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2015年12月31日 (木)

2015~2016 リーガ・エスパニョーラ第17節: ベティス不運に泣く 

Braugrana日本で見事にCWCで優勝したバルサ。短いクリスマス休暇をはさんで、後半最初の試合はベティスをカンプノウに迎えての戦いです。バルサはFW:ネイマール・スアレス・メッシ、MF:セルジ・ラキティッチ・ブスケツ、DF:マチュー・ヴェルマーレン・マスチェラーノ・ダニ、GK:ブラーボ。ベティスは1トップ:ファン・ヴォフルスウィンケル、2列目:セバージョス・ルベン=カストロ・セフード、ボランチ:ディアイエ・ペトロス、DF:バルガス・ヴェスターマン・ブルノ=ゴンザレス・モリネロ、GK:アダン。ベティスは知らない選手が多くて、こんなに出入りが激しいとチームとしてのアイデンティティーに疑問を持たざるを得ません。

バルサはまだまだ本調子ではありません。早速ネイマールがトラップミスで失笑を買ったり、メッシが簡単に球を奪われたりという情けない立ち上がりです。しかしベティスは16分にCBのブルノ・ゴンザレスがGKと衝突してペッシェラに交代。メッシはプレイがうまくいかず、シューズを交換します。23分にはセフードのシュートをブラボがなんとか止め、さらに危ない場面をダニのチャージで止めて事なきを得ました。

この直後27分、ブスケツがゴール前に上げた浮き球をGKアダンとメッシが争いますが、アダンの肩がメッシの頭に当たってメッシが昏倒。ドッキリですが、これでPK。スローを見るとこの衝突は偶然で、ちょっとPKはベティスには厳しいものでした。ネイマールが蹴りますが、バーに当ててしまいます。しかしその跳ね返りをヴェスターマンがオウンゴールという、ベティスにとっては重ね重ねの不運。これで盛り返したバルサは、33分メッシ→ネイマール→メッシのワンツー突破でメッシがゴール。

さらにベティスの不運は続き、36分にはヴェスターマンが故障交代。前半でCB2人が交代では戦えません。監督も切れて退席処分。やれやれ。

後半は全くバルサペース。1分にブスケツがカットした球を素早くスアレスに供給してゴール。ゴール左から左足で決めました。3:0です。最後は38分スアレス→ネイマール(回転パス)→スアレスで4:0でした。

https://www.youtube.com/watch?v=dqk2qknzSVA
https://www.youtube.com/watch?v=pwKWU8n4i30
https://www.youtube.com/watch?v=FVS2XhmfkAE

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2015年12月29日 (火)

寄る辺なき記憶の断片のために1: 川沿いの道を歩いて

A1820_000010Aが転校してきたのは小学校5年生の2学期だった。小柄で可愛い感じのおかっぱ少女だった。ただほとんど勉強はしないらしく、授業中の先生の質問には何も答えられなかった。指名しても立ったまま押し黙っているだけだったので、そのうちあてられなくなった。

しかしお習字の時間が来ると、人が変わったように生き生きと美しい字を書いていた。とても子供の字とは考えられないくらい立派な字だった。

2学期が終わる頃になって、授業の最後に担任の先生がある発表をした。それは給食の代金を支払っていない人がいるという話で、その名前を読み上げた。その中にAの名前があった。どうしてそんなことをやっていたのかわからないが、子供心にも「残酷なことをするんだなあ」と、不快な気持ちになったことを覚えている。発表は次の週にもあり、そのときはAだけが支払っていなくて、Aは昼休みに先生に呼びつけられ、親に連絡するようにきつく申し渡された。職員室ではなく、教室の隅でそんな話をするので、近くにいた者には聞こえてしまうのだ。

その後支払いがどうなったかはわからない。そして3学期になった。Aは目に見えて元気を無くしたように見えた。そのうちお習字の発表会があって、やはりAの作品はとびぬけて素晴らしかった。私はAのところに行って、「本当にきれいな字だね」と絶賛した。Aは微笑んだようにみえたが、次の瞬間顔を後ろに向けてうつむき、そのまま黙ってしまった。

翌日の放課後、Aの方から私のところにやってきて 「うちに来ない?」 と誘ってきた。私は 「いいよ」 と言って、彼女について行った。学校から川沿いの道を上流にしばらく歩いて行くと、民家も途切れて、舗装道路が山道のような細い道になった。さらに川沿いをさかのぼると、壊れかけたバラックのような建物が見えてきた。Aは小走りに家に入っていって、2~3分すると母親と2人で出てきた。母親は明らかに迷惑そうで、扉の外で頭を下げる私に挨拶しないばかりでなく、目も合わせなかった。

母親が家に引っ込むと、Aは「ここが私の家」と言って屈託なく(いや、ことさら屈託なさそうに)笑った。そして 「外に行こう」 と私の袖をつかんで、河原の方に降りていった。ふたりで並んで河原に座り込んだ。何か話したのか、何も話さなかったのか記憶にないが、しばらくするとAは立ち上がり、川面に石を投げはじめた。私も河原の石をひろってサイドスローで投げた。石はポンポンとバウンドして対岸まで届いた。Aは私の方を見て、(こんどは本当に)屈託なく笑いかけた。

2人はAの家までゆっくり歩いてもどり、戸口のところまで来ると、Aが 「じゃ、さよなら」 と言うので、私も 「さよなら」 と言って別れた。数十歩くらいだろうか、歩いた後振り返ると、Aは戸口に立ったまま、まだ私の方を見ていた。私は手を振って、また山道を下っていった。もうすぐ日没だった。

その後Aと2人で話す機会は一度もなく、私は6年生となり、Aはまた転校していった。

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2015年12月27日 (日)

新国立競技場によせて

A0002_000161いろいろすったもんんだしたあげく、新国立競技場は大成建設と建築家の隈研吾氏・梓設計のチームに事実上決まったようです。

伊東さんのB案は、空から血液を一滴たらしたようなデザインだったので、A案に決まって安堵しました。B案は下から見てもかなり威圧的な感じがして、どうかなと思います。

私が心酔するシンガーソングライターのクマッキーは大成建設のCMソング「Fight」を手がけています。

https://www.youtube.com/watch?v=mgcXguAS6-8

https://www.youtube.com/watch?v=AP0mIHvU1RQ

このイントロを聴いたときに、あれれ これは聴いたことがあると思ったのですが、実はトルコ行進曲で、YOUTUBEの説明書きを見てなるほど・・・・・大成建設がボスポラス海峡のトンネルを施工したことにちなんでつくられた曲だったんですね。それにしても素晴らしい作品だと思います。

