« 2014年6月 | トップページ | 2014年8月 »

2014年7月31日 (木)

都響-インバル ブルックナー交響曲第7番@ミューザ川崎2014年7月30日

Img昨夜は都響の演奏を聴くために川崎まで出かけました。ミューザ川崎でフェスタサマーをやっていて、関東近郊のほとんどのオケが参加します。ゆるいプログラムが多いなかで、都響と東フィルはそれぞれブルックナー、マーラーという大曲に挑戦していました。

京急川崎駅からかなり複雑な地下道を経由してJR川崎駅にたどりつくと、そこからはブリッジですぐにミューザ川崎に着きます。ミューザ川崎は3.11の大震災で、東京近郊ではめずらしく天井が落ちた建物として有名です。日比谷公会堂と違って、古い建物ではなかったのでびっくりしました。崩壊当時オルガニストが練習していたそうで、さぞかし肝を冷やしたことでしょう(ケガはなかったそうです)。この結果、ここを本拠地としていた東響は、しばらくジプシー生活にならざるを得ず、誠にお気の毒でした。再建されたのはなによりです。

はじめてだったので、中に入ってみて驚きました。サイトの座席表(http://www.kawasaki-sym-hall.jp/seat/)をみただけでも、かなり変わった構造だと思いましたが、実際には座席表からは想像できないような異様なレイアウトでした。客席がラセンを分断したような構造になっていて、自分の席が何階にあるのかもよくわかりません。私は2R(2RA)の席でしたが、実際には3F席の様な感じでした。私の周辺はほぼ満席でしたが、なぜか対面の2Lの席はガラガラ状態でした。音がよくないのでしょうか? 一方5F(4C)の席などは満席のようでした。ステージと小さな1F席(ステージより小さい)は地底のような感じで、音が下から湧きあがってくる感じです。どうもベストは2F正面席(2CA)のようです。普通の2階席よりずっとステージに近い感じです。音響はサントリーホールよりも豊かな感じがしました。開演前に木管奏者が練習していましたが、かなり大きな音にきこえました。

Photo本日のコンマスは矢部ちゃん。最近全身麻酔で内視鏡検査を受けたとツイッターに書いてありましたが、何事も無かったかのように元気いっぱいでした。とはいえ検査結果がどうだったのか気になります。サイドはゆづき。

最初の曲はワーグナーの「ジークフリート牧歌」で、都響が誇る弦楽アンサンブルを生かしたすばらしい演奏でした。休憩後のメインはブルックナーの「交響曲第7番」。これも都響向きの曲ですが、ワグネルチューバが4本も必要なのが問題点で、エキストラが必要な上に、普段使っていない楽器を吹くので、なかなか万全とはいきません。この曲などは一発ライヴではなく、スタジオ録音でCDに収録して欲しいと思います。

今回は川崎公演ということもあってか、ワグネルチューバ以外にも多数エキストラの方々がはいっていたようです。2番クラリネットなどとても素晴らしい音でした(美貌の女性奏者)。この曲ではホルン(4人)が大活躍です。インバル先生も勢いに任せて進むのではなく、弦の精緻なアンサンブル、木管の美しさ、金管の大咆哮などをたっぷりと聴かせてくれました。帰りに満員電車で江口さん(都響チェリスト)と並んでしまいました。彼の楽器ケースは素晴らしくて、ミロ風の絵柄がとても目立ちます。そういえばカルテット・ローエは活動していませんね。田口さんは産休なのでしょうか?

江口心一: http://yaplog.jp/egushin/

ローエ・カルテット: http://yaplog.jp/egushin/archive/47

ブルックナー 交響曲第7番 こんな曲です
https://www.youtube.com/watch?v=6lgl40WuaG0

| | コメント (15) | トラックバック (0)

2014年7月28日 (月)

「マーラーの交響曲」 by 金聖響+玉木正之

Imgaa神奈川フィルの常任指揮者である金聖響氏とスポーツライターの玉木正之氏の共著「マーラーの交響曲」(講談社現代新書)です。この本は2011年に出版されたそうですが、私は知らなくて買いそびれてしまいました。今頃になって読んでみたところ、なかなか面白い本でした。玉木さんのお話も面白いのですが、彼はプレトークとアフタートークにしか参加してなくて、メインボディーは金聖響氏が交響曲を1曲づつマーラー初心者向きに解説するという趣向です。これからマーラーの交響曲を聴いてみようという人にとっては最適なガイドブックだと思います。

