グルテンフリー
グルテンはもともと自然に存在するものではなく、小麦などの穀物を水で練ると生成します。練ることによって、小麦胚芽の主成分であるグルテニンとグリアジンというタンパク質が結合して、人工的生成物であるグルテンが出来るわけです。
このグルテニンというタンパク質が難物で、その存在は19世紀から知られていますが、現在でも研究が難しいそうなのです。それは分子同士が適当に共有結合や非共有結合でくっつき、これがグルテニンという特定の構造を持たないタンパク質をつくるので、アバウトな研究しかできません。
しかもグリアジンもいくつか種類があるので、これとグルテニンが適当に結合するとなると、その組み合わせは無限に近い種類があることになります。
ですからグルテンアレルギーといっても、何が抗原になっているのかよくわかりません。おそらくいろいろなグレードがあって、弱い場合にグルテン過敏症といわれているのでしょう。特有の遺伝子をもった人がグルテンを摂取することによって病気が発症するといわれるセリアック病という難病も知られています。
グルテン関連病はグルテンを食べなければ症状はでません。そこで米の出番です。ビジネスチャンスは人の不幸にあります。医師も弁護士も例外ではありません。これが日本の農業復興の絶好のチャンスと米作農家が活気づいているそうです。テニスのジョボビッチも「グルテンフリーの食事」を実行しているようです。
米粉のパンもあるので、小麦を食べないからと言って異常な食事をする必要はありません(写真はその米粉パン-ウィキペディアより)。
山形大学の西岡研究室では、米粉100%のパンを製造することに成功したそうです。頼もしいお話ですね。しかもこの研究室は農業ではなく、プラスチックの研究室だということが驚きです。まさしく新発明というのは、どこから生まれるのかわかりません。
https://nishioka-lab.yz.yamagata-u.ac.jp/resarch/komepan.html
http://www.kami-shoku.com/kami_column/12302/
それにしても、ローマ法王庁がカトリック教会が聖体拝領で使用するパンとしてグルテンフリーのパンを認めない・・・というのはおかしな話です。その昔にはグルテンがパンにはいっているかどうかなんてわからなかったわけですから。
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