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2016年11月30日 (水)

やぶにらみ生物論49: DNAの修復1

DNAはヌクレオチドがフォスフォジエステル結合を介して連結されていますが(図1)、このヌクレオチド同士の結合は化学的には非常に安定で、加熱・酸・アルカリなどの条件でも壊れません。ジフェニルアミン法でのDNAの化学的定量の際には過塩素酸の存在下でボイルして分解・染色します(1)。

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しかし生体内にはDNAを切断・分解する酵素が存在するので安泰とは言えません。また有機塩基は糖鎖やリン酸と比べると化学的に不安定で、加水分解でアミノ基がアンモニアとなってはずれてしまったり、塩基全体が糖からはずれてしまったり、アルキル化・酸化によって構造が変わったりします。これらの化学反応は酵素がなくても進行します。またDNAを合成する際に、間違った塩基(GCまたはATというペアを形成しない)が取り込まれてしまうこともあります。

細胞が本来維持している環境の中でのエラーやダメージ以外にも、外界の放射線や紫外線によって発生するダメージも深刻です。生物は太古の昔から、このようなさまざまな要因によるDNAの損傷を修復するべく知恵をしぼってきました。もちろんDNAの変異が進化をもたらしたことは事実ですが、毎日起きているDNAの損傷は桁違いで、ウィキペディアによると「DNAの損傷は、細胞内における正常な代謝の過程でも1細胞につき1日あたり 50,000~500,000 回の頻度で発生する」(2)となっています。

たった1ヶ所の変異によって、その部分の遺伝子情報によって作られている蛋白質の機能がゼロになったり、発がんの原因になったりすることもあります。ですから生物は様々なDNAの救急システム=DNA損傷修復の機能を持っているわけですが、それ以外にも私たちの体を見てみると、生きている細胞が露出しているのは乳頭くらいで、あとは皮膚表層の死細胞が紫外線から生きている細胞を保護しています。またヒト以外の動物では皮膚に加えて毛皮や甲冑で保護している場合が多くみかけられます。

生物がまだ水中で生活していた頃は、水によって放射線や紫外線が遮蔽されるので、内因的な損傷だけを修復すればよかったのですが、陸に上がったとたんに外界から激しい損傷をうけることになるので、浅瀬で暮らしている時代に十分な準備をしておかないと、上陸は不可能だったでしょう。これは陸地を歩ける足を準備するのと同じくらい重要な段取りだったと思われます。

さて皆さんは昨年(2015年度)のノーベル化学賞を、どんな人が受賞したか覚えているでしょうか? リンダール(1938~)・モドリッチ(1946~)・サンジャール(1946~)の3人です(図2)。

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彼らは皆それぞれ別の様式のDNA修復に関する研究で受賞しました(3)。彼らが発見した3種類のDNA修復は、大腸菌(原核生物)もヒト(真核生物)も、関与する因子の名前こそ違いますが、様式は基本的に同じで、おそらく10億年以上保存されてきたメカニズムだと思われます。生物は深海の熱水噴出口周辺で生まれたと思われますが、細菌はかなり早くから浅い海や地上で生きていたに違いありません。ですから彼らは優秀なDNA修復機構を太古の時代から持っていて、その後長い間海中で生活することになった真核生物も、彼らの業績を引き継いでいたということになります。ですからおそらく現在紫外線や放射線による障害を修復するメカニズムとして復活した機構も、進化の途中では別の目的で使われていた時代もあったのでしょう。

ここではノーベル賞を受賞した3人の科学者達の業績をたどってDNA修復の機構をみていきましょう。まずトマス・リンダールは塩基除去修復(base excision repair)という様式を発見しました(4)。例えばグアニン(G)が酸化されて8-オキソグアニン(G*)に化学変化したとします(図3)。

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まずこの異常な部位にグリコシラーゼがやってきて、異常な塩基である8-オキソグアニンと糖の結合を切断して、8-オキソグアニンを遊離させます。そうするとDNAに塩基のない空白部分(APサイト、apurinic apyrimidinic site)ができます(図4)。この状態を認識するAPエンドヌクレアーゼというDNA分解酵素がやってきて、AP部位のDNAを切断します(図4)。

DNAを切断する酵素を大きく分けると、一番端から順次内部に切っていく(鎖を短くしていく)酵素群をエキソヌクレアーゼ(exonuclease)と、鎖の内部を切断する酵素群(APエンドヌクレアーゼ AP endonuclease のように特定の部位だけ切断するものから、非特異的に滅多切りするものまでいろいろあります)があります。前者のエキソヌクレアーゼがAPエンドヌクレアーゼで切断されたDNAの断端をみつけて、ひとつヌクレオチドを切り離します(図4)。このエキソヌクレアーゼはヌクレオチドひとつ分だけしか切りません。

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ヌクレオチドが切り離されると、専門のDNAポリメラーゼ(真核生物だとDNAポリメラーゼベータ)がやってきて、鋳型に対応するヌクレオチドをひとつ 3'OH に結合させます。例によってこれを 5'P と結合させることはできないので、DNAリガーゼがやってきて結合し、元のDNAへの修復が完成します(図4)。

次はアシス・サンジャールですが、彼はヌクレオチド除去修復(nucleotide excision repair)のメカニズムを解明しました(5、6)。彼はトルコでの裕福な医師生活を捨てて米国で勉強をやり直し、テクニシャンからはじめて、朝9時から深夜3時まで働くというハードワークで成功した人物です。

ヌクレオチド除去修復は、主にDNAが紫外線によって損傷を受けた場合に発動します。紫外線がDNAに照射されると、DNAの塩基配列上でチミンが二つ並んでいるところで、チミンダイマーが形成されます(図5)。

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チミンダイマーが形成されると、周辺のDNAにひずみが発生します。これをUvrA+UvrBの複合蛋白質が認識し、ATPのエネルギーを使ってチミンダイマー周辺のDNAを変形させて塩基同士の結合をひきはがします(図6-2)。するとそこにUvrCがやってきて、チミンダイマーの両側でDNAを切断します(図6-3)。

切断されるのはチミンダイマーの隣接部位ではなく、多少の余裕をみて数ヌクレオチド離れた場所で切断されます。チミンダイマーを含む単鎖DNAは遊離し、DNAにギャップが形成されます(図6-4)。この比較的広いギャップは、ヘリケースによってDNAポリメラーゼがアクセスできるように立体構造が整形され、真核生物の場合DNAポリメラーゼイプシロン(リーディング鎖の複製を行なう酵素)によってDNA合成が行われ埋められます(図6-5)。最後にDNAリガーゼによってDNAの端部が連結されて修復が完了します(図6-6)。

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チミンダイマーの除去がうまく行われない場合、色素性乾皮症(xeroderma pigmuntosum)という生命に関わる重要な病気が発生することがあります。この病気は遺伝性で、患者さんは太陽に当たると癌が発生する危険性が高いので、一生暗い部屋で、外出するときは皮膚をすべて被うという気の毒な生活をしなければなりません。

最後はモドリッチですが、その前に一つ述べておかなければならないのは、すべての生物がDNAの複製に用いているDNAポリメラーゼは種類も多くありますが、すべて100%正確にG・C、A・Tのルール通りのDNA合成が可能かというとそうではありません。確率は低いですがエラーが発生して、例えば図7のようにGの対面が誤ってTになったとします。このエラーを放置すると、もう一度細胞分裂が起こった場合、Tの対面はAになって、ずっと先の世代まで間違ったDNAが引き継がれることになります。このようなエラーの修復法をモドリッチが解明しました(7、8)。ミスマッチ修復法と呼ばれています。

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ミスマッチが発生した場合、図7-1のようにMutSαというタンパク質がその位置を検出し、結合するとともにATPを使って構造変化を起こしてMutLαと結合します(図7-2)。MutLαはDNAに断点をいれる酵素(エンドヌクレアーゼ)で、ミスマッチの両側にNick(断点)をつくります(図7-3)。

次にExo1という断点から5→3の方向に順次DNAを分解していく酵素(エキソヌクレアーゼ)が、もうひとつの断点までDNAを分解しギャップをつくります(図7-4)。真核生物の場合このギャップは主にDNAポリメラーゼデルタがDNA合成を行うことによって埋められます(図7-5)。そして最後はDNAリガーゼが 3'OH と 5'P を連結して修復は完了します。

以上3種類のDNA修復法について述べましたが、DNAの修復法は他にもあるので次回も続けます。

参照:

1)http://www.sci.keio.ac.jp/eduproject/practice/biology/detail.php?eid=00012

2)https://ja.wikipedia.org/wiki/DNA%E4%BF%AE%E5%BE%A9

3)DNA repair – providing chemical stability for life. THE ROYAL SWEDISH ACADEMY OF SCIENCES, 2015
https://www.nobelprize.org/nobel_prizes/chemistry/laureates/2015/popular-chemistryprize2015.pdf

4)Tomas Lindahl, Instability and decay of the primary structure of DNA. Nature vol.362, pp.709-715 (1993)

5)http://www.newsobserver.com/news/local/education/article51568735.html

6)Sancar, A. and Rupp, W. D., A Novel Repair Enzyme: UVRABC Excision Nuclease of Escherichia coli
Cuts a DNA Strand on Both Sides of the Damaged Region, Cell vol. 33, pp. 249–260 (1983)

7)Ravi R. Iyer, Anna Pluciennik, Vickers Burdett, and Paul L. Modrich, DNA Mismatch Repair: Functions and Mechanisms. Chem. Rev., vol. 106,  pp. 302–323 (2006)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/cr0404794

8)Lahue, R. S, Au, K. G. and Modrich, P., DNA Mismatch Correction in a Defined System, Science, vol. 245, pp. 160–164 (1989)

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2016年11月29日 (火)

2016~2017リーガエスパニョーラ第13節: ドローが信じられないほど押し込まれたバルサ

A1180_006359鬼門のアノエタでソシエダとの対戦。一応バルサも前の三人(ネイマール・スアレス・メッシ)が揃いました。中盤はアンドレ=ゴメス・ラキティッチ・ブスケツ、DF:アルバ・マスチェラーノ・ピケ・セルジ、GK:テア=シュテーゲン。ソシエダは5位で好調というより、それだけの実力がある選手を集めました。FW:オヤルサバル・ジョゼ・ベラ、この3人結構強力です。ミドルシュートのオヤルサバル、突破力のベラ、ラス・パルマスで9ゴールのジョゼ。MF:スルトゥサ・イジャラメンディ・ブリエトはみんなベテランのクセ者。DF:ユーリ・イニゴ・ナヴァス・マルティネス、GK:ルジ。

バルサはポゼッションができません。たまに球を持ってもパスカットされることが多くて、逆襲を食って攻められっぱなしです。15分のクロスからのブリエトのヘディングシュートはテア=シュテーゲンが止めました。19分にはベラに抜け出されましたが、シュートミスで助かりました。31にもベラにゴール前に進入されましたが、マスチェラーノがギリギリで阻止。まずいことに39分、ピケがセーヴしたときに足を痛めて、2~3分で出てきたのですが厳しくなりました。しかし何とか粘ってスコアレスでハーフタイム。

後半バルサはラキティッチをデニス=スアレスに代えてきました。これはクラシコに備えてと言う意味もあると思います。ピケはサポーターを靴底まで巻いて足を保護しているのが痛々しい感じで心配していたら、8分またベラにシュートを打たれてGKがはじいたところをジョゼに頭でたたかれて失点。

