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2018年7月29日 (日)

「くるみ割り人形」全曲 ミンコフスキ-都響 ・・・に期待

A1180_003065フェスタサマーミューザ川崎が開催されています。都響も8月5日(日)に参加します。場所はもちろんミューザ川崎シンフォニーホール。演目はチャイコフスキーの「くるみ割り人形」全曲(指揮マルク・ミンコフスキ バレエの実演はありません)。
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/calendar/detail.php?id=2289

全曲というのがミソです。チャイコフスキー自身が演奏会用組曲を作ったため、バレエを伴わない演奏会では組曲を演奏するのが普通で、なかなか全曲を聴くチャンスはありません。私はWOWOWでバレエの公演を見て、素晴らしい作品だと思いました。

特に組曲では第1幕の主要な部分が抜け落ちているので、この作品のエッセンスを味わうことは出来ないと思います。今回の都響の公演では第1幕のクライマックスでの児童合唱はあるようです(TOKYO FM 少年合唱団)。

この曲は1891年にサンクトペテルブルクのマリンスキー劇場の依頼でつくられたもので、さすがにこの劇場の公演はダンスも演奏も演出もすごいです↓。ネズミ軍団と人形軍団の戦闘の場面は白眉でしょう。しかもクララが自分の靴をネズミの王様に投げつけて勝利するのです(手元が狂って当たらなかったらどうなるんだろうとはらはらしますが)。

マリンスキー劇場の「くるみ割り人形」
https://www.youtube.com/watch?v=Llgxg_bZE7M

木管楽器が大活躍するので、都響奏者としては腕の見せ所でしょう(オーボエ首席の広田によると都響の木管には穴が無いそうです *^_^* )。

チャイコフスキーは1890年に永年スポンサーだったフォン・メック夫人に支援を打ち切られており、この曲は生活のかかった大勝負だったのでしょう。世に認められないLGBTだったチャイコフスキーとしては、このような現世離れしたおとぎ話に曲をつけるというのは、大変腕をふるいやすかったのではないかと思われます。

初演の舞台のスケッチがウィキペディアに出ていたので、貼っておきます。夢のある舞台だったことが伺えます。この曲が人気があるのは、<世の中にうんざりしたときの逃避場所>が提供されているということもあるのではないかと私は思っています。

Nutcracker_design

チャイコフスキーは1893年には亡くなっているので、このあと作曲された「悲愴」交響曲ともども、晩年に素晴らしい作品をよく残してくれたと改めて思いました。

[情報]!!

本公演は、指揮者ミンコフスキ氏の意向により当初は一部カットを入れて休憩なしで演奏予定でしたが、最終的にノーカットとし、第1幕と第2幕の間に休憩をはさんで演奏することとなりました。

https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/news/detail.php?id=970

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2018年7月25日 (水)

やぶにらみ生物論109: Pax6とクリスタリン

Pax6というタンパク質の遺伝子の変異によって、無虹彩症やペータース異常という目の病気が発生することは、昔から知られていました(1-4)。

Pax 遺伝子群はもともとマウスの胎生期に、組織や器官の発生において中心的な役割を果たす遺伝子ファミリーの1グループとして発見されていて(5)、Pax6 をコードする遺伝子はそのひとつです。Pax 遺伝子群がコードするタンパク質はそれぞれ転写因子であり、DNAに結合する部位をもっていて、転写を調節するという機能によって、発生の過程で組織や器官の位置を決めたり脳の領域わけを行なったりする作用があります。

Pax6 遺伝子をノックアウトすると、目だけではなく脳の異常も発生し、死産も増加します。また Pax6 は脳の発生過程で、興奮性ニューロンが集中する領域と抑制性ニューロンが集中する領域の境界部位を形成するうえで重要な役割を果たすと考えられています(3,6-8)。

Pax 6 の分子構造など詳細は、カール・パボの研究室で徐エリックらによって明らかにされました(9、図1)。ヒトやマウス・ラットばかりでなく、魚類にも類似した遺伝子があることが判明しました(図1)。

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図1のようにヒトとマウスの Pax6 の遺伝子構造には若干の相違がありますが、生成されるタンパク質 Pax6 のアミノ酸配列を比較してみると、驚くべき事にヒトとマウスで一致しています(図2、ただしアイソフォームがあって、完全に一致しない分子もあるそうです)。これは珍しい例です。アカゲザル、ウシ、ラットともほぼ完全一致で、ゼブラフィッシュとも96.5%の一致です(図3)。これは勿論、Pax6がそのわずかなアミノ酸配列の変化も種の存続に関わるくらい構造の保存が必要な、そして重要なタンパク質だということです。

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図3に示したように、Pax6および類似したタンパク質は鳥類、魚類、両生類、昆虫、線虫にも存在します(10、11)。Pax 遺伝子群について脳科学辞典を引用しておきましょう。

脳科学辞典からの引用: 「PAX遺伝子群:Pax 遺伝子群は動物の胎生期に、組織や器官の発生において中心的な役割を果たす遺伝子ファミリーである。脊椎動物ではPax1〜Pax9の9種類が同定されている(表)。Pax遺伝子群はDNA結合ドメインであるペアードドメイン(PD)と呼ばれる領域を共通に持っている。また、Pax遺伝子にはオクタペプチドモチーフ(OP)を持つものや、DNA結合ドメインであるホメオドメイン(HD)、もしくはホメオドメインの一部を持つものがある。このようなドメイン構造の差異から、Pax遺伝子群は4つのサブファミリーに分類される。Pax遺伝子群はヒトやマウスに於いて、病気の原因遺伝子として同定されたものが多い。例えば、眼の発生のマスター制御遺伝子であるPAX6は、無虹彩症の原因遺伝子である。(12) 」(引用終了)

図3にみられるようにPax6遺伝子はペアードドメインとホメオドメインという二つのDNA結合部位を持っており、それは脊椎動物から線虫まで共通の遺伝子構造です。アシュレイ-パダンらは、この遺伝子が眼が形成される際にまず表層外胚葉に発現し、それを契機としてレンズが形成されるとしました。

