげろう坂
https://www.youtube.com/watch?v=9lXoV9dILio

いそしぎ
https://www.youtube.com/watch?v=0FTtMYSpZF4

メランコリー・イエスタデイ
https://www.youtube.com/watch?v=hRMxnpJFzj8

びしょぬれワルツ
https://www.youtube.com/watch?v=QWJswBCIZSw

千登勢橋
https://www.youtube.com/watch?v=0TYECCELT6c

新しいジャンルの音楽を創始したみーちゃんですが、なんと「シルエット」をリリースしたあとさらに驚くべき大転換を行ないます。

ひとつには「シルエット」の完成度が高すぎて行き詰まってしまったのかもしれませんが、あるいは自分自身のキャラから音楽が離れすぎたことに違和感を感じたのかもしれません。ともかくレコード会社もテイチクに移籍してフォーク色を一掃し、ポップスをはじめてしまいました。この頃私生活にも変化があったのかもしれません。

それまでのファンを置き去りにするというような変身がよくできたと思いますが、私はもともとポップスが好きだったので、全く違和感なく新アルバム「Bye-Bye」の世界にはいっていけました。

ただ事務所も変わり、ファンクラブも解散したので、コアのファンとしては激震が走った記憶があります。当時の様子は自主FC「風」を立ち上げた蛭田氏が詳しい記録を残しています。この記録に名前が出ている方は全員面識があるので、当時のことを思い出すと何かこみあげてくるものがあります。
http://www.sasabe.com/MIE/kaze/kaze.html

しかし今の時代では、かなり集客力のあるシンガーソングライターでもフリーは当たり前。自分でサイトをつくって、バンドメンバーを集めて、チケット売って、楽器を弾いて歌うのは普通ですから時代は変わりました。

当時の自主FCの機関誌「風」創刊号を復刻したという記事をアップしておりますのでご覧下さい。
http://morph.way-nifty.com/grey/2015/02/post-4f3e.html

テイチクでは4枚のアルバムをリリースしますが、私はこの4枚が西島三重子の最高傑作だと信じて疑わず、テイチク派を自認しています。それまでの心理的制約を解き放たれ、沸々とあふれ出した才能を感じます。以下は当時の曲でYoutubeにアップされているものをピックアップしました。

ロンリーガール
https://www.youtube.com/watch?v=i7L6ix0DuMQ
https://www.youtube.com/watch?v=FZlRH-oMHQw
https://www.youtube.com/watch?v=nVGkoWcf8r8

ジェラシー
https://www.youtube.com/watch?v=SH_sn__dCq0&list=PLUejwattuJFHgh6wyjktkjnQb0bOg3eJE&index=6

Imagination Canvas
https://www.youtube.com/watch?v=7cdNRmqB4zU

5年目の夏
https://www.youtube.com/watch?v=jME73_dMbR0

「Lost Hour」
https://www.youtube.com/watch?v=EqQPfZmseto

そのうち年齢もいい年になってきたので、ポップスはやめて南米音楽やシャンソンを取り入れて、大人っぽいバラード路線に転換しようということになったのでしょう。そこでまたレコード会社を変えて「東芝EMI」に移籍することになりました。リリースしたのは「Shadow」と「寝物語」という2枚のアルバム。以下は収録曲です。

SEQUENCE OF MEMORIES~思い出のページ
https://www.youtube.com/watch?v=kaAtY_Bjdc8

泣かないわ
https://www.youtube.com/watch?v=fDgnIbRpiXk

夜間非行
https://www.youtube.com/watch?v=Fh3UWa6DdPs

冬なぎ
https://www.youtube.com/watch?v=H60uso4xpDA

冬のカルナバル
https://www.youtube.com/watch?v=KI0GbDxfYU0

ラストワルツ
https://www.youtube.com/watch?v=qY6mCEA8yXc

このあと南米音楽やシャンソンのカバーアルバムを2枚出版します。またこの頃、今はない第一家庭電気のサポートで45回転の超高音質LP「地球よ廻れ」が出版されました(非売品)。第一家電でレコードプレイヤ-のカートリッジを買うともらえた記憶があります。素晴らしいアルバムです。どなたが権利を持っていらっしゃるのかわかりませんが、是非ともCD化して欲しいと思います。
http://morph.way-nifty.com/grey/2013/09/by-b827.html