しかし腐ってもバルサと言おうか、14分ネイマールが左を突破し、メッシに戻してゴール。なんとか追いつきましたが、その後もソシエダ有利な展開でバルサはほとんどいいところなしで終了しました。これでエンパテというのは非常にラッキーでしたが、レアルマドリーとの差は6ポイントになってしまいました。

この不調のなかで、どうしても負けられないクラシコになってしまいました。イニエスタがいないというのも問題ですが、それよりアルダとウムティティが使えないのが非常に痛い感じがします。全体的に疲労感があって、ここ一番のアジリティが足りません。ウムティティとイニエスタはクラシコに間に合いそうらしいので、パエリアでもたらふく食べてなんとか頑張って欲しい。

https://www.youtube.com/watch?v=s3zbPzmgkiA

https://www.youtube.com/watch?v=xw-i7Bzwjzw

https://www.youtube.com/watch?v=X4PfNGqVhZA

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2016年11月28日 (月)

都響-大野 マーラー交響曲第4番@東京芸術劇場2016年11月27日

Imga雨模様ですが、そんなに寒くないのは歓迎です。都響の久しぶりのマーラーということで、池袋芸劇は大盛況でした。本日の指揮は大野さん、コンマスは矢部ちゃん、サイドは四方さんです。

天羽(あもう)さんはモスグリーンの渋いドレスで登場しましたが、仏様のような容姿の方です。リーフレットの写真からの変貌がみられましたが、美しいことには変わりはありません。

最初はベルクのアルテンベルク歌曲集。これはマーラーがはじめた管弦楽伴奏歌曲集の衣鉢を継いだものですが、マーラーのような旋律を基盤とした音楽ではなく、自然の音のシミュレーションや多彩な楽器の音響で心理描写や歌詞の雰囲気を醸成することを目的としています。この点ではベルクは天才です。最初の数秒で引き込まれてしまいます。ただCDを買ってまた聴いてみようかという観点から言うと微妙かな?

https://www.youtube.com/watch?v=FQsHjCaLgog

ラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲もエマールの切れ味良いピアノは魅力ですが、そんなに好きな曲じゃないので、ただ座ってボーッと聴いていただけです。

休憩後はお目当てのマーラー交響曲第4番。やはり曲の面白さが前半とは桁違いです。開始前に矢部ちゃんが隣の四方さんに早業でポケットから多分薬をとりだして渡すと、四方さんも早業で飲み込みました。すごいコンビネーションです。メッシ→スアレス→ゴール。矢部ちゃん単独ではよくみかけますが、どうして楽屋でなくステージで服用するのかが謎です。

マエストロ大野の趣味でしょうか、非常に繊細で透明度の高い演奏でした。愕然としたところもありましたが、第3楽章は特にマーラーの音楽を優秀な解剖学者のように細部まできれいに露出してくれたような演奏で、一風変わっているとはいえ、それなりに堪能できました。

突然盛り上がる部分で、天羽さんがお色直しして白のドレスで現れました。やはり天使は白か。低音がよく聞こえませんでしたが、おちゃめな天使という役割の歌をその通りに歌ってくれました。声質がぴったりですし、ライヴではルックス(かわいい)も重要な要素です。マイクが林立していたので、レコーディングモードでした。CDが発売されるのが楽しみです。

ウィキペディアを見て驚いたのは、この曲を最初にレコードに録音したのは、近衛秀麿指揮新交響楽団(ソリスト北澤榮子)で1930年のことだったそうです。マーラーも日本とは縁があるんですね。しかもこのSP盤は現在CDに復刻されて販売されています。

こちら

マーラー交響曲第4番(このオケはホルンが上手)
https://www.youtube.com/watch?v=Ividyw_WPv4

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2016年11月26日 (土)

サラとミーナ180: お邪魔虫

サラがゆっくり休んでいます。

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しかし、お邪魔虫ミーナが接近

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こうなってしまいました

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「隣の芝生は青い」というのは人も猫も、いや人もミーナも同じか?

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2016年11月25日 (金)

年金制度の問題

A1840_000022年金制度改革が話題になっていますが、1番の問題点は、自民党政権が数十年間やってきた制度が、子供が減らないということを前提としてきたということです。

ならば自民党はどうして子供が減らないような効果がある政策を実行してこなかったのでしょうか? そこが問題なのですよ。

だから年金が少なすぎると言っている老人にも言いたいのですが、「違ってたらごめんなさい、そういう不作為を続けてきた政党に、あなたはずっと投票したきたのではありませんか?」

事ここに至ってはよほどドラスティックな政策をとらないとダメでしょう。たとえば3人目の子供が出来た家庭には、300万円くらいの報奨金を支給するとかね。若い世代の移民受け入れを促進することも考えなければなりません。

それができないのなら、子供が親世代を養うという現行の制度をやめて、スウェーデンのような制度(*)に変更すべきでしょう。

こちら

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2016年11月24日 (木)

MTT-サンフランシスコ交響楽団@NHKホール2016年11月22日

Imgmttsanfあまり外国のオケは聴きに行かない方なのですが、昨年のラハティ交響楽団以来のサンフランシスコ交響楽団を聴きにNHKホールまで行ってきました。渋谷の2番バス乗り場からお召しバスに乗って、もう何年ぶりか覚えていないくらい久しぶりのNHKホールです。巨大なホールがほぼ満員の大盛況でした。

前半はユジャワンがソリストでショパンのピアノ協奏曲第2番。指揮者はMTTの愛称で知られるマイケル・ティルソン・トーマスです。

ユジャワンはセクシーな舞台衣装で有名ですが、今回は乳房が半分見えているようなイヴニングドレスで悩殺。ピアノも最近の進境は著しく、自由自在なニュアンスで素晴らしいショパンを聴かせてくれました。イングリット・フリッターにちょっと芸風が似てきましたかね。オケの方は、「ユジャさん、どうぞお好きにやって」という感じでした。

ユジャワンってどんな人?
https://www.youtube.com/watch?v=gGHswmPxLQY
https://www.youtube.com/watch?v=pn_DKNeUsZ4

ソリストアンコールもやってくれました。
シューベルト(リスト編) :糸を紡ぐグレートヒェン

後半はブルックナーの交響曲第7番。CDで最近聴いたのはシモーネ・ヤング指揮ハンブルク・フィルハーモニカーの演奏でした、これはすみずみまで神経が行き届いた怜悧で繊細な演奏で、ちょっと驚かされましたが、このMTT-サンフランシスコ交響楽団の演奏も特異な印象を受けました。

ヤングよりもさらに女性的な演奏で、実にやわらかく暖かみがあって、それでいてダイナミック。金管は特に素晴らしい迫力でした。宗教的な雰囲気や、ヤング-ハンブルクの演奏で感じられた寂寥感はありませんが、聴衆をハグしてくれるような親密さが感じられる希有の演奏会だったと思います。不思議な体験でした。MTTは1995年からサンフランシスコ交響楽団の音楽監督をやっているそうで、今年で21年目になります。しかしつきあいが長いからといってでてくるものではない指揮者とオーケストラの親密さが、演奏ひいては聴衆のメンタルにも何らかの精神的影響を与えるということを感じました。

終演後外に出ると公園通りは電飾されていました。「青の洞窟SHIBUYA」というそうです。

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12月11日(日)午後9時からEテレ「クラシック音楽館」で放映するそうで、これは要チェックです。

MTT-サンフランシスコ交響楽団のマーラー「リサレクション」
https://www.youtube.com/watch?v=nBNhR4UhNVE

MTTらの第9解説
https://www.youtube.com/watch?v=krCiR04u8Ig
https://www.youtube.com/watch?v=783P6CVkszc

マイケル・ティルソン・トーマス: 音楽と感情の奏でる歴史
https://www.youtube.com/watch?v=FD5ZKi-moMU


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2016年11月23日 (水)

やぶにらみ生物論48: 岡崎フラグメント

Okazakireiji_3岡崎令治氏(1930~1975、図1)は20世紀の分子生物学の爆発的進歩に、戦後間もない日本(名古屋大学)で、日本人として最大の貢献を果たした科学者だと思います。広島に原爆が落とされたときに爆心地近傍で被曝されたとのことで、白血病で若くして亡くなったのは残念至極です。

奥様の恒子氏も科学者かつ共同研究者で、「岡崎フラグメントと私」という一文を生命誌ジャーナルに寄稿されています(1)。発見時の状況や苦労した点などを含めて記述されているので、DNAの複製に興味のある方は一読をお勧めします。もう少しアカデミックな記載としては、やはり岡崎恒子氏の「不連続複製機構を紡いだ日々」(2)という文献が、いまは亡き「蛋白質・核酸・酵素」という雑誌のバックナンバーに残されています。

生物は(ウィルスも生物だとすれば)一部のウィルスを除いて、すべて図2のようなレプリケーションフォークを作ってDNAを複製します。ラジオオートグラフィーなどで巨視的に見れば、DNAはY型のレプリケーションフォークを形成しつつ、両鎖が同時に複製されるようにみえるわけです。

そこで図2Aのように複製が行われるのであれば簡単なのですが、ひとつ問題があって、プライマーの 5'P 末端側からDNAを伸ばしていくDNAポリメラーゼがさっぱりみつからないのです。DNAポリメラーゼはどうも 3'OH からしかDNA合成を行えないとしか考えられません。

そこで岡崎らは図2Bのような複製様式を考えて(当時はプライマーの存在はわかっていなかったので、緑の線は後の知識を加えて描いたものです)、1966年に放射性チミジンが1000~2000ヌクレオチドの短いDNAの鎖(後に岡崎フラグメントと呼ばれることになる)に取り込まれることを発表しました(3)。つまり微視的にみれば、片側の鎖は逆方向に短い鎖として複製され、あとでつながるという方式です。

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しかし複製中のDNAを集めて単鎖に変性させると、多量のプライマーや岡崎フラグメントが採取できるかというと、そういうわけにはいきません。プライマーはどんどん分解され、DNAはどんどん接続されるので、無傷のプライマーや岡崎フラグメントは本当にわずかな量がわずかな時間にだけ存在するのです。

ここで救いの神となったのはDNAを接続する酵素であるDNAリガーゼの発見者である C. C. Richardson で、岡崎研にリガーゼが温度感受性となっているT4ファージの株をプレゼントしてくれたのです。その株で実験してみると、予想通りリガーゼが働かない高温条件だと、じゃんじゃん岡崎フラグメントが発生し、温度を下げるとそれらはつながることが証明されました(4)。岡崎らはさらに両鎖とも 5'→3' 方向に鎖の伸長が進むことを示しました(5)。

あとひとつ解決しなければならないことは、最初に不連続複製のモデルを提出した頃にはわかっていなかったプライマーの問題なのですが、ここにいきつくまでに令治氏は他界し、恒子氏率いるグループにに課題は残されました。

1979年に至ってようやく恒子氏のグループはプライマーRNAの構造を解明し(6)、図3のようなDNA不連続複製の全貌が明らかとなりました。すなわちリーディング鎖ではDNAの複製は連続的に行われ、ラギング鎖では逐次プライマーと岡崎フラグメント(a, b, c 等)が形成される逆方向の不連続複製が行われるということになりました。

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DNAの2本の鎖はそれぞれ別の様式で複製されるため、3’末端から複製される鎖はリーディング鎖、5’末端から複製される鎖はラギング鎖と名付けられました。ラギング鎖においては、リーディング鎖とはことなり、逆方向から岡崎フラグメント(a, b , c) をつくりながら不連続に複製が行われます。逆方向とは言っても、鋳型(テンプレート)が逆方向なわけで、DNAを合成する方向としてはどちらも 3'OH を起点として5→3方向に進んでいるのです。