また彼らはCre-loxP法という時限的遺伝子破壊システムを用いて、Pax6がレンズ形成や網膜の配置などに必須であることを証明しました(13、14、図4)。図4に胎仔期マウス(左:9.5日、右15.5日)に発現している位置(紫色)が示してあります。ちなみにアシュレイ-パダンのボスだったグリュス(図4)は現在沖縄科学技術大学のプレジデント/CEOに就任しています。

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おそらくPax6遺伝子は現存するほとんどの動物の共通祖先の時代にすでに存在していたはずで、もともとは眼の発生のためにできた遺伝子ではないと考えられます(図5)。眼のある生物は、神経の発生など本来他の目的で存在するこの遺伝子を、眼のために流用したものと思われます。図5および図6はカリフォルニア大学バークレイ校の教育プログラムの図です。

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高度に発達した複雑な眼は、脊椎動物・節足動物・環形動物・軟体動物にみられるわけですが、それぞれの眼は図6で色分けしてあるように、独立に進化したと考えられています。

それでも節足動物と環形動物の眼が似ていたり、脊椎動物と軟体動物頭足類の眼が似ていたりするのは、一つは前記のようにPax6によって形成されたものであるということ、今ひとつはレンズの素材としてクリスタリンというタンパク質を用いていることと関係があると思われます。

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クリスタリンを発見したのはウィリアム・ホルトとジン・キノシタです(15、図7)。ジン・キノシタは米国の National Eye Insutitute で研究を行なっていた方で、2010年に逝去されたとのことで研究所から弔辞もだされています(16)。しかしウィリアム・ホルトについては消息がわかりませんでした。またクリスタリンを精製して詳しく性質を調べた(17)リチャード・J・アレクサンダーという人物についても情報を得ることが出来ませんでした。彼は当時クリスタリンをBovine Corneal Protein (BCP) 54と命名していました。

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哺乳類の主なクリスタリンはα、β、γ の3種類ですが、図8に示すように「α」と「β、γ」は一部分を除いては共通性に乏しく、別のグループのタンパク質と考えられています。卵白アルブミンの例をみればわかるように、タンパク質は通常透明な溶液であり、熱などで変性すると不透明な固体になります。レンズの素材となるタンパク質としては、当然変性しにくい性質を持つものが歓迎されるでしょう。

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クリスタリンはもともと眼のレンズ(水晶体)や角膜のために出現したタンパク質ではなく、たとえばα クリスタリンは分子シャペロンという、他の分子の立体構造を保持したり修復したりする作用を持つ small heat shock protein family という分子群に所属します(18,19)。α クリスタリンはレンズにおいても、β-γ クリスタリンの構造修復に寄与していると考えられています(20)。レンズの細胞は、レンズが完成したあとは増殖能力を失い、固体の一生を通じて補充無し(細胞増殖無し)で機能するので、この修復機能は大変重要です。それでも80才くらいになると、ほとんどの人はクリスタリンの構造変化によって白内障を発症します(21)。

細胞の中に非常に高濃度のタンパク質が蓄積されるような細胞は、細胞分裂の装置が機能できなくなる場合が多いようです。たとえば表皮・毛髪・爪・赤血球などです。この様な場合、まだタンパク質の蓄積を行なっていない未分化な幹細胞を保存しておき、細胞の補充は幹細胞が行ないますが、レンズの場合はそれもなく、ただ細胞を維持するだけという特殊な細胞です。

β-γ クリスタリンはカルシウム結合蛋白質のスーパーファミリーに所属するタンパク質で、多くの細菌もこのタンパク質を持っており、機能は多岐にわたっていると思われますが十分には解明されていないようです(22)。レンズが機能を発揮するためには、高濃度になっても透明性や弾力が維持される必要があり(もちろん結晶化してはいけません)、光を散乱させないで、適度に光を屈折して網膜にフォーカシングしなければいけません。

各クリスタリンの立体構造を図9に示しました(23)。

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哺乳類はα、β、γ クリスタリンがレンズの主成分ですが、他のグループでは他のクリスタリンを用いる場合も多いことが知られています(24、図10)。その場合も用いられたタンパク質は酵素など別の役割を果たしていたものを流用していることに変わりはありません。

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ヒトの眼について簡単に概観したい場合、文献25が発生から白内障までうまくコンパクトにまとめてあるのでお勧めします(25)。

参照

1)Jordan T, Hanson I, Zaletayev D, Hodgson S, Prosser J, Seawright A, Hastie N, van Heyningen V., The human PAX6 gene is mutated in two patients with aniridia., Nat Genet., Vol.1(5), pp. 328 - 332. (1992)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1302030

2)難病情報センター 無虹彩症
http://www.nanbyou.or.jp/entry/5452

3)Davis LK1, Meyer KJ, Rudd DS, Librant AL, Epping EA, Sheffield VC, Wassink TH., Pax6 3' deletion results in aniridia, autism and mental retardation., Hum Genet., vol. 123(4) pp. 371-378. (2008)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18322702

4)日本小児科学会 ペータース異常
http://www.japo-web.jp/info_ippan_page.php?id=page06

5)Walther, C., Guenet, J-L., Simon, D., Deutch, U., Jostes, B., Goulding, M.D., Plachov, D., Balling, R., and Gruss, P.,  Pax: a murine gene family of paired box containing genes. Genomics, vol. 11: pp. 424-434, (1991)

6)Jones L1, López-Bendito G, Gruss P, Stoykova A, Molnár Z., Pax6 is required for the normal development of the forebrain axonal connections., Development., vol. 129(21): pp. 5041-5052. (2002)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12397112

7)Laura A Cocas, Petrina A. Georgala, Jean-Marie Mangin, James M. Clegg, Nicoletta Kessaris, Tarik F. Haydar, Vittorio Gallo, David J. Price, and Joshua G Corbin., Pax6 is required at the telencephalic pallial-subpallial boundary for the generation of neuronal diversity in the post-natal limbic system., J Neurosci., vol. 31(14): pp. 5313–5324. (2011) doi:10.1523/JNEUROSCI.3867-10.2011.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3086773/pdf/nihms286466.pdf

8)MGI Alliance of genome resources., Pax6 gene detail.
http://www.informatics.jax.org/marker/MGI:97490