そうこうしているうちになんと東芝EMIの経営が破綻し、みーちゃんもフリーになってしまいますが、時を経てメディアリングから復活することになりました。「つまんないものよ 私の心」と「夢のあとさき」というアルバムを出版するのですが、これはなんだかいわゆる歌謡曲に傾斜したような内容になっています。みろくさんという歌謡曲の作詞ができる人をみつけたことも影響しているでしょう。

わたしが残していくもの
https://www.youtube.com/watch?v=hw0A1gNoR3E

おひさまのたね
https://www.youtube.com/watch?v=VM8fTFxHkFk

若い頃からソングライターとして、様々な歌手に曲を提供してきたみーちゃんですが、この頃になると水森かおりなどの演歌歌手への提供が中心となり、そのせいもあってか演歌っぽい曲を歌うようになりました。

水森かおり 飛鳥坂(みーちゃん自身の歌唱はアルバム「十三夜」 pony canyon に収録)
https://www.youtube.com/watch?v=siPeaVIWkeg

水森かおりさんはみーちゃんの曲がお気に入りで、「池上線」のカバーも出版しています。みーちゃんも「池上線ふたたび」という曲をリリースしました。
https://www.youtube.com/watch?v=NsJgqd68qeM

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そして新曲「目黒川」に至るわけです。これなどはコード進行もシンプルにして、カラオケで歌いやすい曲にしようという狙いなのでしょう。

次回ライヴは8月17日(金)@原宿ラドンナ

←フライヤー

ラドンナ原宿 03-5775-6775

アオイスタジオ 03-3585-6178(平日10時~17時)

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2018年8月 9日 (木)

やぶにらみ生物論110: トビムシ

最初に最近認められつつある系統図を図1として提示します。見て驚かれる方も多いと思います。私も驚きました。私達が学生時代に習った系統図とは全く異なるばかりか、現在様々な教科書やウェブサイトに掲載されている系統図・系統樹とも全く異なっています。しかしこれが最新の分子生物学的知見に基づいて、分類学者のコンソーシアムが現在到達した結論だそうです(1、2)。近々に教科書も書き換えられるでしょう。

A_9


図1によると、節足動物・緩歩動物・線形動物・有爪動物の各門がひとつのグループであり、環形動物と軟体動物はこの4つの門が分岐する前に分岐したとされています。言われてみればまあそうかなとも思います。参照論文1のレジエは写真が見つかりませんでしたが、2のミューズマンの写真は公表されているので貼っておきます。彼らは共に昆虫の研究者であり、昆虫の起源についての興味からこのような大規模な研究に首をつっこんでしまったようです。

昆虫の起源という観点から言えば、現存のトビムシに似た生物から昆虫が分岐したというこれまでの考え方は、最新の研究でも正しいようです(図1)。様々な昆虫の分岐については非常に詳しく研究されています(図2 ミューズマンらによって作成された系統図の一部)。完全変態する昆虫(卵→幼虫→さなぎ→成虫)は色々な意味でハイクラスだと言われていますが、この中で膜翅目(ハチ・アリ)は他のグループ(甲虫・蝶・蛾・ハエ・蚊)とは早くに分岐していることが目をひきます。

A_10


↑図をクリックすると拡大して表示されます。

完全変態するグループと最後に分岐したのはゴキブリ・シロアリ・バッタのグループです。ゴキブリは3億年前の石炭紀から現在とあまり変わらない姿で存在しているので(3)、完全変態するグループの分岐は、遅くとも石炭紀には完了していたのでしょう。

ゴキブリにはさなぎの時期がなく、幼虫の形態が成虫とほとんど同じです。シロアリも同様ですが、シロアリはアリとは全く違った社会性を確立したある意味非常に高等な生物です(4)。完全変態するグループが花粉の運搬によって地球生態系の維持に大きな役割を果たしているのに対して、シロアリは枯れた植物のセルロースを分解して他の動植物が利用できる栄養源にすることで、やはり地球生態系の維持に重要な役割を果たしています。