玉木さんと同様、私がマーラーを聴きはじめたのはまだLPレコードの時代で、最初に手にしたのはエーリッヒ・ラインスドルフ指揮ボストン交響楽団の「交響曲第1番」でした。このいにしえの録音がどうなっているか気になって調べてみたところ、多分同じソースと思われるものがCD化されていました。そればかりか、なんと彼が指揮する第4楽章の映像が YouTube にアップされていました。

https://www.youtube.com/watch?v=WYP_z1_rL4M

今聴いてみても、なかなか鋭角的でわかりやすい演奏です。おかげでマーラーの音楽にその後ずっと親しむことができました。最初にバーンスタインのレコードを聴いていたら、こうはいかなかったと思います。

金さんによるとマーラーの交響曲を演目にすると、圧倒的にチケットが売れるのは「交響曲第5番」だそうです。多分第4楽章がアダージョ・カラヤンに収録されているからでしょうが、映画「ヴェニスに死す」で使われていたのが私にとっては一番印象に残っています。このくらい音楽が映画全体を支配しているような作品には出会ったことがありません。それにしてもあれだけオーケストレーションに長けていたマーラーの最も有名な曲が、弦楽合奏とハープだけで演奏される曲というのは、なんという皮肉なのでしょうか。

https://www.youtube.com/watch?v=wwyYyfP0b0w

https://www.youtube.com/watch?v=6XY3RFBQS58
https://www.youtube.com/watch?v=Fvb1ITRFXhc
https://www.youtube.com/watch?v=KeAos94a-fw

この本で変だなと思ったのは楽譜1-1で、金さんの説明だとコントラバスの第3パートだけppだということでしたが、楽譜を見ると第2バイオリンだけがppでした。はて・・・。

金聖響-神奈川フィルのマーラー
https://www.youtube.com/watch?v=rqTlwJ-avYk

Imgmahler最近アリアCDの店主の口車に乗ってマゼール指揮バイエルン放送交響楽団のマーラー交響曲全集を購入してしまいました。下のようなセールストークを聴くと買いたくもなるでしょう・・・松本店主は天才です。金さんの本を読んだのでマーラーを聴きたくなって、この全集から何曲か聴いてみました。

「まさにぶっ飛んだ。はったりなどという次元を超えた、ヤクザがマジでぶちきれたような演奏。とにかくどこを聴いても強烈なマゼールの体臭。吐き気がするほどにドロドロのマーラー。スピーカーの前を百鬼夜行が通り過ぎる。これはあざとく練られ、周到に張り巡らされた地獄界。テンポを極限に遅いギリギリ一歩手前のところで設定。そんな血の池かマグマかというような中をマゼールは満面の笑みを浮かべながら自在に泳ぎまわる。その様相は悪夢でしかない。4曲すべてが徹頭徹尾マゼールの醜悪な美学と感性で貫かれ、オケは終始張り詰めた緊張状態、全編協奏曲かというような過酷な精神状態を強いられる。そしてマゼールは下品きわまりないドンチャン騒ぎを煽っておきながら、その一方で細部まで偏執狂的こだわりを見せる。・・・とにかくすべてがマゼール。マーラーを踏み台にして、その屍の上でマゼールは酒を飲んで踊り狂っているのである。指揮者がマーラーを超えた演奏を初めて聴いた。」(アリアCD)

http://www.aria-cd.com/arianew/shopping.php?pg=label/greatbox

聴いてみると、たとえば交響曲第3番の第6楽章など、都響なら清楚でピュアの極致の演奏を聴かせてくれますが、マゼールは弦楽をグニュグニュ波打つように弾かせて、実に気持ち悪い演奏です。とても同じ曲とは思えません。それにしてもこのジャケットはなんのデザインもなく、ただ LORIN MAAZEL という字が並んでいるだけです。内容がそうだからでしょうか?

マゼールが遺したものすごいマーラー交響曲第5番
https://www.youtube.com/watch?v=E9D1svZ9Y0s

マエストロ・マゼールはこの7月13日にバージニアの自宅で亡くなったそうです。合掌。

http://www.huffingtonpost.jp/2014/07/13/conductor-lorin-maazel-dies_n_5582960.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年7月25日 (金)

ニホンザルの血液検査@福島

Saru

日本獣医生命科学大学(Nippon Veterinary and Life Science University):http://www5.nvlu.ac.jp/e/index.html
を中心とした研究グループは、福島市(福島第一原発から70kmくらい離れた地域)に棲息する野生のニホンザル約1000個体の血液を調査し、下北半島のニホンザルに比べて統計的に有意な白血球・赤血球・ヘモグロビン・ヘマトクリットの減少が見られ、またそれらは若い個体において筋肉中の放射性セシウムの量と逆相関の関係にあることを明らかにしました。