図3の状態からさらにプライマー(緑)を取り去り、できたギャップを埋め、DNA鎖を接続するという作業が必要になります。これは概略図4のように行われます。図4におけるDNAの塩基配列は説明のために記載した任意のものであり、実際の配列とは関係ありません。

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1.岡崎フラグメント(矢印青)がDNAポリメラーゼによって伸長されるとプライマー(緑)の 5'P 側とぶつかります。DNAポリメラーゼは伸長DNA端の 3'OH とこの P を結合させることはできないので、ニック(切れ目)を生じたままそこで反応を停止します。

2.RNase HなどによってプライマーRNAが分解されますが、RNase Hはリボースとリボースの結合しか切れないので、リボースとデオキシリボースが結合している最後の1ヌクレオチド(緑のドット)は処理できません。

3.最後の1ヌクレオチドは 5'P 側からリボースとデオキシリボースの結合を切るヌクレアーゼが作用して、もとプライマーがあった部分が完全なギャップとなります。

4.このギャップはDNAポリメラーゼによって埋められますが(哺乳類の場合DNAポリメラーゼデルタ)、DNAポリメラーゼは 3'OH を認識してそこにヌクレオチドをくっつけていく酵素なので、赤矢印右端の 3'OH を既存の 5'P と接続することはできません。したがってニックができることになります。

5.このニックはDNAリガーゼ(英語ではライゲース)によって接続され、岡崎フラグメントは解消されて、ラギング鎖の新生DNAは連結されます。

6.そしてプライメースによってプライマーがつくられ、そこからDNAが合成され、1のステップにもどります。この1~6のステップを繰り返すことによって、ラギング鎖のDNA複製が行われます。

私はこの記事を書いていて、これまで岡崎令治氏は早逝されたのでノーベル賞を受賞できなかったと思っていたのですが、いろいろ難癖をつけられた岡崎フラグメントをさまざまな実験で世に認めさせた功績から言えば、岡崎恒子氏の貢献が大きいと思いました。すなわち岡崎恒子氏(および発見論文のファーストオーサーである坂部貴和子氏)こそ受賞すべき人なのではないでしょうか。

そしてもうひとつここでふれておきたいことがあります。DNAリガーゼは1967年に  Bernard Weiss と Charles Clifton Richardson によって発見された、DNAの断点(ニック)を接続したり、DNA同士を連結させる酵素です。 リチャードソンは現在もハーバード大学に研究室を構えているようですが、ワイスの消息は追跡できませんでした。リタイアしたのかもしれません。米国版も含めてウィキペディアへの記載もありませんでした。DNAを合成する酵素、DNAを切断する酵素については数人がノーベル賞を受賞していますが、遺伝子工学で頻繁に用いられるDNAを結合させる酵素=DNAリガーゼについては候補にもあがらないというのは不可解です。

参照:

1)「岡崎フラグメントと私」岡崎恒子、生命誌ジャーナル vol.9、no.3、pp.24-29 (2001)
http://brh.co.jp/s_library/interview/32/

2)「不連続複製機構を紡いだ日々」岡崎恒子、蛋白質核酸酵素 vol.48, no.6, pp.718-726 (2003)
http://lifesciencedb.jp/dbsearch/Literature/get_pne_cgpdf.php?year=2003&number=4806&file=usD0LKftXwfjSwF9ietppw==

3)K.Sakabe and R. Okazaki, A unique property of the replicating region of chromosomal DNA. Biochim Biophys Acta. vol.129, pp.651-654 (1966)

4)R Okazaki, T Okazaki, K Sakabe, K Sugimoto, and A Sugino, Mechanism of DNA chain growth. I. Possible discontinuity and unusual secondary structure of newly synthesized chains. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol.59, pp.598-605 (1968)

5)T. Okazaki and R. Okazaki, Mechanism of DNA chain growth, IV. Direction of synthesis of T4 short DNA chains as revealed by exonuleolytic degradation. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol.64, pp.1242-1248 (1969)

6)T. Okazaki et al., Structure and Metabolism of the RNA Primer in the Discontinuous Replication of Prokaryotic DNA. Cold Spring Harb Symp

7)B Weiss and C C Richardson, Enzymatic breakage and joining of deoxyribonucleic acid, I. Repair of single-strand breaks in DNA by an enzyme system from Escherichia coli infected with T4 bacteriophage. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol.57, pp.1021–1028 (1967)

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2016年11月21日 (月)

礼節などどうでもよい国

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秋も深まり、冬の入り口の季節になりました。近所のケヤキも盛大に落葉しています。

今日はトランプの話題です。晋三はさっそく面会したそうですが、これが物議をかもしています。

(佐藤優談) トランプ会談は官邸の勇み足で、外務省の不作為でもあった。オバマというれっきとした元首がいるのに、それをすっ飛ばして次期元首に会うということは、外交儀礼上きわめて異常なこと。

オバマにはまだ権限があるんだから、ぎりぎりまで権限のある人物を大切にする。広島にも来てくれたんでしょう? それが外交における友好国の礼儀でもある。就任前の大統領と他国の元首が会談するということは「初めての出来事」と言われているのは、これまでにそれほど非礼な国家元首は現れなかったからだ。せめてペルーのAPECに先に行ってオバマと会ってから、帰りにトランプと会えば申しわけが立ったはずだ。

(管理人) 選挙期間中にトランプには会わずに、ヒラリー・クリントンにだけ会ってきたのも晋三の真骨頂。トランプに会えないのなら渡米はとりやめるべきだったでしょう。

ソース http://www.asyura2.com/16/senkyo216/msg/273.html

今回の会談は首相官邸側が独断で決定し、外務省が何らかの理由で異議を唱える事が出来なかったとも言及していました。外務省は大統領選挙で「ヒラリー・クリントンが勝つ」と繰り返し強調していたことから、それが原因で首相官邸に何も言えない状態になっていると見られています。

ソース http://saigaijyouhou.com/blog-entry-14297.html

安倍首相ペルーで赤っ恥…オバマ米大統領と会談できず。
オバマ大統領がいつも以上に冷淡なのは当然で、色物扱いしてきたトランプ氏の次期大統領就任が決まると、安倍首相は大慌てで会談をセッティング。「APECまでの給油地だから」という理由で、ニューヨークに勇んで駆け付けたのだ。それもオバマが欧州歴訪で外遊中という、まるで間男のようなタイミングだった。

ソース http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/194340

(管理人) なんでこんなのが総理をやっているかというと、マスコミの先導によって(晋三ははじめてトランプと会談した首脳などとほめまくる)、日本人が礼儀なんてどうでも良い民族に劣化したからです。

東京新聞の長谷川論説委員が、「TPPに反対のトランプが当選したのに、支持しない日本の左翼はおかしな連中だ」などとコラムに書いていますが、トランプは軍国主義者・レイシストで銃規制反対、副大統領候補ペンスは進化論反対、同性愛者は治療、こんな政権を支持できるわけないでしょう。彼はそんなことは百も承知で、左翼はバカというムードを醸し出すためだけに、意味のない文章を新聞のコラムに書いているのです。東京新聞は保険で晋三のお友達を飼っているのでしょうが、こんなコラムは新聞の品格を破壊してしまうので、考えた方がいいと思いますよ。

トランプ政権
http://www.afpbb.com/articles/-/3108518

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リーガ・エスパニョーラ2016~2017第12節: 人海戦術の守備を崩せずバルサ痛恨のエンパテ

Braugranaカンプノウでマラガとの対戦です。ルイス=スアレスがカード累積、メッシは体調不良でベンチにもはいれず。ということでFW:ネイマール・パコ・アルダです。MF:ラフィーニャ・デニス=スアレス・ブスケツ、DF:ディニュ・マスチェラーノ(銀髪化)・ピケ・セルジ、GK:テア=シュテーゲン。

マラガはワントップが今年バルサから移籍したばかりのサンドロで541です。GKは日本でもおなじみのカメルーンのカメニ。まだ現役しかもトップリーグでやっているのには驚きます。

ものすごく綺麗な541で統制がとれていますが、極端に守備的で、バルサが球を持つと、サンドロまでハーフラインより後退して守備するという作戦です。メッシとルイス=スアレスを欠いて5バックを突破するというのは骨が折れます。

アルダとセルジの右サイドはなかなかコンビネーションが良くて、ワンツーなどで突破してクロスを供給するところまではいくのですが、中央はがっちり固められているので、なかなかシュートまではいけません。ネイマールも個人技で突破しようとするのですが、いかんせんひとりではどうにもなりません。ディニュとのコンビネーションもいまいち手探り状態です。パコが抑えられているので、ミドルシュートしかチャンスがない感じで、これもふかしたりカメ二に止められたりで成果なし。もたもたしているうちにハーフタイムです。

後半はファン・カルロスにGKまで抜かれて危ない場面がありましたが,シュートがずれてセーフ。バルサはアルバとアンドレ=ゴメスを投入。マラガは23分ディエゴ・ジョレンテがネイマールへの危険なチャージで退場。時間も無いことですし、バルサはラキティッチも投入で、どんどんゴール前に放り込む作戦に変更しました。これはまれにみる異常事態です。ここでマチューがベンチにもいないことは痛かったですが、まさか放り込みのサッカーになるとは監督も予想できなかったか?

アディショナルタイムにネイマール渾身のヘディングで決まったかと思ったのですが、ここでカメニ爺がスーパーセーブとは(直後に足痛めてましたが)! 鉄壁の541+カメニを崩せずバルサ涙のエンパテ。レアル・マドリーの後姿が遠くなりました。

こういう試合では、特に前半ネイマールが持ったときに、ラフィーニャとデニス=スアレスがもっと突入の動きをみせるべきだったと思いますね。本日の反省点です。次は問題のアノエタで、艱難辛苦のバルサです。

https://www.youtube.com/watch?v=caKLuxgZ-uU

https://www.youtube.com/watch?v=AJ0H00b6ZXA

https://www.youtube.com/watch?v=O-0H04Cs0qc

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2016年11月20日 (日)

大野都響-ペレアスとメリザンド@サントリーホール2016年11月19日

Img_1596aまたインフルエンザの季節がやってきました。一気にマスクをしている人が増えた感じです。

銀座線が一部運転中止でしたが、溜池山王までは走っていてラッキーでした。いつもどおりサントリーホールに到着。本日もチケット完売で、最近の都響人気はすごいものがあります。これに慢心しなければいいのですが。

カラヤン広場に着くと不思議な雰囲気のクリスマスツリーと祭壇風のイルミネーションが輝いていました(写真)。ペレアスとメリザンドの墓なのでしょうか?