昆虫の起源について、最初に重要な発見を行なったのはハーストとモーリクで、1926年に古生代デボン紀中期のスコットランドの地層(ライニーチャート)から、Rhyniella praecurosor という現在のトビムシに似た生物の化石をみつけて報告しました(5)。図3の右側のように全身化石で、形態もよくわかります。

A_11

トビムシは昆虫と非常に近い六脚類ですが、同じ地層から昆虫と思われる Rhyniognatha hirst の部分化石もみつかっていましたが、最近の研究によってこれはむしろムカデなどの多足類に近い生物の化石であることが判明しました(6)。古生物の研究者にとってはかなりショッキングな結果です。多足類はシルル紀からいたことがすでにわかっています(7)。

図3の右側の図にあるバーですが、どのようなスケールなのか残念ながら判りませんでした。多分100µmだと思いますが不明です。

節足動物はもともと体節ごとに脚があるという意味ですから、ムカデなどは基本的なデザインに忠実な生き物といえるでしょう。しかしさまざまな環境や生き方から、この基本的なデザインはしだいに変化してきました。六脚類と最も近縁なミジンコはプランクトンとして生活することを選択したため、全く独自な形態をとることになりました(図4)。ミジンコの足は10本なので(歩く用途には使えないと思いますが)、近縁とは言え六脚類とは大きな違いがあります。一方トビムシ・イシノミ・昆虫のグループはおそらくデニシメリア(図4、Massoud Z. が1967年に記載したマレーシアの生物)のような生物から進化したと想像されますが、なぜみんな6本脚なのかは謎です。

なぜ6本なのかは「M.SHI's 科学的逍遙」というサイトに面白い考察があります(8)。6本脚だと常に3点支持ができるので、4本脚の生物より安定した歩行ができるという点が自慢のようです。6本足の方が木に止まりやすいというのは、サルが樹上生活をしていることを考えると納得できませんが・・・。蝶のなかには体が軽いので4本肢に進化したグループもあるようです。ハエは静電気でくっついている3本の脚を、他の3本で引きはがすという主張はよくわかりません。

A_12


トビムシとイシノミには共通点があって、それは跳躍する能力を獲得したということです。腹部をこの能力を最大限発揮するために使うとすると脚は邪魔になるのかもしれません。そこで跳躍とは関係の無い胸部から生えている6本の脚だけ残すという結果になったと思われます。昆虫は翅という飛翔する道具を獲得したため、もはや腹部を跳躍に使う必要はないわけですが、進化のスタート時点ですでに六脚だったというだけで特に変える必要もなかったのでしょう。

トビムシは体長2~3mmのものが多く、目立ちませんが普通に家屋の周辺や中にもいる生物です(9)。体長の数倍から数十倍の距離を跳躍することができます(英語ではspringtail)。トビムシの脳については文献がありますが(10)、良く理解できなかった部分もあるので私の宿題とします。


参照

1)Jerome C. Regier, Jeffrey W. Shultz, Andreas Zwick, April Hussey, Bernard Ball, Regina Wetzer, Joel W. Martin & Clifford W. Cunningham., Arthropod relationships revealed by phylogenomic analysis of nuclear protein-coding sequences., Nature volume 463, pages 1079–1083 (25 February 2010)
http://www.nature.com/articles/nature08742

2)Karen Meusemann, Björn M von Reumont, Sabrina Simon, Falko Roeding, Sascha Strauss, Patrick Kück, Ingo Ebersberger, Manfred Walzl, Günther Pass, Sebastian Breuers, Viktor Achter, Arndt von Haeseler, Thorsten Burmester, Heike Hadrys, J Wolfgang Wägele, Bernhard Misof., A phylogenomic approach to resolve the arthropod tree of life., Molecular biology and Evolution
Volume 27, Issue 11, Pages 2451-2464 (2010)
http://udel.edu/~mcdonald/meusemann2010.pdf

3)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%82%AD%E3%83%96%E3%83%AA

4)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%AD%E3%82%A2%E3%83%AA

5)Hirst, S. & Maulik, S., On some arthropod remains from the Rhynie chert (Old Red Sandstone)., Geological Magazine, vo. 63: pp. 69-71. (1926)
https://www.cambridge.org/core/journals/geological-magazine/article/on-some-arthropod-remains-from-the-rhynie-chert-old-red-sandstone/625FE6C61C6ED09F01880F382C97189C

