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2015年12月19日 (土)

やぶにらみ生物論5: シアノバクテリア

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また地球史年表を示しますが、今度はシアノバクテリアという生物に注目しましょう。シアノバクテリアとは青色細菌という意味ですが、昔は藍藻(ブルーグリーンアルジ)と呼ばれていました。藻というと植物を思わせ誤解を招くので、現在ではシアノバクテリアと呼ばれています。シアノバクテリアは砂漠から氷河まで、地球上のありとあらゆる場所に住み着いています。私の家の近くの手賀沼ではときどき大発生してアオコと呼ばれています。そのような普通の環境に生きている種の他に、何年も水が無くても生存出来たり、70℃くらいの高温でも生存出来る種もあります。なにしろ30億年も、環境の変化に耐えて地球上のメジャーな生物で有り続けたのですから、分類学者もお手上げなくらい幅広いバラエティーがあり、全貌は不明です。

シアノバクテリアが生まれる前から、光エネルギーを使って生きている細菌は存在したはずですが、シアノバクテリアの特徴は化学式としてまとめると

6CO2(二酸化炭素)+6H2O(水)+光エネルギー → C6H12O(ブドウ糖)+6O2(酸素)

という化学反応で光合成を行い、酸素を反応生成物として放出したということです。

その結果ゆっくりと地球上に酸素が充満してきました。酸素はさまざまな物質を酸化させる(錆びさせる)力があり、生体物質も例外ではありません。したがって酸素の毒性を中和する機能を持たない生物は、そのような環境では生き延びられません。したがって多くの生物が絶滅するか、特殊な環境でしか生きられないマイナーな生物となりました。

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ではどうしてシアノバクテリアが何十億年も前から生きていたことがわかるのか? それはシアノバクテリアの中でもとてもマイナーな種の中に、海中の泥や砂の上に住み着いたら昼は光合成、夜は粘液を出すという奇妙な性質をもつものがあり、粘液で砂泥を固めて特異な石のようなものがつくられるのです。これをストロマトライトと呼びます。現代でもオーストラリアの地図のBの位置(ハメリンプール)など、特定の場所にこのようなシアノバクテリアが生息する場所があります。彼らはバクテリアであるにもかかわらず、生きた痕跡を何億年も残すことができるのです。従って古い地層からストロマトライトが出てくれば、その時代にシアノバクテリアが生きていたことがわかります。

やぶにらみ生物論4で述べたかなりめずらしいエディアカラ紀の生物の化石が出土するのが位置Cのエディアカラの丘です。アデレードの郊外にあります。おそらく海辺で平和にのんびりと生きていた生物たちが、いきなり陸地からの土砂崩れで埋まってしまい、土砂に生物の跡形が転写されたものと思われます。Aの位置はピルバラという、生物がいるかいないかという古い時代の地層が露出しているところで、生命の起源を探るには絶好の場所です。

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上の写真はウィキペディアに出ていたハメリンプールのストロマトライトです。

酸素を地球に充満させたことだけでもすごいことですが、シアノバクテリアはもうひとつ、とてつもないことをやってのけました。それは真核生物の体内で葉緑体として生きるものが生まれたことです。これは稿を改めて述べましょう。

参考サイト: https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/95_08_g1.pdf

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