メーテルリンクの「ペレアスとメリザンド」は読んだことがありませんが、あらすじ的には一人の女を兄弟で争うという家庭内悲劇のような話なのに、今日の2人以外にもドビュッシーなど多くの作曲家の興味をひいたというのは不思議です。

本日の指揮者は大野さん、コンマスは四方さん、サイドは矢部ちゃんの最強シフト。最初の曲フォーレの組曲「ペレアスとメリザンド」はフォーレにしては重厚な作品で、なかなかの名曲でした。ただシシリエンヌはあっさり通り過ぎてしまったような感じでした。もう少し高雅な雰囲気をじっくりと楽しませて欲しかったという気がします。

引き続いて、庄司紗矢香さん(Vn)をソリストに迎えて、デュティユのヴァイオリン協奏曲「夢の樹」。庄司紗矢香さんはインドネシア風の赤系のロングドレスでびっくりしました。この曲はさまざまに変化する音響の楽しさを感じさせてくれる曲です。ソロヴァイオリンですら、音響で曲に参加している感じです。

ツィンバロムという楽器もはじめてみました。鉄琴・木琴ほど自己主張せず、控えめにスパイスを与えてくれます。こんな滅多にお目にかかれない楽器を製作している会社がまだ世界には4社もあるというのは、クラシック音楽の世界も奥が深いです。

Img_1600a

休憩後はシェーンベルクの交響詩「ペレアスとメリザンド」。まれにみる大編成で、エキストラも大勢参加していました。ホルン8本にトランペット4本、トロンボーン5本です。この曲はワグナー風の音響で、しかも部分的には聴き所満載で、特に南方さんのイングリッシュホルンをたっぷり聴けたのはよかったのですが、全体的にはのべつ幕なしに金管が鳴っている暑苦しい曲で感動を妨げられます。私が作曲家だったら改訂したくなりますね。

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2016年11月18日 (金)

やぶにらみ生物論47: DNA複製機構

「DNAの半保存的複製」のところで、1956年にアーサー・コーンバーグがDNAの複製に関わる酵素DNAポリメラーゼを発見したことを述べました。世紀の大発見で、早くも1959年には彼にノーベル賞が授与されたくらいです。ところがそれから10年も経った1969年、DNAポリメラーゼ活性を失った大腸菌の変異株を分離したという驚天動地の報告が Nature 誌に発表されました(1)。これはアーサー・コーンバーグの酵素がなくても大腸菌は増殖できることを意味します。大ピンチに陥ったアーサー・コーンバーグでしたが、その後始末は息子のトーマス・コーンバーグ(1948~)や、共同研究者のマルコム・ゲフター、広田幸敬(1930~1986) らによって迅速に行われました。

ゲフターとトーマス・コーンバーグはすぐに、大腸菌抽出液中にアーサーが発見した酵素( pol I ) 以外に2種類のDNA合成酵素があることを発見し、それらを精製して pol II, pol III と命名しました。当時広田はDNA合成に関する温度感受性変異株を多数分離しており、ゲフターとトーマスは広田との共同研究によって、それらの温度感受性変異株と pol I のダブルミュータントを解析しました。そうすると pol II はどの株でも正常でしたが、ある株で pol III が強い温度感受性を示しました。この株では pol III が高温によって変性してしまたために、DNAが複製できなくなったのです(2)。このことは pol III がDNA複製を担う酵素であることを強く示唆しましたが、この酵素単独では複製能力が低く、DNAの複製はそんなに簡単にいくものではない、すなわち未知因子がかかわっていることも示唆されました。

閑話休題、トーマス・コーンバーグはチェリストでもあり、著名なピアニストのエマニュエル・アックスとベートーヴェンのチェロソナタを見事に演奏している様子が YouTube にアップされています(3)。広田幸敬先生の講義は聴いたことがあります。気さくで親しみやすい方との印象でした。「大腸菌の性因子に関する研究が、ちょっとした差でジャコブの手柄になって非常に残念だった」というようなことを話されていたことを記憶しています。若くして亡くなられたのは誠に残念でした。

さて、ではDNA複製にどんな因子がかかわっているのでしょうか? この後アーサー・コーンバーグ研究室のすさまじい逆襲がはじまりました。多くの有能な若手研究者や学生を集めて、毎月複数の論文が出版されるほどの精力的な研究が進められました。しかもジェラルド・ハーウィッツの研究室も小うるさく参戦してきました。

彼らはまず試験管内無細胞系のDNA合成システムを完成させました。温度感受性変異株は高温下ではこのシステムでも当然DNA合成はできません。これに正常株の抽出液を加えるとDNA合成は回復します。そこで正常株の抽出液をクロマトグラフィーなどによって幾つかの画分に分け、どの画分を加えると回復するか調べます(相補性テスト)。これを繰り返すことによって画分に含まれる成分は減少し、最終的にある精製された1種のタンパク質を加えると回復するということが判明します。別の株で同様な操作を行うと、また別種のDNA合成にかかわるタンパク質が精製されます。このような相補性テストで精製されたタンパク質はそれぞれ DnaX (X は任意のアルファベット)という名前が付けられ、それぞれの機能が解明されていきました。

なぜそんなに多くの因子が必要かということを考える上で、とりあえずDNAポリメラーゼができることを図1に示します。DNAポリメラーゼは2重鎖と1重鎖の両方をの部分を持つDNAにしかアクセスできません。しかも1重鎖(プライマー)の 3'OH が端でない方に露出している必要があります。プライマーの3'OH末端、 鋳型DNA、そしてデオキシヌクレオシド3リン酸が存在したとき、DNAポリメラーゼはデオキシヌクレオシド3リン酸からピロリン酸を切り離し、鋳型DNAに適合したデオキシヌクレオシド1リン酸の5'Pを3'OH末端に結合させて、DNAの鎖長をのばすことができます。これ以外のことはできません。鎖長を連続的に延長させるためには、もちろん dATP、dTTP、dGTP、dCTP の4種のデオキシヌクレオシド3リン酸が必要です。

Photo_7


ですから2重鎖だけのDNAや1重鎖だけのDNAがあってもこの酵素はDNA合成はできません。実際細胞内にはそのようなDNAがまま存在するので(たとえば紫外線でDNAが切れた場合とか、ウィルスが感染した場合とか)、意味のない、あるいは有害なDNAをどんどん増やさないために、DNAポリメラーゼの機能が厳しく制約されていることには生理的意義があります。ただDNAの損傷修復に用いられるDNAポリメラーゼの中には、そのような制約を受けないものもあるようです。

図1ではDNAになっていますが、プライマーは通常RNAです。ですからプライマーをつくるプライメースはRNAポリメラーゼの1種です。RNAポリメラーゼは一般的にプライマーを必要としない酵素です。

図1から想像できるように、DNAの複製は DnaX タンパク質群やさまざまな酵素などのお膳立てや後始末があって、はじめて可能になるわけです。コーンバーグらが研究を続けていくと、pol III 以外の多くの種類のタンパク質や酵素がDNA合成にかかわっていることがわかってきました。DNAポリメラーゼIII (pol III) 自体も、現在では多くのタンパク質が結合したDNAポリメラーゼⅢホロ酵素のかたちで、DNA複製を実行することがわかっています(図2 ウィキペディアより)。図2で pol III (コア酵素)は α と表示されています。

800pxdna_polymerase__2

DNAは通常2重らせん構造をとっているので、上記したようにDNAポリメラーゼがアクセスすることは不可能です。ですからまずDNAの鎖をほどいて1本鎖の塩基側を露出させ、かつ酵素がアクセスするに十分なスペースをつくらなければいけません。

DNAはある決まった位置から複製が開始されます。開始位置領域には oriC という名前がつけられ、そこに大腸菌の場合8つの DnaA タンパク質の結合部位(TTATCCACAなど)が存在し、ここに DnaA が結合することによって、周辺に存在するATリッチな部分の2重ラセンをほどき、DnaB と DnaC がアクセスできるようにします。DnaB (helicase) と DnaC は協力してDNAの単鎖構造を安定化させ、DNA複製のお膳立てをします(参照5、図3)。

Photo_8

こうして作られたアクセス可能な部位にDNA複製酵素がやってきて、すぐに複製を開始するかというと、そのような生物は見つかっていなくて、ほとんどの生物ではまずプライマーという短いRNA(生物によってはDNA)が作成され、そこを起点としてようやくDNA複製が開始されます(図1)。

大腸菌の場合、まず塩基の数にして11±1のRNAフラグメント(プライマー)がプライメース(primase)という1種のRNAポリメラーゼによって作成され、その3’末からDNA複製がはじまります。

プライマーのRNAフラグメントは後に別の酵素によって取り除かれます。この別の酵素というのが RNase H やアーサー・コーンバーグが発見したDNAポリメラーゼ I(pol I)だとされています。このときには pol I はRNAを分解する酵素としても働くという2面性を持った特異な酵素です。そうして取り除かれたあとの空白をDNAで埋め戻し、最後に残された5'Pと3'OHの断点をDNAリガーゼ(DNA ligase)で接続してようやくDNA複製は完了します(5)。DNAの合成はDNA複製のときだけではなく、DNAがダメージをうけたときにも行われます。アーサー・コーンバーグの酵素はそのような際にはDNAポリメラーゼとしても作用します。

大腸菌の場合ゲノムはサーキュラーで複製開始点はひとつですが(図3)、真核生物ではゲノムはリニアで多数の複製開始点があります(図4)。酵母で複製開始点を同定したデータをみますと、一定間隔であるわけでもないし、いっせいに複製が開始されるわけでもないようです(6)。DNA複製が行われている部分のことを replication bubble とか replication eye などと呼ぶことがあります。

Photo_9

参照:

1)Paul de Lucia, John Cairns, Isolation of an E.Coli strain with a mutation affecting DNA polymerase. Nature vol.224, pp.1164-1166 (1969)

2)Malcolm L. Gefter, Yukinori Hirota, Thomas Kornberg, James A. Wechsler, and C. Barnoux. Analysis of DNA Polymerases II and III in Mutants of Escherichia coli Thermosensitive for DNA Synthesis. Proc Natl Acad Sci U S A. vol.68, pp.3150-3153 (1971)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC389610/

3)https://www.youtube.com/watch?v=81rk7_I4-zY

4)http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/replicat.htm

5)Molecular Biology of the Gene. 7th edn., J.D.Watson et al., Cold Spring Harbor Laboratory Press (2008)

6)大阪大学大学院升方研究室 研究紹介
http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/masukata/research/index.html

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2016年11月16日 (水)

ハチャトゥリアン・コレクション

Armenianstamps284アラム・ハチャトゥリアンはトビリシ生まれのアルメリア人で、クラシック音楽・映画音楽の作曲家であり、指揮者としても有名な方だったようです。アルメリアでは写真のような切手になっています。

1963年に来日して京都市交響楽団、読売日本交響楽団を指揮したそうです。学生時代に吹奏楽やバレエをやっていた方にはおなじみさんのようですが(http://kukikei.sakura.ne.jp/khachaturian.html)、私などは剣の舞以外あまり知らない作曲家でした。

少し YouTube で探してみると、結構いけます。

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スパルタクスとフリギアのアダージョ:

https://www.youtube.com/watch?v=wXsDsLHasWo
サイモン・ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

https://www.youtube.com/watch?v=rPxVN0VMWqI
https://www.youtube.com/watch?v=sadaXPkz1gc
バレエパフォーマンス

https://www.youtube.com/watch?v=lHkwAM50MXU
ピアノバージョン
Karine Poghosyan performs "ADAGIO" by Aram Khachaturian
Arranged for solo piano by Matthew Cameron

https://www.youtube.com/watch?v=tWNrqsrd2PI
(個人的にこれが一番好きかも)

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ガイーヌ 剣の舞:

https://www.youtube.com/watch?v=mUQHGpxrz-8
サイモン・ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

https://www.youtube.com/watch?v=IMczfLNoGYQ
conductor: Maxim Eshkenazy, Classic FM Orchestra, Bulgaria Hall

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ガイーヌ レズギンカ:

https://www.youtube.com/watch?v=cECWCDhBHKE
1991年フェドセーエフ&モスクワ放送交響楽団
(すごすぎる)

https://www.youtube.com/watch?v=lgLO1YtUejw
Russian Bolshoi Symphony Orchestra
Tomomi Nishimoto, conductor

https://www.youtube.com/watch?v=xYZoeVVqLsA
Saint Petersburg Youth Symphony Orchestra
Conductor - Migran Agadzhanyan

https://www.youtube.com/watch?v=6Dt9TqAH4k4
バレエパフォーマンス

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仮面舞踏会 ワルツ:

https://www.youtube.com/watch?v=dLENHBw48DA
Moscow Chamber Orchestra, conducted by Constantine Orbelia

https://www.youtube.com/watch?v=fPp3Qh-GRqs
London Symphony Orchestra, Stanley Black

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ガイーヌ 子守歌:

https://www.youtube.com/watch?v=L5CgvuglItk
St. Petersburg State Symphony Orchestra

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Poem and Toccata (詩曲とトッカータ):

https://www.youtube.com/watch?v=7cxhFBqZhTo
Tanya Gabrielian, piano

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ヴァイオリン協奏曲:

https://www.youtube.com/watch?v=rixdcNMGwWQ
Eva Sulic (Vn)
Zagreb Philharmonic orchestra

https://www.youtube.com/watch?v=rXjZAwZoj1g
Amaury Coeytaux (vl). Spanish Radio and Television Orchestra - Michael Francis (cond.)

