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2016年7月31日 (日)

小泉-都響 ブラームス交響曲第2番@ミューザ川崎2016年7月31日

Imgaある理由で部屋の徹底清掃をやったら、埃を吸い込んだせいか体調最悪となり、今日のミューザ川崎は無理かと思いましたが、朝起きるとそこそこ恢復していたので、おそるおそる川崎まで出かけることにしました。

幸いにして無茶苦茶暑くはなく、無事にミューザ川崎に到着。ここは素晴らしい音響のホールで、マリス・ヤンソンスも気に入って、バイエルン放送交響楽団をつれてくるそうです。

食事せずに出かけたので、ミューザのどこかでと思ったら、これが大変。正面玄関のマクドナルドもエクセルシオも広ーいお店なのに満員。サイゼリアに至っては25分待ちということで、結局立ち食いとなりました(泣)。圧倒的にレストランの収容力が足りません。これがミューザ川崎の泣き所です。

本日の指揮は小泉さん、コンマスは矢部ちゃん、サイドはマキロン。とはいえビオラトップ、チェロトップ、オーボエがエキストラで都響も夏休みモードか、と思ったらとんでもない。エキストラも大奮闘で素晴らしい演奏を展開しました。

弦楽のアンサンブルがホールのアシストもあってとりわけ絶好調でした。特に1Vnのマシュマロ感触のやわらかで変幻自在なフレージング。コントラバス(池松気合い十分)から激しく盛り上げるトゥッティ。特にブラームスの第2楽章は都響らしい味わい深い演奏で、深い感銘をうけました。アラン・ギルバートのマーラーもなかなか良かったですが、個人的には今日の演奏がさらに好きですね。ブラボー小泉。

Img_1308最後に入り口でみかけたストリート・ミュージシャンの写真を1枚。多くの場所でパフォーマンスが禁止されている中で、ミューザ川崎が許可を出している(あるいは積極的に関わっている)のは素晴らしいことだと思います。

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2016年7月28日 (木)

都知事候補6名がテレビ局とBPOに要望書を送付

都知事候補6名がテレビ局とBPOに要望書を送付

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放送法第4条 

放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。

一  公安及び善良な風俗を害しないこと。

二  政治的に公平であること。

三  報道は事実をまげないですること。

四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

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放送法第4条が法的義務か倫理規定かという問題については議論がありますが、高市総務大臣ははっきり法的義務だとして、違反した場合放送局に停波を命じる可能性があると発言しています。

私は放送局にも左右があって良いと思っていますが、こと選挙に関しては厳密に放送法第4条を守った方がよいと思います。なぜならこの規定は独裁政治から放送局を守る意味もあるからです。

ここで今大問題が発生しています。

なぜ高市総務大臣は民放東京キー局すべてに停波を命じないのでしょうか? 今回の都知事選挙での報道において、97%の時間が特定の3人に与えられ、残りの18人はあわせて3%の時間しか報道されていないというのは、政治的公平を著しく欠いています。編集権による裁量を完全に逸脱しています。

こんな著しい不公平でも停波を命じないのなら、高市総務大臣は「放送法第4条に違反した場合、停波を命じる可能性がある」という発言を撤回すべきであると思います。

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http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamaguchikazuomi/20160726-00060412/

以下↑より引用:

上杉氏ら候補者有志6人はこうした報道姿勢を、有権者に対して多様な情報を提供し、多様な選択肢の存在を伝えるという報道機関としての責務を放棄しているばかりか、「政治的に公平である」とする放送法第4条1項2号に違反する可能性があると批判し、上記の民放4社に即時の是正を求める「要求書」を26日付で送付した。

候補者有志らは同時に、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会に対しても、この不公正な報道姿勢について審議対象にするよう要望する「要望書」を送った。放送業界全体がこの問題に対して、どう対応するかが注目される。

:引用終了

(管理人)全く上杉氏らの言うとおりで、このままだと総務大臣は辞任で選挙を無効にするか、最低でも民放4社にはなんらかのペナルティーを課す必要があります。今から改めても、もう選挙は終盤戦ですから意味ありません。

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2016年7月27日 (水)

日本会議と小池百合子

小池百合子に一票投じようという人は、彼女が日本最大の極右団体「日本会議」のメンバーであることを無視すべきではないでしょう。実際日本会議国会議員懇談会の副会長のポストについているそうです。
http://madonna-elegance.at.webry.info/201606/article_23.html

日本会議に所属する国会議員のリスト
http://www.nipponkaigi.org/voice/10years

日本会議とは(管理人の過去記事)
http://morph.way-nifty.com/grey/2015/06/post-3e29.html

日本会議は何をめざすか(日本会議のHP)
http://www.nipponkaigi.org/about/mokuteki

日本会議がやってきたこと(アマゾン書評「日本会議とは何か」上杉聰著 より)

本書の特徴は、一種の国家神道カルトである宗教右翼「日本会議」の反憲法運動の実態や、歴史修正主義史観による歴史の偽造(戦前を美化する靖国史観)を進めるために、いかに育鵬社の教科書を大阪で大量採用させたのかという実態が詳しく記されています。各地で右翼的な育鵬社の教科書が多く採用されるようになっていった背景には、日本会議とそれに属する地方議員たちの暗躍があることがよく分かります。また、日本会議が育鵬社の歴史教科書を大阪で採用させるために行った組織的活動は、まさに教育に対する不当な介入とも言えるような行動であることも本書を読むと分かります。「日本会議」と極右人種差別団体「在特会」との関係にも触れられているなど、菅野氏の「日本会議の研究」では触れられていないことも多く書かれており、既に「日本会議の研究」を買ったという人にも読んで欲しい良書です。

在特会との関係
http://lite-ra.com/2016/07/post-2433.html

ネット工作員との関係
http://lite-ra.com/2016/07/post-2448.html

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2016年7月26日 (火)

アラン・ギルバート-都響のマーラー交響曲第5番@サントリーホール2016年7月25日

Imgaアラン・ギルバートのマーラーははじめてなので、期待に胸が膨らみます。とりあえず森ビルの水内庵(みのちあん)にはいると、やはり都響メンバーが数人食事していました。開演前にここにくると、メンバーが誰もいないということはまずありません。

チケットは完売で、平日にもかかわらず満席で、C席裏の予備席もすべて埋まっていました。始まる前から熱気が感じられました。プログラムにニューヨーク時代のマーラーの写真がでていて、これははじめてみました。やせこけていて、かなり体調が悪そうな感じでした。これではトスカニーニに職を奪われたのもやむをえないのかな?

本日のコンマスは矢部ちゃん。サイドは四方さん。シノトモが復活していました。村田さんがビオラのトップサイドでしたが、これははじめてかな?