ボスポラス海峡はイスタンブールの西部と東部を隔てているので、このトンネルの開通は計り知れない便利さをもたらしました。それにしてもオリンピックがイスタンブールじゃなくてよかったと思います。隣国にドカドカ爆弾が落とされているわ、ロシアの戦闘機を打ち落とすわでオリンピックどころじゃなかったでしょう。東京も直下型地震などの危機がささやかれていますが、イスタンブールよりはよかったと思います。ただ夏にやるということで、台風・豪雨は心配ですねえ。本当は神宮よりも、スタジアムは八王子あたりに建設した方が良いと思うのですが。

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2015年12月26日 (土)

インバル-都響のべートーヴェン交響曲第9番@サントリーホール2015年12月26日

Img13年前に年末第9を解禁してからは、うちでも年末最大のイベントになりました。都響もすでに今年数回は演奏したようですが、そのうち3回はインバル指揮の都響スペシャル演奏会で、全席完売の大盛況でした。

オーケストラにとってはボーナスのようなもので、やはりもう日本のクラシック業界にとってなくてはならないお祭りになってしまったのでしょう。そして今日はその掉尾を飾る本年最後の都響演奏会です。

都響コンミスの四方さんによると、日本のオーケストラのレベルが上がったのは、この難しい第9の演奏を繰り返し繰り返し行ったことが大きく寄与しているそうです。

今回の演奏会は本来インバル先生ではなくフルシャが指揮する予定だったのが、フルシャをウィーン国立歌劇場に強奪されて、ピンチヒッターとしてインバル先生が振ることになったものです。しかしおかげで、インバル先生の第9が聴けるというのは、まさしくケガの功名といえます。

カラヤン広場はすごい人出で、面白いオブジェも飾られていました(写真)。本日のコンマスは矢部ちゃんで、サイドはゆづき。インバル先生は1936年生まれですから、3連チャンはつらいと思いましたが、元気溌剌と指揮していました。オケの気合いも十分で、細部の彫琢が素晴らしく、ものすごく完成度の高い演奏だと思いました。第3楽章の冒頭など、はじめてやってきた春のような新鮮で楽しそうな雰囲気で、これははじめての経験でした。

終楽章もオケはビシビシ決めて素晴らしく、ソリストも余計な力み無く歌い、コーラスも迫力十分。欠点と言えば、ティンパニ奏者の椅子がハゲハゲだったくらいでした。これ以上の感動をもとめるなら、ある意味破綻した演奏しか考えられません。今年もいろいろありましたが、最後にこのような演奏会に巡り会えて、すべてガラガラポンとなった感じで気分爽快です。演奏者の皆さんに、そしてベートーヴェンに感謝

指揮:エリアフ・インバル

ソプラノ:安藤赴美子
アルト:中島郁子
テノール:大槻孝志
バリトン:甲斐栄次郎
合唱:二期会合唱団

東京都交響楽団

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2015年12月24日 (木)

イヴに聴く「愛の賛歌」

A1380_001513クリスマス・イヴだというのに、なんというやる気のないTVプログラムばかりなのでしょう。これだからライヴにでもでかけたいのですが、それもままならないとすると、YOUTUBE しかないのか。

「愛の賛歌」を聴いて静かな夜を過ごすのも悪くないかな? 「愛の賛歌」はもちろんエディット・ピアフの曲です。

https://www.youtube.com/watch?v=Esri6ufOZo4 

この曲はよく激情的に歌われたり、スタイリッシュに歌われたりしますが、ごく普通にしっとりと聴きたいなと思うこともあります。特にクリスマス・イヴなどというときには・・・。

夏樹陽子さんの歌はそんなときにピッタリだと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=FizTgvWbe6c
https://www.youtube.com/watch?v=AydkQx45UuQ

歌詞もわりと原詞に近いもので歌っています。

下はPjolさんの訳です。

[Hymne A L'amour - 愛の賛歌]  作詞 エディット・ピアフ
訳詞 Pjol

青空が崩れ落ちてきてもいいの
大地が裂けてもかまわない
もしあなたが私を愛してくれるなら
世の中のことなど どうだっていいわ
愛に満たされた朝を迎えられるかぎり
私の体があなたの手の下で喜びに震えるかぎり
どんな困難だって平気よ
あなたが愛してくれるから

この世の果てまでも行きましょう
髪もブロンドに染めましょう
もしあなたが望むなら
月を取りにも行きましょう
運命だって盗んでくるわ
もしあなたがそうしろと言うなら

祖国だって棄てられる
友達だって裏切れる
もしあなたがそれを望むなら
世間の人に笑われても
何だってするわ
もしあなたがそうしろと言うなら

いつの日か限りある命があなたを私から引き離し
あなたが遠く去ってしまっても
あなたが私を愛してくれる限り なんでもないわ
だって そうなったら私だって死んでしまうから
そうして私達の永遠の未来を手に入れるの
限りない青空の中で
何も問題のない天国で
私たちは愛し合うの
神様は愛し合っている二人を結び合わせてくれるわ

激情派
https://www.youtube.com/watch?v=0tS3Ertbk2Q

スタイリッシュ派
https://www.youtube.com/watch?v=494oi7I9oqs

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2015年12月23日 (水)

やぶにらみ生物論6: 生命の起源

先に進む前に、少し生命の起源について考えてみましょう。もちろんそれはあまりにも古い出来事であるうえ、化石などから判別することも出来ない、今でも謎の出来事であることには間違いありません。もちろん古代から多くの科学者が生命の起源について考えていたことは想像出来ます。近代になってパスツールらは生物は生物からしか生まれないということを証明して、古来からの迷信を打破したわけですが、それでも無生物から生物が生まれるというイベントは必ず存在しなければなりません。

このイベントについて、はじめて科学的な考え方をもとに、1924年にコアセルベート仮説を発表したのがロシアの科学者オパーリンです。まず外界から隔離された部屋が確保されることが重要だという説です。これに対して黄鉄鉱上で、まずオープンスペースで二酸化炭素から有機物質をつくる化学的なプロセスが出来て、それが生命の第一歩だという考え方もあります。

