都響新シーズン開幕 ロトの指揮でエロイカ交響曲@サントリーホール2016年4月7日
都響の新シーズンがいよいよ開幕です。おそらく都響はデザイナーを代えたのだと思いますが、パンフレット・冊子・ポスターがみんなすっきりとしてわかりやすいものになりました。英断だと思います。
新シーズン第1弾は、21世紀のクラシック音楽界を牽引する指揮者ロトを迎えての演奏会。嵐の天気予報は外れて、雨も小やみとなりラッキーでした。それでも左右のサイドにかなり空席があり残念。コンマスは矢部ちゃんで、サイドはゆづき。
最初のシューベルトの曲はどうということはない曲。2曲目のR・シュトラウスの曲「メタモルフォーゼン」は実演ではじめて聴きましたが、胸をかきむしられるようなシリアスな曲でした。
ナチスと連合軍によって壊滅したドイツの街や文化への哀歌だそうですが、今やドイツの街は石畳なども修復されてよみがえり、美しい田園も復活し、国家の借金もゼロの素晴らしい国に復活しました。
翻ってJーランドは借金1000兆円、農業は高齢化で壊滅寸前という状況で、どうしてこんなことになってドイツと大きな差がついてしまったのか、深刻な反省が必要です。
そんななかでもドイツの音楽を演奏するオーケストラは、皮肉なことに数少ない日本のトレジャーです。このR・シュトラウスの曲も、都響が圧倒的な合奏力を発揮して、心を揺さぶる演奏を聴かせてくれました。オケ全員について、ひとり一冊の楽譜というのは珍しいことです。
後半のベートーヴェン・エロイカ交響曲は、ロトがピリオド楽団の総帥らしい指揮で、モダンオケの都響からまるでピリオド楽団のような音を引き出したのには驚きました。速めのテンポでくっきりとメリハリをつけ、歌うところはきちんと歌うという演奏でした。
ロトはタクトを持たず、両手を広げて細かく振動させながら、まるでメフィストフェレスのように眼光鋭く指揮します。ロトのような特殊な指揮者に、きっちり完成度高く対応する都響の柔軟性もすごいと思いました。終了後いの一番に鷹栖さんを立たせていましたが、いつものことながら、どんなパッセージでも軽々と演奏する彼女の実力には感服します。
フランソワ=グザヴィエ・ロト
ピリオド指揮者らしく古楽を錫杖を持って指揮
https://www.youtube.com/watch?v=YMMQ1VRm9hA
「春の祭典」を指揮するロト
https://www.youtube.com/watch?v=hL87s53Rubw
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