最初のモーツァルトから、アランはその肉食系の指揮で都響に襲いかからんばかりの勢いです。この徹底的にアグレッシヴな演奏は、それなりにモーツァルトの意図を正しく表現しているのかなとは思いました。これで5番をやって、オケの体力が持つのか、ちょっと心配になりました。

休憩後の5番は予想したとおり、メンバーに芸術家としてだけでなく、一流のアスリートとしての仕事も要求する苛烈な演奏でした。第2楽章冒頭の管楽器のアンサンブルには、ちょっと首をかしげるところがありましたが、あとはもうアラン-都響のなすがままに心をゆすぶられました。第4楽章も吉野さんの素晴らしいハープの先導で、深くえぐられるような弦楽の響きに圧倒されました。ただこのような演奏がこの楽章のベストかというと、疑問は残ります。

それにしても、前回「指輪」を演奏したときとの印象がかなり異なっていました。アラン時によって肉食系・草食系を使い分けるマヌーバーな人なのかもしれません。

終了後、アランはすぐにコントラバスのところにいって主任と握手していましたが、これはリハで何か要求して、それを都響がなんとかこなしたことに対する敬意なのでしょう。最後はトランペットの高橋さんと、ホルンの西條さんをともなってのカーテンコールでした。観客席もスタンディングオベーションで大いに盛り上がりました。

ところで、その高橋さんとコントラバスの池松さんの対談で、池松さんが素晴らしいコメントをしていたので紹介します。楽譜を見ながらどうぞ。

Photo

第4楽章の Vn 4音目
確かに、あの冒頭の「ボン!」というコントラバスの音は聴いていても快感です。

池松宏「僕はあそこにすごく強烈なイメージを抱いていて、おねしょをする夢を想像するんです。夢の中でトイレを探して探してもう耐えられない!というのがヴァイオリンが「ミ」を伸ばしてるところで、トイレが見つかって、これ以上我慢できない限界で用を足せて安心したところがコントラバスのピッツィカート。夢だと気がつく前におねしょした布団が「ほわ~」と暖かくなる感じもぴったりですね。我慢して我慢して先にちびったりしちゃダメなんです(笑)」

管理人:マーラーは最初に Sehr langsam (非常に遅く) というテンポの指示を出しておいて、さらに第1Vnの最初の3音に molte rit. (強くリタルダンド)って、音楽停止するでしょう?

マエストロ・ベルティーニはここで両手を上げて目一杯伸び上がります。
https://www.youtube.com/watch?v=HPbrQetfG8o

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2016年7月25日 (月)

核武装論者が都知事になるのか?

A1830_000010小池百合子氏は、もともとは核武装論者であることを忘れてはいけません。

「軍事上、外交上の判断において、核武装の選択肢は十分ありうるのですが、それを明言した国会議員は、西村真悟氏だけです。わずかでも核武装のニュアンスが漂うような発言をしただけで、安部晋三官房副長官も言論封殺に遭ってしまった。このあたりで、現実的議論ができるような国会にしないといけません」

http://lite-ra.com/2016/07/post-2438.html

リテラ編集部:権力志向の塊である小池氏はそれこそ、自分の支持が広がり、権力獲得に繋がるなら、なんでもやる。世間の空気に簡単に乗っかって、さらにそれをエスカレートさせるような扇情的な政策を打ち出す。こういう人間こそが、戦争を引き起こすのは、過去の事例を見ても明らかだろう。

管理人:自民党に反逆しているようにみえる小池氏ですが、当選すればたちまち晋三一家にすりよって一体化するでしょう。都連会長の石原氏は晋三の政敵で(2012年の総裁選挙では、議員票は晋三より多かった)、石原氏が都連と小池氏の板挟みで苦境に陥れば陥るほど晋三は高笑いです。

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2016年7月23日 (土)

やぶにらみ生物論26: 白亜紀の生物1

ジュラ紀につづく白亜紀(Cretaceous period)は1億4500万年前から6600万年前までの時代です。ジュラ紀と白亜紀の境界には絶滅などのイベントはありません。この時代に有孔虫・サンゴ・貝類などが繁栄して、彼らが残した石灰石のために地層の色が白くなって、このような名前が付けられました。この時代にパンゲア大陸はさらに細かく分裂し、現在とほぼ同じ大陸が形成されました。気候が比較的安定していた上に、大陸が海で隔てられたことにより、生物の多様化が進行しました。生物にとって住みやすい時代だったと言えますが、それは総論であって、個体にとっては油断するとあっという間に他の動物のエサになってしまうという危険な時代でもありました。

生存競争を勝ち抜いて、地上を制覇したのは爬虫類であり、とりわけ竜盤類と鳥盤類が目立つ存在となりました。竜盤類のなかでも竜脚類は巨大な草食生物となり、獣脚類は雑食または肉食生物の道を歩むことになりました。一方鳥盤類は基本的に草食生物ですが、特異な武器や防具を進化で獲得し、獣脚類に対抗しました。

鳥盤類の系譜は図1のようになります。ただしこれはもちろんファイナルバージョンではなく、研究者の意見も異なりますし、数年後には科学の進展に伴って改良された分岐図が発表になるかもしれません。

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ピサノサウルスは三畳紀の最初期の鳥盤類とされていますが、骨格は部分的にしか発掘されていません。レソトサウルスはジュラ紀初期の鳥盤類で、植物食で2足歩行を行っていたようです。体長は1mくらい、体高は40cmくらいです。白亜紀には分岐図右下の鳥脚類がメインとなりました。鳥脚類を代表する恐竜イグアノドン(図2 ウィキペディアより 特に断らない限り以下同)は、19世紀から化石が発掘され、古くから研究されています。体長7~9mの巨大な4足歩行の植物食の恐竜で、巨大竜脚類と同様な生き方をめざしていたようです。竜脚類のような長い首はありませんが、歯は竜脚類より優秀な、すりつぶしに適した臼歯を多数持っていました。

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また周飾頭類を代表するトリケラトプス(図3)も白亜紀を生きた恐竜としては有名です。イグアノドンと同じくらいの大きさの4足歩行植物食恐竜ですが、大きく異なるのは顔面に巨大な角があることと、顔の周りにフリルがついていることです。角は人間で言えば鼻の頭と眉毛の部分に計3本あって、トリケラトプスの名前の由来となっています。この武器は肉食獣脚類と戦うのに十分役に立ったでしょう。フリルも防具として役だったと思います。

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さてもう片方のグループ竜盤類です。竜盤類は主に竜脚形類と獣脚類からなります。竜脚形類についてはジュラ紀のところで説明したので、ここでは獣脚類について述べますが、まず分岐図(図4)を見て下さい。初期の獣脚類の例として、三畳紀のコエロフィシスがよく研究されています(図5)。米国ニューメキシコのゴーストランチで大量の化石が発見され、彼らは群れで暮らしていたことがわかりました。この写真は親が子に1本の骨を与えているところのようで、彼らの社会性を強調するディスプレイでしょう。

コエロフィシスは完全2足歩行で(すなわち手が存在する)、手足の指は4本ずつあり、獣脚類を特徴付ける中空の部分がある脊椎骨と四肢骨を持っていました。すでに三畳紀において獣脚類の基本は確立されていたわけです。しかもこれらの特徴は、現在の鳥類にも受け継がれています。