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黄鉄鉱の表面代謝仮説をサポートしたのは、米国のウッズホール海洋研究所の潜水調査船アルビン号です(下はウィキペディアにでていた写真)。この船を使って深海を探索した科学者達は、深海に熱水噴出口があり、この周辺にはよく黄鉄鉱がみられることを発見しました。そして周辺には細菌や古細菌ばかりでなく、さまざまな真核生物もみられることから、このような太陽光が届かない深海の環境が生物を生み出したという考え方に至りました。

220pxalvin_submersible2010年にはケイマン諸島付近の5000mの深海で、熱水噴出口が発見され、周辺にさまざまな新種生物が発見されているそうです。太古の時代には、そこいらじゅうにこのような熱水噴出口とそれに依存する生物群が存在し、スノーボールアースにも耐え抜いて、生き残った生物が進化して、現在の地球があるのかもしれません。

有機物質は生命にしか生み出すことができないかというと、黄鉄鉱表面というような特殊な条件でなくても、太古には普通に空気中でどんどん生成されていたということを、無機物質だけの気体中で放電することによって実験的に証明したのはスタンリー・ミラーでしたが、その太古の時代の空気中の成分がはっきりしないという批判もあります。

20世紀以来さまざまな研究の進展があっても、生命の起源についてはいまだに1%も解明されていないと言っていいでしょう。遺伝子となる核酸がどのように生成し、それがどのように自己複製し、その核酸が持つ情報をタンパク質の構造に変換するシステムがどのように形成されたかなど、すべては謎に満ちています。ひとつのキーポイントは、細胞の中にあるタンパク質合成工場=リボソームの主成分であるリボソームRNAの歴史を調べることにあります。これからの研究に注目したいところです。

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2015年12月21日 (月)

JPOP名曲徒然草165: 「水中花」 by 洸美

Imga洸美(ひろみ)さんは2011年デビューのシンガーソングライター。日台ハーフのバイリンガルです。驚異的なクリスタルボイスで、アニメなどには向いていそうです。

「水中花」(作詞・作曲:洸美、編曲:田中どぼん俊光 相模の風レコード KRC-00002, 2013年出版)はセカンドアルバム「またあした」の最初の曲です。暗くて難解な歌詞と、底抜けに明るい声がミスマッチで面白い。とはいえ、この声で暗めのバラードをメインに歌うのは困難な感じがします。

前回のマルティナとは正反対に、全くビブラートを使わない唱法で、美声のユーミン風。

2016年1月15日にサードアルバム「ラムネの向こう側」を発表するそうで、活発にライヴ活動をやることになっているようです。試聴した限りではニューアルバムは軽めの曲が多くて、本領発揮のようです。ユーミンに曲を依頼してみてはどうでしょう。当たってくだけろで!

「水中花」
https://www.youtube.com/watch?v=JGIkAfeA10I
https://www.youtube.com/watch?v=WVB5gRup85A
https://www.youtube.com/watch?v=2EZy5PV0C40

「郷下(シアンシヤ)」
https://www.youtube.com/watch?v=tEOhD0Jw-W0

「ほたる日和」
https://www.youtube.com/watch?v=f4yxVPmyTPE

cover:どれもとびきりの美しさ

「チェリー」
https://www.youtube.com/watch?v=EJqT7j-vSqI

「ひまわり」
https://www.youtube.com/watch?v=2K0JtSlBM7M

「春よ、来い」 まるで洸美のために作られた曲のような錯覚に陥ります
https://www.youtube.com/watch?v=FgblcIOeIZU

「卒業写真」
https://www.youtube.com/watch?v=SWCT5N3XuRk

「なごり雪」
https://www.youtube.com/watch?v=WxCzR5BUbew

「さよならの夏~コクリコ坂から~」
https://www.youtube.com/watch?v=MoroQMrCVg4

ニューアルバム:「ラムネの向こう側」
の曲の中ではお気に入り

「青空お洗濯」 歌に柔らかさが出てきた感じもします
https://www.youtube.com/watch?v=QdWW2aiGw4A

「気球」
https://www.youtube.com/watch?v=YeJJ14fdD6k

「ないしょばなし」 弾き語り
https://www.youtube.com/watch?v=nFirlh0P8dg

「珍珠奶茶 ~タピオカミルクティ~(Chinese version)」
https://www.youtube.com/watch?v=QL_357es3RA   

HP:http://hiromi629.wix.com/hiromi

ホームからニューアルバムの試聴可能
または https://www.youtube.com/watch?v=d87yJcx9JvM

ブログ:http://hiromi629.jugem.jp/

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2015年12月19日 (土)

やぶにらみ生物論5: シアノバクテリア

Photo

また地球史年表を示しますが、今度はシアノバクテリアという生物に注目しましょう。シアノバクテリアとは青色細菌という意味ですが、昔は藍藻(ブルーグリーンアルジ)と呼ばれていました。藻というと植物を思わせ誤解を招くので、現在ではシアノバクテリアと呼ばれています。シアノバクテリアは砂漠から氷河まで、地球上のありとあらゆる場所に住み着いています。私の家の近くの手賀沼ではときどき大発生してアオコと呼ばれています。そのような普通の環境に生きている種の他に、何年も水が無くても生存出来たり、70℃くらいの高温でも生存出来る種もあります。なにしろ30億年も、環境の変化に耐えて地球上のメジャーな生物で有り続けたのですから、分類学者もお手上げなくらい幅広いバラエティーがあり、全貌は不明です。

シアノバクテリアが生まれる前から、光エネルギーを使って生きている細菌は存在したはずですが、シアノバクテリアの特徴は化学式としてまとめると

6CO2(二酸化炭素)+6H2O(水)+光エネルギー → C6H12O(ブドウ糖)+6O2(酸素)

という化学反応で光合成を行い、酸素を反応生成物として放出したということです。

その結果ゆっくりと地球上に酸素が充満してきました。酸素はさまざまな物質を酸化させる(錆びさせる)力があり、生体物質も例外ではありません。したがって酸素の毒性を中和する機能を持たない生物は、そのような環境では生き延びられません。したがって多くの生物が絶滅するか、特殊な環境でしか生きられないマイナーな生物となりました。