6)Carolin Haug and Joachim T. Haug, The presumed oldest flying insect: more likely a myriapod?,  PeerJ Published online 2017 May 30.  doi:  10.7717/peerj.3402
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5452959/

7)大原昌宏、津田義弘., パラタクソノミス卜養成講座  昆虫(初級)目までの分類と同定編  北海道大学 (2015)
Parataxonomist.pdf
http://hdl.handle.net/2115/59547

8)研究室/なぜ昆虫は6本肢なのか?
http://mshi.no.coocan.jp/pukiwiki/?%B8%A6%B5%E6%BC%BC%2F%A4%CA%A4%BC%BA%AB%C3%EE%A4%CF%A3%B6%CB%DC%BB%E8%A4%CA%A4%CE%A4%AB%A1%A9

9)イカリ消毒 害虫と商品の登録サイト
https://www.ikari.jp/gaicyu/52010d.html

10)Martin Kollmann, Wolf Huetteroth , Joachim Schachtner., Brain organization in Collembola (springtails)., Arthropod Structure & Development., Vol. 40, Issue 4,  pp. 304-316 (2011)
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1467803911000107?via%3Dihub

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2018年8月 8日 (水)

ラ・リーガファンに激震

Braugrana

突然のニュースです↓。

いつもWOWOWを視聴いただきまして、誠にありがとうございます。
プログラムガイド8月号に掲載いたしました「スペインサッカー リーガ・エスパニョーラ 2018-19シーズン」は、
権利元の都合により放送未定となりました。

放送を心待ちにしてくださっているみなさまには、深くお詫び申し上げます。
放送が決定し次第、WOWOW番組内およびWOWOWオンラインにてご案内させて頂きます。

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DAZNがプロ野球、Jリーグ、世界のサッカー中継を一手に引き受けることになるのでしょうか、まあスポーツだからかまわないという見方もあるでしょうが・・・。DAZNはテレビ局じゃないわけですし。スマホでリーガを見るというのはやはり嫌ですね。テレビで見る方法を考えないといけません。ちょっと不愉快な気分。WOWOWはそれなりに充実した放送だったので。

DAZNの評判はあまりよくないようです。

エスパルス研究所:http://blog.livedoor.jp/skenblog/archives/22616965.html

視聴トラブル連発:http://arutopi.net/archives/681

【必見】話題の DAZN(ダゾーン) を契約してみた:https://jets94.com/22819/

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2018年8月 5日 (日)

ミンコフスキ-都響 「くるみ割り人形」 @ミューザ川崎2018・8・5

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皮膚感覚はだいぶ暑さに慣れてきて、30℃だと涼しいと思うようになったくらいですが、内臓が参ってきて活動力がなくなってきました。それでもいままでフェスタサマーミューザでの都響の演奏は大変素晴らしいものだったので、今日も期待して出陣。

本当はつばめグリルで食事したかったのですが、内臓に自信がなくドトールでがまん。

本日の指揮者はマルク・ミンコフスキ。コンマスは矢部ちゃんでサイドはマキロン。ミューザ川崎は席に座っただけでテンションが上がるような素晴らしいコンサートホールです。曲目は「くるみ割り人形」全曲。

図のパンフレットに記してあるように、もともと指揮者の意図で若干カットして休憩無しで演奏する予定だったのですが、急遽カット無しで休憩有りとなりました。ホールとしては休憩時間の売店の売り上げはバカにできませんよね。体力的にも休憩有りは賛成です。残念ながら満席には至らず、9割くらいの入りでしょうか。

エンカナがロングヘアを大胆にカットして、さっぱりとした雰囲気で登場。ミンコフスキはそれに合わせたわけではないでしょうが、優雅さを犠牲にしても、キビキビとして生気あふれる演奏を繰り広げました。矢部ちゃんはもちろんですが、見せ場満載のフルート軍団をはじめ管楽器が全力でささえます。バレエの実演を伴わないことで、このような演奏が可能になったのでしょうが、音楽ファンとしてはテンションが上がる楽しい演奏でした。これで踊るのは無理だと思いますが。