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獣脚類の特徴として、後肢が体の真下についていて、まっすぐ前に踏み出せたということがあります。ファッションモデルの歩行のように、足跡が1直線になっている化石もあります。現在の鳥類にもこのような歩き方をするものは少なくありません。このような特徴によって、他の爬虫類より足が速いというアドバンテージを得ることができました。

図4を見ていただくと、コエロフィシスらと分かれてテタヌラエというグループがあり、その根元の分岐にスピノサウルスという名前があります。スピノサウルスは白亜紀に棲息した獣脚類ですが、かなりユニークで特筆すべき生物です。まずその大きさですが、なんと体長が15~17mもある、ティラノサウルス以上の巨大な肉食生物で、私も国立科学博物館で全身骨格をみて驚きました(図6)。

水中で獲物をとるワニのような生き方をしていたと考えられています。また背中に「帆」を持っていました。多くの獣脚類が羽毛をもっていたと考えられていますが、スピノサウルスの場合水中では羽毛は役立たないので、帆を進化的に獲得したものと思われます。あるいは、このような巨大生物の場合、温暖な環境で激しく動くと体温が上昇しやすく、熱を逃がすことが必要で、帆はラジエーターの役割を果たしていたのかもしれません。いずれにしてもスピノサウルスは完全な内温動物ではなかったと思われます。

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スピノサウルスなどと分岐したアヴェロポーダというグループが獣脚類のメインストリームです。コエルロサウリアに属する白亜紀の小型恐竜シノサウロプテリクス(図7 幕張メッセにて撮影)は、恐竜としてはじめて羽毛の化石が見つかった生物で有名です。それは1996年のことですから、そんなに古い話ではありません。

その後化石にメラノソームが含まれることがわかったり、メラニンの化学分析などがすすんで、図7の毛色には多少の科学的根拠があります。獣脚類は一般に肉食と言われていますが、ティラノサウルスやマニラプトルを分岐する前のコエルロサウリアは植物食だったそうです(1)。マニラプトルがすべて肉食だったわけでもないようです。

またシノサウロプテリクス以来、続々と羽毛の化石が発見され、コエルロサウリアやその子孫は一般的に羽毛恐竜であったと考えられています。私が2012年に幕張メッセでシノサウロプテリクスを見たときに書いた記事がありますので、参照して戴ければ幸いです(2)。シノサウロプテリクスの羽毛の化石を再掲しておきます(図8)。この過去記事の分岐図(2)と、ここで示した分岐図(図4)には違いがありますが、どちらが正しいかは今後の研究をまたなければなりません。

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コエルロサウルスの仲間から進化した生物の中に、最も有名な恐竜であるティラノサウルス(またはティランノサウルス 図9)がいます。スピノサウルスには及びませんが、体長は11~13mの巨大なハンターで、白亜紀後期における百獣の王に相当する生物であったことは間違いないでしょう。進化の系譜からみてティラノサウルスも羽毛を持っていたと考えられています。ただし巨体だったので、生体には無用の長物で幼体だけにあったという説もあります。白亜紀前期の地層からティラノサウルスをそのまま小型にしたようなラプトレックスも発掘されています。手が小さくて指が2本、頭が巨大というようなティラノサウルスらしい特徴を持っていました。

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ティラノサウルスが優秀なハンターだったかどうかについては意見が分かれていて、極端な例ではその走行速度は時速4kmだったという人もいます(3)。体が巨大なので、2本足で速く走るには物凄い量の筋肉が必要だそうです。それに彼らはハンターとしては異常に幅広く巨大な歯を持っていて、しかも3t~8tの異常に強力な噛み砕く力も持っていた事が知られています。しかも手にはエサを切り裂くような構造がありません。このことから、彼らはひからびてコチコチになった屍体を噛み砕いて食べていたのではないかと推測する人もいます(3)。

最近の研究によると、ティラノサウルスの仲間は知能は低いが、聴覚・嗅覚・視覚は優れていたとされています(3)。私の想像では、彼らは巨大草食恐竜のコロニーを襲って、幼体をエサにしていたのではないかと思います。獲物の親は鈍足なので、逃げる際に特に速く走る必要もありません。ただし尾によるムチ攻撃は避ける必要があります。そのためには就寝中に襲い、大きな口と歯で一気に幼体の息の根を止めて屍体をくわえて逃げれば、それほどリスクを背負わずに食事ができたのではないでしょうか。同じコロニーを何度も襲うのはリスクが大きいので、草原をさまよい、鋭い聴覚・嗅覚・視覚でコロニーを探知して新たな獲物をさがす毎日だったのでしょう。もちろん他の肉食動物が食べ残した骨をかじって飢えをしのいだこともあったのでしょう。

中にはティラノサウルスは時速50kmで走ることが可能だったと言っている人もいて、まだまだティラノサウルスの謎は未解決です。

ティラノサウルスの化石の中に、生化学的に解析可能なコラーゲンが残っていたらしく、アミノ酸配列を解析した研究者がいて、彼らによるとそれがニワトリとよく似ていたと報告しています(4)。しかし解析した領域が少ないことから異論も多く、まだ賛同者は多くはありません。DNAを解析すればいいのではないかと思いますが、さすがにこれだけ古い時代のDNAは信頼できる形で残ってはいません。あるとすれば、ジュラシックパークでやっていたように、恐竜の血を吸った蚊がコハクに閉じ込められたのをみつけるとか、かなり特殊な方法でないと解析はできません。

コエルロサウルス類の子孫の中で、ジュラ紀に上記のティラノサウルス類という巨大肉食恐竜に進むグループとは別の道を選んだグループがマニラプトラです。マニラプトラはティラノサウルスとは逆に、小型の体型で雑食性の生き方を選びました。ジュラ紀の生物2(5)で示したアンキオルニスはマニラプトラの基部に近い生物のひとつだと思われます。マニラプトラはオヴィラプトラとエウマニラプトラに分岐します。オヴィラプトラを代表するオヴィラプトルは体長2mくらいの生物ですが、抱卵している状態の化石がみつかっており、しかもその卵にはヒナが認められることから、現在の鳥類と同様卵を温めて孵化させていたと考えられています。そのためには彼らは当然内温動物だったということになります。しかし彼らは鳥類の直系の祖先ではなく、もう一つの分岐であるエウマニラプトラが鳥類の直系の祖先です。

図4の分岐図を見ていただくと、エウマニラプトラはふたつのグループに分岐し(おそらくジュラ紀に分岐したと思われます)、片方はトロオドン・ドロマエオサウルス・デイノニクスらのグループ、もう片方は現在も繁栄している鳥類のグループです。前者を代表する生物のひとつがデイノニクス(ドロマエオサウルスと近縁)です。私が幕張メッセで撮影したパネルの写真を貼っておきます(図10)。上は羽毛恐竜説が一般的になる前の復元で、下が現在の復元です。デイノニクスは白亜紀前期に生きた体長2.5~4mの中型恐竜ですが、時速50kmで走ることができたと考えられています。デイノニクスと近縁で白亜紀後期の生物にヴェロキラプトルというのがいて、ジュラシックパークにも登場しますが、実は映画でヴェロキラプトルという名で登場する生物のモデルはデイノニクスです。