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Trio for piano, clarinet and violin:

https://www.youtube.com/watch?v=zjaMI8WbVAI
Narek Arutyunian, clarinet
Ida Kavafian, violin
Sahan Arzruni, piano

https://www.youtube.com/watch?v=kKXljsqWz2M
Maxim Lando-piano, Vadim Lando-clarinet, Hovhannes Mokatsian-violin

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チェロ協奏曲

https://www.youtube.com/watch?v=D13ChZq5NRE
3rd Polish Nationwide Music Schools' Symphonic Orchestras Competition
Aneta Stefa?ska - cello
Marta Kluczynska - conductor

https://www.youtube.com/watch?v=5C0S-IUEhAQ
Aram Khachaturian. Cello Concerto-Rhapsody
Mstislav Rostropovich-cello
State Orchestra of the USSR
アラム・ハチャトゥリアン本人指揮

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2016年11月15日 (火)

World Cup アジア最終予選 日本代表

A0011_000149日本代表 勝利おめでとうございます。
中盤の守備でサウジを圧倒しましたね。

しかしあのPKはひどい。レフェリーのレベルが低すぎます。全然ハンドじゃないでしょう。昔からアジアのレフェリーのレベルは問題にされていますが、改善はまだまだ遠いようです。

それを考えると日本代表にもまだまだ問題はありますね。一度親善試合か練習試合で5バックをやって、きっちりラインコントロールをする練習をやった方がいいかもしれません。

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2016年11月14日 (月)

やぶにらみ生物論46: リボソーム

mRNA、tRNA、リボソームなどは生命現象を維持するために必須のアイテムであり、細菌からヒトまですべての生物が持っているものです。これらを使ってタンパク質合成を行うというやり方をはずれた生物は1種もみつかっていないので、地球上の生命体はすべて同じルーツという考え方には説得力があります。

リボソームの話に入る前に、生化学者にとっては今でも大切な細胞分画法についてお話します。真核生物の細胞内には核・ミトコンドリア・葉緑体・ミクロソーム・リボソーム・リソソーム・細胞骨格など不溶性の構造体が数多く含まれます。

Douncehomogenizerwhe_2細胞をまずホモジェナイザー(図1、Wheaton 社のサイトより)を使って壊します。図1のホモジェナイザーは先端のテフロン部分が円柱状になっており、ダウンス型といいますが、その他先端のテフロンがボール状のポッター型もあります。

ガラス容器のなかに細胞懸濁液を入れ、ステンレス棒をテフロンブロックに埋め込んだベスルを、回転させたり上下にピストン運動させたりして細胞を壊します。

ガラス容器とテフロンの間にわずかな隙間があり、細胞のサイズや堅さに応じて、その隙間の幅を変えて使います。ガラスとテフロンの膨張率は異なるので、通常4℃で隙間の幅は設定されています。

ホモジェナイザーで作成した細胞破壊液を遠心機にかけて、沈殿と上清にわけ、上清をさらに強い遠心力を使って沈殿と上清にわけるというやりかたで、さまざまな細胞内構造体を段階的に分離するのが細胞分画法で、アルバート・クロード(1899~1983)が創始した方法です(図2、参照1)。

Photo_2

遠心力の強さ(+遠心時間の長さ)によって、沈殿してくる細胞内構造体は変わります。上記の方法では、段階的に遠心力を強めて異なる細胞内構造体を採取できるようにしています。

3georgepaladero0331_2リボソームは細胞分画法で得たミクロソーム画分にあります。

ジョージ・パラディー(1912~2008)は1955年に出版した論文で、電子顕微鏡を用いてリボソームを観察し、それがミクロソーム(エンドプラズミック・レティキュラム=ER)に結合していることを報告しました(2)。

パラディーはルーマニア人ですが、米国ロックフェラー研究所のアルバート・クロード研究室のポストドクとなり、クロードが開発した「生物を電子顕微鏡で観察する手法」を発展させました。母国では現在でも切手になっています(図3)。

アルバート・クロードとジョージ・パラディーの師弟2人は、リソソームの発見者であるクリスチャン・ド・デューブと共に1974年度のノーベル医学生理学賞を受賞しました。

リボソームはタンパク質を製造する工場であり、巨大なRNAと多数のタンパク質の集合体です。直径が20~30nmくらいあるので、容易に電子顕微鏡で粒子として見ることができます(2)。

リボソームは分子としては非常に巨大で、例えば真核生物では分子量420万というような値になるので、種類の違いやサブユニットの区別のためには通常沈降係数で表記されます。

沈降係数S=Vt(沈降速度)/負荷された加速度、つまり遠心力を強くかけたときに沈降速度がどの程度増加するかという単位がS(スヴェドベリ)ということになります。細菌と真核生物のリボソームはいずれも鏡餅のように2つの分子集合体からなりますが、サイズや構造は微妙に異なっています(図4)。

Photo_3

例えば真核生物の60Sサブユニットは5.8S、5S、28Sの3種類のリボソームRNAと49種類のタンパク質で構成されています。他のサブユニットもすべてリボソームRNAとタンパク質の複合体です。

ウィキペディアにでている立体構造の図などを見るとわかるように(3)、リボソームはリボソームRNA(rRNA)で構成された骨格に、さまざまなタンパク質が結合した複合体で、そのタンパク質の種類の多さからみても非常に複雑なメカニズムで稼働していることが想像されます。

しかもタンパク質合成にかかわっているタンパク質はリボソームを構成しているもののみではなく、フリーのものもあります。分子生物学の教科書「Molecular Biology of the Gene」 Cold Spring Harbor Press 」でも、リボソームにおけるタンパク質合成のメカニズムについて数十ページを費やしているくらい複雑で、ここですべて説明するのは無謀です。詳しく勉強したい方は上記の教科書を読むか、無料の論文なら参照(4)を推奨します。

キーポイントだけ述べますと、リボソームはmRNAをトラップするとともに、tRNAをトラップする2つのサイトがあります(図5)。

Photo_4

Pサイトにはポリペプチドを結合した tRNA がつながれています(5図左)。Aサイトにはアミノ酸をひとつ持った tRNA がやってきて、Pサイトのポリペプチドの根元にあるCOOを攻撃して、ここにペプチド結合(CONH)を作ります(5図左)。

その結果ポリペプチドはAサイトの tRNA に移行し、Pサイトの tRNA はフリーになってリボソームから離れます(5図右)。すなわちポリペプチドの長さは1アミノ酸分だけ長くなります。そしてこの延長されたポリペプチドを持ったAサイトの tRNA はPサイトに移行し、mRNAも1コドン分移動します。そしてまたAサイトに新たな tRNA がトラップされます(図5)。

この反応をアニメ化したものがウィキペディア「リボソーム」の項目の最後にあります(5)。ちょっとコマ送りが早いですが、よくみるとポリペプチドの合成の様子をわかりやすく表現しています。

参照:

1)Albert Claude, THE CONSTITUTION OF PROTOPLASM. Science vol.97, pp.451-456 (1943)
https://www.ganino.com/games/Science/science%20magazine%201940-1957/root/data/Science_1940-1957/pdf/1943_v097_n2525/p2525_0451.pdf

2)George E. Palade, SMALL PARTICULATE COMPONENT OF THE CYTOPLASM. J.Biophysc. and Biochem. Cytol. vol.1, pp.59-68 (1955)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2223592/pdf/59.pdf

3)https://en.wikipedia.org/wiki/Ribosome

4)Dmitri Graifer and Galina Karpova, Interaction of tRNA with Eukaryotic Ribosome. Int J Mol Sci. vol.16 pp.7173?7194 (2015)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4425011/

5)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%9C%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%A0

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2016年11月13日 (日)

高齢者の自動車事故 とっておきの対策

A1180_011025高齢者の運転による事故の多発が問題になっています。

これからどんどん高齢者の絶対数が増加するわけですから、高齢者の事故が多くなるのは当たり前ですが、だから対策しなくてよいというわけにはいきません。

認知症はもうどうしようもないので、免許更新時にチェックするしかないのでしょうが、それ以外の判断・運動機能の低下によるものにはひとつ対策があります。

それは左足でブレーキ、右足でアクセルを踏むように訓練することです。これでかなり踏み間違いは防げると思いますし、間違ったときの修正も容易です。最悪パニックになってどっちがブレーキだろうという状態になっても、思い切り両方踏み込めば車は動きません。

駐車場や人通りの多い道を走行するときは、左足をブレーキの上に置いたままで運転すると、衝突の危機に素早く対応できます。私はそうしています。

ところが自動車教習所ではこのような運転法は教えませんし、車の足下のアレンジメントがこのような運転に適した形になっていません。無理に内股姿勢をとらないと、左足ブレーキ、右足アクセルで運転できません。この点をメーカーと教習所が改めれば、かなり踏み間違いの事故は少なくなると思います。

近未来には生体認証で、一定以上接近すると自動的にブレーキが作動するようになるのでしょうが、それまで何もしないというわけにはいかないでしょうからね。

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2016年11月12日 (土)

サラとミーナ179: なめる

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私にはネコがなめるという行為がどういう意味なのかよくわかりません。どうも愛情表現だけでは説明できない感じがします。

うちの2匹はどうも相手にどいてもらいたいときになめるとしか思えない場合があります。猛烈になめて「ああ面倒くさい」と思った方が負けでどきます。

なめあいはどうもサラは苦手のようです。右の写真では舌がみえていて、空振りしたところです。

サラもミーナも私をなめてくれることがありますが、2~3回なめると、ちょっと違ったなという感じで、そそくさと去って行きます。

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2016年11月11日 (金)

やぶにらみ生物論45: トランスファーRNA(tRNA)

DNAが遺伝情報の本体で、それが mRNA として読み取られるというところまでとりあえずきました。では mRNA が持っている情報は、どのようにタンパク質とつながっているのでしょうか。タンパク質はアミノ酸が連結したものなので、合成されるときにどのような順にアミノ酸が連結されるのかが重要です。

この mRNA が持っている順番の情報を、どうやってアミノ酸が連結する順番として反映するのかというのが難題で、これを解決するために生物はトランスファーRNA (tRNA)というギミックを生み出しました。DNAからmRNAをつくるプロセスを転写(transcription)、mRNAからタンパク質をつくるプロセスを翻訳(translation)といいます。翻訳のプロセスを遂行するための2つの重要なツールが tRNA とリボソームです。