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ではどうしてシアノバクテリアが何十億年も前から生きていたことがわかるのか? それはシアノバクテリアの中でもとてもマイナーな種の中に、海中の泥や砂の上に住み着いたら昼は光合成、夜は粘液を出すという奇妙な性質をもつものがあり、粘液で砂泥を固めて特異な石のようなものがつくられるのです。これをストロマトライトと呼びます。現代でもオーストラリアの地図のBの位置(ハメリンプール)など、特定の場所にこのようなシアノバクテリアが生息する場所があります。彼らはバクテリアであるにもかかわらず、生きた痕跡を何億年も残すことができるのです。従って古い地層からストロマトライトが出てくれば、その時代にシアノバクテリアが生きていたことがわかります。

やぶにらみ生物論4で述べたかなりめずらしいエディアカラ紀の生物の化石が出土するのが位置Cのエディアカラの丘です。アデレードの郊外にあります。おそらく海辺で平和にのんびりと生きていた生物たちが、いきなり陸地からの土砂崩れで埋まってしまい、土砂に生物の跡形が転写されたものと思われます。Aの位置はピルバラという、生物がいるかいないかという古い時代の地層が露出しているところで、生命の起源を探るには絶好の場所です。

220pxstromatolites_in_shark_bay

上の写真はウィキペディアに出ていたハメリンプールのストロマトライトです。

酸素を地球に充満させたことだけでもすごいことですが、シアノバクテリアはもうひとつ、とてつもないことをやってのけました。それは真核生物の体内で葉緑体として生きるものが生まれたことです。これは稿を改めて述べましょう。

参考サイト: https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/95_08_g1.pdf

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2015年12月18日 (金)

クラブワールドカップ準決勝のバルサ@横浜2015年12月17日

P1はるばる横浜の日産スタジアムまでやってきました。昨日までの暖冬とはうってかわった寒さ。スタンド裏のコリドーに出ると、風の通り道になっていて震え上がります。まだスタンドの方がましですが、風邪も完治していなくてコートを着用しないと観戦不可能です。写真はコートを脱いで撮影してもらいました。

サンフレッチェがリーベルプレートを押し込んだのには驚きました。サンフレッチェはすごく律儀なサッカーで、日本人の特性を生かしたプレースタイルだと思いました。今日対戦する広州恒大は、正式には広州恒大淘宝足球倶楽部というそうで、Jリーグのクラブはアジアチャンピオンシップで、よく苦しめられているようです。監督はお馴染みのスコラーリ。

応援は例によって広州の圧勝。赤いユニフォームがゴール裏に集結して声を上げています。開始前のアトラクションも何もなく、静かにスタート。これはちょっと納得がいかないものがあります。

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バルサはネイマールが直前の負傷で欠場。子供達が着用しているユニフォームをみるとネイマールJr が圧倒的に多く、メッシからネイマールへの時代の推移がわかります。現在のバルサの中心はスアレスとブスケツなので、彼らの人気も上がることを願いたいです。メッシも体調不良ということで欠場。こうなるとある意味バルサ中盤は、スアレスだけ見ていれば良いので楽です。

試合は意外に広州がからんでこないで、バルサが楽に球を持てます。前の試合(クラブ・アメリカ戦)で消耗したのでしょうか? ファウルもあまり仕掛けてきません。たださすがに守備はきちんとしていて、バルサも決定打がなく、0:0で前半終了かと思ったときに、GKのパンチングが甘くてころがったところをスアレスが押し込んでゴール。

後半2点目のスアレスのゴールはゴラッソでした。イニエスタの浮き球を胸トラップからボレーでたたきこみました。

P3

最後はムニルが獲得したPKをスアレスが決めてハットトリック達成です。スアレスがひとりで目立ったような試合ですが、守備ではマスチェラーノが危ないところを何度も止めて、なかなかの活躍でした。ほとんどの時間バルサがポゼッションしているため、GKブラーボは仕事が無く、寒くて困ったと思いますが、ひとりで体操しながら頑張って好セーヴもありました。今シーズン最悪の調子のなかでやってきたバルサですが、気分一新で良い試合をみせてくれました。


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2015年12月15日 (火)

年賀状の季節

A0008_000498今年も年賀状の季節になりました。若い頃には年賀状を書くのが苦手で、変な重圧を感じていましたが、年齢を重ねるにつれてひとつの楽しみになってきました。年賀状だけがコミュニケーションの機会という人も多くて、相手が迷惑しているかもしれませんが、それにしては日本人の特性か、律儀にこちらにも配達されてくるので、気がつけば○十年ということもあります。若くして亡くなった方もいて、もう出せないことはわかっていてもリストから外せません。

中には手術に成功したのに、術後に酸素マスクをはずすのが早すぎて、1年も生死の境をさまよった後に亡くなった方や、健康そのものと思われたのに突然亡くなってしまうなどという信じられないケースもありました。私の失われた過去の断片が、顔をのぞかせるリストでもあります。

毎年いただく年賀状のなかで1番変わっているのは、昔有名な学生運動家であったY先生で、もうかなりのお年にもかかわらず、6ポイントくらいの活字でびっしりと檄文のようなのが届きます。中味は安保法制とかTPPとか政府による株価操作とかいろいろです。欧米人のクリスマスカードも私たちの年賀状と似たような感じなのでしょう。ビジネスオンリーの関係の人からもクリスマスカードが届くことがあります。今年は右翼の圧力で切られそうなニュース23の岸井氏にクリスマスカードを出そうかな。

http://adyuman.exblog.jp/25130978

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2015年12月13日 (日)

風邪をひいてしまいました

A0790_001107

風邪をひいてしまいました。リーガのゲームをみていたのですが、記憶がとぎれとぎれで、ともかくデポルとドローに終わったことは確かです。CWCの間もずっととぎれとぎれで、夜中になってやっとちゃんとした意識がもどってきました。残念。ただ17日(日産スタジアム)までに絶対直さないといけないので、リーガ・レポートは1回スキップします。それにしてもネイマールが故障とは非常に残念。彼は日本には来ない方が良いと思います。ふぅ。

https://www.youtube.com/watch?v=TyUvgOxO49g
https://www.youtube.com/watch?v=pj5-6YmLbYQ
https://www.youtube.com/watch?v=mJDOnTLed80

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2015年12月12日 (土)

やぶにらみ生物論4: スノーボールアース

下に再掲した地球史年表のなかに、スノーボールアース(全球凍結)という記載があります。これは地球がすべて、赤道周辺の海も含めて凍結し、雪と氷で覆われた状態を示します。22~24億年前と6~8億年前の2回、このようなことがおこったとされています。