9)H. Eric Xu, Mark A. Rould, Wenqing Xu, Jonathan A. Epstein, Richard L. Maas, and Carl O. Pabo1., Crystal structure of the human Pax6 paired domain–DNA complex reveals specific roles for the linker region and carboxy-terminal subdomain in DNA binding., Genes Dev. vol. 15; 13(10):  pp. 1263–1275. (1999)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC316729/

10)NCBI homologene https://www.ncbi.nlm.nih.gov/homologene/1212

11)NCBI homologene https://www.ncbi.nlm.nih.gov/homologene?cmd=Retrieve&dopt=AlignmentScores&list_uids=1212

12)脳科学辞典 「Pax遺伝子群」 https://bsd.neuroinf.jp/wiki/Pax

13)Ruth Ashery-Padan, Till Marquardt, Xunlei Zhou, and Peter Gruss., Pax6 activity in the lens primordium is required for lens formation and for correct placement of a single retina in the eye.
GENES & DEVELOPMENT vol. 14:  pp. 2701–2711 (2000)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC317031/pdf/X3.pdf

14)Ohad Shaham a, Yotam Menuchin a, Chen Farhy a, Ruth Ashery-Padan.,  Pax6: A multi-level regulator of ocular development., Progress in Retinal and Eye Research vol. XXX. pp. 1-26 (2012)
http://asherypadan.medicine.mytau.org/wp-content/uploads/2013/04/Shaham_Pax6_Review_2012.pdf

15)William S. Holt, Jin H. Kinoshita., The soluble proteins of the bovine cornea., Investigative Ophthalmology & Visual Science.,  Vol. 12, pp. 114-126. (1973)
http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&ved=0ahUKEwiQ-qCT3bTcAhUS9bwKHdkfDR8QFggtMAA&url=http%3A%2F%2Fiovs.arvojournals.org%2Fpdfaccess.ashx%3Furl%3D%2Fdata%2Fjournals%2Fiovs%2F932875%2F114.pdf&usg=AOvVaw2Z_aHRKYqdeaIVoEuTvHIm

16)NEI Mourns Jin H. Kinoshita.,
https://nei.nih.gov/news/briefs/kinoshita

17)Richard J. Alexander., Isolation and characterization of BCP 54, the major soluble protein of bovine cornea., Experimental Eye Research.,Vol. 32, Issue 2, pp. 205-216 (1981)
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0014483581900099

18)Sharma KK1, Kumar RS, Kumar GS, Quinn PT., Synthesis and characterization of a peptide identified as a functional element in alphaA-crystallin. J Biol Chem., vol. 275(6): pp. 3767-3771. (2000)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10660525

19)田中直毅 シャペロンペプチドの開発と応用 -分子シャペロンのミニマル機構に基づくタンパク質凝集抑制ペプチドの設計-  高分子 vol. 56, pp. 178-181 (2007)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kobunshi1952/56/4/56_4_178/_pdf/-char/ja

20)https://en.wikipedia.org/wiki/Crystallin

21)日本白内障学会 水晶体の基礎研究
http://www.jscr.net/activity/page-002.html

22)Shanti Swaroop Srivastava, Amita Mishra, Bal Krishnan, and Yogendra Sharma., Ca2+-binding Motif of βγ-Crystallins., J Biol Chem. vol. 289 (16): pp. 10958–10966. (2014)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4036236/

23)Educational portal of protein data bank.
http://pdb101.rcsb.org/motm/127

24)Tomarev SI, Piatigorsky J., Lens crystallins of invertebrates--diversity and recruitment from detoxification enzymes and novel proteins., Eur J Biochem. vol. 235(3): pp. 449-465. (1996)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8654388

25)Joah F. Aliancy and Nick Mamalis, Crystalline Lens and Cataract., Webvision: The Organization of the Retina and Visual System (2017)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK476171/

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2018年7月24日 (火)

セミの声が聞こえる

A0960_006844少し気温が下がったのでしょうか? ほとんど聞こえなかった蝉時雨が、ようやくうるさく聞こえてくるようになりました。

太陽の活動が低下しているというデータがあって、しだいに地球は寒冷化してくると予想していたのですが、それよりも二酸化炭素やメタンの排出による影響が上回るという結果になっているようです。

夏になるといつも浮かんでくる歌が熊木杏里の「夏蝉」です。

https://www.youtube.com/watch?v=INu-PqINm6U
https://www.youtube.com/watch?v=x3FV-qimxdM

聴いているうちに、小学校の頃のシーンがあれこれとよみがえってきます。

http://morph.way-nifty.com/grey/2015/12/post-eaca.html
http://morph.way-nifty.com/grey/2016/01/post-eab0.html
http://morph.way-nifty.com/grey/2016/01/post-92e4.html
http://morph.way-nifty.com/grey/2016/02/post-f61c.html

私の通学路は舗装道路でしたが、遠回りをして山の中にはいる道もありました。うっそうとした森林の中を歩いて行くと、突然開けた場所に出て、そこには神戸大学の馬術練習場があり、いつも馬と人がいて跳躍練習などやっていました。

そこを抜けると米軍基地で働く軍人や軍属が住んでいる家を見渡せる場所があり、芝生に囲まれた瀟洒な家に憧れたものでした。

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2018年7月21日 (土)

アラン・ギルバート-都響@東京芸術劇場2018・7・21

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まだまだ炎暑が続く東京。体調はダメですが、先週もアラン・ギルバート-都響の演奏会にはいけなかったので、今日こそはということで、なんとか芸劇にたどりつきました。本日のコンマスは四方さん、サイドは矢部ちゃん。指揮者は今月から主任客演指揮者に就任したアラン・ギルバート。

南方がイングリッシュホルンを持って座っていたので、とりあえず安心。そしてなんとホルン軍団が向かって右側に? 非常に違和感があります。シノトモと美里が1Vn最後列に座りました。彼女たち、今日は本来は降り番だったのでしょうか?

あれれ、フルートはメンバーじゃなくてエキストラ・・・って高木綾子じゃありませんか。どういう風の吹き回しでしょうか?

