ナッセン-ゼルキンー都響@サントリーホール2015年9月29日
指揮者ナッセンはまるでファンタジーの挿絵から抜け出してきたような、ヒゲ&巨体の爺さんで、かつなかなかチャーミングな人です。コンマスは矢部ちゃん、お隣はマキロン。ナッセンさんは杖でコツコツ登場し、杖を指揮台の手すりにひっかけて、指さし確認してから椅子に腰掛けて指揮します。
本人の作品からはじめましたが、何が面白いのかさっぱりわからない作品でした。シェーンベルクははじめて聴く作品でしたが、今まで聴いた彼の作品のなかでは一番気に入りました。武満の作品も、実に美しく精妙なアンサンブルです。ナッセンさん&都響素晴らしい。私は生涯でたった一度だけジャズのコンサートに行ったことがありますが、そのとき私の2列前に武満徹氏が座っていました。あたりの温度がぐっと下がるような、独特のオーラがあって驚いた思い出があります。
休憩時にステージでピアノを弾いている人が居て、調律師かと思ったらなんと本日のソリスト=ペーター・ゼルキンさんじゃありませんか! それにしてもきれいな音だけど、さっぱり鳴らないピアノだなあと思いました。あとでウェブサイトで調べると100年以上前に製造された米国製のピアノで持ち込みということでした。
このピアノに違和感があって、後半のブラームスのコンチェルトには全然はいっていけませんでした。ゼルキンさんは折り目正しく力感満点の弾き方なのですが、ピアノがそれにきちんと反応していないように思いました。修理を要する部分があったのではないでしょうか。全体的にもコンサートホールの大きさに比べて、ピアノの音が小さすぎます。大奮闘のゼルキンさんとはうらはらに、ナッセン都響はさわやかに演奏を進めていきます。
結局第3楽章の田中翁のチェロの嫋々たるソロに導かれて、みんなが何とかしようと頑張って、どうにか最後までたどりつきました。それにしても田中さんのチェロの音は・・・・・。ナッセンさんもゼルキンさんも、終了後田中さんに握手を求めに行きました。
田中雅弘の音楽旅日記
https://www.youtube.com/watch?v=GtsmYhrJizo
Oliver Knussen
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