Paulzamecnik1966_3特定のアミノ酸と結合し、タンパク質合成工場であるリボソームまでアミノ酸を運んで、mRNA に指定された順にリボソームに送り込む物質が存在しなければ翻訳を行うことはできません。

ポール・ザメクニック(Paul Zamecnik 1912~2009、 図1)らは、ラットの肝臓を使って、細胞破壊液中でタンパク質合成が行われる実験系を開発し、ATPの存在下で、各アミノ酸と結合する可溶性のRNAが存在することを証明しました(1)。この可溶性RNAが現在トランスファーRNA(tRNA)として知られているものです。

このような重要な発見であるにもかかわらず、mRNAの場合と同様、tRNA の発見者にもノーベル賞は授与されませんでした。少なくとも、この研究の中心となったポール・ザメクニックには授与されるべきだったと思うのは私だけではありません(2)。

とはいえ tRNA の構造を解明したロバート・ホリー(図2)には1968年にノーベル賞が授与されています。ロバート・ホリーらが研究を始めた頃には、すでにザメクニックらによって、各アミノ酸は tRNA 末端のアデノシンに結合することがわかっていたので、構造が異なる tRNA がアミノ酸の種類だけ存在すると想像できました。つまりアラニンにはアラニン専用の tRNA、リジンにはリジン専用の tRNA 等々というわけです。

Robert_holley_2ホリーのグループはクレイグの向流分配法(3)を4年がかりで最適化することによって、さまざまな tRNA を分離することに成功しました。彼らは特にうまく分離できたアラニン-tRNAをまず分析しました。140kgのパン酵母から1gの精製されたアラニン-tRNAを得るのに3年を要しました。1961年には、この tRNA は約80個のヌクレオチドが連結した単鎖であることがわかりました(4)。ホリーらの仕事は、本格的な構造決定作業の前に、7年もの準備作業を要したわけで、その間の予算を維持するのが大変だったことでしょう。

彼らは精製したアラニン-tRNAをRNA分解酵素で切断してフラグメントをつくり、カラムクロマトグラフィーで各フラグメントを分離して、それぞれの構造を決定しました。そしてついに1965年にアラニン-tRNAの全構造を解明しました(5、図3)。

すでに発表されていたRNAの2次構造に関する FRESCO-ALBERTS-DOTY モデルを参考にアラニン-tRNAの2次構造を描くと、美しいクローバーリーフ状の構造になりました。そしてその中央の葉の先端の3つの塩基がmRNAに対応することもわかりました。この3つの塩基はmRNAが指定するコドンの裏側の配列であり、アンチコドンと呼びます。その他のアミノ酸に対応する tRNA の構造も、その後次々と同様な方法で解明されました。

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以前にDNAは2重らせん構造をとるのに対して、RNAは基本的に単鎖と書きましたが、短い2重鎖をつくることは可能で、特に tRNA の場合には顕著です。これによって tRNA は複雑な構造をとることが可能です。トランスファーRNAの一般的な構造を図4に示します。上方にアミノ酸の結合部位があります。下方の赤の部分のアンチコドンに対応したアミノ酸が結合します。おおざっぱには、2重鎖構造をとっている4本の幹と、単鎖の3つのループ、そして短い枝のような部分(ガンマ)からできています。

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左側にDループ、右側にT(またはTΨC=TプサイC)ループがあり、これらの構造の違いによって別々の酵素がそれぞれの tRNA にアクセスし、適切なアミノ酸を結合させることができます。下方のAループ(アンチコドンアーム)にはアンチコドン領域があり、ここで mRNA のコドンを認識します。ここでもう一度コドンのリストを見て下さい(図5)。

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DNA・mRNAは3つの塩基でアミノ酸を指定しており、4x4x4=64種類のアミノ酸に対応できますが、アミノ酸は20種類ほどしかなく、複数のコドンがひとつのアミノ酸に対応するようにせざるを得ません。たとえばフェニルアラニン(Phe)の場合、UUUとUUCが対応します。ロイシン(Leu)の場合、CUU・CUC・CUA・CUG の4つのコドンが対応します。なかにはメチオニン(Met)やトリプトファン(Trp)のように、対応するコドンがひとつしかないものもあります。

全体をみていくと、最初の2つの塩基は各アミノ酸に特異的であり、3つめはしばりがゆるくなっていることがわかります。コドンのなかにはアミノ酸を指定しないものが3つあり(UAA・UAG・UGA)、これらはここでタンパク質合成を停止せよというシグナルのストップコドンです。

図6はAループの先端のアンチコドン領域を示したものです。アンチコドンを形成する3つの塩基のうち2つは厳密なワトソン・クリック型の対応(AU・GC)なのですが、残りのひとつ(アンチコドン側からいえば1番目の塩基)はルーズになっており、たとえばイノシン(I)はA・U・G・Cのどれとも塩基対を形成できるので、GUA・GUU・GUG・GUCのコドンに対して、アンチコドンはIACの1種類で対応し、バリンが指定されます。

このように生物はイノシンを用いるなどの巧妙な方法で厳密なワトソン・クリック型の塩基対を回避し、64種(ストップコドンを除けば61種)のコドンで20種のアミノ酸を指定するという難題を解決しているのです。

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酵母のフェニルアラニン tRNAの塩基配列をウィキペディアからお借りしました(図7)。tRNAはmRNAのようにA・U・G・Cだけからできているわけではなく、その他のいろいろな塩基を含んでいます。mはメチル化されていることを示します。Ψはシュードウリジンで、ウリジンとは構造が異なります(図8)。たとえばフェニルアラニン tRNAはバリン tRNAと間違えられると困るので、酵素が認識しやすいようにさまざまな修飾がほどこされていると考えられます。

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tRNAの 3'OH側の端は必ずCCAという塩基配列になっています(図7)。この一番端のAがついているリボースにアミノ酸が結合するわけです。ここにアミノ酸を結合させるためには、まずアミノ酸をアミノアシルAMPにしなければなりません。すなわちアミノ酸 NH2-R-COOH を NH2-R-CO-AMPという形にしなければなりません(アシル化とはR-COをくっつけること この場合Rはアミノ酸の種類の数だけ存在)。この形になると以下の反応が可能となります。

NH2-R-CO-AMP+tRNA → NH2-R-CO-tRNA+AMP 
(アミノ酸-AMP + tRNA = アミノ酸-tRNA + AMP)

この反応を触媒する酵素は、最低でもアミノ酸の種類の数だけ(20種類以上)存在し、例えばアラニンtRNAには必ずアラニンを結合させるようになっています。この酵素はアミノアシルtRNA合成酵素と呼ばれますが、核酸の持っている情報を使ってタンパク質を合成するというのはすべての生物がやっていることなので、どの生物でも各アミノ酸に対応して最低20種類はもっていなくてはいけません。これは無生物から生物が誕生する上で大きな壁で、ここを突破してはじめて生物なるものが登場し得たわけです。

こうしてできたアミノ酸-tRNAがタンパク質製造工場であるリボソームに運ばれて、タンパク質が合成されます。その状況はウィキペディアでうまく表現されていたので、図9にコピペしておきます。リボソームについてはあらためて述べますが、とりあえずtRNA(図ではTRNAと表記されています)がアミノ酸を運んできて、mRNAの指示通りの順にリボソーム内でアミノ酸を結合させ、アミノ酸を手放したtRNAはまたリボソームから去って行くというメカニズムだと理解できます。

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tRNAの3D立体構造については、例えば文献6などに美しいイラストが掲載されています。

 

参照:

1)Mahlon B. Hoagland, Mary Louise, Stephenson, Jesse F. Scott, Liselotte I. Hecht, and Paul C. Zamecnik., A SOLUBLE RIBONUCLEIC ACID INTERMEDIATE IN PROTEIN SYNTHESIS., J. Biol. Chem. vol.231, pp.241-257 (1958)

2)Thomas H. Maugh II, Dr.Paul Zamecnik dies at 96; scientist made two major discoveries.
http://www.latimes.com/nation/la-me-paul-zamecnik19-2009nov19-story.html

3)https://wikimatome.org/wiki/%E5%90%91%E6%B5%81%E5%88%86%E9%85%8D

4)Holley R.W., Apgar J., Merrill S.H., Zubkoff P.L. Nucleotide and oligonucleotide compositions of the alanine-, valine-, and tyrosine-acceptor soluble ribonucleic acids of yeast. J. Am. Chem. Soc., vol.83:pp.4861~4862 (1961)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ja01484a040)

5)HOLLEY RW, APGAR J, EVERETT GA, MADISON JT, MARQUISEE
M, MERRILL SH, PENSWICK JR, ZAMIR A. STRUCTURE OF A RIBONUCLEIC ACID. Science, vol.147, pp.1462-1465 (1965)

6)Masahiro Naganuma, Shun-ichi Sekine, Yeeting Esther Chong, Min Guo, Xiang-Lei Yang, Howard Gamper, Ya-Ming Hou, Paul Schimmel, and Shigeyuki Yokoyama. "The selective tRNA aminoacylation mechanism based on a single G・U pair". Nature, 2014, doi:10.1038/nature13440
http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140623_1/

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2016年11月 9日 (水)

トランプ勝利

Flag_of_the_united_states_svgTPPは明らかにグローバル企業のはしゃぎすぎでした。グローバル企業が世界を支配しようとしたからです。この企みはぎりぎりでトランプと彼に投票した米国市民によって幻となりました。これは是とすべきでしょう。

トランプが1番心配しているのは米国が赤字企業(貿易赤字+財政赤字)であることで、これを黒字化するためにかなり過激なこともやってきそうです。そのなかには外国企業への課税強化や、米軍の海外からの引き揚げも含まれるでしょう。

これから世界はブロック経済に移行していくのでしょうが、日本も東南アジアやオセアニアのブロック経済に参加させてもらえるよう努力すべきでしょう。中国やロシアとの関係も改善・発展させるべきでしょう。しかしあまりそういうことには期待しないで、自国の経済は自国で支えるような政策を行うことが肝要です。ともかく食糧とエネルギーの50%自給からはじめるべきでしょう。

警戒しなければならないのは、中国の脅威をあおって軍需産業が活気づくことです。軍需は天井がないので国家を滅亡させます。トランプが勝つとみた瞬間から日本の軍需産業の株が買われているようです。投資家と盗賊のお金に対する嗅覚はすごいものがあります。もともと石原が尖閣募金などをはじめて「話題」を盛り上げたのは、日米の軍需産業を活性化するためとの説もあるぐらいですからね(1~5)。私もそうじゃないかと思います。

晋三はオバマには心底嫌われていたようですが、トランプとは馬が合いそうです(お互いアレですからね)。ロシアとの平和条約はその気になればうまくいくかもしれません。これだけさっさとすませて政権交代してくれればいいのですが、晋三一味はしぶといですから困ったものです。

1)http://loveishigaki.jp/archive/FBposting/FBposting20160607.pdf
2)http://blogos.com/article/174578/
3)https://twitter.com/Grid_rockzero/status/796196444285767680/photo/1
4)http://blog.goo.ne.jp/youteifan6/e/6169749ab9dbfcca669a6c63c2c8182b
5)http://blog.goo.ne.jp/kimito39/e/ad3aa871463e863ddec5e2d00fc74e7f

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日本はどうなってしまうのか?

