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2016年9月30日 (金)

ピアニスト高木早苗 賛

Hqdefaultkibiji49押しつけがましさとかこれみよがしなところは全くなく、巨匠風でもない。ただ作品に語らせているという風情がいいです。タッチが非常にクリアで、雲ひとつ無い快晴の草原で弾いているような爽快さを感じます。かと思うと「月の光」のように、やわらかく夜のムードを漂わせることもできるという自在さ。

グバイドゥーリナの作品はかなりお気に入りなのか、乗り移って演奏しているような気もしますね。

クラシックのCDは相川さんのVnと共演のマニアックなものなど少ししか出版してないようです。11月18日にオペラシティーでリサイタルをやるようですが、私事で行けなくて残念です。数多くYouTubeにアップしているようなので、第二のリシッツァになれればいいですね。

リベルタンゴ/ピアソラ(山本京子編)
https://www.youtube.com/watch?v=pCMR_MiVWOg

グバイドゥーリナ シャコンヌ
https://www.youtube.com/watch?v=4jqA4VR_UEg

グバイドゥーリナ トッカータ・トロンカータ
https://www.youtube.com/watch?v=RIdQhKq7hXQ

バッハ=リスト:前奏曲とフーガイ短調
https://www.youtube.com/watch?v=rrxSrBh88Cs

バッハ:ゴルトベルク変奏曲より「アリア」
https://www.youtube.com/watch?v=3SACNa6_Jt8

ショパン:ノクターン遺作 嬰ハ短調
https://www.youtube.com/watch?v=vJgxsgo_vKY

ドビュッシー:月の光
https://www.youtube.com/watch?v=MKOrtDRnGMY

スウェーリンク:涙のパヴァーヌ
https://www.youtube.com/watch?v=UXgyddyBhN8

バルトーク:ルーマニア民族舞曲 
https://www.youtube.com/watch?v=4LhIbqDA4t8

ベートーヴェン ピアノソナタ第31番 変イ長調
https://www.youtube.com/watch?v=5LWTTmvXvjI

シューベルト:ピアノソナタ第18番 ト長調「幻想」
https://www.youtube.com/watch?v=qDGZZWUzJbs

トーク
https://www.youtube.com/watch?v=03cCbCOhK1c

リサイタルのチケット
http://www.proarte.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=1630

高木早苗のメロディーボックス(ブログ)
http://sanaetakagi.blog120.fc2.com/blog-date-20160925.html

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2016年9月28日 (水)

やぶにらみ生物論35: メンデルの法則

メンデルは純系のエンドウマメを作成し、それらを親(ペアレント)として交配しF1(雑種第1代)を作成しました。F1は花粉と胚珠(おしべとめしべ)からそれぞれ遺伝情報を伝えられているので、両者の情報がF1でどのように発現しているかは遺伝学の超基本です。

優劣の法則とは、花粉と胚珠から伝えられた遺伝情報は、平等にF1の形質に反映されるわけではなく、どちらかが優先的に発現し、片方は隠されることになるという法則です。図1のように紫色の花のマメと白色の花のマメを交配すると、F1はすべて紫色の花のマメになります。メンデルは親はそれぞれ AA、aa という情報を持っており、これらを交配するとF1はすべて Aとa という2種類のエレメント(メンデルは遺伝情報の単位をこう呼びました)を保有することになります。このときに a は隠され、Aが優先的に発現するわけです。遺伝学ではAをドミナント(優性)、a をリセッシヴ(劣性)といいます。この場合紫色の花がドミナント、白色の花がリセッシヴということになります。

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ではAaのF1同士を交配させると、白色の花のマメはもう現れないのでしょうか。いえ実は25%の確率で現れるのです。このことを説明するのが分離の法則です。

Aとa という2種類のエレメントを持っているF1の配偶子(花粉または胚珠)はAを持つ可能性が50%、a を持つ可能性が50%としますと、これらを交配するとAA:25%、Aa(50%)、aa (25%)ということになり、白色の花のマメ(aa)が現れる確率が25%であることが説明できます(図2)。

もしF1の体内でAとa が混じり合ってしまうと、このようなことは起こりえません。すなわち a という形質はF1において隠されているだけで、そのままの状態で保管されていなければなりません。そうすればAとa がF2で分離して、紫色の花と白色の花の両者が発現することが可能となります。これが分離の法則です。

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メンデルはエンドウマメの多くの形質について、分離の法則を確認する実験を行っており、その結果はほぼF2において優性形質の発現:劣性形質の発現=3:1であることが証明されました(図3)。どうしてぴったり3:1にならないのかという疑問があるかもしれませんが、それはひとつは統計上のゆらぎであり、いまひとつはサヤにマメがほとんど含まれていない場合や小さいマメが多数含まれている場合などに、それらのデータを棄却したことが影響していると思われます。実験に関係のない要因で異常が発生したと思われるときにデータを棄却するのは妥当なことだと思います。

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最後に独立の法則ですが、これはランダムに2種類の形質に着目し、例えば(丸い種・しわの種)と(緑のさや・黄色のさや)という形質を取り上げた場合、丸い種のものは緑のさやになりやすい、あるいは黄色のさやになりやすいなどという傾向があるのか、それともランダムなのかということを検証してみたところ、図4のようにF2において両形質はお互いに影響を与えず、(丸い種・緑のさや):(丸い種・黄色のさや)黄色のバック:(しわの種・緑の種)赤い波線:(しわの種:黄色のさや)黄色のバックかつ赤い波線=9:3:3:1となることがわかりました。

Photo_4

メンデルの法則は物理学の法則のように、あらゆる事象にあまねく適用できるというものではなく、むしろ一定の法則が適用される場合を選んだという意味もあるので、物理学の法則とは少し違う意味合いがあります。非常に複雑そうに見える遺伝という現象のなかに、あるシンプルな法則に従う場合があることを示したことが、以後の遺伝現象研究の突破口になったという意味で重要なのです。

むしろメンデルの法則が適用できない場合は無数にあるわけですが、それぞれなぜ適用できないかということの探求が遺伝現象の本質を解明する手がかりとなります。生物の形質はひとつの遺伝子によって決まるという場合はむしろ少なく、複数の遺伝子がからんでいる場合が普通です。その場合当然メンデルの法則は単純には適用できません。

AAとAaでは、例えばAの実体が酵素であった場合、AAはAaの2倍酵素があるという場合もあるわけで(すなわち a は酵素が活性を失った変異だとしましょう)、2倍あれば赤い花、1倍ならピンクの花ということもあり得ます。この場合優劣の法則は成立しません。また生物は染色体を複数持っていますが、同じ染色体にのっかっている遺伝子は、当然F1でもF2でも一緒に行動するわけで、独立の法則は適用できません。メンデルの時代には染色体上に遺伝子が並んでいることなどわかっていなかったわけですから、独立の法則を適用できない場合があることは説明が不可能でした。

ヒトを例にとるとメンデルの法則を単純に適用できる形質を見つける方がむしろ大変で、例えば富士びたい(優性)、耳たぶがない(劣性、図5)、舌を巻いてU字型にできる(優性)などがあり、これらはひとつの遺伝子で決定される形質と思われます。

メンデルは研究結果をブルノ自然研究会会誌第4号pp4~37(1866)に発表しました(1)。タイトルは「植物雑種の研究(Einleitende Bemerkungen)」でした。この雑誌は500部印刷され、各地の大学や図書館に配布されていて、多くの学者は簡単にみることができたはずですが、全く注目されませんでした。実はその論文は数式が頻繁に出てくるような、当時の生物学者としては見慣れない書き方だったので、多くの生物学者は理解できないと思って読むのを放棄したのではないかと考えられています。

メンデルは修道院の院長に選挙で選ばれ多忙な中で、さまざまな生物の遺伝について自分の理論があてはまるかどうか精力的に研究を続けたのですが、エンドウマメほどきれいな結果が得られず、失意のうちにその生涯を終えました。高名な作曲家であるヤナーチェクはメンデルの修道院で聖歌隊の指揮をしており、メンデルの葬式にあたっては、ヤナーチェクの指揮で荘厳なミサが行われたそうです。

1) http://www.mendelweb.org/Mendel.plain.html

全体的に参考にした文献:

