都響・南紫音・小泉和裕@大田区民ホール・アプリコ2014年11月8日
都響-南紫音-小泉和裕の演奏会を聴きに蒲田の大田区民ホール・アプリコまで行ってきました。ここはもと松竹キネマ蒲田撮影所だったところだそうで、なかなか瀟洒な建築です。ただ京急蒲田から行くと、標識が無くて道順がとてもわかりにくいですし、ホールのHPにある地図も役に立ちませんでした。前に一度来たことがあるのに.....orz。結局まわりを1周してようやく到着しました。お役所仕事というのは所詮こんなものです。
ホールはほぼ満席の盛況。本日のコンマスは山本さん。さすがにヤバいと思ったのか多少ダイエットしたようです。サブはゆづき。演奏会は南さんがソリストのブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ではじまりました。南さんはこの演奏会のために本拠地であるドイツから来日してくれたそうです。実に重厚でリッチな響きのバイオリン(ストラディヴァリウス)で、圧倒されました。音量も十分。きちんと節度を保ちながらも、迫力十分で情熱的な演奏を聴かせてもらいました。満場の拍手に答えてのアンコール曲は、イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第二番 イ短調 op. 27より第一楽章で、この曲のゾクゾクするような素晴らしさにはじめて気づくとは私ももぐりか。
休憩後の後半はブラームス交響曲第1番。定番曲ながらマエストロ小泉がビシッと締めて、いつものように統制のとれた美しいアンサンブルのなかに、さわやかな叙情も、ほとばしる高揚も申し分ありません。ただ終了後は大変お疲れのようで、ちょっと多忙が過ぎるのかなと心配になりました。
安倍政権の政策だと円安が爆発的に進行して、音楽家・スポーツ選手・科学者などが続々と海外流出しそうな感じです。今までは多くの外国人演奏家が日本を訪れて、素晴らしい音楽を聴かせてくれていますが、そのうち来てもらえなくなるでしょう。指揮者ももちろん例外ではなく、小泉さん等はひっぱりだこになって、多忙をきわめることになりそうで心配になります。
音楽を離れても、円安は日本にとって本当に深刻な状況を生み出すかも知れません。プロ野球やJリーグはマイナー選手のたまり場となり、大学や国研のレベルも低下し、さらに悪いことに国が海外から労働者を集めようとしても不可能になるでしょう。もっと深刻なのは、国民のほぼ半分くらいが貧困に苦しむことになり、特に若い世代がクラシックコンサートばかりか、JPOPなどの演奏会にもいけなくなって、日本の音楽界全体が、当面は退職した団塊の世代がささえるとしても、しだいに沈没していくことになりそうです。
こんな曲です
ブルッフ
https://www.youtube.com/watch?v=n90Xkpp62jk
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