1024pxfukushima_i_by_digital_globeアーニー・ガンダーセン氏の試算によると、福島第一原子力発電所の事故処理には100年、総費用にして5000億ドル(約60兆円)の費用がかかるそうです(1)。

(写真はウィキペディアより)

そもそも原発を基幹エネルギーにしようとしたのが間違いですが、せっかくの台地をわざわざ掘ってつくったのも間違い、予備電源を海岸に置いたのも間違い、安全装置のテストを怠ったのも間違い、津波の高さを歴史に学ばなかったのも間違い、ウェスチングハウスなんてポンコツ会社を買収したのも間違い、爆発や甲状腺癌を隠蔽しようとしたのも間違い、小出裕章をバカにしていた学会も間違い、菅直人を悪者にしようとしたのも間違い、凍結遮水壁で地下水を処理しようとしたのも間違い、アンダーコントロールも間違い(これはウソか)、発展途上国に原発を売ろうとするのも間違い、減価償却するまでまだまた原発を使おうとするのも間違い、なので30年・11兆で廃炉できるという政府の見積もりも間違いなのでしょう。

これだけの間違いがあっても、誰も責任はとらないのが日本です。

ガンダーセンの言葉: 「福島第一原発で生じるダンプで数百万台分に相当する核廃棄物は最終的には日本のどこかに最終処分場を構築して保管する必要がある。」 をきくと絶望的になります。私は宇宙エレベーターをつくらないと処理できないように思います。

余談ですが、姶良カルデラに大量のマグマが蓄積されつつあるそうです(2)。この周辺で地熱発電ができないものかと思います。まずマグマの位置の測定です(3)。

1)
http://business.newsln.jp/news/201507240319500000.html

2)http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/documents/160913_2/01.pdf

3)
https://www2.kek.jp/ja/newskek/2002/novdec/muon.html

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2016年11月 7日 (月)

リーガ2016~2017第11節: 前半セビージャに圧倒されるも、後半盛り返してバルサ勝利

Braugranaペップ指揮のマンチェスター・シティにボロ負けしたバルサですが、すぐにサンチェス・ピスファンでセビージャとの対戦です。今年のセビージャはメンバーを一新して優勝を争うようなル強豪チームになりました。スタメンのヴィエット、サラビア、ナスリ、バスケスなどは皆今年移籍してきた選手たちで(そしてベンチの清武も)、昨年移籍のエンゾンジ中心に躍動しています。

バルサのスタメンはFW:ネイマール・ルイス=スアレス・メッシ、MF:デニス=スアレス・ラキティッチ・ブスケツ、DF:ディニュ・ウムティティ・マスチェラーノ・セルジ、GK:テア=シュテーゲン。アルダは出てきた途端にまたケガで出られません。イニエスタは重傷です。中盤に問題が発生するとバルサらしいサッカーはできません。

前半バルサは、ポゼッションでも完敗するほどセビージャのペースでのゲームを強いられました。中盤でのセビージャのプレスが鋭く、球を持てません。15分にはカウンターで、セルジがビトーロへのパスを止められず抜かれてGKと1:1となり。ビトーロにあっさり決められてしまいました。28分にはゴール正面でサラビアが受けて、1:1となり、これはダメかと思った瞬間に、なぜかサラビアがシュートを打たずバックパスというウソのようなプレイで、バルサは命拾いです。

バルサはようやく43分、ネイマールがうまくゴール前で時間を使って、やっと前に出てきたメッシにもどしてゴール。狭いところをよく通しました。なんとか1:1としてハーフタイム。

宮沢ミシェルは非常に有能な解説者で、何より明るくてサッカーの楽しさが伝わってくるのがいいですね。松木のようにハチャメチャじゃないですし。

後半は前半動きすぎたセビージャに疲労がみえてバルサペース。9分のメッシのシュートはリコに止められましたが、16分メッシが中央突破し、右でフリーのスアレスにパス。スアレスが決めて1:2となりました。

29分にCKからエンゾンジにヘッドで決められそうになりましたが、わずかにはずれて助かりました。後半ナスリがバテて、さあ清武の出番かなと思いましたが、交代は巨漢のイボーラでした。リードされていたので、まあ一発ヘディングに期待したのでしょう、残念です。

1:2で勝ちましたが、メッシがファウルで靴が脱げて、ひもを結んでいると遅延行為でカードをもらったり、もっとひどかったのはスアレスが後ろから抱きつかれて、もそもそしてるとカードがでたり(えっ、どうして???)、どういうジャッジなのかあきれてしまいました。

https://www.youtube.com/watch?v=N-_ghrbkkwk

https://www.youtube.com/watch?v=GuY51RhLsFI

https://www.youtube.com/watch?v=MgqFREcg72U

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2016年11月 6日 (日)

やぶにらみ生物論44: メッセンジャーRNA(mRNA)

1aa1956年にエリオット・ヴォルキンとローレンス・アストラハン(Elliot Volkin and Lawrence Astrachan)は興味深い実験を行いました。

彼らによると、T2ファージを大腸菌に感染させたときに放射性のリンをとりこませて、その後RNAを分析すると、大部分のRNAには取り込まれないが、一部のRNAには顕著に取り込まれるという結果になりました(1)。

その後彼らは研究を進めて、このリン酸をとりこんだRNAの寿命は極めて短く、かつファージのDNAと極めて塩基組成が似ていることを確認しました。

野村眞康らはこのRNAがタンパク質製造工場の一部であるリボソームRNAやアミノ酸を運ぶトランスファーRNAとはサイズが異なり、マグネシウム濃度が高い場合はリボソームに結合しているが、マグネシウム濃度が低い場合は解離することを発見しました(2)。

シドニー・ブレナー(1927~)とフランソワ・ジャコブ( 1920~2013)(図1)らは大腸菌を15Nと13Cの重い元素からなる培地で培養し、ファージに感染させてすぐ、14Nと12Cの軽い元素からなる培地に移しました。そうして作られたRNAを超遠心分析装置で調べました。そうすると半減期が16分で、軽い元素からなる新種のRNAが合成され、これは重い元素からなる安定なRNAが含まれるリボソームに結合することがわかりました。これこそがメッセンジャーRNA(mRNA)だったわけです(3)。

共同研究者のメセルソンはこの実験を行うために13Cのガスをロシア(当時はソ連)からシビアな交渉を経て取り寄せ、炭酸ガスに変換したあと藻類に吸収させて、光合成によって大腸菌の培地に入れる素材を作ったそうです(4)。

この実験で、メッセンジャーRNAの存在を証明したことは非常に重要な研究だと思いますが、なぜかブレナーとジャコブは別件でノーベル賞を受賞し、メセルソンに至っては、すでに述べたメセルソン-スタールの実験でDNAの半保存的複製を証明したばかりか、メッセンジャーRNAの存在を証明したのにノーベル賞をもらえなかったという気の毒な運命でした。

DNAに含まれる有機塩基A・G・C・Tは、T・C・G・Aという新たなDNAの鋳型になりますが、同時にU・C・G・AというmRNAの鋳型にもなり得ます。チミンとウラシルは5の位置にメチル基がついているかついていないかだけの違いです(図2)。

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DNAとmRNAにはもうひとつ違いがあって、それは前者の骨格となる糖はデオキシリボースであり、後者はリボースであるということです。2の位置がHかOHかという違いです(図3 青丸がDNAに含まれるデオキシリボース2の位置のH、赤丸がmRNAに含まれるリボース2の位置のOH)。ウラシルはチミンより不安定、リボースはデオキシリボースより不安定という化学的特性があります。

DNAが世代にわたって安定であるべきなのに対して、mRNAはDNAからその時に必要な情報を読み取るためのツールなわけですから、用が済めばすみやかに消滅することが望ましいのです。

シトシンはときどきウラシルに変わってしまうことがあって、もしDNAの成分にウラシルがもともと含まれているとすると、DNAを修復するシステムがシトシンから変わったウラシルなのか、もとからあるウラシルなのか判別できず困ってしまいます。DNAにはウラシルがないと決まっていれば、問答無用にウラシルを除去してシトシンに変えれば良いのですから、それは可能です。このこともウラシルがDNAに含まれないことの理由と考えられます。

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DNAは特別な場合を除いて二重らせん構造をとっていますが、mRNAは上記のような構造上の違いで通常一重鎖となっています。mRNAが二重鎖になってしまうとリボソームに結合してタンパク質を合成することができなくなるので、一重鎖であることは重要です。

DNA → mRNA →  (リボソーム&トランスファーRNAと連携作業) → タンパク質

という基本的な情報の流れについての図式を描くことができます。後に詳述しますが、リボソームはタンパク質合成工場、トランスファーRNA(tRNA)はアミノ酸を運ぶ運搬体、mRNAはDNAからの情報の運搬体と、とりあえず理解しておいてください。

DNAがDNAポリメラーゼという酵素によって複製されるように、mRNAはRNAポリメラーゼという酵素によってDNAから読み取られます。このことを転写(トランスクリプション)といいます。その状況を図4に示しました。

DNAの二重らせんの一部がほどけて、そこからmRNAのリボンが伸びてくるというイメージです。伸びたmRNAのリボンはリボソームと結合してタンパク質合成に利用されます。細菌の場合はそうなのですが、真核生物の場合、mRNAは核で加工された後、細胞質に送り出され、細胞質でリボソームと結合してタンパク質合成を行います。


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図4は見てきたような話なのですが、1970年になって本当にそのような画像が電子顕微鏡によってキャッチされました(参照5、図5)。DNAの電子顕微鏡写真は特殊な方法によって撮影されますが、開発した Miller Jr らの業績は素晴らしいと思います。

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これはまた後に出てきますが、DNAのすべてが遺伝子の情報で隙間無く満たされているわけではありません。実際には 中間部分-遺伝子-中間部分ー遺伝子という構造になっています。mRNAは遺伝子の部分にしか対応していないので、DNAのすべての部分に対応した mRNAが存在するわけではありません。しかし中間部分には遺伝子の発現を制御する領域などが含まれており、重要な部分も存在します。

参照:

1)Volkin E and Astrachan L. Intracellular distribution of labeled ribonucleic acid after phage infection of Escherichia coli. Virology Volume 2, Issue 4, pp. 433-437 (1956)

2)Nomura M., Hall B.D. and Spiegelman S. Characterization of RNA synthesized in Escherichia coli after bacteriophage T2 infection.Journal of Molecular Biology vol.2(5), pp.306-326 (1960)

3)Brenner, S., Jacob, F., & Meselson, M. An Unstable Intermediate Carrying Information from Genes to Ribosomes for Protein Synthesis. Nature 190, pp.576-581 (1961).