「メンデル散策 遺伝子論の数奇な運命」 中沢信午著 新日本新書 1998年刊

「コンドルは飛んでいる メンデルは跳んでいる」 こんどうしげる
http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/skondo/saibokogaku/mendel.html


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2016年9月27日 (火)

リーガ2016~2017第6節: メッシ不在でも大丈夫

Braugranaリーガ第6節は中2日の強行軍で、ローテーションは必至です。アストゥリアス州のエル・モリノンでスポルティング・ヒホンとの対戦。デイゲームでお客さんもぎっしりです。バルサはメッシの故障の影響もあり、FW:ネイマール・スアレス・ラフィーニャ、MF:アルダ・アンドレ=ゴメス・ブスケツ、DF:ディニュ・マチュー・ピケ・セルジ、GK:テア=シュテーゲン。

ヒホンはチョプとビクトル・ロドリゲスの2トップ、442で厳しくチャージをかけてきます。ただし守備はファウル中心のダーティーなサッカーです。テア=シュテーゲンがゴールを持ったままラインを越えるというお茶目な失敗などもありましたが、なんとか持ちこたえます。アンドレ=ゴメスは不正確なシュートを連発して芳しくありません。

ヒホンが前掛かりで来るところ、29分アルダが中央あたりから一発を狙ってスアレスにロビングボールを供給。スアレスがうまくトラップしたところ、GKクエジャルが飛び出してきてきました。スアレスはボールは右、体は左からGKとするっと入れ替わって無人のゴールマウスにパスで先制。

今日は家族をエル・モリノンに呼んでいるせいか、ピケが非常に元気。あちこちに顔を出してヒホンのチャンスの芽をつみとってしまいます。追加点はメッシがいないと非常に目立つネイマールのスルーパスから。右でパスを受け取ったセルジのセンタリングをラフィーニャがジャンピングヘッド2点目です。ワンダフル。これでハーフタイム。

後半バルサはブスケツとスアレスを休ませ、デニス=スアレスとパコをピッチに送り込みます。ヒホンはロラがカード二枚目で退場。人数が減ったので、セルジが右サイドをフリーで走り込み、クロスを上げてネイマールが胸トラップでGKを交わしてゴール、さらにアルダが頭で合わせてゴール。仕上げはデニス=スアレスのジャストタイミングのパスを受けてネイマールが5点目のゴール。

アンドレ=ゴメスとテア=シュテーゲンだけが問題プレーで課題を残しましたが、全員でメッシの穴埋めに成功した試合でした。特にネイマールはメッシが居ない方が、存分に実力を発揮できることは明らかです。次はまたミッドウィークにボルシアMGとチャンピオンズリーグでの対戦で忙しいバルサです。


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2016年9月26日 (月)

やぶにらみ生物論34: 19世紀のヨーロッパ

突然ですが、話は19世紀のヨーロッパに飛びます。現代生物学の基礎を築いたのは、19世紀のヨーロッパで活躍した科学者達です。図1の5人はその中でも卓越した業績を残し人々です。

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英国のダーウィンは、生物は限られた資源を個体で争ううちに、生存に有利な変異を行った個体が子孫にその変異を伝えることによって進化がおこるという「自然選択説」を提唱し、生存中にこの理論は人々に受け入れられて、亡くなったときには国葬まで行われました。またパスツールは医学に貢献したほか、自然発生説の否定、牛乳を日持ちさせる方法の開発など社会に大きく貢献する業績があって、存命中から大変有名な科学者でした。

しかし残りの3人、ミーシャー・アルトマン・メンデルは全く無名で、論文もあまり注目されないまま亡くなりました。ダーウィンもメンデルの仕事を知っていたふしはあるのですが、獲得形質の遺伝というラマルク的な間違った理論を信奉していたくらいです。しかしDNAを発見したミーシャーとアルトマン、遺伝の理論を確立したメンデルは20世紀以降の生物学の根幹となる圧倒的に重要な業績を残したと言えます。

3人の業績について述べる前に、ここではパスツールとダーウィンに少しだけ寄り道したいと思います。パスツールの業績は多岐にわたっていますが、生物学の観点からみると、生命の自然発生説を否定したことが際立っています。生命はもちろん20億年以上前に自然発生したわけですが、19世紀の生物が自然発生するわけがありません。さすがにパスツールの時代には、ネズミがゴミ箱に自然発生するというような説は否定されていましたが、微生物は自然発生すると思われていました。パスツールはこれに反論するため、有名な「白鳥の首フラスコ」の実験を行いました(図2)。

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フラスコの中に肉汁を入れて煮沸滅菌し、そのままフラスコの口をバーナーで熱して伸ばし、図のような湾曲した細い管にします。フラスコと外界は細い管でつながっていますが、このような状況でフラスコを放置しても肉汁は腐敗しませんでした。

自然発生派は煮沸滅菌した密閉容器で腐敗が発生しないのは、腐敗菌に必要な外気が供給されないからだと言っていたわけですが、この実験によって外界との通路が確保されていても腐敗はおこらないことが証明されました。

ところが白鳥の首を根元から折ったり、一番低い部分に無菌液をいれて(この状態だと左の入り口から液に落下菌がたまる)、しばらくしてからフラスコに流入させるとたちまち腐敗が誘導されました。つまり上から落下してくる菌がフラスコの中の液にはいると腐敗することがわかりました。菌は肉汁から自然発生するのではなく、空気中から落ちてきて増殖することが判明したわけです。

これで自然発生説は否定されたように見えましたが、肉汁の代わりに干し草の抽出液をいれると、煮沸滅菌しても枯草菌が自然発生してしまいました。ティンダルは枯草菌が芽胞という耐熱性の状態になる場合があるため、煮沸滅菌しても死ななかったということを解明して、ようやくこの問題に決着がつきました(1)。現在では完全に滅菌するためにはオートクレーヴという料理で使う圧力釜のような装置を使って、120°C、2気圧で15分以上処理します。

ダーウィンの自然選択説はいろいろ修正を加えられながらも、現在ではほぼすべての生物学者に認められた考え方です。しかし例えば2016年に米国の共和党大統領候補選挙に出馬して、そこそこ人気があったテッド・クルーズなどは進化論否定論者ですし、米国では進化論と同時に「インテリジェント・デザイン説=何らかの知的な存在がすべての生物を創造した」も学校で教えなければならないという勢力が健在で、激しい論争が続いています。現在(2016年)でも米国人の1/3強は進化論を否定しています(2)。

メンデルの法則もソ連(現ロシア)などでは20世紀になってからも激しい抵抗があり、ルイセンコ(1898年~1976年)は農業技師ミチューリン(1855年~1935年)の仕事(寒いロシアに適応した栽培品種をつくる研究、寒さに晒した種子は寒さに強い品種となり、それから採れる種子も寒さに強い品種になっている)を評価し、メンデルを否定しました。つまり、獲得形質の遺伝(ラマルク説)を支持したわけです。ルイセンコは政府にとりいりメンデル支持派を粛清・シベリア送りにしました。まさか自分の理論を支持したために処刑される人がでるとは、メンデルも墓の中で腰を抜かしたことでしょう(3)。

メンデルはチェコのブルノ市郊外の農家で生まれました。彼は大変苦学してオロモウツ大学付属の哲学学校に入学し、ここで宗教・ラテン語・自然科学などの勉強をして、宗教家・科学者としての基礎を身につけました(4)。オロモウツ大学は1576年創設で、日本では織田信長の時代です。いかにチェコの学問研究の土壌が古くから培われてきていたかということがわかります。哲学学校を卒業したメンデルは、1843年にブルノ修道院に修道士見習いとして就職します。日本は江戸時代でしたが、1839年にはすでにブルノ~ウィーン間に鉄道が敷設されていました。地名とその位置については図3を参照してください。これは高速道路地図ですが、チェコの西側(ボヘミア)の中心はプラハ、東側(モラヴィア)の中心はブルノであることがよくわかります。ブルノ修道院の現況は図4に示します。

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当時の修道院は宗教の中心であるのみならず、科学技術の中心でもありました。1840年にはブルノ修道院が主催してドイツ農業技術会議という大規模な学会が開催されています。院長のナップはメンデルの優秀さを認め、修道院の植物園を管理し、ブルノ哲学学校の教授でもあったクラーツェルにつけて植物学の研究をやらせようとしました。これがメンデルの生物学者としてのキャリアのはじまりだったわけです。

