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2016年12月27日 (火)

フルシャ-都響 ベートーヴェン交響曲第9番@サントリーホール

Imgaフルシャ-都響の第9を聴きにサントリーホールに行ってきました。フルシャ-都響の第9は芸術劇場・文化会館・サントリーホールと3回目ですが、すべてチケット完売で今回も満席でした。都響のメンバーも張り切っていて、マキロンもメイクバッチリですし、古川さん(Vc)が一番後ろで弾いたのは、ひょっとしてノーギャラ? 

カラヤン広場はクリスマスデコレーションの後片付けで、分解したパーツを大勢の人がぞうきんで拭いて収納作業をやっていました。世の中いろいろな仕事があるものです。

年末の第9は10年くらい個人的にとりやめていたのですが、ここ3年くらいはまた通っています。どうしてやめていたかというと、習慣で音楽を聴くのはどうかなと思ったこと、歌詞の内容に一部共感できなかったこと、ベートーヴェンがシラーの詩のうち、毒にも薬にもならないような部分を選んで歌詞にしていたことに疑問を感じていたこと、などが原因でしたが・・・。

ただベートーヴェンもウィーンはメッテルニヒ体制で、物言えば唇寒しの時代だったので妥協せざるを得なかったのでしょう。それにどうしても演奏会を成功させないと生活に困るという状況だったのかもしれません。そんななかでも自分の作詞で「ニヒト・ディーゼ・テーネ」とバリトンに叫ばせたのは本当は「ニヒト・メッテルニヒ」と言いたかったのでしょう。同情ばかりはしてはいられません。現在の日本も厳しいテレビの言論統制、無理矢理の軍事基地建設、ネットや警察のレイシズム容認、天皇の発言封じ、治安維持法復活の危機など暗雲がただよう時代となってきました。

とりあえずフルシャは若々しく躍動感があって迫力満点の指揮で、都響(コンマス矢部ちゃん、サイドゆづき)・二期会の演奏もすばらしく、特にソリストの4人はコンディションもよく堂々たる歌唱で感服しました。ただ合唱のバランスはやや男性の声に偏っていたような印象がありました。

12月にフルシャ-都響の演奏を3回聴きましたが、私的にランクをつけるとすると、

1位 マーラー交響曲第1番@東京芸術劇場
2位 ショスタコーヴィチ交響曲第10番@東京文化会館
ちょっと差があって↓
3位 ベートーヴェン交響曲第9番@サントリーホール

となります。マーラーの第1交響曲は若きマーラーとフルシャとの一体感が感じられました。ベートーヴェンの第9交響曲は50代半ばの作品で、果たして今回のような若さと熱血で押し切るような演奏でいいのかという気がしました。第1楽章などもっともやもやした感じかと思っていたら、非常にすっきりとまとまった演奏でしたし、第3楽章は落ち着きに欠ける感じがしました。とはいいつつも、このような第9の演奏が嫌だというわけではありません。人は状況や気分によって聴きたいタイプの音楽は違います。

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