アラン・ギルバートの「新世界より」の演奏はちょっと変わったものでした。特に第2楽章は非常に宗教的な雰囲気が感じられてびっくりしました。月刊都響を読んでみると、ドヴォルザークはこの曲を作るに当たって、黒人霊歌を参考にしたらしいということが書いてありました。いつもはテンシュテット-ベルリンフィルの演奏を愛聴していますが、こういうのもなかなかいいものです。来て良かったと思いました。

高木さんのフルートは音が違うんですね。びっくりしました。サトー・高木・鷹栖・長は黄金のスクエアでした。彼らだけでなく今日はすべてのパートが生気に満ちていて素晴らしい演奏だったと思います。

個人的にクラシックのオケがジャズっぽい曲をやるのはあまり好きじゃないので、後半は省略します。

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2018年7月19日 (木)

サラとミーナ203: ともかく暑くてバテるのみ

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サラはもともと愛嬌なしの猫ですが、さらに夏バテで、嫌いなカメラをむけても片目を開けるというわずかな反応のみ。

サラとつきあうのは割と簡単です。人間だと思ってつきあうとほぼ正解ですから。

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2018年7月16日 (月)

ワールドカップ: 民族の団結を粉砕した移民パワー

Braugranaウムティティvsラキティッチの試合はウムティティが制し、フランスはワールドカップを獲得しました。デンベレは同じポジションにエムバペというスーパースターがいて出番が少なかったのは残念でした。

フランスのメンバーのなかにはウムティティやデンベレもそうですが、移民か移民の子供が23名中19名いるそうです↓

http://nofootynolife.blog.fc2.com/blog-entry-3461.html

移民が国家に底知れない活力を与える好例となりました。

晋三政権が久しぶりに実行した良い政策として、外国人の就労拡大があります。外国人が我先にやってくる国は自慢できる立派な国であり、恐れることはありません。彼らが日本人のなかにはいりやすく、日本人も彼らに親しく交際できるような政策を進めることが重要です。

まず日本は物凄い勢いで没落しつつあることをみんなが認識することが重要です。日本人だけの力ではこの危機は突破できないことを私は確信しています。逆ピラミッド型の年齢構成になって、国家が老化することは数十年前からわかっていて、それなのに何ら有効な対策を打てなかった日本の歴代政権をみてみるだけでもそれは明らかでしょう。「日本人はケガしてから安全対策を考える」という揶揄がありますが、本当に将来を見据えて計画的に事を進めるという遺伝子が、日本人には欠けているように思います。

まず人種差別禁止法を制定し、言語を通じるようにする活動をサポートする(日本語学校の無料化など)ことからはじめるよう政権に求めたいところです。小学生に英語を教えるというのは移民と融和するためにはあまり役立たないでしょう。クラス分けして仏語や中国語を教えるのは良いかもしれません。

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まきちゃんぐ10thアニバーサリ@東京キネマ倶楽部

1それにしても暑すぎる昨今で、人生最大の夏バテです。もう必死で最寄り駅にたどりつき、一路鶯谷へ。東京キネマ倶楽部は駅近なので助かります。

私はデビュー当時からのコアなファンというわけではないので、端の方に着席。8人というゴージャスなサポートメンバーでスタートしました。

まきちゃんぐはライヴハウスでの印象とは少し違って、アグレッシヴにソウルフルな歌唱で押しに押すという感じでした。そう、ずっと声の鞭で叩かれ続けるという感じで、それが気持ちいい。私はそういう趣味の人種ではありませんが。

まあどの曲もシャウトはしないで声の力で迫り来るのがすごい。特に後半は歌詞もはっきりと聴き取れました。そりゃそのほうが盛り上がります。まさに鋼(はがね)の声帯です。楽しいひとときを有り難うございました。

セットリストはオフィシャルにあります
https://twitter.com/makichang_info

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2018年7月13日 (金)

北総の水問題

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岡山・広島のような豪雨が北総を直撃したらどうなるのでしょうか? 印旛日本医大から千葉NT中央、白井、西白井は若干土地が高いところなので水没はまぬがれると思いますが、水の供給は止まると思います。

私は給水車が団地に来るまで耐えられるかどうかを懸念し、貯水タンクから水をくみ上げるシステムをつくるよう強く主張したのですが、関心を持ってもらえず改善はいままで行なわれておりません。高梁川周辺の治水の問題も、新聞報道によれば50年来の侃々諤々の議論がまとまらず、今回のような事態を招いたとのことです。

政治の世界では、自分たちの利益が一方的に損なわれることについては人は絶対に認めないので、強力なフィクサーがいないと棚上げするのが一番楽ということで、いつまでたっても決まらない場合が多いようです。

何故貯水タンクから水をくみ上げるシステム(ディーゼルポンプ)に関心が無いかというと、ひとつにはそんな危機はこないとたかをくくっていること、そして将来貯水槽無しの水道直結システムに変えたいという人々の差し金ではないかと思っています。どうせ壊す物に余計な装置はとりつけたくないのでしょう。ポンプ自体は数万円の予算ですむものなのにです。

ちなみに貯水タンクに水栓をとりつけるというのは、盗水の恐れがあるので手続きが結構大変で、これをやりたくないというのは理解できます。それでもやっている団地があるということはきいています。

水道直結の利点は「タンクにためないので新鮮な水が供給される」「停電しても水は供給できる」ということですが、貯留水がゼロなので、上水道が破損すると即アウトです。停電しても水が供給されるのは、土地が高いところの場合せいぜい2Fまででしょう。

一戸建てに住んでいる人はご存じないかもしれませんが、上記のような例外をのぞいて、団地は停電すると即時に水が使えなくなります(貯留槽が屋上についている非常に古い団地を除く)。ですから団地の生活では飲料水をストックしておくことは必須なのです。

停電は線をつなぐだけですから比較的速く復旧されると思いますが、上下水道の破損はそう簡単には修復できません。何週間も水がないということになると大変でしょう。衛生状態も悪化して、建物は損傷していないのに避難しなければならなくなるかもしれません。

豪雨になると北総線は心配な場所があります。それは小室と東松戸です。小室はいまでも水田が広がっているような湿地帯で、豪雨には耐えられそうもありません。東松戸はもともと池があった場所で土地が低く、北総線も隣の秋山は地下駅なのに東松戸ではビルの5Fくらいの高さを走っています。