クラーツェルは1848年までメンデルと共に、修道院の植物園を管理し、植物学の実験研究をやっていたそうです。しかしクラーツェルは当時チェコを支配していたウィーン政府からのチェコ独立を指導する反逆者として追放され、後に米国に渡って客死しますが、彼はダーウィンの「種の起源」を読んでいて信奉していたので、メンデルも当然影響を受けていたと思われます。つまりダーウィンはメンデルを知りませんでしたが、メンデルはダーウィンをよく知っていた可能性が高いということです。

メンデルは植物学のキャリアは積みましたが、決して優秀な修道士ではありませんでした。教員資格試験に落第し、看護師の仕事をさせると評判が悪いということで、困ったナップは彼をウィーン大学に留学させることにしました。

当時のウィーン大学は世界最高クラスの科学者が集まっていた大学で、メンデルは多くの知識や考え方を学ぶことができたのでしょう。特に植物生理学者のフランツ・ウンガーはメンデルの法則の基礎となるような考え方をすでに持っていて、メンデルに影響を与えたと思われます。またメンデルはカール・ゲルトナーの植物の交配に関する実験結果を熱心に勉強していたようです。ゲルトナーは交雑一代目は親のどちらかの性質を受け継ぎ、交雑二代目に、交雑に用いた元の植物のそれぞれの性質が現れることをすでに見いだしており、このことは後のメンデルの法則の基盤になる知見です。

メンデルはもともと記述的な生物学が得意ではなくて(だから教員資格試験に落第した)、物理学や数学が好きだったようです。ブルノに帰ったメンデルは遺伝という現象をなんとか数式で表現できないものかと考えて実験計画を練り上げました。メンデルはまず次のような仮説をたてました。

メンデルの仮説: 生物体は各種の遺伝子の組み合わせで出来ており、その組み合わせに対応して形質が発現する。この過程は何らかの数学的な法則に従う。

1)この仮説を検証するため、メンデルは遺伝的に均一な(つまり雑種ではない)エンドウマメを自家受粉を2年間繰り返して作成し、こうしてできた純系のエンドウマメを出発点として交配を行い、上記の仮説の数学的法則があるかないかを検討しました。

2)メンデルはエンドウマメの形質のなかから、解析しやすいものを慎重に選択しました。メンデルは遺伝子のはたらきが現れた表現形質の集合体が生物だと考えていました。

3)メンデルが偉大だったのは、ひとつの形質はひとつの遺伝子によって決定されるものではなく、ある遺伝子とその対立遺伝子の優劣や相互作用によって決定されると考えたことです。これはあとでわかったことですが、実際に遺伝子は多くの場合ペアとなる染色体にひとつづつ存在し、それらのはたらきによって形質が決定されます。

次回はメンデルの法則についてみていくことにしましょう。

参照:

1) こちら1

2) こちら2

3) こちら3

4) 「メンデル散策 遺伝子論の数奇な運命」 中沢信午著 新日本新書 1998年刊

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皇室 vs 官邸

A0990_001191私は民進党党首となった蓮舫氏に訊きたいことがひとつあります。それは「天皇陛下が人間であるにもかかわらず、現在の憲法下では著しく人権を侵害されていることについてどう考えるか」ということです。

こちら



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2016年9月25日 (日)

リーガ2016~2017第5節: マスチェラーノ転倒でエンパテ(泣)

Braugrana諸般の事情でバルサレポートが周回遅れになってしまいました。やれやれです。面目次第もありません。

カンプノウでアトレチコとの決戦です。バルサはFWのMSNはもちろん、中盤はラキティッチ・イニエスタ・ブスケツの最強トリオ。SBはアルバとセルジ。問題はウムティティが故障で、マスチェラーノとピケのCBです。

アトレチコはガメイロ・グリーズマンの2トップで、442。といってもグリーズマンは球を取りに下がりがちです。基本的に守備的で、バルサのミスをついて一気に攻め込む作戦です。落ち着いた感じのサッカーですが、バルサも球が持てるので一応自分たちのペースでできることは有難い。

前半はお互いにそれなりにチャンスがありましたが、決め手がなく0:0で終わりかと思ったとき、イニエスタ絶妙のクロスが、ゴール前に飛び込んだラキティッチの頭にきっちり合って先制はバルサ。そのまま前半終了です。

このままなんとか持ちこたえろと願うまもなく、後半早々にブスケツがアンドレ・ゴメスと交代です。体調不良のためと思われますが、守備の要の交代は、1点を死守しなければならない状況では厳しいことになりました。さらに直後メッシが故障退場でアルダと交代。今日はいいとしても、今後非常に厳しいことになりました。

アルダをそのままメッシの代わりに右FWで使うか、442にするか。いずれにしてもここで慣れないシステム(例えばパコとスアレスを出して442にするなど)となって失敗すると、バルサもボロボロになってしまう可能性すらあります。難しいことになりました。

試合はマスチェラーノが自陣ゴール前ですべってしまって、コレアにゴールを許してしまいました。ツキにも見放されてエンパテ。これからも厳しい試合が続きそうです。

https://www.youtube.com/watch?v=sPEqKTkLgus

https://www.youtube.com/watch?v=24eYGcJD_GU

https://www.youtube.com/watch?v=5rlQuP8vBec


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2016年9月24日 (土)

西島三重子ライヴ@南青山マンダラ2016年9月23日

Img2還暦過ぎてからなぜか人気が出てきた西島三重子。なぜ? マンダラライヴも満席です。やはり読売カルチャークラブで講演したのがきっかけなのでしょうか。

昨年西島三重子を知って、福岡から10万円+αかけて航空機で来たという方もいらっしゃいました。

サポートは平野さんのギターだけでしたが、声もバッチリ出ていて素晴らしいライヴでした。満席になるのなら、ピアノやパーカッションも加わる昔のスタイルに戻して欲しいですね。

12月に「おひさまのたね」のニューバージョンが発売されるそうで、そこに「サイレントデイズ」もカップリングされるそうです。

曲はメモをとっていなかったので順不同ですし、抜けている曲もあると思いますが、とりあえず思い出せるものだけアップしておきます。

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青春のシュプレヒコール
のんだくれ
池上線
池上線ふたたび
おひさまのたね
シャドウ
エピローグ
サラベイ
夢の足跡
星屑のララバイ
サイレントデイズ
Bon Courage~が・ん・ば・れ~
山桜桃(ユスラウメ)
河はながれる
ラヴ・ソング
仮縫い(アンコール)
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YouTube

「Lost Hour」
https://www.youtube.com/watch?v=O57KwetYiFU

おすすめ
https://www.youtube.com/watch?v=9zkVxOUyOyU
https://www.youtube.com/watch?v=SH_sn__dCq0
https://www.youtube.com/watch?v=-BMc4-22G54
https://www.youtube.com/watch?v=sEyOtFWiqow

池上線
https://www.youtube.com/watch?v=S8xq7jygLZY
https://www.youtube.com/watch?v=3nBI46ZR53I
https://www.youtube.com/watch?v=zuv-8VVARC4

水森かおりさんは、実は西島三重子のファン
https://www.youtube.com/watch?v=7iRewNESRhY

おひさまのたね
https://www.youtube.com/watch?v=VM8fTFxHkFk

仮縫い
https://www.youtube.com/watch?v=KxBCTfvdamY



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2016年9月21日 (水)

インバル-都響ショスタコーヴィチ交響曲第8番@サントリーホール2016年9月20日

Imga台風はまだ紀伊半島あたりと思っていましたが、外に出ると結構強風で横殴りの雨。とはいえ今日はショスタコの8番をやるというので欠席するわけにはいきません。15日のバルトークはパスしましたし。

サントリーホールにたどりついて、とりあえず水内庵で食事。いつものように都響メンバーも何人か在席していました。ヘビイなシンフォニーを演奏する前には腹ごしらえが一番。誰とは言いませんが、コンビニ弁当ではちょっとね。

