「くるみ割り人形」全曲 ミンコフスキ-都響 ・・・に期待
フェスタサマーミューザ川崎が開催されています。都響も8月5日(日)に参加します。場所はもちろんミューザ川崎シンフォニーホール。演目はチャイコフスキーの「くるみ割り人形」全曲(指揮マルク・ミンコフスキ バレエの実演はありません)。
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/calendar/detail.php?id=2289
全曲というのがミソです。チャイコフスキー自身が演奏会用組曲を作ったため、バレエを伴わない演奏会では組曲を演奏するのが普通で、なかなか全曲を聴くチャンスはありません。私はWOWOWでバレエの公演を見て、素晴らしい作品だと思いました。
特に組曲では第1幕の主要な部分が抜け落ちているので、この作品のエッセンスを味わうことは出来ないと思います。今回の都響の公演では第1幕のクライマックスでの児童合唱はあるようです(TOKYO FM 少年合唱団)。
この曲は1891年にサンクトペテルブルクのマリンスキー劇場の依頼でつくられたもので、さすがにこの劇場の公演はダンスも演奏も演出もすごいです↓。ネズミ軍団と人形軍団の戦闘の場面は白眉でしょう。しかもクララが自分の靴をネズミの王様に投げつけて勝利するのです(手元が狂って当たらなかったらどうなるんだろうとはらはらしますが)。
マリンスキー劇場の「くるみ割り人形」
https://www.youtube.com/watch?v=Llgxg_bZE7M
木管楽器が大活躍するので、都響奏者としては腕の見せ所でしょう(オーボエ首席の広田によると都響の木管には穴が無いそうです *^_^* )。
チャイコフスキーは1890年に永年スポンサーだったフォン・メック夫人に支援を打ち切られており、この曲は生活のかかった大勝負だったのでしょう。世に認められないLGBTだったチャイコフスキーとしては、このような現世離れしたおとぎ話に曲をつけるというのは、大変腕をふるいやすかったのではないかと思われます。
初演の舞台のスケッチがウィキペディアに出ていたので、貼っておきます。夢のある舞台だったことが伺えます。この曲が人気があるのは、<世の中にうんざりしたときの逃避場所>が提供されているということもあるのではないかと私は思っています。
チャイコフスキーは1893年には亡くなっているので、このあと作曲された「悲愴」交響曲ともども、晩年に素晴らしい作品をよく残してくれたと改めて思いました。
[情報]!!
本公演は、指揮者ミンコフスキ氏の意向により当初は一部カットを入れて休憩なしで演奏予定でしたが、最終的にノーカットとし、第1幕と第2幕の間に休憩をはさんで演奏することとなりました。
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/news/detail.php?id=970
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