あと京成高砂と青砥も心配な場所です。青砥は高架駅ですが高砂は地上駅です。東で印旛沼周辺が氾濫し、西で東松戸や高砂が水没すると北総は孤立地帯になってしまいます。

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2018年7月12日 (木)

まきちゃんぐ10thアニバーサリー

Makichang日曜日(7月15日)に久しぶりでライヴに出かけようと思っています。

この日は恐ろしいことに、都響のアラン・ギルバート首席客演指揮者就任披露公演がサントリーホールで、熊木杏里の公演が横浜ランドマークホールでほぼ同じ時間に開催されるという、私にとっては不運。

そのなかで私が行く予定にしているのは、鶯谷の東京キネマ倶楽部でのまきちゃんぐのライヴです。

ちょっぴりダーク系のバラードシンガーと紹介すればいいのかな? いろんなタイプの音楽にも挑戦しています。

個人的に一番好きな曲は「木漏れ日の中で、夏」です。

Twitter: https://twitter.com/makichang_info

Offitial: http://makichang.info/

誰が為に鐘は鳴る:
https://www.youtube.com/watch?v=BtuSpn1h9z4

愛と星: https://www.youtube.com/watch?v=XI468c7Hlxk

赤い糸: https://www.youtube.com/watch?v=X9F7Qgr9QE4

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2018年7月 9日 (月)

やぶにらみ生物論108: 視覚の進化

前稿では視覚の生化学的基盤について述べました(1)。光が当たることによってロドプシン分子が構造変化し、それが引き金となってイオンチャンネルの開閉が行なわれ、脱分極や過分極によって発生する電気信号が視覚の基盤となります。この原理はあらゆる動物で変わりません。一方受光するための装置はカンブリア紀がはじまる頃から、様々な形で進化してきました。まず Michael  F. Land (図1)の説(2)にしたがって、眼の進化をみていきましょう。図1は原図を省略表示し、改変し、日本語化しました。

図1の系統樹の根元にある扁形動物は、数億年の昔からこの地球に生きているにもかかわらず、視覚は最小限のままで特に発達させることはありませんでした。その理由は彼らの大部分が寄生生活に乗り換えたことにあると思われますが、自由生活をするプラナリアなどは捕食されても一部の体が残っていれば再生できるという驚異的な能力を獲得したため、高度の視覚・素早い運動・防具としての甲殻などは必要とせず、ゆっくり日陰に移動するという能力さえあれば生きて行けたというのも一つの理由でしょう。

彼らにとってはタイプa(図1)の眼で十分だったのでしょう。プラナリアの眼は眼房もなければレンズもない原始的なものですが、シェード付きなのでひとまわりすれば明るさだけでなく光が来る方向を感知することができます(1)。

扁形動物より原始的なグループである刺胞動物は、扁形動物よりはずっとアクティヴな自由生活をしてきたので、中にはハコクラゲやアンドンクラゲのように1段階進化したタイプcの眼を持つグループも出現しました。たとえばミツデリッポウクラゲは24個の眼を持っていて、そのうち2個は水晶体を持っているというのですから、これはもうLandが記載したタイプcを越えています(3)。しかも彼らは脳らしきものを持っていないので、神経環で眼からの情報を処理していると思われますが、よほど効率的な処理を行なっているのでしょう。図1ではタイプ c+としました。

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進化系統樹では扁形動物以降、原口陥入部が口になる旧(前)口動物群と肛門になる新(後)口動物群に分かれますが、前者の場合ヒトと同等な眼を持つ軟体動物の頭足類から、複眼を極限まで発達させた節足動物の昆虫類まで様々なタイプが存在します。複眼は図1のタイプb、eですが、eタイプは個々の眼にレンズがついています。*の部分が短いと解像度の高い像が得られ、長いとより明るい像が得られる傾向があります(他の眼に入射した光もセンサーにはいってくる可能性が高いので)。蛾などの夜行性昆虫は後者に該当します。

単眼タイプと複眼タイプの両者を持っている生物もいれば、眼がほとんど退化したような生物もいます。基本的に眼の進化はそれほど長い時間を要しないと考えられています。光信号を化学信号から電気信号に変換する機構は、動物の場合、進化の過程で1度だけつくられてそのまま使われていますが、眼という光学装置は何度も個別に進化した結果、結果的に類似した装置をそれぞれの生物が装備することになった場合もあるようです(4)。

少し前まで旧口動物の光受容細胞は微絨毛が進化した装置を持ち、新口動物の光受容細胞は繊毛が進化した装置を持つと考えられていましたが、例外があることが明らかになったので(5、6)、旧口動物・新口動物というようなおおざっぱな分類においても、あるときに微絨毛型と繊毛型という別々の戻れない道に別れたとは言えなくなりました。なお繊毛は本来細胞の表面積を増やすためのものではなく、これを動かして細胞を移動させたり水流を起こすためのものです。つまり光受容装置としての繊毛は、後の時代に流用されたと考えられます。

脊索動物門と最も近縁な棘皮動物門は非常にユニークな視覚を持っています。ウニの場合無数の棘と管足があるわけですが、光受容細胞は管足にあり、それぞれの管足は棘で仕切られているので、体全体が特殊な複眼のような構造になっているわけです(7、8)。これにたいして脊索動物門の生物は複眼を棄て、a → c → d という比較的単純な眼の進化を遂行したようです(図1)。両生類より系統樹の上位の生物は基本的に陸上で生活するので、網膜の乾燥を防ぐために透明な被膜(角膜)で被うのは必須で、それがレンズに進化したのもよく理解できます。

脊索動物門の生物は最初から眼を持っていたかというと、それは疑問です。カンブリア紀のピカイア(図2)は眼を持っていません(9)。ピカイアは脊索はもっていますが脊椎は持っていないので、脊索動物門の中では原始的なグループだと考えられます。しかし同じカンブリア紀のハイクイクシスは脊椎動物であり、明らかに眼を持っています(10)。カンブリア紀以前には眼を持つ生物は発見されていないので、短い期間に図2(右図)のレベル1からレベル4または5あたりまでの進化が進行したと思われます。