ホールにはいるとチケット完売の割には80%くらいの入りで、やはり台風であきらめた人がかなりいたようです。

本日のコンマスは山本さん。サイドはマキロン。マキロンはどうも衣装を変えたようです。前はボディコンだったのに普通になっていました。まさか痩せたわけじゃないよね。

インバル翁は80才だというのに元気一杯で、次々とコンサートをこなしています。今日もマイク林立でCD化は間違いありません。

今日は結構エキストラが多くて、オーボエなんて都響メンバーは何してるの? 前半のモーツァルトのソリストはデュメイさん。まるでトヨタ・ニッサン車ばかりのなかにベンツが乗り込んできたようなゴージャスな音で、さすがに巨匠です。演奏は緊張感がなくなるくらい余裕がありすぎで、ごちそうさまでした。

デュメイさんの演奏

https://www.youtube.com/watch?v=VoaJ0rTc14s

https://www.youtube.com/watch?v=6Uq1c-Ks-78

後半のショスタコーヴィチは予想通り、すごい演奏でした。インバル翁は冒頭から歌いながらの指揮で今日も楽しそうです。私はイングリッシュホルンの音が大好きなので、第1楽章の長いソロにはすっかり引き込まれました。さらに第3楽章は息をもつかせぬ物凄い追い込みで、都響最大限のがんばりが素晴らしかったと思います。全体的に弦も管も素晴らしい技術とアンサンブルで圧倒されました。

ただ終楽章だけは、もう少し時間をかけてリハーサルをやったほうがよかったのではないかと思いました。ここはそれまでの嵐のような激しい音楽や暗い葬送が終わって、静かな安堵感にひたるはずなのですが、それがあまり感じられなかったのが心残りです。私の感受性が麻痺していたのかもしれませんが、CD化するならここだけスタジオで再収録したらと思ったのは私だけでしょうか。

ショスタコーヴィチ 交響曲第8番

https://www.youtube.com/watch?v=52pn_d2bE3A

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2016年9月19日 (月)

これはひどい!

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/190139

http://www.asyura2.com/16/senkyo212/msg/919.html

インサイダー取引というのは情報を得るだけですが、これは自分のさじ加減ですよって話で、なおさらひどいと思います。これでは軍縮なんてやるはずがありません。

こんな大臣をやめさせられないようでは、晋三はもちろん、野党も鼎の軽重を問われます。

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2016年9月18日 (日)

リーガ2016~2017 第4節: 3バック大失敗も、レガネスのザル守備のおかげで圧勝

Braugranaミッドウィークのセルティック戦に圧勝したバルサですが、リーガ前節ではアラベスに痛い敗戦を喫しています。また新規参入のレガネスにもやられるようなことがあると、とてもリーガ優勝は望めません。

レガネスはマドリードのチームですが、郊外にあるムニシパル・デ・ブタルケというスタジアムはほとんど草サッカー場という雰囲気です。満席でも1万人くらいの観客です。ランチタイムの試合で、スタンドから緑あふれる景色が眺められるという脱力の情景。試合開始前に始球式があって、美人オリンピック選手がボールを蹴って試合が始まりました。

レガネスがガチガチの守備的フォーメーションでくるとみたルーチョは奇策を弄します。ウムティティ・ピケ・マスチェラーノのスリーバックです。ブスケツはお休みで、誰がボランチやるのかと思ったら、どうもラキティッチが中途半端に担当する感じで、うまく機能していません。イニエスタもさがりかげんです。ラフィーニャとアルバはサイドに張り付いています。この全く経験のないフォーメーションでは、選手に戸惑いがあるのは仕方ありません。

しかもレガネスは予想に反して、先に1点とろうと激しく前線でチャージしてきます。3トップ(マチス・ピレス・コネ)でバルサの3バックに絡んでくるので、それを交わすので精一杯になってしまい、中盤も下がってリズムが完全に狂ってしまいました。それでも15分間何とか耐えて、ムキになって攻めてくるレガネスの背後をカウンターで狙います。

ここで効いてくるのがスアレスのフィジカル。カウンター攻撃でスアレスがDFをひとり振り切ると、GK以外誰も前にいません。それでも待ち受けるメッシにパスして楽々ゴール。確率の高い方にパスしてシュートを打たせるというのがMSNのお約束です。是非これを徹底してやってほしいと思います。レガネスはバルサ与しやすしとみて、前掛かりになりすぎていました。

31分には相手のパスミスをメッシが拾って、今度はスアレスにプレゼントパスを出して、またもや楽々ゴール。前半終了間際にはスアレスが抜けだし、シュートを打つタイミングでGKが構えたところを左にパス。ネイマールが楽々とゴール。前半の3点ともGKがさわることすらできない完璧なゴールでした。MSNの美しいコンビネーションです。

後半もネイマールが獲得したPKをメッシが決め、ラフィーニャが無回転のミドルをたたきこむとかでマニータ。ピレスにFKを決められて1点失いましたが1:5でバルサ勝利です。ただ前半のフォーメーションは大失敗で、さすがに後半は4バックに改めました。ボランチはアルダで、彼はブスケツが休むときはボランチ、ネイマールが休むときは左のエストレーモで起用するようです。

私はスアレスが休むときも、もう少しパコがバルサのやり方になじむまで、アルダをCFで使った方がいいのではないかと思います。アルダはボランチのタイプではないので、ブスケツを休ませるときはマスチェラーノに代役をまかせた方がよいと思います。ウムティティを採用したので、CBはピケとウムティティが基本で、マスチェラーノはどちらかが休むときに起用するべきですね。

私が良くわからないのは、ビダルはオーソドックスなSBで良い選手だと思うのですが、なぜかルーチョに評価されないで、今日もベンチから外されています。SBは重労働なので、セルジと二人でやってほしいんですけどね。3バックはダメですよ。今日は相手が相手だったので勝てましたが、強敵だったらガタガタでボロ負けするところでした。

https://www.youtube.com/watch?v=ecJraHb6rUQ

https://www.youtube.com/watch?v=FGx4OxQeis0

https://www.youtube.com/watch?v=Z6hVuAPHPfs

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2016年9月16日 (金)

やぶにらみ生物論33: 私たち以外の人類

今回は人類の歴史について考えてみます。私たちはホモ・サピエンスという学名の1属1種の生物ですが、私たちがチンパンジーとの共通祖先から進化する過程で、多くの種が生まれては消えていったと考えられます。少なくとも数万年前までは私たちホモ・サピエンス=現生人類とは異なるホモ・ネアンデルターレンシス=ネアンデルタール人が生きていました。ネアンデルタール人が2~3万年前に絶滅して以来、人類は1属1種となりました。

スミソニアン研究所がアップしている人類系統図(1)を簡略化して示したのが図1です。これによると人類は4つのグループに大別され、私たちはホモ・グループに属するとされています。他の3つのグループは100万年前以前に絶滅したため、最近100万年の間に生きていた人類はすべてホモ・グループ(ホモ属)ということになります。

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ネアンデルタール人とわれわれ現生人類はおそらく共通の祖先を持つ近縁種だと考えられます。ネアンデルタール人の遺伝子はかなり詳しく調べられていて(2,3)、現生人類とは80万年前に分岐したとされています。分岐はアフリカで行われましたが、ネアンデルタール人の祖先は40~30万年前にアフリカを出てヨーロッパで繁栄しました。彼らの化石は主として南欧・南ドイツ・東欧の南部・中東から発掘されています。

ネアンデルタール人と現生人類の頭蓋骨を比較すると(図2)、まずネアンデルタール人の頭が前後に長いということがわかります。もうひとつは眉の部分が張り出し、眼窩上隆起を形成しているということです。このことで思い出すのはキアヌ・リーブスとサンドラ・ブロック共演の映画「スピード」で、バス運転手を演じていたホーソーン・ジェイムスです。彼の顔が画面に登場したとき、「うぁネアンデルタール人じゃないか」とのけぞりました(4)。

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図3が復顔されたネアンデルタール人です(ウィキペディアより)。もちろん顔はひとそれぞれですから、こんな人もいたんだなということですが。

Photo_3_2現生人類=ホモ・サピエンスは25万年前に東アフリカで誕生したとされていますが、彼らはネアンデルタール人よりかなり遅れて10万年前くらいにヨーロッパや中東に進出したようです。

