アンリ・ヴュータンのヴァイオリン協奏曲第7番イ短調
アンリ・ヴュータンの作品はあまり聴いたことがなかったのですが、都響のコンサートアーカイヴで検索すると、1977年にヴァイオリン協奏曲第4番、1994年にヴァイオリン協奏曲第5番を演奏していました。まだ会員になってから20年くらいしかたっていないので、私はどちらも聴いていません。後述する第7番は、まだ都響の演奏会でとりあげられたことはないようです。
ヴュータンは19世紀にフランスで活躍したベルギー人のヴァイオリニスト兼作曲家で、若い頃は彼の出演するコンサートは大変な人気だったそうです。しかし晩年は体が不自由で、アフリカでわびしい生活を送ることになり、酔っ払いが投げた石に当たって命を落としたとのこと。
私のお気に入りは、彼が晩年に作曲したヴァイオリン協奏曲第7番で、これは美しい旋律がふんだんに盛り込まれた素晴らしい作品だと思います。あまりに甘美な作品なので、むしろサラッと弾いてくれた方が聴きやすいかもしれません。
メランコリックなオーケストラの演奏を断ち切るようにスクリームするヴァイオリンで始まる第1楽章。一段落するとヴァイオリンもたっぷりロマンティックなメロディーを奏で、技巧も披露します。圧巻は第2楽章。主題はひとつですが、なんともの悲しくも美しい旋律なのでしょう。第3楽章は軽快で技巧的な第1主題とチャーミングなメロディの第2主題のミニ・ソナタ形式。
私が聴いたのは FUGA LIBERA の全集に収録されているもの。ヴュータンのヴァイオリンコンチェルト7曲が全部収録されていて¥2936は安いと思います。演奏も立派なものです。
https://www.amazon.co.jp/Complete-Violin-Concertos-Henri-Vieuxtemps/dp/B004CN8HME/ref=sr_1_57?s=music&ie=UTF8&qid=1518852352&sr=1-57&keywords=Vieuxtemps
YouTube で試聴できます。全集と比較するとこのナクソスの演奏の方がきちんとしているかもしれませんが、第2楽章は全集のハリエット・ラングレイの演奏が好きですね。
https://www.youtube.com/watch?v=BD81V7gIH_I
H. Vieuxtemps Elegie for viola and piano, op. 30
https://www.youtube.com/watch?v=VF44dYADPwI
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