A_11


現代魚類の眼(11、図2)はレベル5くらいで、角膜はありますが光量調節機能を持つ虹彩はありませんし、レンズ(水晶体)の厚みを変えてピントをあわせることはできません。図3はヒトの眼の構造です。平滑筋のはたらきによって、光量に応じて自動的に虹彩が開閉して適当な明るさに調節できますし、見たいものの遠近に応じて自動的に毛様体が収縮し、レンズの厚みを調節してピントを合わせることができます。また多数の随意筋(横紋筋)によって目玉が向く方向を自在に調節できます(図3)。参天製薬のサイトでアニメーションを使ってわかりやすく説明しています(12)。

A_12


哺乳類の眼と頭足類の眼は、図1でわかるように系統樹上は離れた位置にありますが、非常に似た構造になっています(図4)。図4はウィキペディアから持ってきましたが(13)、多分間違っていると思うのは、頭足類の眼は焦点を合わせるためにレンズを前後に動かすので、この毛様体の付き方ではそれはできそうもありません。一つ注目していただきたいのは、図4でヒトの場合視細胞の裏側に網膜があるのに対して、タコの場合視細胞の表側に網膜があります。このことは発生の過程が全く異なっていることを意味しており、両者のルーツが別にあることを示唆しています。

タコの場合視細胞の表側(外界側)に網膜(ロドプシン集積部位)があるので盲点が発生しませんが、ヒトの場合視神経が眼房に出てくるあたりは構造的に網膜が作れないので(図4の4)、盲点が発生します。もうひとつタコの方が優れているのは偏光を検出できると言う点です。ヒトでもなかには偏光が見えるという人がいるそうです(ハイディンガーのブラシ、14)。

A_13


ヒトの眼には桿体細胞と錐体細胞という2種類の視細胞があります(図5)。ウィキペディアによると眼一つについて、桿体細胞は1億個、錐体細胞は7百万個あるそうです。哺乳類は恐竜と同時代に生まれて生き延びてきたという歴史があるので、恐竜全盛時代には夜行動せざるをえなかったわけです。ですから哺乳類はロドプシンを1種類しか持たない桿体細胞で、モノクロの視界を得るので十分な時代が長かったのです。圧倒的に桿体細胞が多いのは、そういう歴史を背負っているからでしょう。

桿体細胞・錐体細胞共に外側にシナプス形成部位があり、その内側に核があり、さらに内側に内節があります。内接の内端に結合繊毛という部位があり、そこでロドプシンが集積する特殊な棚状の構造が内側に押し出されるようにつくられ外節が形成されます(15)。網膜はその外節がぎっしり並んでいる部分のことです(顕微鏡で見ると層状に見える)。ロドプシンは光情報を化学情報に変換するだけでなく、外節構造(網膜)をつくるためにも必要です(16)。

A_14


ヒトの場合錐体細胞は3種類のロドプシンを発現していて、それぞれどの波長の光に反応するかを図6に示しました。生物は最低でも2種類のロドプシンが存在することによって、はじめて色彩を感じることができます。ロドプシンAとロドプシンBの反応のレベルの違いを色という形で認識するのです。ですからAとBが最大に反応する波長が離れているほど色の種類を多く識別することが出来ます。

多くの哺乳類は2種類のロドプシンしか持っていませんが、ヒトは3種類のロドプシンを持っているため白という色を認識できます。宮田隆によれば「南米に住む新世界ザルには色覚に関して興味深い性差がある。オスは2色の色覚しか持たないが、メスには3色の色覚を持つ個体がいる。この色覚に関する性差は、X染色体がメスでは2本あるが、オスでは1本しかないことと関係がある。」 だそうです(17)。旧世界ザルは3色の色覚があるので、3色の色覚はサルの進化の過程で獲得されたのでしょう。これは多くの木の実が赤い・・・したがって赤い色を認識できれば生存に有利だった、ということと関係があるようです(17)。

A_15


ヒトよりすぐれた色覚を持っているのは鳥類で、彼らは4種類のロドプシンを持っている上に、そのうちのひとつは紫外線を感知できます(18)。昆虫も紫外線を感知できるロドプシンを持っています。昆虫は私達にはない複眼という別種の眼を持っています。図7にトンボとハエの複眼を示します(19)。

A_16


複眼に含まれるひとつひとつの眼を個眼といいます。トンボの複眼は約5万個の個眼で構成されています。複眼の場合ひとつの個眼を1画素としたデジタルカメラに例えられますが、5万画素のデジタルカメラは優秀なのでしょうか? 

水波誠の本によると(20)、身長と眼の解像度は比例しているというキルシュフェルトの理論というのがあるそうで、それならば昆虫の複眼の解像度は悪いとはいえないそうです。ただトンボやミツバチなどは身長から考えると超高速で飛翔する動物なので、解像度よりむしろ衝突をさけるための情報処理の速さが重要であるとは言えるのではないでしょうか。実際ハエは一秒間に150回の点滅を認識できるそうです(20)。

昆虫の複眼の構造を図8に示します。レンズ(水晶体)のすぐ下に視細胞があり、個眼は光がまじらないよう色素細胞のシェードで分離されています。個眼8個(または9個)でひとつのユニットが形成されおり、それらが花弁のように並んだ中央に桿状体というロドプシンが集積した部位が見られます(図8)。個眼8個のユニットは最大感知波長が緑・青・紫外の3種類の色素細胞で構成されているので、ユニットごとに色彩を感知することが出来ます(20)。

A_17


昆虫が色彩を認識できることをはじめて示したのはカール・フォン・フリッシュ(図9)でした。彼は若い頃に魚が色を識別できることを証明し、さらにミツバチも色を識別できることを証明しました(20、21)。

図9のヒトとミツバチが認識する光の波長を示した図は Webexhibits というサイトからの引用です(22)。これによるとヒトほどはっきりではなくてもミツバチにも赤い色が見えていると思われます。しかし紫外線領域はミツバチにははっきり見えていてもヒトには全く見えていませんので、ミツバチの見ている色彩はかなりヒトとは異なるようです。図9の花の色彩は左がヒト、右がミツバチです(23)。ミツバチの見ている色なんて、ヒトには見えないのだからこのようなプレゼンテーションは意味が無いという向きもあり、Hamiltonも "Because we cannot see UV light, the colours in these photographs are representational, but the patterns are real. " と書いていますが、その筋の研究者から、ミツバチには多分図9のように見えているという話を聞いたことがあります。