その後ネアンデルタール人と現生人類の祖先、そしてシベリアに住んでいたデニソワ人が小規模ながらも混血して、われわれ現在の現生人類が生まれたようです。デニソワ人はネアンデルタール人から分岐した人類であるとされています。

現在のメラネシア人はデニソワ人固有の遺伝子を4~6%保有していることがわかっています。また現生人類の遺伝子を持ったネアンデルタール人もロシアとモンゴルの国境付近で発見されています。

これはひとつの学説ですが、ネアンデルタール人が絶滅したのはイタリアの火山の噴火のためかもしれません。人口が激減して、サピエンスとの交配が可能なら、次第にネアンデルタール人の血が薄まってしまったと考えられます。

すなわち現生人類・ネアンデルタール人・デニソワ人は別種であるにしても、交配して生殖能力がある混血の子孫をつくることができたということです。あるいはこれらの人類はすべてホモ・サピエンスであり、亜種レベルでの違いとすべきであるという主張も可能です。

21世紀になってからもう1種の人類、ホモ・フローレシエンシス=フローレス人がインドネシアのフローレス島の洞窟で発見されました(図4)。当初は1万2000年前まで生きていたとされていましたが、現在では5万年くらい前まで生きていたということになっています(5、6)。考古学の世界は Nature のような雑誌に投稿された論文でも、すぐにひっくり返ってしまいます。ホモ・サピエンスがフローレス島に上陸したのが5万年前とされているので、ホモ・フローレシエンシスは現生人類=ホモ・サピエンスに滅ぼされたという可能性が高いということになりました。

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フローレス人は骨の構造が現生人類とは大きく異なるので、体が小さい(大人でも身長1mくらい)のは小人症などではなくて、ホモ・ハビリスが島嶼化によって小型化したと考えられています。島嶼化というのは、島に隔離された生物は食糧が乏しいことと、天敵がいないことで体が小さくなる傾向があるというという動物学の概念です。一方で国立科学博物館の海部陽介氏らは、ホモ・エレクトゥスの亜種であるジャワ原人がフローレス人の祖先であると主張しています(7、8)。

いずれにしてもフローレス人も洗練された石器や火を使っていたらしいので、彼らなりに独自の進化を遂げていたと思われます。フローレス人の復元像は国立科学博物館で見学できるそうです(私はまだ見ていません)。

参照:

1) http://humanorigins.si.edu/evidence/human-family-tree

2) K. Prufer et al., The complete genome sequence of a Neanderthal from the Altai Mountains. Nature  505, 43-49 (2014)

3) http://www.nytimes.com/2013/12/19/science/toe-fossil-provides-complete-neanderthal-genome.html?_r=0

4) こちら

5) http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/033100119/

6) スミソニアン研究所のサイト http://humanorigins.si.edu/evidence/human-fossils/species/homo-floresiensis

7) http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20130529/352350/

8) http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20130530/352490/




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2016年9月14日 (水)

JPOP名曲徒然草173: 「さよならは天使のはじまり」 by 浜本沙良

このブログのマスコットキャット「ミーナ」はみーちゃん(西島三重子)から、「サラ」は浜本沙良さんに由来する名前です。

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浜本沙良さんはもうすっかり芸能界から足を洗ったようで、ウェブでもおみかけすることがほとんどなく寂しい限りです。

そんななかで、なんとビデオテープから起こして YouTube にアップするという奇特な方がいたのにはびっくり。「さよならは天使のはじまり 」のMVなんてあったんですね。はじめて見ました。なんて柔らかくて美しい声なんだろう。ルックスも文句なし。これでどうして人気が出なかったのかわかりません。曲がややマニアックだったのかのかなあ?

「さよならは天使のはじまり」はシングルに選ばれた曲ですが、アルバム「Puff」(フォーライフ FLCF3519)にも収録されています。いずれもアマゾンで1円で買えますので、お勧めします。特に「Puff」は名曲てんこもりです。

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「さよならは天使のはじまり」(作詞:松井五郎・作曲:羽場仁志)
https://www.youtube.com/watch?v=JoivRfvoWgY

「ふたり」
https://www.youtube.com/watch?v=So8_Q-EbuTw

「春ある国に生まれ来て」
https://www.youtube.com/watch?v=18YkJep-crk

「優しい日々」
https://www.youtube.com/watch?v=s9_oISN1t0o

「天真爛漫」
https://www.youtube.com/watch?v=GfgwPxsxUW8
https://www.youtube.com/watch?v=fmDPGaeDDlY

「雲のゆくえ」
https://www.youtube.com/watch?v=1BDzNtTCI2M

「夏の終電車」
https://www.youtube.com/watch?v=FgZ8UyMm2sc

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2016年9月12日 (月)

「最悪の核施設 六ヶ所再処理工場」 集英社新書

Imga「最悪の核施設 六ヶ所再処理工場」 小出裕章・渡辺満久・明石昇二郎著 (2012) 集英社新書

世界中に放射性物質を垂れ流している悪名高いセラフィールド(英)とラ・アーグ(仏)の核燃料再処理工場。そして日本政府は六ヶ所再処理工場をこれに加えようとしています。

少し古い本になってしまいましたが、この本が指摘している問題は現在でも全く解決していません。

ウィキペディアによると、「(六ヶ所再処理工場の)試運転の終了は当初2009年2月を予定していたが、様々なトラブルが相次ぎ時期未定としたケースを含めて23回の延期をしている。2015年11月16日には竣工時期を、2018年度(平成30年度)上期に変更することが発表された。これら延期のため、当初発表されていた建設費用は7600億円だったものが、2011年2月現在で2兆1,930億円と約2.8倍以上にも膨らんでいる。」としています。現在ではさらに費用がふくらんでいることでしょう。

有害物質をまきちらす工場の建設に、目の玉が飛び出るような巨額の支出をする政府を支持するのかどうか、国民は真剣に考える時がきています。まだ手遅れではありません。そのきっかけになるのがこの本だと思います。

こと原発や再処理施設に関して、原子力村や政府が言っていることはほとんどウソと言って良いことは、福島第一原発の事故や後始末を見ていれば明らかですが、六ヶ所の施設についても、この本に良い例が示されています。

六ヶ所の施設は上記のラ・アーグの施設をお手本に作られたものです。様々な放射性同位元素をまき散らす施設ですが、たとえばラ・アーグで排出されているルテニウム106の量を六ヶ所の規模に換算すると1x10の13乗ベクレル/年となるはずです。ところが政府は2.4x10の10乗ベクレルと発表しています(本書37ページ)。同じフランスの技術を使っているのに、3桁も違うのではあまりにも見積もりが甘すぎるだろうと思います。政府・原燃がウソをついているとしか思えません。

これで思い出すのは晋三の国会答弁です。

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吉井英勝議員「海外では二重のバックアップ電源を喪失した事故もあるが日本は大丈夫なのか」
安倍首相「海外とは原発の構造が違う。日本の原発で同様の事態が発生するとは考えられない」

吉井議員「冷却系が完全に沈黙した場合の復旧シナリオは考えてあるのか」
安倍首相「そうならないよう万全の態勢を整えている」

吉井議員「冷却に失敗し各燃料棒が焼損した場合の想定をしているのか」
安倍首相「そうならないよう万全の態勢を整えている」

吉井議員「原子炉が破壊し放射性物質が拡散した場合の被害予測を教えて欲しい」
安倍首相「そうならないよう万全の態勢を整えている」
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六ヶ所の施設は海外の施設とは構造が違うなどとは言ってもらっては困ります。この本の言葉を借りれば「まるでフランスよりも高性能の技術が突如として開発されたかのようだ」ということです。そんなことあるわけないのです。

ともあれ六ヶ所施設は排出する放射性物質をフィルターにかけるでもなく、そのまま空気中と海に垂れ流すのであって、たとえばクリプトン85は33京ベクレル/年、トリチウムは1900兆ベクレル/年という目もくらむような大量の放射能を放出するのです。その空気を世界中の人が吸うわけです。