もともと地球は大量の二酸化炭素で覆われていたと思われますが、海ができて二酸化炭素が吸収されると、温暖化効果が失われて寒冷化が進みます。また地球の気温は太陽の活動に左右されます。太陽の活動は細かく変動していますが、おおざっぱには昔の方が暗かった(放出されるエネルギーが少ない)とされています。またいったん地表が氷で覆われはじめると、白い氷によって太陽光が反射されて、本来地球が吸収出来るはずのエネルギーが宇宙に放出されてしまうという現象によって、加速度的に凍結が進んでしまいます。スノーボールアースでは雲が発生せず、毎日快晴です。

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スノーボールアース (wikipedia より)

8~6億年前に発生したと思われるスノーボールアースは、やっと地球に生まれてきた生命を絶滅の危機にさらしました。実際大絶滅がおこったと思われますが、すべての生物が死滅したわけではありません。当時は鹿児島湾のように至る所に熱水が湧き出しているような海が現在よりも多数存在し、熱水噴出口の近くで凍結しなかった海、あるいは凍結を免れた深海で、生物は細々と生き延びたのです。

スノーボールアースはおそらく大規模な火山の噴火によって終結したと考えられています。火山の噴火により、大量の二酸化炭素が放出され、その温暖化効果によって氷が溶けたようです。海が凍結している間は、二酸化炭素が水に吸収されないので、すべて大気に蓄積し、温暖化を加速したと思われます。

スノーボールアース時代が終了し、エディアカラ時代がはじまるといろいろな生物が出現します。この頃の生物は骨格が発達していないため化石が残りにくく、そのせいで、骨格が発達して化石が残りやすくなったカンブリア紀に、爆発的に種が増えたとされているのかもしれません。エディアカラ時代の生物は、今生きている生物のボディープランとはかなり異なるプランで設計されていたと思われます。

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上記は wikipedia に出ていた、有名なディッキンソニアの化石です。大きいものでは体長が1メートル以上あります。現在このような生物は存在しません。食べられる立場にある弱い生物は、なんとか食べられないように, または食べられても繁殖でカバーしようと進化していくわけですが、生物の大絶滅が起こった場合、食べられてしまうというくびきがなくなって、弱い生物が比較的自由にボディープランを変えることが出来るという余裕が生まれます。それによって前の時代とは異なる新しい生物群がいろいろな環境に適応してはびこる(適応放散)という結果になるのかも知れません。

ところで、あと15年ほどで地球はミニ氷河期に突入するという説があります。単なる仮説ではなく、太陽活動の専門家が、幾ばくかの科学的根拠に基づいて学術専門誌に発表しています。

Simon J. Shepherd, Sergei I. Zharkov, and Valentina V. Zharkova (2014)
Prediction of Solar Activity from Solar Background Magnetic Field Variations in Cycles 21-23
The Astrophysical Journal  Volume 795   Number 1

これは無料論文で全文が読めます
http://iopscience.iop.org/article/10.1088/0004-637X/795/1/46

管理人の旧稿
http://morph.way-nifty.com/grey/2014/01/post-afee.html
http://morph.way-nifty.com/grey/2015/07/post-24ab.html

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2015年12月11日 (金)

ミヒャエル・ザンデルリンク-都響のチャイコフスキー交響曲第1番@東京文化会館2015年12月10日

Img1今日は物凄い荒れ模様の天気で、このコンサートが昨日だったことはラッキーでした。名指揮者として知られるクルト・ザンデルリンクの3人の子息、トーマス、シュテファン、ミヒャエルすべて指揮者となり、ザンデルリンク家は今や指揮者の名門家系となりました。ミヒャエルはもともとチェリストでしたが、最近は指揮者として活躍しています。コンマスは山本さん、サイドはマキロン。非常にハンサムでかっこいい指揮者なので、かなり女性ファンがつくのではないかと思われます。

最初の曲、ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番のソリストはアレクセイ・スタドレル。スタドレルは素晴らしいチェリストです。ミヒャエルが教えたこともあるそうですが、その音は都響がみすぼらしく聞こえるくらい素晴らしい美音で、楽器もすごいのでしょう。曲は妙なメロディーが次々と繰り出される音楽です。都響はややチェロに押されすぎで、もう少し存在感があってもいいかなと思いました。独りだけの金管奏者西條が頼りないのもいけません。

スタドレルのソリストアンコール:J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調 BWV 1008よりサラバンド

後半のチャイコフスキーの交響曲第1番は、第4番以降の名作に比べれば未熟な感じですが、魅力的なメロディーや、派手派手しい盛り上がりなど、十分楽しめる作品です。第1楽章は「冬の旅の夢想」という副題がついていますが、かなり激しい音楽で、やや単調ですが盛り上がりは十分。第2楽章はロマンティックなメロディーをオーボエ(広田)が主導する叙情的な楽章で、なかなか良い感じです。スケルツォとフィナーレはミヒャエル都響がノリノリで疾走。安藤さんが、こんなに激しくティンパニをぶったたいているのを見たことがありません。

ミヒャエル・ザンデルリンク
https://www.youtube.com/watch?v=JUQ9TfyWlO4
https://www.youtube.com/watch?v=TKsc5fG_3qY
https://www.youtube.com/watch?v=0jcCngdzuFY
https://www.youtube.com/watch?v=ZsW_uv8q7LA

アレクセイ・スタドレル
https://www.youtube.com/watch?v=oxgS_4qdHXM
https://www.youtube.com/watch?v=qAya4Zwf5vw
https://www.youtube.com/watch?v=U9mHd0oGCZw

チャイコフスキー交響曲第1番

https://www.youtube.com/watch?v=0Dr54oKt90Y

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免疫寛容が大事

300pxlancaster_county_amish_03欧米では自分たちの主義(宗教)として、あえて昔風の生活をしているアーミッシュという人々がいます。彼らは子供の頃から家畜と接するとか、いちいち洗剤で手洗いとか薬剤で除菌とかしないなど昔風、田舎風の生活を続けています。彼らは都会の人々と比べて花粉症は20分の1、アトピーは10分の1というアレルギー疾患の少なさで有名です。

http://yukoji.com/IntestinalFlora/Treg/treg.html

これは遺伝子の相違によるものではなく(アーミッシュは民族ではなく、宗教団体です)、彼らの体内には子供の頃から細菌などのアレルゲンに接することによって、制御性T細胞というリンパ球が大幅に増えているためと考えられています。このタイプのリンパ球がふえると、行きすぎた免疫反応が抑制され、花粉症やアトピーに罹患する危険性が大幅に減少します。つまり成長するにつれて、いろいろなアレルゲンへの反応がにぶくなっていくこと(免疫寛容)が大事でしょう。