4)http://sickpapes.tumblr.com/post/51016848003/brenner-s-jacob-f-and-meselson-m-1961-an

5)O. L. Miller Jr., Barbara A. Hamkalo, C. A. Thomas Jr., Visualization of Bacterial Genes in Action. Science, Vol. 169, Issue 3943, pp. 392-395 (1970)
http://science.sciencemag.org/content/169/3943/392.full.pdf+html

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2016年11月 3日 (木)

小泉-都響 チャイコフスキー「交響曲第4番」@サントリーホール2016年11月3日

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今日は思ったより寒くないし、お天気も素晴らしく、休日のマチネとしてベストの日よりです。9月20日以来のサントリーホール。本日の指揮者はマエストロ小泉、コンミスは四方さん、サイドはゆづき。今までに聴いたことがない、多分新曲のファンファーレで入場。

チケット完売だそうです。

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最初はリストの「レ・プレリュード」。二曲目は今をときめくソリスト反田恭平氏で、リストの「ピアノ協奏曲第1番」。すごいとしか言いようがありません。

反田恭平のピアノ

リスト「水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」
https://www.youtube.com/watch?v=snJZgFYKBvE

ビゼー(ホロヴィッツ編):「カルメン幻想曲 」
https://www.youtube.com/watch?v=eLaXJyVYdzI

休憩後はチャイコフスキーの交響曲第4番。今日はマエストロ小泉の都響デビュー40周年ということで、かなり気合いも入っていたようです。いつものように文句なしなのですが、彼の音楽には何か足りないものがあるように思うのです。もう何年もそのことを考えているのですが、最近思うのは、彼は「負のエネルギー」に欠けているのではないのでしょうか? だから病的な曲想には弱いのかも知れません。

例えばベートーヴェンは自殺を覚悟して遺書まで書きましたし、家族とは不仲で、自分の家庭には恵まれず、難聴にもなり、晩年にはホームレスと間違えられて逮捕されたこともあるそうで、あまりにもマエストロ小泉の人生とは異なります。今日の作曲家について言えば、リストは生涯大勢の女に囲まれて過ごしたプレイボーイで、音楽も演奏効果をメインに考えた人ですし、チャイコフスキーは男(しかも今で言えば淫行趣味)にしか恋愛感情を抱けない人でした。

オットー・クレンペラーのベートーヴェン交響曲第7番
https://www.youtube.com/watch?v=Q1ei6vuISqk

演奏会が終わって外に出ると、都響からのプレゼントを手渡されました(写真)。どうも有難うございます。今後ともよろしくお願い申しあげます。また楽団のご発展をお祈りしております。

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2016年11月 2日 (水)

トランプが大統領になればTPPもガラガラポン

A0960_007674たまき氏のブログ(1)には「安倍総理は、私が交渉過程に関する黒塗りの資料を批判した際、『交渉結果がすべてだから交渉過程は公開しない。協定文を見て議論してくれ。』と言ったが、文章にしていない約束(undocumented commitments)があるなら、協定文だけを見て議論しても本質的な議論はできない。」という一文がありますが、実際米国からの米の輸入枠は7万トンではなく、追加秘密枠の4万8千トンがあるそうです(2)。

まあそういう個別の問題は無数にあるのでしょうが、元米国財務長官補佐のポール・クレイグ・ロバーツが言っているように(3)「TPPの唯一の目的は、グローバル企業に、彼らが事業を行う国の法律からの免責を与えることだ。」なので、トランプが大統領選挙に勝って、とりあえずTPPがつぶれることは、日本国民にとって最後のチャンスかもしれません。

米国の言うとおりの政治・経済政策をやっていればよかった今までとはことなり、日本は独立のチャンスを与えられるかもしれません。トランプが大統領になれば、われわれは中国・ロシアとの関係を改善しなければ、日本は国家としての存在が危ういということを自覚できるかもしれません。しかしこのような強大な周辺国家と渡り合えそうなのが小沢一郎という老人しか思い当たらないのが寂しいところです。結局野田聖子や森ゆうこのようなウーマンパワーに期待するしかないのでしょうか。枝野が幹事長を続けられなかったのは残念ですが、彼も今は少し休んでおいた方がよいかもしれません。

1)http://ameblo.jp/tamakiyuichiro/entry-12162083645.html
2)http://blogos.com/article/176190/
3)http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/tpp-43d1.html

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やぶにらみ生物論43: DNAの半保存的複製

ワトソン-クリック式DNAモデルをもう一度別の観点で図1(ウィキペディアより 以下同)に示します。中央にATおよびGCの塩基対があり、両側にデオキシリボースがリン酸で連結された鎖(バックボーン)があります。この鎖の端の構造をみると、左側の鎖の上端はデオキシリボースの5の位置にリン酸がつながった形で終了し、右側の鎖の上端はデオキシリボースの3の位置に結合したOHで終了しています。そして下端は左鎖は3ーOH、右鎖は5ーリン酸で終了しています。つまり鎖には方向性があり、両鎖の向きは逆になっています。

Dna_chemical_structur


5-リン酸で終わっている方を5’エンド(5プライムエンド)、3-OHで終わっている方を3’エンド(3プライムエンド)といいます。DNAは二重らせんの立体構造をとっていますが(図2)、しめ縄とは少し違って、ひと巻きごとに太い溝(major groove)と細い溝(minor groove)が交互に出現します。つまり二回り分がユニットとなって積み重なったような構造になっています。

Photo_2


必ずA-T、G-Cのペアで構成されているということは、遺伝にとっては好都合です。Aの相方Tが細胞分裂で失われても、また相方Tを見つければ元の遺伝情報が保存されることが期待できます。

800pxarthur_kornbergDNAを合成する酵素は1956年にアーサー・コーンバーグ(1918~2007 図3)によって発見されました(3)。この酵素は

ヌクレオシド3リン酸+DNA(n) → ピロリン酸+DNA(n+1)  n:鎖の長さ

という反応を触媒します。DNAの末端にある3’OHがヌクレオシド3リン酸にアタックしてピロリン酸を解離させ、残ったヌクレオシド1リン酸を3’OHに結合させるわけです。これによってDNAの鎖は1ヌクレオチド分だけ長くなり、繰り返しによってさらに長い鎖をつくることができます。この酵素の発見によってコーンバーグは1959年度のノーベル医学・生理学賞を授与されました。酵素の名前は DNA polymerase ということになりました。

ワトソン・クリックが受賞したのは1962年ですから、アーサー・コーンバーグの場合異常に早く受賞したことがわかります。ただコーンバーグの発見した酵素は、大腸菌のゲノムを複製する機能を持つ酵素ではなく、DNAに発生したエラーを修復する酵素だったのです。ゲノムを複製するメインの酵素は1972年になってから、次男のトーマス・コーンバーグによって発見されました(4)。本来なら親子でノーベル賞をもらうべきだったかもしれません。ちなみに長男のロジャー・コーンバーグは RNA polymerase の研究でノーベル化学賞を受賞しています。DNAの複製については別稿で詳述します。ここではメセルソンとスタールの歴史的な実験についてだけふれておきます。

A-T、G-C塩基対の構造をもう一度みてみると(図4)、NとNまたはNとOとの間に水素原子がはさまれています。このような化学結合を水素結合といいます。この化学結合をはがすために必要なエネルギーは、N-H・・・Oの場合8KJ/モル、N-H・・・Nの場合13KJ/モルで(1)、共有結合の場合と比べて1~2桁くらい小さなエネルギーでひきはがせる弱い結合です。例えば水分子のHとOをはがすには、463KJ/モルのエネルギーが必要です(2)。

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弱い力で二本の鎖が結合しているのなら、何かジッパーのような機構でDNAの二重らせんがはがされて一重となり、そこからまた相方のらせんが合成されて二重になることが証明されれば、非常に都合良く遺伝情報の複製が説明できます。このアイデアはロマンティックですが証明されなければなりません。

DNAの複製の様式には3つの可能性が考えられます(図5)。ひとつは分散型。両方の鎖に親由来の素材と新しい素材が併存する二重らせんが2本形成されることになります(図5A)。半保存的複製では、すべて親由来の素材でできている単鎖とすべて新しい素材でできている単鎖がまきついてできた二重らせんが2本形成されることになります(図5B)。最後に保存的複製では、両鎖とも親由来のものと、両鎖とも新素材のものとの2重らせんが形成されます(図5C)。

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メセルソン(1930~)とスタール(1929~)は大腸菌をN15(重い窒素)の培地とN14(普通の窒素)の培地でそれぞれ培養します(図6、参照5)。それぞれのフラスコから大腸菌を集めDNAの重さを遠心分離で測定すると、N15の培地で育てた場合は茶色で、N14の培地で育てた場合はオレンジ色で表してありますが、当然N15の場合の方が重くて下に沈みます。N14の場合は軽いので上の方の画分に浮いています。

N15の培地で育てた大腸菌を、N14の培地に移して、20分で1回細胞分裂を行うような条件で培養します。20分経過した大腸菌のDNAを分析すると、茶色の位置とオレンジの位置の中間の重さ(密度=densityで測定)の位置(赤)にひとつのバンドが現れました。この結果、親由来のDNAのみでできている茶色のバンドがないことが判ったので、保存的複製ではあり得ません。

491pxmeselsonstahl_


次に40分経過してからDNAを分析すると、中間の位置のもの(赤)が50%、軽い位置のもの(オレンジ)が50%になりました。分散型の複製なら、すべてのDNAは同じ重さ(密度)のはずなので、このように2本のバンドができることはあり得ません。

半保存的複製と考えると、図7一番右側に示すように、2回細胞分裂が起こった場合、親由来素材と新素材が1:1の二重鎖が2本と、新素材のみの二重鎖が2本できるので、実験の結果をうまく説明できます。

分散型複製あるいは保存的複製では、図7に示すようにこのような実験結果にはなりません。前者ではどんな場合もバンドは1本、後者では20分では重(茶)1:軽(オレンジ)1、40分では重1:軽3となり、中間の重さのもの(赤バンド)はできません(図7)。

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このような結果から、メセルソンとスタールはDNAの複製は半保存的に行なわれると結論しました。そしてジッパーの役割はDNAポリメラーゼ( DNA polymerase )が果たすということになりますが、実際のメカニズムはDNAポリメラーゼ以外にも多くの因子が関与していて、これについてはいずれ稿を改めて述べます。

メセルソンとスタールの実験結果は、DNAの構造が相補的な二重らせんであることとよく符合します。細胞が分裂するときには、DNAの2本鎖が1本鎖にわかれ、それぞれが相方のDNAの鋳型になることによって、遺伝情報の複製が行われると考えると、細胞増殖や遺伝という現象がうまく説明できます。

つまり半保存的複製というやり方によって、生命は自分のコピーをつくることができるのです。大腸菌は何度細胞分裂しても大腸菌です。ヒトも体の細胞のDNAは基本的に同じであり、ですからDNA鑑定が可能なのです。ただヒトのような多細胞生物は、細胞によってDNAという情報集積所からそれぞれ一部の情報だけ読み取っているので、肝臓とか皮膚とか骨とかさまざまな種類の細胞があり得ます。

参照

1)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E7%B4%A0%E7%B5%90%E5%90%88

2)http://mh.rgr.jp/memo/mq0110.htm

3)Arthur Kornberg. The biologic synthesis of deoxyribonucleic acid, Nobel Lecture, December 11, (1959)
http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/medicine/laureates/1959/kornberg-lecture.pdf

4) Kornberg T, Gefter ML. Deoxyribonucleic acid synthesis in cell-free extracts. IV. Purification and catalytic properties of deoxyribonucleic acid polymerase III.,  J. Biol. Chem. vol. 247 (17): pp.5369-5375 (1972)

5)Matthew Meselson & F. W. Stahl. "The Replication of DNA in Escherichia coli",Proc Natl Acad Sci USA,Vol.44,p.671-682 (1958)
https://en.wikipedia.org/wiki/Meselson%E2%80%93Stahl_experiment

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2016年11月 1日 (火)

サラとミーナ178: 冬の準備

サラは軽微ですが慢性の鼻炎があり、冬になるとグズグズになることもあります。それはサラが閉所恐怖症であることも関係していて、ミーナは寒くなるとふとんに潜り込んだりしますが、サラにはそれができません。こたつには入れるのですが、まだそれには季節が早いので、せいぜいバスケットの中にはいりこむくらいです。

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写真撮影に気がついたサラ

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ミーナは風邪をひいたことは一度もありません

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