この本を読んでさらに驚いたのは、六ヶ所再処理工場近傍の地下には六ヶ所断層という活断層があるということです(1)。この断層を分岐する(親分にあたる)大陸棚外縁断層が活断層であると主張する池田安隆准教授(東大院)などの意見は、原子力安全委員会で無視されて議論が打ち切られたそうです。著者の明石氏がファックスで責任者に質問状を出したら、さっぱり返事がなく、後日「見たけど捨てた」と言われたそうです。

要するにどんなに巨額の税金を投入しても、どんなに大量の放射能を放出しても、何が何でもプルトニウムを濃縮して核武装したいというのが政府の方針であり(米国に禁止されているのであからさまには言えない)、そんな政府を支持しているのが日本国民だということです。このままで良いとは私は思いません。

1)渡辺満久他 「下北半島北西端周辺の地震性隆起海岸地形と海底活断層」 活断層研究 36 (2012)
http://danso.env.nagoya-u.ac.jp/jsafr/documents/AFR036_001_010.pdf

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2016年9月11日 (日)

リーガ2016~2017 第3節: マスチェラーノ絶不調でアラベスに敗戦

Braugranaバルサは4人目のFWとしてバレンシアからパコ・アルカセル、ブラボ移籍(マンチェスター・シティ)の穴埋めに、アヤックスからGKシレセンを補強しました。先週が国際Aマッチ週間だったためなどで、主力のコンディションが不良で、この二人がカンプノウのデポルティーボ・アラベス戦に早速先発することになりました。アラベスは今シーズン昇格したチームです。

しかしアラベスは昇格に伴って大補強を行い、全く別のチームになっているので侮れません。しかもバルサスペシャルで541の超守備的な布陣です。バルサはトップがパコで、左ネイマール、右アルダ。メッシの金髪もそうですが、ネイマールの銀髪も似合ってないと思いますね。

パコはまわりをガッチリ固められて、全く身動きできません。アルダも右はほとんどやったことがないということで精彩を欠きました。相手の中盤が薄いので球はまわりますが、スルーパスは跳ね返される、ドリブル突入は引っかかるで、まあ予想されたことではありますが手こずります。ラキティッチもさえないシュートばかりでがっかりです。

唯一SBディニュやヴィダルのクロスに期待しますが、うまくいきませんでした。そのうちアラベス右サイドからのクロスをデイヴェルソンに合わされて失点。マスチェラーノの対応が遅れました。代表組のマスチェラーノもこの試合は休ませるべきでした。

後半開始早々にCKからマチューのヘッドで1点とれましたが、前半からCK狙いで良かったのではないかと思います。CKなら5バックは関係ありませんから。あとパコはもっと強引に動いて、相手のファウルを誘ったほうが良かったのではないかと思います。

決勝点もマスチェラーノのクリアミスからの失点で、見ていて赤面しました。これでは敗戦もやむを得ません。メッシ、スアレス、イニエスタを投入しましたが得点ならず。バルサにとって非常に痛い敗戦でした。

http://qoly.jp/2016/09/11/barcelona-vs-alaves-1-2

https://www.youtube.com/watch?v=ViIw66UNRAE

https://www.youtube.com/watch?v=UDQfbJX0Psc


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2016年9月10日 (土)

インバル都響-シューベルト交響曲第8番

Imga今年の夏は日照時間が短く、9月には台風がどんどんやってきて気候不順でした。私も健康状態が思わしくなくてろくなことがありませんでした。それでも今日のコンサートに出かけられるまで恢復したことはラッキーでした。

本日の指揮はエリアフ・インバル、コンマスは矢部ちゃん、サイドはゆづき。インバルは少しダイエットしたのでしょうか。80歳になりますが、非常に元気そうです。前半はエルガーのチェロ協奏曲で、ソリストはターニャ・テツラフ。真紅のドレスで登場しました。

演奏はカドのとれた流麗なスタイルで、エルガーの暗いロマンティシズムを適切に表現していました。

ターニャ・テツラフの演奏↓
https://www.youtube.com/watch?v=774Ajdk00jQ

終了後はガッツポーズも出ました。アンコールはJSバッハ:チェロ組曲第3番ハ長調サラバンドを演奏してくれました。

後半はエキストラもはいった大編成で、シューベルトの交響曲第8番。インバルはやや速めのテンポで、引き締まった緊張感のある進行です。広田さんがリードする木管が全体をリードし、アンサンブルも良好。なかなか最後まで楽しく聴かせてくれました。

シューベルトはこの曲が演奏されるのを聴かずに死んだそうです。私が不思議に思うのは、これだけ大規模な交響曲なのに、なぜ打楽器がティンパニだけなのかということです。せめて小太鼓とか、トライアングルとかを使えば第4楽章などもっと華やかになったのにと思います。生前に聴いていれば、シューベルトは改訂したかも知れないとちょっと思ったりします。

マチネは暗くなる前に帰宅できるので、疲労が少なくて有難いです。北総の駅に明るいうちに帰ってきて空を見上げると、うろこ雲が見えました。もう秋です。

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2016年9月 9日 (金)

やぶにらみ生物論32: 現代の大絶滅

800pxlacanja_burnやぶにらみ生物論では、ここのところずっと生物の歴史を俯瞰してきました。そのなかで、ほとんどの生物が死滅してしまうという危機が何度か地球に訪れたということを見てきました。代表的なのはペルム紀末と白亜紀末の大絶滅ですが、どうやら現在の私たちはそれら以上の大絶滅のまっただ中にいるようです。

現在地球上では、ひかえめにみて毎日100種を超える生物が絶滅しています。絶滅というのは、その種に属する個体がすべて死ぬということですから、半端じゃありません。例えば広島に原爆が投下されたときにも、広島市民全員が死亡したわけじゃありません。それよりも何千・何万倍もおぞましいことが毎日おこっているというのが現代です。

ある種が絶滅したとすると、その種に食べられていた生物が異常発生してしまったり、その種を主食としていた生物が道連れ絶滅したりする可能性があり、どんな人間にとっての不都合が発生するかは計り知れません。

Jurriaan M. De Vos博士らの試算によると、現代の種消滅速度はバックグラウンドの約1000倍で、このままいくと将来10000倍までその速度があがるそうです。

<<Estimating the normal background rate of species extinction>>
Jurriaan M. De Vos et al
Conservation Biology, Volume 29, Issue 2, pages 452-462, April 2015
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/cobi.12380/abstract;jsessionid=78F8B9C7E39C7F662636CB049B9D4E71.f02t01

生物の大絶滅によって、自然の秩序が失われ、地球の自然浄化作用も失われて、地球環境は加速度的に悪化し、私たちが住めなくなるようなひどい状態が来るのはここ100年以内の話しかもしれません。

レッドブックに記載された生物を救うことは大事ですが、最も重要なことではありません。種の異常な速度による消滅は地球環境悪化のサインであり、そのことに気がついて、その消滅速度を遅くすることが重要です。ではどうすれば、遅くできるのか?

今地球で普遍的に行われている資本主義は、投資したお金が増えて返ってくることを前提としています。すなわち生産活動の拡大が必須となります。このために人も企業も国も努力するわけです。それを阻害しようとする勢力は排除されます。これをやっている限り、森林伐採(写真 ウィキペディアより)・自然破壊・環境汚染は避けられず、地球によって人類は報復されます。その報復が「適度」なうちに気がついてやめればいいのですが、このままでは人類はきっと最後まで資本主義をやめません。結局無数の生物種を道連れにして、人類は消滅するのでしょうか?