こちら

先進国でアトピーが多いのは、子供を保育園に預けて、もし何か感染症にかかったら保育園を責めるという風潮に問題があるのでしょう。そうなると保育園は徹底的に無菌に近くなるような処置をせざるを得ません。洗剤や薬品で手を無菌にするような処置を繰り返すことになり、これが弱々しい子供をつくることになります。発熱などの症状がある場合はすぐ別室に隔離する(家に帰すといっても、いつ親が引き取りに来るかわからない)というような方法がよいのではないでしょうか。

現在の都会ではアーミッシュの様な生活をするのは不可能ですし、田舎で休暇を過ごせるのすら一部の人々でしょう。ならば、子供の頃からいろいろなアレルゲンに徐々に触れさせていくという医学に基づいたマニュアルとグッズが必要だと思います。

私は子供の頃から野山でよく遊んでいまして、杉花粉がもうもうと舞う中でハイキングしたこともあります。おかげで花粉症やアトピーから免れていると思います。

(写真はウィキペディアより)

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2015年12月 7日 (月)

2015~2016 リーガ・エスパニョーラ14: バルサ精度を欠きバレンシアとドロー

Braugranaバルサを迎えてメスタージャはすごい盛り上がりです。監督がガリー=ネヴィルに代わったという話題でもちきりのようです。今日はまだスタンドで観戦です。バレンシアは1トップ:アルカセル、2列目:デ=パウル・エンソ=ペレス・バルボーナ・ミナ、ボランチ:パレホ、DF:ガヤ・アブデヌール・サントス・ヴェーゾ、GK:ジャウメ。バルサはFW:ネイマール・スアレス・メッシ、MF:イニエスタ・ラキティッチ・ブスケツ、DF:アルバ・マスチェラーノ・ピケ・ダニ、GK:ブラボ。

バレンシアは守備の際には451のようになって、デ=パウルやミナの足を生かしてのカウンター狙いです。しかしバレンシアから見ての右サイドは弱体で、ネイマールやアルバで突破出来そうな感じです。早速5分スアレスが左に進出して、絶好のクロスを上げましたが、メッシがしくじってゴールならず。6分にはネイマールがシュートミス。26分にはネイマールが左を抜け出して、中央のメッシに撃たせますがジャウメがキャッチ。34分には左のネイマールから、右のスアレスに絶好のパスが出ますが、スアレスがシュートミス。これだけミスが続くとまず勝てないだろうと非常に悪いムード。その後もシュートがまずいだけではなく、しばしばパスミスや不用意に球を失うことが多く、バルサFW3人とも調子落ちの感じです。

それでも後半13分、スアレスがドリブルで持ち込んで、激しいチャージを受けながらのゴールでようやく先制点をゲットしました。これで勝てればもうけものと思っていたところ、やっぱり勝利の女神はバルサに厳しい罰を与えました。41分にバレンシアのカウンターが決まってしまいました。アルカセルがうまくポストプレーで間をつくり、上がってきたミナに決められてしまいました。そして試合はドロー。バルサは精度が落ちています。こんな調子ではクラブワールドカップでもどこかにやられてしまうかもしれません。

https://www.youtube.com/watch?v=WSsSB-lytiY
https://www.youtube.com/watch?v=OIPFbFyB8i4
https://www.youtube.com/watch?v=vD0IOwPB-NM


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2015年12月 6日 (日)

都響・調布シリーズ: ポール・メイエ指揮とクラリネット

Img1ポール・メイエさんのクラリネットが聴けるというので、数年ぶりに調布にでかけました。なんと調布が地下駅になっていてびっくり。WHY? 「将来構想として、笹塚~調布間は複々線にする計画があり、急行線は地下に造る予定です。地下ならば複々線事業を進めるうえでも容易」というのがその理由らしいのですが、どんどん人口が減っていく日本で複々線なんてつくる必要があるのでしょうか? 地下3階のラグジュアリーな構造で、いったいどれだけ莫大なお金を使って地下化したのか、日本にまだこんなにお金があるなんて・・・うーみゅ、信じられません。

メイエさんは指揮者としてもご活躍で、1曲目は「フィンガルの洞窟」でしたが、なかなかニュアンス豊かに格調高い雰囲気。本日のコンマスは山本さん、サイドはゆづきでした。モーツァルトのコンチェルトは吹き振りでしたが、指揮はほとんでしないで演奏に専念です。メイエさんはなかなかハンサムで、50才という年齢とは思えない、若々しく溌剌とした演奏を繰り広げて気分爽快です。ちょっぴり楽しげに演奏する大道芸人の雰囲気もあります。オケも指揮者無しでもしっかり合わせて好演。終了後拍手に答えてソリストアンコールで、はじめて聴く曲(Stephen Sondheim の Send in the clowns) を演奏してくれました。ロビーで曲名をみるまでは日本の曲かと思っていました。

休憩後のメインはメンデルスゾーンの「イタリア」です。クラリネットの演奏と同じく、すっきりと引き締まった演奏で、曲調にぴったりです。長い時間電車に乗ってやってきてよかったと思いました。

月刊「都響」の12月号にマキロンのインタビューが出ていて、なかなか興味深く拝読しました。まずP35のオーストリアの村を睥睨する写真にずっこけます。都響の女帝志望ですか(笑)。ウィーンに留学してまず、「あなたの弾き方だと背中を痛める」と言われたそうで、弦の奏者やピアニストには、きっとスポーツ医学の観点からのよい演奏法を考えることが重要なんですね。またブルックナーの交響曲は、教会のような非常にライヴなホールで演奏することを考えて作曲されているので、例のフルストップも余韻を楽しんで次につなげるという意味だそうで、はっとさせられました。実は帰国してから少し演奏がおとなしい感じになったと思っていたのですが、ここに書いてあることが影響したのかなと納得させられました。