終了後聴衆は大歓声で指揮者と都響を讃えました。最後はスタンディング・オベーション。素晴らしい演奏会でした。

ミューザ川崎シンフォニーホール:https://twitter.com/summer_muza

こんな曲です:https://www.youtube.com/watch?v=xtLoaMfinbU

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2018年8月 4日 (土)

サボテンに側枝が発生

Img_2549


サボテンにベイビー側枝が発生しました。数年栽培していてはじめての出来事です。このまま枝になって生長するのか、ポロリと落ちてしまうのか、どうなることやら。

どうもウィルスの悪戯でPCの日付が書き換えられたらしく、そうするとどうなるかというと、セキュリティーソフトが機能しなくなるのです。それを感知するとPCが発狂します。

この病的状態から回復させるために半日を要しました。日付が違っていることになかなか気が付きませんでした。そのままではセキュリティーソフトを入れ替えることすらできませんでした。 結局日付を修復後に、セキュリティーソフトをアンインストールし、再起動してインストールし直すことで解決しました。やれやれ。

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2018年8月 1日 (水)

ザ・ビーチ・ボーイズの「サーファーガール」

ドキュメンタリーを見た方も多いと思いますが、20世紀ポップス史に金字塔を打ち立てた希有の天才ブライアン・ウィルソンは、あまりに音楽にのめり込んで、ついには薬物やアルコール依存症で人間廃業寸前まで追い込まれましたが、年老いてようやく健康を取り戻し、かつて率いていたビーチ・ボーイズを復活させることもできました。

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左から Brian Wilson, David Marks, Mike Love, Bruce Johnston, Al Jardine

「サーファーガール」は彼の作品の中でも、忘れることの出来ない曲です。

https://www.youtube.com/watch?v=scnruHOgas8

The Beach Boys live 1964  Surfer girl
https://www.youtube.com/watch?v=CWWusowYad0
https://www.youtube.com/watch?v=OSjuvK85clA

The Beach Boys live 1980  Surfer girl
https://www.youtube.com/watch?v=sLvi9pspSD4

みんなじいさんですが、この演奏が一番と思うのは私だけかな?
(最初に rolling stone のタイトルが出ます)
The Beach Boys live 2012  Surfer girl
https://www.youtube.com/watch?v=hu-bXvuPm7c

The Beach Boys- Surfer Girl (Lyrics on screen)
https://www.youtube.com/watch?v=Qp7nZhRc-CA

賛美歌のようなバージョン
Beach Boys - Surfer Girl - alternative version
https://www.youtube.com/watch?v=OahqdCYo72Y

Camila によるカバー ハワイアン風で私のフェイバリット
https://www.youtube.com/watch?v=wspoYbN_le8

covered by the four freshmen
https://www.youtube.com/watch?v=qp67XrbBYqc

covered by Paul Simon
https://www.youtube.com/watch?v=acu-wGt0wKA

covered by BBS (これわりと好き)
https://www.youtube.com/watch?v=1DGf62cvGmo

「壊れた天才」ブライアン・ウィルソン(評論)
http://www.page.sannet.ne.jp/equinox/beachboys.html

Brian Wilson - Pet Sounds live, part 1/3
https://www.youtube.com/watch?v=oaYs_zECQaQ

Brian Wilson - Biography
https://www.youtube.com/watch?v=Z7zwg2Z3SF4

The Beach Boys - Warmth Of The Sun  (With Lyrics)
https://www.youtube.com/watch?v=Ir27H9tSZcw

In My Room - The Beach Boys  (with Lyrics)
https://www.youtube.com/watch?v=-b5WsEDZvsE

Good Vibrations the Lost Studio Footage
https://www.youtube.com/watch?v=uVlSVkzbJDA

Sloop John B by The Beach Boys live (1980)
https://www.youtube.com/watch?v=H6Uc_Gi7gdM

Covered by The Fendertones - Sloop John B
ここまでくると、すごいと言わざるを得ない
https://www.youtube.com/watch?v=GmJ6e06eYcM

Beach Boys - Barbara Ann
https://www.youtube.com/watch?v=-zgcM6gchZo

The Beach Boys - California Girls (with lyrics)
https://www.youtube.com/watch?v=B8yph3rb27o

最後はやっぱりこれか
The Beach Boys Live - Surfing USA
https://www.youtube.com/watch?v=svkC3LJMFcs

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