私はCO2排出の協定なんて、極地の氷が溶けてメタンガスが出始めた今となっては意味がないとは言いませんが、手遅れの可能性が高いとおもいます。とりあえず企業の生産活動の拡大を制限する国際的ルールを定めるくらいのことはやらないとダメでしょう。

まず<<世界中すべての株式市場を閉鎖する>>ということからはじめたらどうでしょうか。これによって企業による生産活動の拡大はかなり防げると思います。これすら中国や米国の反対でできないのなら、もうお手上げです。

そうなったら、大部分の人類が滅びても自分たちだけは生き残る・・・という方策を探すしかありません。ちょっとした大雨による北海道や東北のインフラ破壊を修復するめどがたたない日本政府に、そんな芸当ができるでしょうか? ダメだろうね。要するに彼らは企業活動を拡大するために死にものぐるいになっているので、自分たちが生物大絶滅時代を加速して自殺行為を行っていることなど、全く頭の片隅にもないのです。

キーポイントはマスコミです。「景気をよくしろ」とか「株価をあげよう」とか「生産活動を拡大しよう」とかの方向でマスコミが発信している限り、資本主義という<<生産活動が拡大しないとなりたたない>>制度を廃止することはできません。これは日本だけやっても意味ないので、世界レベルでのマスコミの発信が必要になります。そのためには、まず新聞記者やTVプロデューサーと環境問題専門家による国際会議を行うことが必要でしょうね。

<<米国自然史博物館からの警告>>

NATIONAL SURVEY REVEALS BIODIVERSITY CRISIS - SCIENTIFIC EXPERTS BELIEVE WE ARE IN MIDST OF FASTEST MASS EXTINCTION IN EARTH'S HISTORY
http://web.archive.org/web/20070607101209/http://www.amnh.org/museum/press/feature/biofact.html

1)我々は生物大絶滅時代のまっただ中にいます。このことは多くの生物学者が認めていることです。

2)生物多様性の消滅によって、地球が本来もっている空気や水の自浄作用が失われることになります。

3)生物大絶滅は次の世紀における人類の生存を危うくするほどのものなのに、多くの人々はそのことに気がついていない。

<<企業活動と生物多様性>>

ネスレ社がキットカットをつくるために大規模な森林破壊を行ったことで、バッシングを受けましたが、このサイトはそれだけでなく、多方面から生物多様性について分析しています。

http://agrinext.jp/archive/tayousei/chapter1/
http://agrinext.jp/archive/tayousei/chapter1/page02.html
http://agrinext.jp/archive/tayousei/chapter1/page03.html

<<Geographic range did not confer resilience to extinction in terrestrial vertebrates at the end-Triassic crisis>>
by Alexander M. Dunhill & Matthew A. Wills
Nature Communications 6, Article number: 7980 (2015)

http://www.nature.com/articles/ncomms8980

著者たちは三畳紀末の大絶滅に注目しています。この大絶滅は火山の大噴火によって発生したのですが、最初は火山周辺の生物が絶滅しましたが、そのうち地球全体の生物が影響を受け、多くの種が失われました。このときの状況が現在と類似していると著者は警告しています。

<<ミツバチの減少は何をもたらすか >>

多くの植物は、ミツバチによって花粉を運んでもらっています。ミツバチが死滅すると、困るのは人間です。

http://matome.naver.jp/odai/2141000414380297701
http://cosmo-world.seesaa.net/article/127471528.html
http://threebirch.exblog.jp/25737158/

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2016年9月 7日 (水)

やぶにらみ生物論31: 古第三紀以降の生物2 サル

サル目の別称に霊長目という呼び方がありますが。これはサルを生物の頂点と考える思想が根幹にあると思われるので、ダーウィン以降の生物学者にとっては不本意な命名でしょう。つまり今生きている生物はすべて、生命の起源から命を連綿と続かせている者達で、すべて同じ長さの歴史を持っているという意味ではそれぞれ同一線上にあるという見方にたつと、霊長という名は排除すべきなのでしょう。というわけで、ここではサル目という呼称を採用します。まずサル目の進化についての分岐図(図1)を示します。

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DNAの解析などからサル目の生物は白亜紀から存在したとされていますが(図1および文献1)、実際にサルと非常に近いとされるプルガトリウス(図2、ウィキペディアより)という生物の化石が、6600万年前の白亜紀地層から発見されています。プルガトリウスは体長10cmくらいの一見トガリネズミのような生物ですが、歯の種類と配列(上下顎骨それぞれに6本の門歯、2本の犬歯、8本の小臼歯、6本の大臼歯 = 全部で44本の歯)がサルと同じなので、サル目の始祖と考えられています(2)。

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また5500万年前の地層からは、メガネザルと極めて近いサルの化石が発見されています(3、4)。この生物はオマキザル上科に属するマーモセットの特徴も兼ね備えていることから、メガネザルのグループと、ヒトなどのグループ(オマキザル・オナガザル・テナガザル・ヒト)の分岐点に位置する生物と考えられます(図1参照)。

さて図1をみると、サルはもっともおおざっぱに分けるとヒト・メガネザル系とキツネザル・ロリス系に分かれます。キツネザル・ロリス系の共通祖先は白亜紀に他のサルと分岐したと考えられています。彼らの共通祖先として、化石生物であるアダピ形類(5)が知られています。キツネザル・ロリス系のグループを曲鼻猿類と呼称することもあります。曲鼻とは鼻腔が屈曲して鼻孔が左右に離れて外側を向いていることを意味します。

キツネザルは現在マダガスカル島にしか住んでいませんが、ロリスは世界各地に分布しています。ワオキツネザルの写真を貼っておきます(図3 市川動物園で撮影)。ワオキツネザルの顔をみていると、プルガトリウスがサルからかけはなれているとも言えないような気がしてきます。

アイアイも曲鼻猿類のひとつでマダガスカル島の特産です。絶滅が危惧されていますが上野動物園の小獣館で見ることができます。完全空調でライトコントロールもされていてかなり元気です。ただし非常に暗いところで飼育されているので、写真撮影は困難です。キツネザルは競合種や天敵が少ないことから大繁栄していたようですが、人間が上陸してからは地上から追い払われ、絶滅が危惧される状態にまで追い詰められました。

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曲鼻猿類は私たちがイメージする「猿」とはやや異なる風貌をしていて、最近まで猿とはされていなかったものも含まれています。また以前はメガネザルもキツネザルやロリスのグループに入れられていましたが、最近の分子生物学的研究の成果によって、オマキザルやヒトなど真猿類に近いことが明らかになりました。

メガネザル類と私たち真猿類を合わせて直鼻類と呼称します。直鼻とは鼻腔がまっすぐで鼻孔が左右そろって前方ないし下方を向いているという意味です。曲鼻猿類・直鼻猿類ともに、分類学上は亜目ということになります。

フィリピンメガネザル(図4 ウィキペディアより)は体長わずか12cm程度の世界最小の猿です。「スターウォーズ」に出てくるヨーダのモデルといわれています。手の指が妙に人間ぽい感じです。古第三紀にはいってすぐという非常に古い時代(約6000万年前)に他の直鼻猿類と分岐したので(図1)、風貌はむしろ曲鼻猿類に似ています。夜行性です。

絶滅危惧種ですが、セブ島近郊のボホール島で観光名物にされていて、ツァーもあるようです。ただそれで得たお金で保護されているというので致し方ありません。

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再び図1をみますと、4000万年前を少し過ぎたあたりでオマキザル上科が分岐しています。新世界猿とも呼ばれるグループで、主に南米に分布します。サキ(図5 シロガオサキ フリーフォトサイト「足なり」より)、クモザル、オマキザルなどがこのグループに所属します。

オマキザル科には、マーモセット、タマリン、オマキザル、リスザルなどが所属します。特にオマキザル属のサルは、チンパンジーにも匹敵するくらい知能が高いと考えられています。道具を使ったり、絵を描いたりすることもできるそうです(6)。

ナキガオオマキザル(7)は、5才の少女(マリーナ・チャップマン)を仲間の一員として迎え、彼女に教育をほどこして共同生活をしていた記録があります(8)。この本は私も購入して読むことにしました。

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オマキザル上科と対照的にオナガザル上科のサルはアジア・アフリカに分布していて、旧世界猿とも呼ばれます。おなじみのニホンザル(図6)もオナガザルのグループに所属しています。尻尾が短いじゃないかといわれるかもしれませんが、それは彼らが北限の猿と言われているように寒い地域で生活するうちに適応したと思われます。長くてあまり使わない尻尾はしもやけになってしまうかもしれません。

オナガザルはニホンザル・マンドリル・マントヒヒなどオナガザル亜科のグループと、テングザル・キンシコウ・コロブスなどのコロブス亜科に分かれています。オナガザル上科とヒト上科(ヒト科とテナガザル科)が分岐したのが、2600万年前あたりとされています。

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最後に残ったヒト上科はテナガザル科とヒト科からなっています。ヒト上科に属するサルを類人猿と呼ぶこともあります。テナガザル科とヒト科が分岐したのは2000万年前あたりとされています(9)。テナガザルは東南アジアに棲息する樹上性・昼行性のサルで、上野動物園などで見ることができますが、野生のものは絶滅危惧種が多い状態となっています。

