インバル-都響のべートーヴェン交響曲第9番@サントリーホール2015年12月26日
3年前に年末第9を解禁してからは、うちでも年末最大のイベントになりました。都響もすでに今年数回は演奏したようですが、そのうち3回はインバル指揮の都響スペシャル演奏会で、全席完売の大盛況でした。
オーケストラにとってはボーナスのようなもので、やはりもう日本のクラシック業界にとってなくてはならないお祭りになってしまったのでしょう。そして今日はその掉尾を飾る本年最後の都響演奏会です。
都響コンミスの四方さんによると、日本のオーケストラのレベルが上がったのは、この難しい第9の演奏を繰り返し繰り返し行ったことが大きく寄与しているそうです。
今回の演奏会は本来インバル先生ではなくフルシャが指揮する予定だったのが、フルシャをウィーン国立歌劇場に強奪されて、ピンチヒッターとしてインバル先生が振ることになったものです。しかしおかげで、インバル先生の第9が聴けるというのは、まさしくケガの功名といえます。
カラヤン広場はすごい人出で、面白いオブジェも飾られていました(写真)。本日のコンマスは矢部ちゃんで、サイドはゆづき。インバル先生は1936年生まれですから、3連チャンはつらいと思いましたが、元気溌剌と指揮していました。オケの気合いも十分で、細部の彫琢が素晴らしく、ものすごく完成度の高い演奏だと思いました。第3楽章の冒頭など、はじめてやってきた春のような新鮮で楽しそうな雰囲気で、これははじめての経験でした。
終楽章もオケはビシビシ決めて素晴らしく、ソリストも余計な力み無く歌い、コーラスも迫力十分。欠点と言えば、ティンパニ奏者の椅子がハゲハゲだったくらいでした。これ以上の感動をもとめるなら、ある意味破綻した演奏しか考えられません。今年もいろいろありましたが、最後にこのような演奏会に巡り会えて、すべてガラガラポンとなった感じで気分爽快です。演奏者の皆さんに、そしてベートーヴェンに感謝
指揮:エリアフ・インバル
ソプラノ:安藤赴美子
アルト:中島郁子
テノール:大槻孝志
バリトン:甲斐栄次郎
合唱:二期会合唱団
東京都交響楽団
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