原著論文 サイト:http://www.nature.com/srep/2014/140724/srep05793/full/srep05793.html
Title: Low blood cell counts in wild Japanese monkeys after the Fukushima Daiichi nuclear disaster
Authors: Kazuhiko Ochiai,Shin-ichi Hayama,Sachie Nakiri,Setsuko Nakanishi,Naomi Ishii,Taiki Uno,Takuya Kato,Fumiharu Konno,Yoshi Kawamoto,Shuichi Tsuchida & Toshinori Omi
Journal: Scientific Reports  4, Article number: 5793 doi:10.1038/srep05793 Received  06 February 2014  Accepted  24 June 2014  Published  24 July 2014

白血球の減少は感染症にかかる危険性の増加を意味し、赤血球の減少は貧血を発症します。人でもサルと同様の結果が推測され下記のような文献がありますが、もっと大規模な研究が必要です。
http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/oz/661/661-01.pdf

人の血液検査はサルよりはるかに簡単なので(探して捕獲する必要が無い)、10000人くらいのサンプルはすぐ比較出来るでしょう。きちんと汚染されていない地域のサンプルと比較した学術データを集めて発表するべきでしょう。

今日の報道ステーションでもやっていましたが、原発再稼働に関して「世界一厳しい基準」という安倍総理の言葉はウソです。これは当然総理も知っているはずで、何も知らない人々を籠絡する確信犯的なペテン師だと言われても仕方ありません。

(写真は足成フリーフォトサイトより拝借しました)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年7月24日 (木)

中国でペストが流行

230pxyersinia_pestis_fluorescent中国でペストが発生し、すでに死者が1人出ているそうです。すでに16日に最初の死者が出ているとロイター、AFP、ニューズウィークなどで報道されていますが、日本では報道管制がしかれているのかもしれません。

AFP: 中国北西部甘粛省の玉門市で男性(38)が腺ペストで死亡したことがわかり、同市は先週から隔離・封鎖された状態にあるという。国営中国中央テレビ(China Central Television、CCTV)が22日、伝えた。

MSN: 中国甘粛省政府によると、同省玉門市で23日までに男性がペストに罹患して死亡した。地元からの報道によると、当局は同市に通じる高速道路や幹線道路を封鎖するなどして、市民ら約3万人を事実上隔離した。北京の日本大使館はペスト流行地域に立ち入らないよう邦人に注意を呼び掛けた。

http://blog.livedoor.jp/kaigainoomaera/archives/39277919.html
http://blog.livedoor.jp/sokuhoujapan-news/archives/10199184.html

http://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2014/07/130782.php
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304067104580046922011067424

中国では2012年にもペストが発生しているようです。

こちら

https://www.youtube.com/watch?v=V6JCfTuWtvA

(写真はウィキペディアより)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年7月23日 (水)

サラとミーナ143: 怠惰な夏?

写真を見る限り怠惰な夏という雰囲気ですが、今年は先週まで気温が低かったせいか、猫たちはまだまだ夏バテはしていません。サラはもちろん、太めのミーナも元気。

なんか用?

111

な~んだ 用はないのね

222

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年7月20日 (日)

都響 インバル マーラー交響曲第10番 (クック補筆版全曲)@サントリーホール2014年7月20日

Img最近は雷と稲光のなかで暮らしている感じですが、日曜日はなんとか天気が保って無事溜池山王までたどりつきました。開演前にドトールで一息いれていて、はっと気がつくと、隣のテーブルに陣取っているのが西川さん(都響の打楽器奏者)でした。演奏には参加されてなかったので、聴衆としてこられていたようです。ちょっと緊張してしまいました。

マーラーチクルスの番外編、最終のプログラムで交響曲第10番(クック補筆版)のコンサートです。終楽章までほぼ切れ目なく草稿が残っていた曲なので、ジュスマイヤー版のモツレクなどとは全く意味が違う、文字通りの補筆版だそうです。とはいえマーラーが破棄するように遺言したという作品ですから、クックも相当勇気が必要だったと思います。ショスタコーヴィチやシェーンベルクは断ったそうですから。私は全曲を生で聴くのは初めてでした。都響も17年ぶりの演奏だそうです。生録音してCD出版は決まっているので、楽団員も緊張したのではないでしょうか。

マエストロ・インバルによるクック補筆版の解説
https://www.youtube.com/watch?v=P5Ln897MBnQ
https://www.youtube.com/watch?v=3RY4U9AAXqg
https://www.youtube.com/watch?v=waFGqauLMUo

コンマスは四方さん。サブは矢部ちゃんです。都響としてはめずらしく、Vn1, Vn2, Vla, Vc の弦の並びでした。第1楽章はよく単独で演奏されるアダージョ。第一主題がはじまるところが好きで、ハンヌ・リントゥがマレーシアフィルを振ったのが夢のように美しい演奏でした。
https://www.youtube.com/watch?v=pd2OA_t4AEA