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2009年に中国のジュラ紀の地層から風切羽をもつトロオドン類の生物が発掘されました。このことはエウマニラプトラがふたつのグループに分岐した頃から、一部の生物は風切羽を持っていて、滑空・飛翔の方向に進化し始めていたことが示唆されます。図11は白亜紀前期のトロオドンの一種(ジンフェンゴプテリクス)ですが、きわめて鳥類に近いことがわかります。このような絵をみると、素人目には分岐図においてトロオドン類をもっとアーケオプテリクスに近い位置にしたほうがよいのではないかと思いますが、さてどうなのでしょうか。最後に残った鳥類の進化、そして哺乳類については次稿にしたいと思います。

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1) こちら

2) http://morph.way-nifty.com/grey/2014/04/post-fcbc.html

3) 「恐竜学入門-かたち・生態・絶滅-」 Fastovsky, Weishampel 著 東京化学同人 2015年刊

4) http://news.nationalgeographic.com/news/2008/04/080424-trex-mastodon_2.html

5) http://morph.way-nifty.com/grey/2016/07/post-6720.html

分岐図は文献3)を参考にして作成しました。

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2016年7月21日 (木)

オリンピックとドーピング問題

292pxolympic_flag_svg組織ぐるみのドーピングが発覚し、8月のリオデジャネイロ五輪にロシア陸上チームが出場できなくなった問題で、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は21日、出場を求めるロシア側の訴えを却下したと発表しました。

http://www.asahi.com/articles/ASJ7P5W89J7PUTQP02T.html

選手ではなく、国家にペナルティーが与えられたわけです。この問題の根底には、本来アマチュアスポーツの祭典であるべきオリンピックが国家主義に汚染されていることがあります。ドーピングもいたちごっこで、テストでばれないものが次々と開発されて、テスト機関も限界に近い状態だそうです。

近代オリンピックは国威発揚ではなく、経済効果を狙ったものだという人もいます。確かに日本などではその要素が濃いと言えそうですが、そうではない国も多いと思います。論点が少しずれますが、経済効果というのは=富の移転ということです。すなわち税金を土建業者やオリンピックにぶら下がっている企業や団体にばらまくという意味です。

私が提案したいのは、オリンピックで国歌・国旗の使用を禁止したらどうかということです。ベルリンオリンピックがナチスに利用されたことはよく知られていますが、ロシアも国威発揚のためにドーピングを組織的に行ったのではないでしょうか。

国威発揚を抑制し、個人やチームの栄誉を讃えるようにすれば、ドーピングをやる意義が希薄になり、今回のような事態は避けられると思います。国家は参加者の旅費・宿泊費は支払っても、合宿費・コーチへの援助・メダル獲得者やチームへの金銭的援助は廃止すべきです。

私は一部の人々が提唱しているように「オリンピックは廃止すべきだ」とは思いませんが、「オリンピックからプロ選手を排除すべきだ」とは思います。そうなっても、意外にサッカーや野球も面白いと思いますよ。プロチームに所属していても、ほぼ無給なら立派なアマチュア選手として認めたらどうでしょう。

そしてどんな邪悪な行為を行った国家に所属する選手にも参加を認めるべきです。それが本来のオリンピック精神でしょう。

クーベルタン男爵が提唱したオリンピックの精神:
(日本オリンピック委員会のHPより 
http://www.joc.or.jp/olympism/coubertin/

「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍など様々な差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」

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オリンピックへの疑義
http://nishidanishida.web.fc2.com/view_32.htm

オリンピックで国威発揚は、もう古い!?
http://okwave.jp/qa/q7631428.html

2020年の日本には発揚する国威もない
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20130911/1378858508

オリンピックは国威発揚のイベントか
http://odoratec.hatenablog.com/entry/2015/06/16/164247

オリンピックが決まった途端にこうなっちゃうの!?
http://blogos.com/article/69840/

ナチス・ドイツのオリンピック
http://inri.client.jp/hexagon/floorB1F_hss/b1fha621.html

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2016年7月20日 (水)

関西

関西に行っていたので、ブログの更新が遅れ目になりました。関西に行くとまずどぎまぎするのがエスカレータです。東京は左ステイ、右ムーヴですが、大阪は左ムーヴで、右ステイ。右利きの人が多いことを考えれば、右ステイ(右手で手すりを持つ)が自然だと思うのですが、どうして東京で逆になったのか不思議です。さらに神戸は関西流なのに、京都は関東流というのも不思議です。

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これは阪急六甲駅に停車しようとしている阪急電車です。遙か昔からこのシックな色の電車のみで、その潔さにいつも感心します。阪急六甲駅は昔はメジャーな駅だったはずですが、今は岡本駅や夙川駅に停車するようになった特急も停車せず、すっかりローカルな駅になってしまいました。

帰りの新幹線のテロップで大橋巨泉氏の死を知りました。「安倍総理はおそろしい」というのが遺言となりました。あれれ、東海道新幹線が不通になっています・・・。 私はその前に小田原を通過してセーフ。

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2016年7月17日 (日)

熊木杏里 「飾りのない明日」 @銀座ヤマハホール

Imga休日の銀座に来たのはもう10年以上前だったので、かなりカルチャーショックをうけました。中央通りがホコテンになっていて、新橋との境目あたりに多数のバスが乗り付けて、中国人観光客がどっとはき出されます。注意していると、ホコテンを歩いている人の80%以上は中国人でしょう。

しかも縁石をベンチがわりにして、ずらっと人がすわっています。みんなのんびりしている様子です。買い物命というのではなく、スモッグに悩まされる彼らにとって、ホコテンのきれいな空気と、湿度の高いまったりした環境、そして格調高い街の雰囲気というのは「オアシス」そのものかもしれません。私は確信しました・・・日本は中国人相手の物販と観光で生きていける。

私は熊木杏里の「飾りのない明日」エクストラ・ショーが目的だったので、ヤマハホールに急ぎました。ここは最近田部京子のリサイタルで来たばかりだったので、迷い無く到着。

今日の公演はヤマハ移籍で急遽決まったもので、中国ツァーの凱旋公演ともなりました。今回も会場は満席。最前列に8番イニエスタのゲームシャツを着ている男がいてびっくり。

本日のセットリスト
http://www.livefans.jp/events/645660

ピアノ伴奏(扇谷研人氏)と本人のピアニカだけのサポートで、ややカルトな構成だったと思いますが、「こと」や「君」を聴けたのはうれしい。

「こと」
もともとピアノ伴奏の曲だったので、今回きっとやるとは思っていました。クマッキー畢生の傑作。
https://www.youtube.com/watch?v=iWfCmIDnvQQ

「君」
非常に格調高いメロディーと歌詞で、まるでクラシック音楽のようです。
https://www.youtube.com/watch?v=a6_1LGDYd0o

「飾りのない明日」
ツァーのタイトルになっているナンバー。 キーが高いせいか、練習しているとお子さんに「もうやめて」と言われたそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=TH4j2WtK7sU