A_18


鳥は昆虫と同じくらい紫外線領域が見えるので、かなりミツバチなどと同じ色彩感覚だと思われます。ログミというサイトに鳥の見え方を示した記事がありました(24)。

この中でヒトが精細にみることができる範囲(例えば文字を読んだりする)はせいぜい10度くらいの角度に限定されている(実際モニターの画面の中央を読んでいると端っこの文字は、なにか文字があるということはわかっても。目玉か首を動かさないと読めません)、という記述があります。ところが、カモメは水平に見えているすべての物を、広角にわたって精細に見ることができるそうです。つまり眼の性能で言えばカモメはヒトよりはるかに優れています。

参照

1)生物学茶話@渋めのダージリンはいかが107: 視覚とは (やぶにらみ生物論107: 視覚とは)
http://morph.way-nifty.com/lecture/2018/06/post-651d.html

2)Michael F. Land and Dan-Eric Nillson., Animal eyes. Oxford University Press (2002)
https://books.google.co.jp/books?id=aAZ_YfVoCywC&pg=PA1&hl=ja&source=gbs_toc_r&cad=3#v=onepage&q&f=false

3)ナショナルジオグラフィック日本版2016年2月号 不思議な目の進化
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/magazine/16/012200005/012200001/?img=ph3.jpg&P=2

4)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%BC%E3%81%AE%E9%80%B2%E5%8C%96

5)中川将司,堀江健生、ホヤ幼生の光受容器 -脊椎動物の眼との比較- 比較生理生化学 vol. 26 No.3 pp. 101-109 (2009)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hikakuseiriseika/26/3/26_3_101/_article/-char/ja/

6)片桐展子 & 片桐康雄. イソアワモチの多重光受容系:(1)4種類の光受容細胞の特徴と光応答 比較生理生化学 25, 4-10 (2008).
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hikakuseiriseika/25/1/25_1_4/_pdf/-char/ja

7)Ullrich-Lüter EM, Dupont S, Arboleda E, Hausen H, Arnone MI., Unique system of photoreceptors in sea urchin tube feet., Proc Natl Acad Sci U S A. vol. 108(20): pp. 8367-8372. doi: 10.1073/pnas.1018495108. (2011)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21536888

8)ナショナルジオグラフィック日本版2011年5月号 ウニは全身が“眼”だった
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/4200/

9)Morris SC, Caron JB., Pikaia gracilens Walcott, a stem-group chordate from the Middle Cambrian of British Columbia., Biol Rev Camb Philos Soc.  May; vol. 87(2): pp. 480-512. (2012)  doi: 10.1111/j.1469-185X.2012.00220.x. Epub 2012 Mar 4.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22385518

10)D.-G. Shu et al., Head and backbone of the Early Cambrian vertebrate Haikouichthys., Nature vol. 421, pp. 526–529 (2003)
https://www.nature.com/articles/nature01264

11)裳華房 目のしくみ (Structure of Eye)
https://www.shokabo.co.jp/sp_opt/observe/eye/eye.htm

12)参天製薬 目のピント調節のしくみ
https://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/products/otc/sante_medical/eyecare/focus.jsp

13)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%BC%E3%81%AE%E9%80%B2%E5%8C%96

14)https://en.wikipedia.org/wiki/Haidinger%27s_brush

15)今西由和 脊椎動物の視細胞をモデルとしたタンパク質輸送および膜構造形成の時間空間的解析 生物物理 vol.56(1),pp. 18-22, (2016)
DOI: 10.2142/biophys.56.018
https://www.jstage.jst.go.jp/article/biophys/56/1/56_018/_pdf

16)http://www.oyc-bio.jp/products/view/service004

17)宮田隆 眼で進化を視る -その2- (2006)
https://www.brh.co.jp/research/formerlab/miyata/2006/post_000004.html

18)杉田昭栄 鳥類の視覚受容機構 バイオメカニズム学会誌 vol. 31, no.3,  pp.143-148 (2007)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sobim/31/3/31_3_143/_pdf

19)https://en.wikipedia.org/wiki/Arthropod_eye

20)水波誠 「昆虫-驚異の微小脳」 中公新書 (2006)

21)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5

22)Webexhibits: What colors do animals see?
http://www.webexhibits.org/causesofcolor/17.html

23)Michael Hamilton, A bees-eye view: How insects see flowers very differently to us., (2007)
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-473897/A-bees-eye-view-How-insects-flowers-differently-us.html

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2018年7月 5日 (木)

HUAWEI-P20lite とJVCヘッドフォンHA-S800

1ついに永年使ってきたPHSのサービスが終了する旨のお知らせがY!モバイルから届きました。先月のことです。私的にはPHSで十分だったのですが、いまさらガラケーにするのも気が引けて、どうせ変更するならスマホにしようと決断しました。

手持ちのPHSを購入したのは、ちょうどウィルコムがつぶれてソフトバンクがかわりにやることになった頃で、当時ソフトバンクのお店で購入したので解約もソフトバンクかと思っていたら、何とお店で門前払いにあい、Y!モバイルに行って下さいと言われてしまいました。

でY!モバイルのお店に行ったら、決めていたTVコマーシャルでもお馴染みのHUAWEI-P20lite という機種は取り扱っていませんと言うじゃありませんか。仕方なくイオンの携帯電話店に行くと、あるというのでようやくスマホの契約をすることができました。

しかしそこでは解約はできないというので、またY!モバイルのお店に行って解約をしようとしたら翌日の予約になって、結局スマホを買って契約するのになんと1日半を要しました。

2さて手に入ったHUAWEI-P20lite ですが、液晶の鮮明さと電池の持ちは文句なしです。とりあえず音楽を聴こうとして購入したのがJVCケンウッドのヘッドフォンHA-S800です。このヘッドフォンは音声感度が115dbもあるので、十分イヤホンの代わりになります。イヤホンとはひと味違う重厚な音が楽しめます。デフォルトではイヤホンで耳を痛めないために、音の大きさにリミッターがかかっていますが、これははずしてください(はずしたらイヤホンは使わないように)。