しかしインバルー都響は意外にもあっさりと進んでしまい、少しがっかりしましたが、今日の白眉は第5楽章でした。まさにゾーンにはいったような神がかり的演奏で、マーラーが最後に残してくれたこの名曲を聴衆に堪能させてくれました。 最後の曲でマーラーはオーケストラのすべてのパートに見せ場をつくるという作曲家の芸をみせてくれました。普段はあまり目立たないチューバやバスクラリネットなども非常に印象的でした。都響のメンバーはそれに答えてしっかり演奏し、インバルも豪快にうなりながら思い切り指揮して、まるでマーラーの亡霊が乗り移ったかの様な名演になったのではないでしょうか。明日も同じ場所で同じ曲を演奏することになっていますが、よりリラックスした感じになるのかな? いずれを使うにしてもCDの発売が楽しみです。

演奏が終わってもマエストロはタクトを下ろさず、静かな時が何秒過ぎたでしょうか? まさしく時が止まった瞬間でした。マエストロの故国は戦乱のさなかで、この曲を演奏するために来日してくれたことを心から感謝したいと思います。

cf : https://www.youtube.com/watch?v=4EVqKrSpyww

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年7月19日 (土)

JPOP名曲徒然草143: 「世情」 by Naru & ぷりん

Fig1すべてがごまかしと虚勢で進行して行く現代にこそ「中島みゆき」の歌が必要な気がします。彼女はユーミンと共に20世紀の日本が生んだモンスターだと思いますが、時に非常に難解な歌詞を書くのがいただけません。

「世情」言わずと知れた中島みゆきの名曲ですが、お掃除が行き届いているので、ここはNaru & ぷりんにお願いしましょう。 

Naru & ぷりん @路上 誰も聴いてないというシチュエーションがこの歌にふさわしく思います
骨太の堂々たる歌唱
https://www.youtube.com/watch?v=CnexarkFPxA

XXkurage アルトの魅力
https://www.youtube.com/watch?v=niGOr9emL5c

かよたま やさしい声で内省的に歌うのが新鮮に感じます
https://www.youtube.com/watch?v=eeszggIpkd4

Kei ピアノ弾き語り シャンソン風
https://www.youtube.com/watch?v=x2NiBlYQCjE

bikke
https://www.youtube.com/watch?v=H7wX26HsiFY

(goldrose)
https://www.youtube.com/watch?v=icI6Fdv3wAk

「世情」 アルバム「愛していると云ってくれ」(YCCWー00007 ヤマハ)に収録
1978年のLPから2008年の紙ジャケ仕様CDまで多数出版されています。2001年版のCDが現役盤なのはさすがです。

「世情」の歌詞のなかに次のような一節があります。
歌詞:http://www.kasi-time.com/item-18177.html

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
変わらないものを 何かにたとえて
その度 崩れちゃ そいつのせいにする
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

これがさっぱりわかりません。まず「何か」は物体を意味し、「そいつ」は人物を意味する日本語ですが、同じとすれば人なのか物なのか? それとも「何か」と「そいつ」は異なるものをさしているのか? だいたいかわらないものを何かにたとえるとはどういうこと? そんなことやったことないし、どうしてたとえるの? 多くの人がこの歌詞の問題に取り組み、挫折しているように思います。本人に説明してもらうほかないかな? 道で会ったら絶対に訊いてみよう。

服部氏の解釈

世の中の人たちは、自分たちの刹那的で動物的な欲望から発していることなのに、それをキレイな夢に置き換えて、達成しようともがくけど、なかなか達成できないとわかると、他の人たちや政治家や国など、結局、世の中の他人事のせいにしてしまう。

http://nvc.halsnet.com/jhattori/Spirits/NakajimaMiyukiSejyou.htm

中村氏の解釈 なんと4種類も解釈をアップ

解釈α:世界(社会)はその「変わらないもの」「信じるもの」「守るべきもの」を表現・創造し何かにたとえようとして、必ず流れ(変化)で崩れてしまう。そして崩れた理由をつくったものや人になすりつけ合うことしかできない1)。

解釈β:俺たちは普遍(不変)のものを抱こうとするからだ。そして表現力が足りない、いやこの世で表すことは不可能だからこそたとえる(表現・創造する)のだが、変化し流れる世の中からは常に崩れる、取り残される運命にあり、ついそいつ(たとえた何か、世の中)のせいにしてしまうんだ。

