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2016年10月 5日 (水)

土砂降りの基礎研究

A0960_002811大隅先生のノーベル賞受賞は遅きに失したくらいで当然だと思いますが、意外に思ったのはインタビューで基礎研究の危機について話されたことで、実際現在はかなり危機的な状況なのだと思います。

文部科学省が行ったアンケートによると「個人研究費はここ10年減額され続け、今では6割以上の研究者が年間50万円以下の研究費で研究活動を続けている」という結果が出ています。

50万円以下というと、まず純系マウスなどを使った研究はできないですね。まあその辺で実験用の動植物を拾ってきて何かやってみようというレベルであり、アマチュアと大して変わりません。

研究者の立場に立てば生活がかかっているので、だからどうしようもないというわけにはいきません。たいてい有限期間の非正規労働者なので、なにもやらなければ雇い止めで廃業です。

なんとか短い期間で成果が上がる企業との共同研究などのプロジェクトに入れてもらって、論文をかせぐしかありませんが、そういう仕事ばかり蔓延してくると、大隅先生のように誰もやっていない分野の研究に取り組むなどということはできません。研究のレベルは低下するばかりです。

いくら大隅先生達が声を上げても、国家のコンセプトが逆方向に進んでいるのですから、すなわち政治のコアの問題なので、別のコンセプトを持った政権に交代しなければ、現在の状況はますます悪化するばかりです。ところが困ったことに、私は民進党や共産党が別のコンセプトをもっているかというと疑いを持っています。彼らもおそらく短い期間で金になる研究だけを重視する可能性が高いのではないでしょうか。

研究者というのは、最低博士号を持っていないといけないので、最短で27歳まで賃金収入がありません。その後もいわゆるポストドクという非正規労働者をやって、才能と運があればパーマネントポストにつける可能性がありますが、40歳まで非正規でそのまま雇い止め、就職先は無しという可能性もあります。大学・大学院時代に奨学金をもらっていると返済しなければいけません。こうなると退職金なし、借金有り、年金も最低レベルになってしまい、生活困窮者になってしまうことでしょう。22歳で企業や官庁に就職した人々に比べると天と地の違いです。

ノーベル賞の内容について
http://mainichi.jp/articles/20161004/ddm/001/040/160000c

研究者の貧困問題について
http://www.data-max.co.jp/281004_dm1771/
http://hinkonken.org/?author=1&paged=2
https://www.jst.go.jp/crds/sympo/20131203/pdf/20131203_10th_crds06.pdf

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