これで1日中YouTubeを聴いていても終わらないくらい電池が持つので、結構使えると思いました。機能はほかにも豊富なようですが、私はPC派なので、宝の持ち腐れで結局ほとんど使わないと思います。話しかけると答えてくれるようなのですが、道ばたでスマホとお話しするというのはやっぱり恥ずかしいかな。

ひとつ難を言えば、私はパソコンのキーボードを画面に出して入力するのですが、これが少し文字の左側をタッチしないといけないのです。私だけの機械の不出来なのでしょうか? あとキーボードに数字がない上に、niとかsannとか入れても2や3に変換できないことで、これは困ります。

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2018年7月 3日 (火)

ワールドカップ 皆様お疲れ様

800pxfifa_world_cup日本代表は素晴らしいサッカーをみせてくれました。最後は昌子の帰りが遅かったのが残念。出場した選手は力を出し切った試合だったと思いますが、西野の采配には?があったと思います。

2点リードしても、西野だけではなく日本のサッカー界には「代表」が攻撃を放棄するサッカーをやるべきではないというような空気があって、2点リードした段階で監督が素早く守備が得意なMF(高徳や蛍)を投入する、あるいは5人目のDFを投入する、という作戦ができなかったことが敗因と言えば敗因でしょうか。

川島は一瞬レスポンスが遅いという印象がつきまといましたが、ディフェンダーとの連携という意味で、西野としてもずっと使わざるを得なかったのでしょう。

今回のベルギー戦に関して言えば、タレントも揃っていたので、2点リードした段階で守備固めをしていれば勝てたゲームだとは思います。とはいえ、思い知ったのは体格とフィジカルの勝負では負けるということです。これは遺伝子の問題ですから仕方ありません。

遺伝子の問題を解決するには、ベルギーやフランスなどのように移民系・アフリカ系の選手を入れるという手もありますが、それには移民を受け入れるという日本政府の決断が必要なので、サッカー関係者だけでどうこうできるという問題ではありません。

日本がより上に行くには、70%くらいのボール支配率を確保し、「ポゼッションこそ最大の防御」というバルサスタイルのサッカーをやるしかありません。それがつまらないサッカーだというような雑音にまどわされず、今後は今回のような自陣での堅守とカウンターというスタイルではなく、バルサスタイルのサッカーを是非めざしてほしい。

ただ今回はハリルホジッチの方針でずっとやってきたので、西野としてもその基本を変えるには時間がありませんでした。選手及び関係者の健闘をたたえたいと思います、皆様お疲れ様。

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2018年7月 1日 (日)

グレイハウンズ ついにCDを出版

Imga


グレイハウンズさん CD出版おめでとうございます。
よくまあ著作権問題を乗り越えて、このようなアルバムを出版できたものだと思います。ナナちゃんの歌声は現代によみがえったコニー・フランシスといったら「私はナナです」って叱られるかな?

ダイアン・リネイの「ネイビー・ブルー」を彼らがユーチューブにアップしたら、当のダイアン・リネイから:

Hello:  This is Diane Renay the artist who had a big hit in 1964 when I sang "NAVY BLUE"!.

I just want to compliment your redition of my song and tell you that you have done a great job singing my song!

Love: Diane Renay

というコメントがついていたのには驚きました。

https://www.youtube.com/watch?v=KsXLiuedgS8&feature

YouTubeで彼らの音楽を楽しんだ方は、是非このCDを買いましょうね!

あたしのベビー
https://www.youtube.com/watch?v=Tx80DjSYpYI

カラーに口紅
https://www.youtube.com/watch?v=VUw5GStanVE

いとしのテディ
https://www.youtube.com/watch?v=tPLih0pRNOE

悲しき片思い
https://www.youtube.com/watch?v=NCEJ2MEJJRc

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Originals

1. Be my baby: The Ronettes
https://www.youtube.com/watch?v=jrVbawRPO7I

現代のテクノロジーでよみがえらせたザ・ロネッツの歌声
https://www.youtube.com/watch?v=ZHk-uopSlBE

2. Happy birthday sweet sixteen: Neil Sedaka
https://www.youtube.com/watch?v=5h2zp96Hzhg

3. Johnny get angry: Joanie Sommers
https://www.youtube.com/watch?v=wcLXs3Np93s

4. Diana: Paul Anka
https://www.youtube.com/watch?v=ar-zZ21iW9w

5. Teddy: Connie Francis
https://www.youtube.com/watch?v=7E5onCKNlcE

6. Hats off to Larry: Del Shannon
https://www.youtube.com/watch?v=uaagl9rY9do

7. Sheery: Frankie Valli and the four seasons
https://www.youtube.com/watch?v=AapxXRlsdwA

8. The Diary: Neil Sedaka
https://www.youtube.com/watch?v=nchmuKfTYXg
https://www.youtube.com/watch?v=eC71Zt8bxM0

9. Lipstick on your collar: Connie Francis
https://www.youtube.com/watch?v=V8x5cUFoDnU

10. At The Hop: Danny & The Juniors
https://www.youtube.com/watch?v=F3SrtN6tMyg

11. La lecon de twist: Dalida (オリジナルはインストゥルメンタルらしい)
日本語では弘田三枝子がカバーして、ナナも日本語で歌っています。
https://www.youtube.com/watch?v=HgyDK74l8bw
https://www.youtube.com/watch?v=KBuLrQvLyDE

12. Going home to mary lou: Neil Sedaka
https://www.youtube.com/watch?v=tnlWWb7AFZ8

13. You don't know: Helen Shapiro
https://www.youtube.com/watch?v=5I2cG-ed6hw

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このCDには収録されていませんが、ナナちゃんの18番

THE END OF THE WORLD(この世の果てまで)
https://www.youtube.com/watch?v=pqcg81aYIFY

ボーイハント(Where The Boys Are)
https://www.youtube.com/watch?v=MjmMQZZuYG4

渚のデイト(FOLLOW THE BOYS)
https://www.youtube.com/watch?v=4K6h7uyYNnU

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