解釈X:変わらないもの(内)を目指して理念と為し、社会(外)で活動していくが、変化する世の中では責めに会い、崩れてはその理念や活動を責めてしまう。

解釈Y:夢を思想や理論や論理で表現して、失敗しては脱構築、総括、会議、団結などという

http://blog.goo.ne.jp/daslebenistschoen/e/d6ac2321fe3736b755a245c9c6d51d0c

山桜氏の解釈

これは、「変わり続ける世の中」が、「変わらないものを」何かしらの標語に巧み、呼んで、呼ばわる度に、自分自身が崩れ(変わり、変貌し)ては、崩れ壊れ変節したのは、お前、頑固者の、そいつのせいにする、という意味で、歌われていると思います。

http://blog.goo.ne.jp/tousui-00/e/4a7c2f53bdc9a4eb9a88fa23ee0fec36

こんな歌詞もあります

包帯のような嘘を 見破ることで
学者は世間を 見たような気になる

これは学者をバカにしたような歌詞です。気持ちはわからないでもありませんが、包帯をほどいて中身をみせてあげることはとても大事なことのように思います。いまの日本はあちらもこちらも包帯で隠蔽するのが当たり前のようになっているので、包帯そのものに気がつかないような状況です。

なお「見たがるものたち(と)戦うため」の(と)が何を意味するかは論争の的ですが、私は with ではなく against だと思います。

だいたいこの歌はメッセージソングなのか? それとも高いところから世の中をながめた歌なのか? 

私は後者だと思います。愚かな人間社会を客観的に描くことによって、それを見る人の疎外感を際立たせるという仕組みではないでしょうか? シュプレヒコールの波は通り過ぎてゆくのであって、決して自分はその中には入っていけないのです。世の中も学者も頑固者もシュプレヒコールも、自分とは離れたところにあり、同化することはできないのです。

「世情」と対極にあるのが「ファイト」で、これはわかりやすい頑張れメッセージソングでしょう。

ぷりん
https://www.youtube.com/watch?v=u6okWKaieBc

竹原ピストル
https://www.youtube.com/watch?v=zpTqaesMssU
https://www.youtube.com/watch?v=STTHsSAd190

「ホームにて」 しみじみした良い歌です

ぷりん 感服しました
https://www.youtube.com/watch?v=gSo4CfOItA4

YO-EN  さらに感服しました
https://www.youtube.com/watch?v=UY87XmwggsA

Naru & ぷりん

https://www.youtube.com/watch?v=CcpV9UxJ1Sg

https://www.youtube.com/watch?v=otOGesuJiLA

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年7月18日 (金)

ワールドカップ終了 そして来期のバルサはどうなる?

Braugrana私がバルサのサッカーに興味を持った頃、バルサはよくクライファートとサビオラの2トップでやっていました。クライファートは長身で体が柔らかいのが特徴で、ポストプレーなどでの活躍を期待されたのでしょう。サビオラはエル・コネホ(うさぎ)と呼ばれた俊敏な選手で、よい組み合わせのように思えたのですが、実際にはさっぱり点が取れず、バルサは低迷していました。バルサが現在のような強いチームになったのはロナウジーニョ・デコ・エトオが来てからのことです。そのクライファートがワールドカップではファン=ハールの隣で背広を着て、メモとペンを持って事務員のようにかしこまっているではありませんか! 私にはバルサにいたときより目が輝いているように思えました。どうして? まあオランダは素晴らしいチームでしたけどね。

ワールドカップで最も鮮烈な印象を与えたハメス=ロドリゲスは、6300万ポンド(109億円)でレアル・マドリーに移籍するようです。これは強敵になりそうです。一方バルサは8100万ユーロ(112億円)であのスアレスを獲得しました。確かに大きな戦力ですが、彼は精神病を患っていると思われ、慎重に治療しないとまたかみつきを繰り返す危険性があります(治療不可能という説もあるようです)。
http://blog.livedoor.jp/kiriritto/archives/1005077175.html

このような補強には賛同出来ませんし、ましてセスクとサンチェスを放出して移籍金を捻出したとなればなおさらです。これでネイマールとメッシをどう使うのか、バルサは難しい課題を背負い込みました。この3人で3トップをやると、中盤の守備が不可能になるのではという不安でいっぱいです。メッシをトップ下で使ったときもさらに不安です。ブスケツを退団することになったチャビの代役にしようという情報がありますが、そうするとイニエスタとブスケツで中盤をやって、守備的MFはラキティッチ一人でということになります。CBの補強もまとまっていないし、これは無理筋でしょう。

そんな無茶をするならネイマールとスアレスの2トップにして、ブスケツとラキティッチのドブレピヴォーテ、中盤左右をイニエスタとペドロ(同点 or 負けている試合の後半だけメッシ)でまかなったほうがよほど安定感があります。さしあたってスアレスとネイマールは使えないので、それほど悩ましくはありませんが、3人出てきたときにどうするかが正念場ですね。「メッシシステム」でやってリーガもカップ戦も失敗したわけですから、まずこれを解体することが重要で、スアレスの加入がそのための布石だとすれば、どうするのか見てみたい気はします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年7月17日 (木)