休憩のかわりに「夢のある喫茶店」というラジオ番組の収録が行われました。扇谷さんとの名コンビで楽しい雰囲気でした。クマッキーは非常に健康そうで、これからも活躍を期待できそうです。

以前に毎年アルバムを出版することが生命線だと言っていましたが、実際には「ファンが存在すること」が生命線なんだよね。

ライヴの画像
http://ameblo.jp/anri-kumacky/

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今回ちょっと注目していたのは、このような最高のホールでPAの音がどうなるかということでした。結果はやはり満足できるものではありませんでした。80%くらいしか歌詞がききとれません。これではライヴハウスや家庭オーディオの音声に完敗です。音響の設定が間違っているのではないかと思います。これではヤマハホールでやっている意味がありません。

ただメインのマイクより、ピアノそばのマイクで歌ったときのほうが聞き取りやすかったので、マイクの問題も多少あるかもしれません。「夢のある喫茶店」での音声は100%聞き取れたので、音量は小さくなっても、ややオフマイク気味に歌った方がよいのかもしれません。PAに限界があるとするならば、その他の方法でいろいろ工夫してみてほしいと思いました。

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2016年7月14日 (木)

村上正邦氏 インタビューに答える

51xfv69ie0l__aa324_pikin4bo_2日本会議の設立者のひとりであり、日本の右翼の泰斗として知られる村上正邦氏がヤフーニュースのインタビューに答えています。

http://news.yahoo.co.jp/feature/256

彼は今回の参議院選挙の結果について語っています。

1.参院選の選挙運動期間中、(安倍総理は)アベノミクス、カネの話ばかりしていた。それなのに、選挙が終わった途端、憲法改正を言い出している。姑息なんですよ! 姑息すぎる。

1.安倍さんの希望は「憲法改正に手を付けました」と名前を残したいだけなんだよ。

1.現実的かもしれないが、私からすると苛立たしい。アメリカにはいいように利用されている。ただ、岸さんだって、実際はアメリカとの関係を重視して、主義主張は捨てて柔軟に適合してきた。そういう意味では、孫も似ているかもしれない。

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インタビュアー「村上さん自身は現行の憲法をどのように改憲すべきと考えていますか。」

村上「明治憲法に戻すんですよ。いまの日本国憲法はアメリカが占領しやすいようにつくった憲法なんだから。もともと日本には明治につくった大日本帝国憲法がある。だから、その明治憲法に復元する。」

村上氏は安部総理より、ずっと信頼できる人という感じがします。まあ明治憲法に戻すという思想については論外だとは思いますが。

ちなみに彼のルーツである「生長の家」も今回の選挙では野党支持にまわりました。

私が特に関心を抱いたのは、安保法制の強行採決があったあと、村上氏は自分の事務所に山本太郎氏を呼んでふたりで議論したという話です。

思想信条は異なっても、山本氏の「議論を尽くしたい」という姿勢に共感を覚えたからだそうで、こういう人材が集まって、はじめて憲法の議論ができるのだろうと管理人も痛感しました。

姑息なボスの周りには、姑息な人材ばかり集まります。テレビ局の編集にこまかく注文をつけたり、スポンサーに圧力をかけたり、反政府的なウェブサイトに圧力をかけたり、しらずしらずのうちに憲法を有名無実にする(ナチス方式)とか、ともかくこんな政権でまじめに議論なんてできないでしょう。




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2016年7月12日 (火)

田部京子ピアノ・リサイタル~ドイツの思い出を訪ねて

Imga今年2回目の平日マチネ。団塊の世代が定年になってから、このようなコンサートが増えてきました。本日の田部京子のコンサート@浜離宮朝日ホールも満席です。

地下鉄を出ると、なんと朝日新聞社の前に街宣車が止まっていて、大音響で軍歌のような歌を流していました。どうやら反朝日のキャンペーンのようです。どうみても駐車違反でしょう。どうして警察が取り締まらないのか不可解です。ホールに聞こえてしまうのではないか心配です。

田部さんは薄紫色の衣装で登場。最初の曲「夏の名残のバラ」は、日本では「庭の千草」で知られている曲です。もともとアイルランド民謡ですが、メンデルスゾーンが小品に編曲してピアニストに提供しています。田部さんの演奏がYOUTUBEにアップされています。

https://www.youtube.com/watch?v=G-faLeIomyc

「テンペスト」は女性らしい繊細な解釈で、イングリット・フリッターほどとんでる感じはありませんが、はっとするようなシーンがいくつかありました。むしろベートーヴェンがどのような効果を狙って作曲したのか、考えさせられるような部分が増えました。

これは田部さんの弟子である辻井伸行の「テンペスト」。彼はかなりアグレッシヴにやっていますが、今日の田部先生の演奏を聴くと、やはり先生の演奏は非常に考えられ、洗練されていると再認識しました。これはまあ年の功だと思います。↓

https://www.youtube.com/watch?v=24OPuC09fVc

休憩後のトークタイムは、田部さんがベルリン滞在時の写真をたくさん紹介していただいてとても面白かったです。このホールで巨大な銀幕が降りてくるとはびっくり。その中にメンデルスゾーンの絵があって、彼の音楽も16分音符が多くて、絵と同様とても繊細な仕様と説明してくれました。

メンデルスゾーンの絵です(ウィキペディアより)↓

Ansicht_von_luzern__aquarell_mend_2

田部さんがベルリンに留学したのは1988年秋だったそうで、ベルリンの壁が崩壊した夜(1989年11月10日)には、そんなことがあるとはつゆ知らず、夜間レッスンのあとお友達と食事して、マクドナルドでだべっていたら、どんどん人が集まってきて異様な雰囲気になったのでびっくりしたそうですが、何が起こったのか知ったのは、翌日日本から電話がかかってきてからだそうです。テレビも見ないし、新聞も読まない、ある意味よき時代だったわけですね。それにしても当時の田部さんの可愛いルックスにも感動しました。

ちょっと驚いたのは、壁崩壊の前は制限一杯の25マルク(2500円)持って東ベルリンに行くのが楽しみで、これでオペラを見て、フルコースのお食事をして、おつりがきたそうです。これまたよき時代だったのでしょう。

シューマンの交響的練習曲は大好きな曲で、大変楽しめました。この曲は、同じ田部さんの演奏で、同じホールで聴いたことがあり、記事も書いています↓。今日もまったく同じ感想です。田部さんにとっても、ミュンヘンで弾いてコンクール審査員に認められ、出世のきっかけになった曲で想い出深いそうです。

http://morph.way-nifty.com/grey/2008/06/post_7a14.html

アンコールはトロイメライでした。

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2016年7月10日 (日)

やぶにらみ生物論25: ジュラ紀の生物2

地球史の中での生物多様性の推移を示した図1(ウィキペディアより)を見てください。カンブリア紀・オルドビス紀に順調に増加していた生物多様性が、デボン紀(矢印A)から三畳紀(矢印B)の2億年弱の間、徐々に低下しています。しかしジュラ紀にはいると反転して上昇をはじめています。これは生物が住む環境が豊かになったことを意味していると考えられます。