メイエさんの演奏

https://www.youtube.com/watch?v=wa35p6Nl6dU

https://www.youtube.com/watch?v=XLPzbl3MEfc


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2015年12月 5日 (土)

やぶにらみ生物論3: 真核生物

地球が出来てから、カンブリア紀(いろいろな生物種が一気に出現したといわれている)に至るまでの歴史を整理しておきましょう。といってもいろいろな出来事が起きた時期の確固たる証拠があるわけでもないので、数年後には数字が書き換えられている可能性もあります。一応真核生物が出現したのは21億年前ということになっています。

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真核生物(ユーカリア)は細菌(バクテリア)や古細菌(アーキア)と違って、ゲノム(全遺伝子)が核というボール状の構造に収納されています。ゲノムの情報が核の中で読み取られてRNAが合成され(転写)、合成されたRNAは核内でメッセンジャーRNAに加工されます。加工されることによってメッセンジャーRNAは核から、核膜に開いている穴(特定の物質だけが通行できる)をくぐって細胞質に出て、細胞質でその情報を元にタンパク質が合成されます(翻訳)。つまり真核生物では、それまでワンルームだった細胞が、1DKに進化したということになります。キッチンとリビングを分けるように、転写する部屋と翻訳する部屋を分けたというわけです。

ワンルームの細胞では、遺伝子発現ONの情報が来ると、すぐに転写→翻訳と進んでタンパク質ができますが、1DKでは、とりあえずDKで転写して、それを別の部屋に持っていって翻訳することになります。したがって、しばらくDKに品物を置いておき、時期をみて他の部屋に移動するというような融通はききます。細胞内にとりこまれたウィルスなど外界のDNAと、ゲノムのDNAが簡単には接触しないようにするというメリットもあります。細菌では外界のDNAが簡単に細胞内のDNAにもぐりこんで住み着くことができます。

DNAのサイズが大きくなると、細胞内にDNAがランダムに分散してしまうことになり、糸が絡まり合うような混乱がおこる可能性があります。そうなると細胞分裂の時などに収拾がつかなくなるおそれがあります。核膜には放射線を遮蔽して、ゲノムDNAを保護する役割もあります。

DNAは長いひものような分子なので、何かにまきつけておくとからまりにくくて便利なのですが、DNAの糸巻きのような構造を形成する能力があるヒストンというタンパク質を、ある種の古細菌と真核生物は持っています。このことも古細菌と真核生物の近縁性を示す証拠のひとつです。

真核生物の細胞のサイズは普通直径10μmくらいですが、細菌は1μm以下です。そうなると体積でいえば1000倍以上になります。この中に含まれている各種分子の立場からみれば、犬小屋の中をうろうろしていたのが、いきなり東京ドームに放り出されたような感じですから、他の分子と遭遇する機会が激減し、化学反応がうまくいきません。そのためどこにいけば反応すべき分子と出会えるか道案内が必要であったり、化学反応を行わせるためのツールを整列させたりすることが必要で、そのために細胞内膜系や細胞骨格が必要になります。細胞内膜系や細胞骨格がないと、細胞は中に核やミトコンドリアというパチンコ球を含むパチンコ台のようになり、これも好ましくはないでしょう。

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2015年12月 4日 (金)

やぶにらみ生物論2: 生物のはじまり

Photo


私たちが住んでいる地球は、地球科学者によれば46億年前に出現し、そのできたばかりの地球に他の天体が衝突して(ジャイアントインパクト)、そのぶつかった天体は粉々になり、地球は衝突の衝撃で温度が上昇しマグマ化してしまったとされています。そのマグマは現在でも地球のほとんどの部分を占め、私たちはようやく冷えて固まった卵の殻のような表層の地殻に住んでいます。地球の周りに発生した衝突天体のかけらは次第に集積して月となったという説が有力であり、最初は極めて近くにあった月は次第に地球から離れていきました。今でも毎年月は地球から3cmづつ遠ざかっています。

マグマオーシャンとなった地球ですが、宇宙の低温によってしだいに冷やされ、43億年前には地殻が形成されたといわれています。地表が灼熱地獄だったときには地面までとどかなかった雨が降るようになり、40億年前には海洋が形成されました。大気が無い地球の地殻表面には、とても生物が生きていけないような中性子線やγ線が降り注いでいたので、それらを遮蔽する機能がある海洋が形成されたのは、生物が生まれる上で決定的に重要なことだったと言えるでしょう。すなわち水の中で生きる生物なら宇宙線の影響を受けなくてすむわけです。

生物は化学反応の集積であると言えば、それはウソではありません。しかし45億年前の地球でも、現在の地球でも、CO2(二酸化炭素) + H2(水素)→ HCOOH(ギ酸)という化学反応は全く同じであるのに対して、45億年前の地球には生物は存在しませんでした。しかし現在の地球には無数の生物が住んでいる。このことを考えれば、生物に関する科学には、化学とは異なる独自の理論や説明が必要であることがわかります。

生物学の基本は地球の歴史の中での生物の進化であり、またその進化の中で作り上げられた独特なシステムを、物理学や化学の言葉で説明することです。広い宇宙には無限のバラエティに富んだ生物が存在するでしょうが、幸か不幸か私たちがそれらに接触するチャンスはこれまで一度も無かったし、これからもわずかな可能性しかないでしょう。地球に住む生物のルーツが複数あるという証拠は、これまでのところ存在しない。すなわちすべての生物には共通の祖先があり、したがってなんらかの共通点を持っています。

生物学者は普通なんらかの生物種を選び、その限られた素材を用いて研究するので、その研究結果そのものは無数にある各論のひとつに過ぎませんが、それらは進化という1本の樹木につながる枝葉という意味ですべてつながっていて、それによって生物学という大伽藍が成立していると言えましょう。

さて、ではその共通の祖先である生命体はどのように生物で無いものから生まれてきたのでしょうか? それについては今のところすべては仮説です。しかし無機物からどのように有機物ができたかというメカニズムについてはいろいろな実験が可能です。ただ当時の地球環境がどのようなものであったかはよくわからないので、確定的なことは何も言えません。したがってここではそれらはすべてスキップして、現在の科学の力によって解明されつつある進化という一つの樹木の根についてみてみましょう。