組織標本の作成 よもやま話 その5 パラフィン切片の利点 

P1010040組織標本の作製について5回にわたって記事を書いてきましたが、実はここで記述したようなパラフィン切片を用いる研究法はどちらかと言えばマイナーなやり方で、メジャーな方法は凍結切片を作成する方法です。

凍結切片法ではパラフィンの代わりにOCTコンパウンドなどの凍結包埋用試薬を使います。コンパウンドは水溶性なので、アルコールやキシレンで置き換えたり、60℃でパラフィンを浸透させたりという手間がかからず、圧倒的に早く切片を用意できます。また試料に有機溶媒や熱を加えないので、細胞成分が変性するリスクが圧倒的に少なくなります。これらの理由でメジャーな方法として君臨するようになりました。
http://www.funakoshi.co.jp/contents/566

にもかかわらず、パラフィン切片を用いる利点は多数あります。

1.凍結切片はパラフィン切片より制作が難しい: まず凍結したブロックが溶けてしまっては困るので、冷凍庫のなかで切削しなければなりません。つまりミクロトームに冷凍庫がついている大がかりな装置が必要なので、これだけで数百万円の出費になります。もちろん大学や研究所には設置してあると思いますが、共通器機なので予約して使用する必要があります。また組織によって、うまく条件を設定しないとよい切片ができない場合もあります。一般にきれいな凍結組織切片をつくるには熟練を要すると思います。
http://www.tech-jam.com/items/KN3321450.phtml

2.ブロックや切片を冷凍庫(-80℃~-20℃)に保管しておく必要があります。誰かが開けたまま整理などをしているうちに溶けてしまうという危険性があります。もちろん予期せぬ停電だとアウト。一方パラフィン切片は室温でしばらくは保管出来るので便利です。パラフィンケーキは室温または冷蔵庫で半永久的に保管出来ます。

3.変性しない方が抗原抗体反応がうまくいくとは限りません。有機溶媒や加熱によって活性部位が露出して、うまく染色出来ることもあり得ます。

4.これがパラフィン切片の最大のメリットだと思いますが、凍結切片に比べてパラフィン切片の方が組織構造の保存が良く、美しい顕微鏡像が得られます。毛根は単層など微妙な組織が多数集まってできている複雑な構造体なので、パラフィン切片のメリットは大きいと言えます。

写真は発生しつつあるふたつの毛芽です。毛はここから出発します。パラフィン切片をヘマトキシリンとエオシンで染色しました。赤くみえる小さな細胞は赤血球です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

組織標本の作製 よもやま話 その4 切片の作成

標本の切片を作成する

中学生の頃、理科の時間にカミソリで植物の標本を作成して観察しました。試料を固定する器具さえあれば、カミソリで切片をつくっておおざっぱな観察をすることができます。このための器具はアマゾンなどでも数万円以下で売っています。
こちら1

本格的な切片作成装置であるミクロトームともなれば、少なくとも30万円くらいはします。ただときどきヤフオクなどで中古品がビックリするような安価で落札されることもあるようです。大まかに2つのタイプがあり、ひとつは試料を下から上にせり出させて、水平に切っていくタイプ。もうひとつは試料を奥から手前にせり出させて、垂直に切っていくタイプです。水平型ではかんなで木材を削るような感じで手を動かして切片を作成するので、滑走型ともいいます。垂直型ではハンドルで装置を回転させ、1回転ごとに1回試料を上下に動かして切っていきます。手でハンドルを回しながら切るので、ロータリー型ともいいます。どちらが良いかは好みの問題です。

滑走型:
http://www.yamato-web.co.jp/seihin.htm
http://www.wakenyaku.co.jp/ctg/ls.php?i=227
http://www.ikedarika.co.jp/catalog/item/2516.html
http://www.ikedarika.co.jp/catalog/item/2513.html
http://www.soran.net/product/seihin_disp.php?seihinid=4257

http://www.tech-jam.com/optical-equipment/microtome/index.phtml

ロータリー型:
https://www.yakukensha.co.jp/ctg/ls.php?i=226
http://nipponopticalworks.com/micro_c.html
http://www.micro-edge.co.jp/?cat=3
http://www.tech-jam.com/optical-equipment/microtome/index.phtml

http://www.wakenyaku.co.jp/ctg/ls.php?i=226

私はロータリー派ですが、切片作成に使用する小物を写真で示します。

Photo

まず絵や習字用の筆が必要で、切片が刃にくっつかないよう持ち上げたり、切りくずを清掃したりという用途で使います。切片ができあがると水槽に移動しますが、その際はピンセットを使います。一番下の解剖針は切片を切り離したり、整形したりするのに使います。

