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2016年4月29日 (金)

クリンダドロメウス@国立科学博物館

上野の国立科学博物館(http://www.kahaku.go.jp/)に行ってきました。いつも思うのですが、どうしてここは入り口が地下と側面で、本来の入り口である正面玄関を使わないのでしょうか? 根本的に展示スペースの構成を考え直して欲しいと思います。ともあれ、ちょうど恐竜博をやっていて大盛況です。恐竜博の展示はすっきりとまとめられていて見やすい感じでした。

私が最も興味を惹かれたのはクリンダドロメウスの骨格と復元標本の展示でした。クリンダドロメウスは2014年にシベリアで発見された羽毛恐竜ですが、注目すべきは、これが竜盤目ではなく、鳥盤目の恐竜だと言うことです。図1をみてください。

図1 恐竜の進化系統図

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図1の下の方をみていただくと、鳥類は竜盤目の獣脚類から進化したとされています。羽毛はその過程で生まれ、現在の鳥類に引き継がれていると考えられてきました。私も羽毛と獣毛は発生の過程が全く違うので、起源は異なり、独立に皮膚が進化したものと考えてきました。しかし鳥盤目の恐竜から明白な羽毛の存在が認められたとすれば、考え方を改める必要があるかもしれません。

図1のようにクリンダドロメウスはジュラ紀に生きていていた生物で、わりと分岐の根元に位置しています。 獣脚類もわりと根元からわかれているグループです。

私の過去記事↓
http://morph.way-nifty.com/grey/2014/04/post-fcbc.html

そうすると、恐竜が生まれた頃に、すでにいくつかの種は原始的な毛を持っていたのかもしれません。下の図2には今回展示されていた骨格標本、図3には復元標本を示します。

図2 クリンダドロメウスの骨格

Photo



図3 クリンダドロメウスの復元

Photo_2


図2を拡大して見ていただくと、座骨と恥骨が並んで後ろに伸びていることがわかります。これが鳥盤目の証拠だそうです。

http://zukan-move.kodansha.co.jp/column_list/dinosaur/3.html

皮膚をうろこにするか毛にするかというのは難しい選択です。うろこは強力なアーマーになるので、哺乳類のなかにも、センザンコウのようにうろこを選択した生物もいます。毛にする利点は保温にすぐれていることで、アーマーより毛が大事と言うことは、その生物のライフスタイルに関係があります。たとえば夜行性だと、夜も体温を上げて活動する必要があります。うろこ生物が生きられないような寒い気候の中で生活することもできます。体温を高く保つシステム(エンドサーミック)を持たない生物は、毛を持っていても宝の持ち腐れなので、体毛と内熱性(恒温性)には密接な関係があります。

クリンダドロメウスは復元図をみていただくとわかりますが、実はしっぽなどうろこの部分と胴体など毛の部分があります。これは二者択一の突然変異ではなく、もともとうろこの生物が新しく毛を作る遺伝子を獲得して、その発現する領域を広げていったことが示唆されます。鳥類も足に少しうろこが残っています。

それにしても草食だそうですし、可愛い生き物で、今生きていればペットとして人気がでるのではないでしょうか。

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