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図にみられるように進化系統樹の根元には5つの系統の生物群があります。一昔前までは細菌・古細菌・真核生物の3つのドメインというのが、最もおおまかな生物の分類だったのですが、そう簡単にはいかないようです。系統樹からも想像出来るように、古細菌というのは細菌よりもむしろ真核生物と共通な部分が多い生物なのですが、その生活は地球創世時代の海底火山周辺の熱い海に生きていた頃の状況を、今でも引き継いでいる種が大部分です。そういう意味で古という枕詞がつくのも納得出来ます。

ロキ古細菌については私の記事もあります。
http://morph.way-nifty.com/grey/2015/10/post-d3d8.html

現在でも海底に熱水が噴出している場所はいたるところにあります(こちら)。例えば鹿児島湾には水深100メートル以下の浅い海にも熱水噴出口がみられ、その周辺に古細菌が生きています。多くの古細菌は高温に順化しているので、例えば酵素の場合、40℃のような低い温度では反応速度が遅すぎて役に立たず、生きていけません。彼らが生きているような100℃近い高温では、DNAもタンパク質も構造的に強い制限をうけるので、進化の速度が極めて遅くなってしまいます。そういうわけで、昔ながらの生き方しかできないのです。ごく一部の種が低温に順化し、そのなかから真核生物が生まれてきたと思われます。

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2015年12月 3日 (木)

やぶにらみ生物論1: 生物とは何か?

A0960_006844空蝉の 世の中なべて こんなもの
ならば離れて やぶにらみぞせん (管理人)

若い頃、自分は何者でどこから来たのか? 何のために生きているのか? と悩んだ人がいるでしょう。今悩んでいる人もいるかもしれません。継母に育てられた人は、特にそう思うかもしれません。まさしく生物学的な母を知ることができれば、その疑問は解消されるのでしょうか? 難しい問題です。

もう少しやさしい問題にとりくむことからはじめましょう。「いま私が使っているシャープペンシルとは何か?」 という問題になら答えられるかもしれません。まずシャープペンシルとそうでないものとを区別しなければなりません。鉛筆との違い、ボールペンとの違い、などを考慮するとかなり説明できるでしょう。解体して細部を観察すれば、よりきちんと説明できそうです。シャープペンシルを製造している工場を訪問して、プロセスを見学させてもらえば、より知識は深まるでしょう。生物学で言えば、分類学、構造学、発生学です。さらに博物館にある初期に製造されたものと、現代のものを比較すれば、それは進化学です。そこまでやれば「シャープペンシルとは何か」という疑問に、かなり正確に答えることができるでしょう。

次に「生物とは何か」という問題に進んでみましょう。まず生物と生物でないものを区別しなければなりません。これがシャープペンシルとボールペンの区別のように簡単ではありません。もともと生物は突然できたものではなく、生物でないものから徐々に変化して出来てきたものと想像されるので、どこかで線を引くというのはあまり意味のあることではないという考え方もできますが、実際に生物という言葉を使っている以上、定義をしなければ何を言っているのかわからないので、やはり避けては通れない問題です。

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孔子はある小さな国の政治をやってくれないかと頼まれました。しかしその国には予算は少なく、軍隊も弱い状態でした。弟子である子路は心配して、孔子に「そんなところで、先生は何をなさるのですか」とききました。すると孔子は

必也正名乎。名不正則言不順、 言不順則事不成。
(かならずや名をたださんか。名正しからざれば則(すなわ)ち言(げん)順(したが)わず、言順わざれば則ち事成らず)

という有名な言葉で答えました。この意味は「私はまず言葉を正しく定義する。もし言葉の定義が正しくなければ、何を言っているか意味がわからない。何を言っているかわからなけらば、何事もできなくなってしまう」 
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生物と生物でないものとの中間的なものが知られています。そのひとつは、日本ではわが北総ではじめて発見された「牛海綿状脳症(BSE)」の病原体であるプリオンです。これに感染すると脳の組織がスポンジ状になり、異常行動、運動失調などを示し、死亡するとされています。BSEに感染した牛の脳や脊(せき)髄などを原料としたえさが、他の牛に与えられたことが原因で感染が起こります。羊のスクレイピーやヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病も似たような病気です。

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プリオンはある種の異常なタンパク質で、正常なタンパク質と接触することによって、正常なタンパク質を自らと同じ異常なタンパク質に変換します。これが繰り返されると、体内に正常タンパク質が減って、かわりに異常タンパク質が蓄積し、最終的に発病します。

このプリオンを生物とみなさないというのは科学者のコンセンサスです。

しかしウィルスは違います。細胞にとりついて、内部に遺伝子を注入し、細胞のシステムを借りて自分の体をつくります。自分の体(遺伝子=DNAまたはRNA、遺伝子を包む殻などからなる)ができると、細胞を破壊して外界に飛び出し、また別の細胞をさがしてそれにとりつきます。こうなるとはて生物なのかそうでないのか迷います。現時点ではウィルスは生物ではなく、細菌は生物であると定義しています。

もう少しきちんと言葉で定義する試みはNASAの A.Lazcano (2008, Chemistry and Biodiversity vol.5, 1-15) によって行われました。それは

Life could be defined as a self-sustaining chemical system that is capable of undergoing Darwinian evolution

ダーウィン的進化が可能な自己保存的化学系」 というわけです。ちょっと難しくなってしまいました。この辺でおひらきにした方がいいようです。ただすべての科学用語が正確に定義出来るかというと、そうではありません。科学ではほとんど未知のものもとりあつかうので、そういう場合はファクターXとかY因子とか適当に名前をつけて話を進めます。

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2015年12月 1日 (火)

サラとミーナ168: どうしてこうなるの

Img1ねこベッドをひとつなくしてしまったので、ペットショップに行ってひとつチョコレート色のベッドを買い足しました。これで奪い合いのトラブルは回避できると思ったのですが、甘かった。

サラもミーナも古ベッドには見向きもせず、新品を狙います。新ベッドのサイズは標準的なサイズのねこにあわせたものなので、ミーナにはサイズが小さいのですが、それどころではなく、サラとミーナでこの小さなベッドをシェアーすることになりました。

まあこのようななるのは良い方で、新ベッドの奪い合いでパンチの応酬になることもあります。本気で喧嘩するとかならずサラが勝ちますが、サラの気分によってはミーナに譲ってあげることもあります。

新しいのを買うまでは、喜んで白いベッドに寝そべっていたのに、いまや見向きもしないのはなぜ? いや・・・人間でもそんなものでしょうかね。


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