正直プロのはしくれである私にもどのような条件が切片作成にベストであるかはわかりません。私が教えてもらったのは、氷でぬらした布を切片にあてて冷やしながら切るという方法でした。冷やした後切削した1枚目の切片は捨てて、息を切片に吐きかけて湿度を与えながら2~3枚目をとります。そしてまた冷やして、息を吐いてというくりかえしです。超音波で霧を発生する装置もあるので、それを使ってもかまわないと思います。乾燥するとどうしてだめかというと、切ったときに静電気が発生して切片がくっついたり、丸まったりしてしまいます。

私は今この方法でやっているかというと、そうではなくて普通に室温で切っています。4℃に冷やした方がきれいに切れるというのはわからないでもないのですが、失敗も多かったので、連続切片をつくるのに便利な室温でやることにしました。もちろん室温だとパラフィンがやわらかいのでしわっぽくなりやすいですが、どうせ切片は切った後39℃の水槽に落として伸展させるので(パラフィンは水に反発力をもつのできれいに水面に伸びます)、結果は同じと考えるわけです。

水槽に浮かべた切片は、下図のようなやり方で1~2分のうちにスライドグラスで引き上げます。薄切して、水槽に移して、引き上げてという作業を何度も繰り返すのがいやな場合はとりあえず室温の水に浮かべておいて、まとめて39℃水槽に移して伸展させることもできます。このために「田んぼ」という水槽に区切りの枠をいれたものも売っていますが、切片自体には文字が書けないので、早くスライドグラスにくっつけて、スライドグラスに識別記録を書きたいところです。そういうわけで、私も「田んぼ」は持っていますが、使ったことはありません。

1


引き上げたスライドグラスはホットプレート(39℃)の上に置いて乾燥させます。切片剥離防止処理を施したスライドグラスは、切片とガラスの間に水がはいりにくく、2~3時間も乾燥すれば十分です。免疫組織化学で煩雑な操作を行うときに、切片がはがれないようにという目的での処理ですが、実際には乾燥が早いというのが大きなメリットです。
http://www.matsunami-glass.co.jp/productcat/laboratory/

通常のスライドグラスでも免疫組織化学を行うことは可能です。私ははがれた経験はほとんどありません。ただ切片とガラスの間に水がはいりやすいので、乾燥に時間がかかることがあるのが問題です。多少のお金がある場合は剥離防止スライドを推奨します。

乾燥させてスライドグラスにはりついている標本は、シリカゲルをいれた密閉容器で保管すれば数週間は保管できます。もちろん早く使うにこしたことはありません。

最後に当然のことながら、ひげそり用のカミソリもミクロトーム用の刃も買ったままではグリースが塗布してあるので使えません。アセトンなどでグリースを十分におとしてから使います。アセトンはマニキュアを落とすのに使うので、高純度のものが市販されています。通販でも買えます。グリースを落とすとすぐに錆がくるので、ただちに使う必要があります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年7月15日 (火)

組織標本の作製 よもやま話 その3 パラフィンケーキの作成2

パラフィンケーキの作成2

使っているパラフィンは60℃で液体、55℃で固体ですから、結構微妙な操作が必要です。だったらもっと高温で操作すればいいじゃないかと思いますが、そうするとススが出て部屋に黒煙がたなびくことになります。65℃くらいまでは大丈夫です。気をつけないといけないのは操作に使うピンセットなどが冷えていると、たちまちピンセットのまわりのパラフィンが固まって使用できなくなります。ですからピンセットはヒーターで70℃くらいにあらかじめ熱しておき、使い終わったらまたすぐ熱しなければなりません。試料カップ・シャーレ・ピンセットはみんな熱いので、操作は軍手をして行います。

1

写真が操作をするデスク(実験台)です。一番右にパラフィンオーブンがあり、中に3つの試料カップとシャーレが入っています。さらに包埋皿やシャーレ用の未使用パラフィンを入れたカップを入れておくのが普通です。中央はホットプレートで、60℃にセットしておきます。パラフィンが垂れて固まると面倒なことになるので(パラフィンが垂れた場合は、ヘヤードライヤーで溶かしながらキムワイプなどで拭き取らなければいけません)、大きめのアルミフォイルでホットプレート全体を被っておきます。パラフィンを固める前に、まず試料を入れたシャーレとホットパラフィンを満たした包埋皿をホットプレートに置いて、シャーレの中でカセットを開けて中の試料を取り出し、包埋皿に移します。