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ジュラ紀・白亜紀の豊かな環境の中で、地上で最も繁栄したのが竜盤類(竜盤目)です。鳥盤類と竜盤類が分岐したのは三畳紀と考えられ、その後図2(管理人作成)に示すように、原始的な竜盤類から獣脚類のグループと、竜脚類・古竜脚類(まとめて竜脚形類)のグループに分かれました。

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竜盤類の中で最も鳥盤類との分岐点に近い生物は、今のところテコドントサウルス(図3 ウィキペディアより 以下同)が第一候補でしょう。竜脚形類に所属します。彼らは三畳紀に生きていた体長2m程度の小型恐竜です。初期の鳥盤類と似ています。三畳紀に生きていた恐竜では、プラテオサウルスもよく知られています。

ひとつ問題があって、それはテコドントサウルスもプラテオサウルスも後ろ足の指が4本で、5本の指を持つ竜脚類とは直接つながらないということです。そういうわけで、これらはとりあえず古竜脚類として別枠におさめられています。またエオラプトルも以前は獣脚類に近いとされていましたが、竜脚形類のグループに属するのではないかとも言われています。竜盤類や竜脚形類のルーツについては、まだまだ議論の余地があります。

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哺乳類が肺の拡張や横隔膜収縮、すなわち胸郭周囲の筋肉による呼吸を発達させたのに対して、鳥類は気道に気嚢というポンプを設置し、空気の吸い込みと押し出しを複数のポンプによって効率化していることが知られています。鳥類の祖先である竜盤類も気嚢システムを持っていたのではないかと推測されていて、多少の証拠もあります(1,2)。

鳥類の直接の祖先である獣脚類はもちろんですが、竜脚類は巨大化した種が多かったので、体温が上がりすぎるのを防ぐためのラジエーターとしてや、また重すぎる骨の重量を軽くするための空洞として利用するなど、より切実に気嚢システムが必要だったのではないかと思われます。空を飛ぶ鳥は、竜脚類とは別の理由で体重を軽くするために骨を空洞化して、気嚢システムの一部として利用しています。鳥類の呼吸システムは哺乳類より優秀で、標高1500メートル(ほぼジュラ紀の酸素濃度)ではほぼ2倍の効率で酸素をとりこめるそうです(4)。鳥類の中にはヒマラヤ山脈を越えて渡りをする者もいるので、呼吸システムの優秀さは哺乳類をはるかに凌駕しています。

恐竜の中で、竜脚類(科と目の中間の分類群)は基本的に植物食です。ジュラ紀のはじめ頃に生きていた原始的な竜脚類としてヴルカノドン(図4)があげられます。背中が人の身長くらいの控えめなサイズの竜脚類です。後ろ足の指は5本で、ヒトと似ています。ジュラ紀も中盤以降になると、やはり原始的なタイプであるマメンキサウルスなども巨大化してきます。

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新しいタイプの竜脚類であるディプロドクス(図5)やアパトサウルス(図6)も登場します。これらは全長20メートル以上の巨大草食恐竜です。キリンのように高い位置の葉を食べるために首が長くなったという説もありますが、そのためには血圧を非常に高く上げる必要があり、現実的ではないという説が有力です。足は動かさず、首だけ動かして食事するほうが省エネだからというのが新しい考え方のようです。

ただこれだけ巨大になったのは、やはり肉食の獣脚類に食べられないためだったのでしょう。長いしっぽはムチとして使えば、かなり強力な武器になったと思われます。草食恐竜はいくら巨大化したといっても、子供の時代はあるわけで、集団生活で子供を守ることはマストだったのではないでしょうか。

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獣脚類は三畳紀のヘレラサウルスなどが根元にあたる系統のグループで、多くの種は肉食で2足歩行でした。ジュラ紀になって草食恐竜が巨大化するにしたがって、肉食恐竜も巨大化せざるを得なくなりました。ジュラ紀の獣脚類を代表するのは、やはり当時の食物連鎖の頂点に君臨していたと思われるアロサウルス(図7)でしょう。全長は8.5mくらいの凶暴な肉食獣で、後足は5本指ですが1本は地面につきません。前足はかぎ爪つきの3本指で、2足歩行をしていたため、ほぼ手として使っていたのでしょう。ディロフォサウルスやケラトサウルスもジュラ紀を代表する獣脚類です。

今のところはアロサウルスは図7のような復元になっていますが、鳥盤類のクリンダドロメウスが羽毛を持っていたことから、ひょっとすると彼らも羽毛を持っていたかもしれません。それが証明されれば、かなりイメージチェンジされた復元がなされなければならないことになります。

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1990年以降、中国の遼寧省から発掘される獣脚類の化石の中に羽毛の痕跡が残っているものが多数あることがわかって、獣脚類が羽毛を持っていたことは動かしがたい事実となりました。すでにジュラ紀にして、ニワトリと見まがうようなアンキオルニス(図8)という獣脚類が現れました。色素タンパク質も調べられていて、体はほぼモノクロですがトサカが茶系統だったことが示唆されています(5)。始祖鳥も出現しました。白亜紀にはこれらの仲間から、鳥類への進化を行う系統のグループが出現します。

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空飛ぶ爬虫類の翼竜も健在で、ダーウィノプテルスというダーウィンの名前が付いた種の形態が注目されました。彼らは三畳紀の頭が小さく尾が長い翼竜と白亜紀の頭が大きく尾が短い翼竜の中間的な形態をとっており、まさしく進化の道筋をリンクさせる存在です。

哺乳類も恐竜の陰に隠れて、さまざまな進化を遂げて生き延びていました。ビーバーのように水かきや平たい尾をもつカストロカウダや、モモンガのように滑空するヴィラティコテリウムなどが知られています(6)。さらに中国遼寧省の1億6000万年前の地層から、真獣類(発達した胎盤をもつ)の化石もみつかっています。体長5cm~10cmの小さな生物でジュラマイア(図9)と名付けられました。

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さて陸から離れて海をみると、まず三畳紀にひきつづいて魚竜が繁栄していました。ステノプテリギウス(図10)は全長4m弱であり、イルカとそっくりな形態で、出産途中の化石が発見されたことから胎生であるとされています。首長竜もプレシオサウルス(図11)などが健在でした。ネッシーのモデルになった動物ではないでしょうか(7)。魚類も健在で、条鰭類のリードシクティスは体長8.9m~16.5mの巨大な魚でした(6)。

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1) http://dinosaur-fan.net/naruhodo/news/29/

2) http://www.dino-paradise.com/news/2013/07/a-new-sauropod-dinosaur-from-the-early-cretaceous-oftunisia-with-extreme-avian-like-pneumatization.html

3) http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0608/dinosaur.html

4) 「恐竜はなぜ鳥に進化したか」 ピーター・D・ウォード著 文藝春秋社刊 2008年 p.264

5) Li, Q. et al (2010). "Plumage color patterns of an extinct dinosaur". Science 327, No.5971, pp.1369–1372.