ヒト科の現存生物はオランウータン・ゴリラ・チンパンジー・ボノボ・ヒトです。これらの系統分岐図を図7に示します。

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オランウータンは他のヒト科グループと1300万年前くらいに分岐しました。オランウータン属はアジアに棲息するわずか2種(ボルネオオランウータンとスマトラオランウータン)からなります。ゴリラやチンパンジーと違って、手でこぶしを作って歩くナックルウォークをしません。樹上生活者ですが、地上を歩くこともあり、その時には指の腹側を地面に接触させて歩きます。

市川動物園でオランウータンの母子を観察したことがありますが、子供が段ボールをちぎって頭に乗せるという遊びを、じっと楽しむように見つめている母親が印象的でした(図8)。母子はずっと一緒にいて、とても親密な感じです(図9)。

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ゴリラはヒト・チンパンジーのグループと700万年前くらいに分岐し、現在はアフリカに子孫を残しています。以前は1種だけだと考えられていましたが、(西ローランドゴリラ+クロスリバーゴリラ)ともうひとつのグループ(東ローランドゴリラ+マウンテンゴリラ)の遺伝的差違が大きいことから2種となっているようです(ウィキペディア、10)。ゴリラは地上に降りたサルで、しかも昼行性です。地上に降りた以上、猛獣に襲われることもあり得るわけで、実際ヒョウに食べられたという例も報告されています。

チンパンジーもアフリカのみに棲息する生物で、1属2種(チンパンジーとボノボ)です。樹上生活者で昼行性ですが、ボノボはかなり地上でも活動するようです。チンパンジーがヒトから分岐したのは、ミトコンドリアDNAの全塩基配列解析から487万年前±23万年とされています(11)。言い換えれば、このときから、ヒトという属あるいは種の歴史が始まったとも言えます。600-700万年前に生きていたとされるサヘラントロプス(トゥーマイ)は、年代から言ってヒト属ではありません。むしろヒトとチンパンジーの共通祖先かもしれません。

ボノボは非常に高い知性をもっており、ヒトと最も近い生物だと言えるでしょう。何しろパックマンでちゃんと遊べるそうですから(12)。ボノボはチンパンジーとは性行動が非常に異なるようです(13)。また争いを好まない平和的な生物だそうで、この点ではヒトよりも進化しているのかもしれません。

最近何万年かの間にヒトは大発展して、現在では環境破壊によって他のサルを絶滅に追いやっているような状況ですが、それまでの時代、ヒト科の生物はマイナーな存在だったと言えます。だいたいオランウータン・ゴリラ・チンパンジ-・ヒトすべて種の数が少なすぎます。それぞれ1属1種か2種という地味さで、これでは世界各地の様々な環境に適応して、各地で繁栄するというわけにはいかないでしょう。例えばオナガザル上科の生物の方が圧倒的に種も頭数も多くて、優位に立っていたと思われます。ヒト科の生物の骨が稀少なのは、それなりに理由があるわけです。ヒトが農業や工業を発展させて大繁栄したというのは、地球の歴史の中で非常に特殊な出来事です。

参照:

1) 「系統樹をさかのぼって見えてくる進化の歴史」 長谷川政美著 ベレ出版 (2014)

2) http://www.seibutsushi.net/blog/2007/04/204.html

3) http://www.cnn.co.jp/fringe/35033430.html

4) The oldest known primate skeleton and early haplorhine evolution. Xijun Ni et al., Nature 498, 60–64 (2013)

5) https://en.wikipedia.org/wiki/Adapiformes

6) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%9E%E3%82%AD%E3%82%B6%E3%83%AB%E5%B1%9E

7) https://www.youtube.com/watch?v=DFV49Ko0o3k

8) 「失われた名前 サルとともに生きた少女の真実の物語」 マリーナ・チャップマン著 宝木多万紀訳 駒草出版 (2013)

9) 「人類歴史年表」 http://www.eonet.ne.jp/~libell/sinkakeitouzu.html

10) 「ヒト科の出現 中新世におけるヒト上科の展開」 國松豊 Journal of Geography 111(6) 798-815 (2002) : https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography1889/111/6/111_6_798/_pdf

11) https://www.nig.ac.jp/museum/evolution/02_c2.html

12) https://www.youtube.com/watch?v=Rh8gfIcjQNY

13) http://bbs.jinruisi.net/blog/2013/06/1147.html





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2016年9月 3日 (土)

JPOP名曲徒然草172: 「ファイト」 by 冨田麗香

Hqdefault冨田麗香さんは1998年から2010年まで関西で活動してきましたが、2011年に上京し、2012年にポニーキャニオンからデビューしました。メジャーデビューまでの道のりがとても長かった苦労人ですが、そのデビュー曲が「ね・・・。~お母さんの桜~」というもので、これはちょっと違うんじゃないかと思いました。

こちら

21世紀の日本はどうもメジャーな音楽はラップと盆踊りを足して2で割ったような(などというと反感を買うと思いますが)曲で、それに飽き足りない女性歌手が中島みゆきに目を付けてカバーするのをよく耳にします。例えば「糸」 by JUJU、吉岡聖恵、植村花菜、まきちゃんぐ、なるぷり、平原綾香、サラ・オレインなど。中島みゆきの時代がじわじわとやってきたようです。冨田さんのみゆきは声に張りと奥行きがあって、感情移入も十分の素晴らしい歌唱です。「ファイト」は頑張れソングですが、一方で「お前らはみんなクズだ、それを自覚しろ」と聴衆をいましめる曲でもあります。

「ファイト」(作詞・作曲:中島みゆき)
https://www.youtube.com/watch?v=RM7xbXEbWf4

「糸」
https://www.youtube.com/watch?v=FN_jXIXOlVw

「悪女」
https://www.youtube.com/watch?v=A1Z6T4Z2bug

「時代」
https://www.youtube.com/watch?v=hSsgBfSbx8s

「The rose」
https://www.youtube.com/watch?v=tlwGIgaJN2w

「悲しくてやりきれない」
https://www.youtube.com/watch?v=gx9L0WMGWCo

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もちろん路上だけでなく、ライヴハウスでも歌っています。

「ひこうき雲」
https://www.youtube.com/watch?v=EaTNfLMUVVw

「グッバイ・マイ・ラブ」
https://www.youtube.com/watch?v=HOPR9_hXs2Y

「元気を出して」
https://www.youtube.com/watch?v=Tf24n0_XZI0

「青春の影」
https://www.youtube.com/watch?v=EbIDsEDymHw

「涙そうそう」
https://www.youtube.com/watch?v=TDS2X-ZruLQ

「ファイト」 茶屋町ボニーラ version
https://www.youtube.com/watch?v=jFa1ndh_bPA

「糸」 阿佐ヶ谷 Rock India version
https://www.youtube.com/watch?v=kbQpb5NMmRw

ウェブサイト:http://tomitareika.com/

ブログ:http://ameblo.jp/treika/

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闘病

Codein - Codeine.svg

風邪をひいて咳が止まらないので、鎮咳剤を連用していたところ体調が非常に悪化して医院に駆け込むことになりました。診断は私自身も疑っていた通り、喘息が風邪を契機に劇症化たということで、現在治療中です。

鎮咳剤の主成分はリン酸コデイン(図)で効果は素晴らしいのですが、連用すると副作用が出ます。コデインはモルヒネと構造がよく似ていて(図の右端のメチル基がないのがモルヒネ)、作用機構もほぼ同じなので、いわゆる麻薬ですね。私の場合からだがダルくて動きたくなくなるという副作用でした。

現在ようやく抜けてきて、体が少し軽くなってきた気がします。ただ喘息の治療薬を7種類も服用しているので、胃が痛くなるのが目下の困難です。

内科・小児科の医院はすごいです。子供にとってここは恐怖の館であり、全力で泣く子が多いので阿鼻叫喚です。でもなかには、母親とずっとひそひそ話をしていて、診療室からも笑顔で出てくる3才くらいの子もいて、子供と親密につきあっている親は素晴らしいと思いました。

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