6) 「ジュラ紀の生物」 土屋健著 技術評論社 (2015)

7) https://www.youtube.com/watch?v=c2A4_Leh67A









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2016年7月 9日 (土)

それでも英国はEUにとどまる

Flag_of_the_united_kingdom_svgEric Zuesse
Global Research
2016年7月1日

だが、正しいやら、間違いやらが、政策や法律を作るわけではない。権力が作るのだが、多国籍企業が権力を持っており、国民は不幸にして権力を持っていない。結果的に、多国籍企業の所有者たちが、再投票を望んでいるのだから、たぶん再投票が行われよう。

(中略)

だから、イギリスはEUに残留する可能性が極めて高い。イギリスでは、その時点以降、おそらく取り消し不能の形で、民主主義は絶えてしまうだろう。多国籍企業の主要株主が、イギリスを厳格に支配するようになるだろう。そうなれば、イギリスの不文憲法は、いかなる事実上の異議申し立てもなしに、何であれ多国籍企業の主要株主が望む通りのものとなるだろう。

いずれも成文憲法がある、他のEU諸国については、そうした憲法は、時間とともに次第に効力を失い、新たに出現するヨーロッパ連合国で、EU多国籍企業独裁制が益々優位にたつこととなる。これは、ビルダーバーグ参加者の夢、日米欧三極委員会の夢、ダボス出席者の夢だ。国際的支配層による国際的独裁制だ。言葉は外面的には快くても、結果は地獄だ。

そして、この地獄は、バラク・オバマ大統領が太平洋諸国に提案している、大西洋諸国(ヨーロッパを含め)向けに提案しているTTIPやTISA条約とよく似た、TPP条約に書かれている。環境、労働者の権利や製品の安全に関する諸規制は、何であれ多国籍企業が望む通りのものになる。民主主義、国民主権はおしまいだ。

利潤は、かつては、投資家がリスクを負うことで得られる特権だった。今や利潤は、大衆が彼らに保証する投資家の権利となり、国民の主権に優先するようになった - その役割で、国民に置き換わり、投資家が今や新たな主権者だ。政府は、国民ではなく、投資家に仕えるべく存在している。国民は、支配層にとっての単なる臣民となる。これは封建制への回帰だが、大企業時代の今では、ベニート・ムッソリーニがそう呼び - 擁護した - “企業主義”(あるいは別名“ファシズム”)だ。

ーーーーーー

(管理人)

自民党政権の施策の内容を観察していると、必ず多国籍企業(日本の一流企業もほとんどそうなった)の利益のためのものであることがわかります。

(Eric Zuesse の著書 管理人は未読)

こちら

(ソース)

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/brexit-1207.html

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2016年7月 8日 (金)

バルサ:サミュエル・ユムティティに期待

Braugranaバルサに入団するサミュエル・ユムティティですが、彼は1993年生まれのカメルーン出身フランス人で、オリンピック・リヨンに所属していた選手です。今日のドイツvsフランス戦にフランス代表としてスタメンで出ていたので、じっくり見てみました。相方ポグバが非常に目立つ派手な選手なので、それほど目立ちはしませんが、かなり慎重で堅実なプレイを心がけている感じでした。

それでもここというときには、思い切ったプレイで危機を回避していました。バルサで相方となるピケがお茶目な選手なので、彼のような堅実派が入団することは有難いことです。ここ一発での10メートルくらいを走る快速も魅力です。マスチェラーノに似たタイプだと思います。マスチェラーノはもともとボランチの選手なので、プロフェッショナルなCBとしてはより安定感があるのではないでしょうか。もちろん彼にMFをやらせるのは無理(というかもったいない)と思います。

試合はドイツのポゼッション能力が勝って有利に展開していましたが、シュバインシュタイガーのチョンボで(個人的には厳しすぎるPKの判定だとは思いますが)PKを決められ、これで流れが変わってしまいました。後半はグリーズマンにノイアーが股を抜かれて万事休す。フランスが2:0で勝利して、決勝に進出しました。

バルサはユムティティの他に、デニス・スアレス(ビジャレアル)とマルロン・サントス(フルミネンセ)の入団が決まりました。二人ともMFです。バルサからはダニエウ・アウベスとマルク・バルトラの退団が決まっています。ダニはユベントス、バルトラはドルトムントへ旅立ちますが、絶対活躍できると思います。ダニは特別な選手だったので、代わりの選手は居ませんが、ビダルが彼らしいやり方でバルサの右サイドを守って欲しいと思います。セルジもSBできます。バルトラは私は是非SBをやって欲しかったのですが、どうやらCBで選手生活を全うしたいようです。

バルサにとってあと心配なのは、前の3人が出ずっぱりで、故障・負傷時あるいはパフォーマンスが落ちてきたときにどうするかということで、ローテーションは使うべきだと思います。特に国王杯には彼らを使うべきではありません。ネイマールとメッシは、アルダ・セルジ・ラフィーニャらでなんとかするとしても、スアレスが出ないときは代わりの選手が見当たりません。がっくり得点力が落ちるので、どうしても出ずっぱりになりがちです。スアレスの控えでもよいという選手(浮き球のトラップがうまくて、DF裏への抜け出しができることが条件)が予算内でみつかるかどうか・・・・・ここがバルサ補強のキーポイントです。

https://www.youtube.com/watch?v=sYxTir7J5UQ
https://www.youtube.com/watch?v=qsNYSGqLBU8

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2016年7月 7日 (木)

サラとミーナ175: 暑い日はまったりと

A夏がやってきました。うちは東向きなので、朝から日光直射で、猫たちをベランダに出しても、1分くらいでそそくさと室内に逆戻りしてきます。明らかに人間より暑さに弱い動物です。

それもそのはず、猫には汗腺がフットパッドにしかないので、汗をかくことによって体温を下げられません。

ジュラ紀は今より10℃くらい気温が高かったという説もありますが、当時の巨大草食恐竜であるディプロドクスやアパトサウルスなどは、どうやって涼をとっていたのかがわかりません。巨大なほど熱が逃げにくく、彼らの体温は40℃以上だったという説もあります。体内に巨大な風船様の気嚢があって、そこから各所にパイプを出して空冷していたのかもしれません。

サラはお得意のポーズで、お気に入りの窓際で休んでいます。すっかり脂肪もついて中年猫らしくなりました。

Bミーナは私のベッドが好きで、私がいるいないにかかわらず、よく休んでいます。ミーナは足を前に投げ出して休むことが多いようです。

ところで最近私がサブで持っている2つのブログがアクセス不可になったので、@ニフティに相談したところ、「サイドバーのアクセサリーを提供する会社がそのサービスを終了すると、ブログ自体がアクセス不可になる」 という、なんとも理不尽なトラブルが発生するとのこと。

アクセスを試みた方々にお詫びします。現在はそのアクセサリーを削除して、アクセス可能になっております。

IT はどこに落とし穴があるかわからなくて怖いですね。マイナンバーカードもトラブル続出で大変なようですが。今年6月15日の時点で、発行されたカードの枚数はたった543万枚だそうです。ちなみに私はなぜか持っています。

http://www.sankei.com/politics/news/160427/plt1604270015-n1.html
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/042801270/


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2016年7月 4日 (月)

中村正人にエールを送る

中村正人はん 面白すぎるで
「吉田美和が大嫌いだけど別れられない」
ホンマようわかるわ

腐れ縁>愛 という公式はたしかに存在する

ドリカムはCDを少しは持っているけど、
残念ながら、特に思い入れはないんや

だけど「LOVE LOVE LOVE」がデビュー前に
中村はんが作ったメロディーだったと初耳
で、びっくりしてもた

さらにもともとあった歌詞をルルルルルに
されてしまったときの無念さと、その後の
納得にも恐れ入りました

良い曲やね!!!!!!!!!!

「LOVE LOVE LOVE」

https://www.youtube.com/watch?v=_M2lzAui5l8
https://www.youtube.com/watch?v=eDS2L8mRInI

https://www.youtube.com/watch?v=21Q-KXriVuQ

番組:http://news.mynavi.jp/news/2016/07/03/042/

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2016年7月 2日 (土)

やぶにらみ生物論24: ジュラ紀の生物1

三畳紀末の大絶滅を経て、時代はジュラ紀(2億年前~1億4500万年前)に突入します。三畳紀には唯一の超大陸だったパンゲアが、この時代に北部のローラシア大陸(中国・ロシア・欧州)と南部のゴンドワナ大陸(南北アメリカ・アフリカ・オーストラリア・南極)に分裂しました。これによって赤道付近の海流が両大陸のまわりに流れるようになって、海洋性の温暖な地域が増えました。動植物にとっては生活しやすい気候になりました。ただ酸素濃度は三畳紀後期のどん底にくらべれば改善されたとは言え15%弱くらいの低濃度だったようです。

三畳紀に地上の覇権を競っていたクルロタルシ、サイノドン、オルニソディラですが、三畳紀末の大絶滅によって、クルロタルシはワニ類などごく一部のグループみが生き残って地上の覇権は放棄しました。またサイノドンもそのひとつのバリエーションである哺乳類やトリティロドンなどのごく1部を残して絶滅し、生き延びたサイノドンの子孫たちは、覇権を狙わない目立たない生物としてジュラ紀を生き延びました。そしてジュラ紀はオルニソディラが地上の主役となりました。

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ジュラ紀に繁栄したオルニソディラの系譜を図1に示します。それまで空は昆虫の独壇場だったのですが、ついに翼竜という脊椎動物が参入してきました。彼らは三畳紀に恐竜の祖先と分岐し、独自の進化を行って三畳紀末の大絶滅を乗り切り、ジュラ紀に繁栄しました。空を飛べるというのは、エサをみつけるには圧倒的なアドバンテージがあります。彼らは第4指と足の間に皮膚の膜をはって(もちろん羽毛ではない)翼をつくり飛翔しました。現存の哺乳類であるコウモリのような方法で空を飛んだわけですが、コウモリほど1~3指は退化していなかったので(第5指は退化)、4足歩行もできたようです。

ジュラ紀の翼竜を代表してプテロダクティルスを図2(ウィキペディアより)に示します。4足歩行しているイラストです。翼を全開したときの幅は種によって異なり、25cm~2.5mくらいの幅があります。彼らはまだ確定的ではないものの、なんらかの毛を持つ内温動物であったと考えられています。浜辺でゴカイなどをあさったり、魚を捕らえて食べたりしていたようです。

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翼竜を分岐したあとのオルニソディラは、鳥盤類(鳥盤目)と竜盤類(竜盤目)からなる恐竜に進化しました。鳥盤類の起源については、恐竜学の教科書(1)によると、竜盤類から分岐したのではなく、鳥盤類・竜盤類ともに派生的であり、どちらが先に生まれたのかはわからないとしています。

鳥盤類と竜盤類は図3のような骨盤の構造の違いによって分類されています。すなわち鳥盤類では恥骨の一部が座骨に寄り添って平行に後ろに伸びているのに対して、竜盤類では恥骨と座骨は別方向を向いています。このほか鳥盤類は前歯骨という下あごの前端の骨を持っているという特徴があります。恥骨が後ろに追いやられることによって、大きな胃とか長い腸を収める場所ができるという利点があります。植物を消化するには有用です。前歯骨はくちばしをサポートしており、このグループがくちばしのような構造を持っていたことと関係があります。


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昨年国立科学博物館でクリンダドロメウスの骨格と復元を見ることができました(2、図4管理人が撮影)。クリンダドロメウスは全長1.5mほどのジュラ紀を生きた鳥盤類ですが、なんと羽毛を持っていました。羽毛は竜盤類から鳥類へ受け継がれたものと私は理解していたので、これはショックでした。このことは三畳紀に生きていた鳥盤類・竜盤類の共通の祖先が、すでに羽毛を発明していたことを暗示します。単弓類のサイノドンが体毛を獲得していたのと同時期に、双弓類も羽毛を獲得していたのかもしれません。それだけ三畳紀が内温性を必要としていた時代だったのかもしれません。

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鳥盤類は恐竜の大スターであるステゴサウルスを生み出しました(図5 ウィキペディアより)。ステゴサウルスはジュラ紀から白亜紀にかけて生きていた体長7mくらいの草食恐竜です。彼らは背中にたくさんの板をしょっていますが、これらはどんな役割を果たしたのでしょうか? 

林昭次氏は国立科学博物館や世界各地の博物館にある実物を切断するという快挙をなしとげ(3)、この板に血管ネットワークがはりめぐらされていて、体温調節に役立ったことを示唆しました。これはペルム紀の盤竜類と同じで、彼らが少なくとも完全な内温性を獲得していなかったことを示唆しています。また中身がスカスカであることや倒れないことから、アーマー(防具)としては役立たないことがわかりました。また思春期に急激に大きくなることから異性へのディスプレイである可能性も指摘しています。

しっぽにある4本のスパイクは、肉食獣との戦闘に役立ったようです。数年前に幕張で恐竜展をやっていたとき、背骨にこのスパイクがささったあとがある肉食恐竜の骨がディスプレイされていました。

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もう1種鳥盤類の動物を紹介します。やはりジュラ紀に棲息していたフルイタデンス(図6 ウィキペディアより)です。多くの鳥盤類が植物食であるなかで、このグループは雑食性だったと考えられています。中型犬くらいのサイズで、鳥盤類の中では最小クラスでした。ちいさなサイズの内温性動物は、大きなサイズの動物にくらべて熱を失いやすいので、ハイカロリーな食事を必要とします。

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鳥盤類はジュラ紀から白亜紀にかけて多くの種類を繁栄させましたが、白亜紀最後の大絶滅によって世界から消え去り、現在では化石でしかみることができません。鳥盤類はくちばしをもっているなど、現在の鳥類に似た点もありましたが、鳥類は彼らが生み出したものではなく、もうひとつの恐竜のグループである竜盤類が生み出したものです。竜盤類などについては次回に解説します。

1)「恐竜学入門-かたち・生態・絶滅-」 Fastovsky, Weishampel 著 東京化学同人 2015年刊

2) http://morph.way-nifty.com/grey/2016/04/post-d6d5.html

3) http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20141003/418474/?P=5

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