Photo

包埋皿がホットプレートの上に置いてある限り固化しないので、複数の包埋皿と試料を並べておきます。デスク(上の写真の太い中空矢印)の表面は冷たいのでパラフィンは下から冷えて固まるわけですが、表面も空気で冷やされて薄皮状に固まってきます。ですからエアコンの冷気が直撃するのは避けなければなりません。早く固まりすぎてピンセットを抜くタイミングが難しいときは、包埋皿の下にティッシュペーパー・キムワイプなどを敷くと少し固まる速度が遅くなります。なれると二刀流ピンセットで、ひとつの包埋皿に2個の試料を投入することもできます。ピンセットを抜いて試料が倒れないことを確認したら、上にメッシュ状の板(実は試料を入れるカセットを二つに割って、片方を使う)を乗せて、少し押し込みます。メッシュ穴からまだ固まっていないパラフィンがはみ出してきますが、これによって板がパラフィンとくっついた状態で固化します。全体が固化したら冷蔵庫に入れて冷やします。

翌日冷蔵庫から出すと、パラフィンケーキが少し収縮して包埋皿から離れやすくなっています。カッターではがして余分なパラフィンを落とすとパラフィンケーキのできあがりです(パラフィンケーキ作成1の写真参照)。パラフィンケーキの底にはプラスチックの板がついているはずです。板がはがれてしまったのもは、よほど貴重な試料でないかぎり廃棄です。板に試料の種類や実験年月日を書き込みます。板があることによって、薄切するときに機器に容易に固定することができます。パラフィンケーキは室温で保管することもできますが、私はタッパーウェアに乾燥剤を入れて冷蔵庫で保管しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年7月13日 (日)

組織標本の作成 よもやま話 その2 パラフィンケーキの作成1

Img_0017パラフィンケーキの作成1

十分に固定した試料はホルムアルデヒドの水溶液が全体に浸透していますが、これをそのままナイフで薄切することはできません。試料に含まれる水分をパラフィンにおきかえて、固いケーキのような形(写真)にしなければなりません。パラフィンとはほぼローソクと同じ物です。もちろんパラフィンでなくてもプラスチックなどでも良いのですが、光学顕微鏡用の試料の場合、薄切したあともう一度パラフィンを溶かして抗原抗体反応を行わせたり、染色したりなどの処理をして検鏡する事が多いので、キシレンで簡単に溶かせるパラフィンは便利です。

水分をエタノールに置き換え、キシレンに置き換え、最終的にパラフィンに置き換えて固めるという操作を行います。試料の固定の場合にもそうでしたが、ここでも試料のサイズが置き換えの時間に影響します。大きければ大きいほど時間がかかります。すべてのプロセスで大きい試料は不利となりますが、だからといって1立方mmの試料がベストというわけではありません。3Dのうち1Dが1mmの厚みなら、他は5mmでも1cmでもほぼ同じです。2Dが5mmの試料なら、1mmの試料にくらべて25倍の領域が観察出来るわけですから、圧倒的に有利です。下記の処理時間は1Dが1mmの場合です。2mmの場合は処理時間は倍になります。

ホルムアルデヒドによる固定が終了した試料

70%エタノールに1時間以上浸す

新しい70%エタノールに代えて1時間以上浸す

新しい70%エタノールに代えて1時間以上浸す
(70%エタノールは組織に大きな影響を与えないので、そのまま長期間保存することが可能です)

80%エタノールに20分浸す

90%エタノールに20分浸す

95%エタノールに20分浸す

99.5%エタノールに20分浸す

新しい99.5%エタノールに20分浸す

新しい99.5%エタノールに20分浸す
(研究用に100%エタノールも販売されていますが、薬局方の無水エタノール(99.5%)で十分です。100%エタノールでも保管がよくないと、すぐに水を吸って使用出来なくなります)

キシレンに10分浸す

新しいキシレンに10分浸す

新しいキシレンに10分浸す

ここで試料を小さなメッシュのかごのようなもの(カセット)に入れて、キシレン:パラフィン=1:1のパラフィン溶液に浸します。温度は40℃。37℃だとパラフィンが析出する場合があります。

かごとは:http://www.sakura-finetek.com/product/category/siyaku/caset.html

浸す時間は1~2時間でよいのですが、朝から作業をはじめるとここで夜になるので、一晩40℃のまま置いておきます。このときにヨーグルトメーカーを使うと便利です。例えばタニカのヨーグルティア。
https://tanica.jp/household-products/yogurtia/



試料は50%キシレン:50%パラフィン液で置き換えられています。次にこれを100%パラフィンに置き換えます。
パラフィンはキャンドル用ではなく、研究用のものがよいと思います。ケーキができればよいわけではなく、きれいに薄切できるものでなければ使えません。
例えば http://www.funakoshi.co.jp/contents/571

パラフィンは溶ける温度によっていろんな種類がありますが、融点55~56℃くらいのものがよく使われます。
このタイプのパラフィンに置き換えるには60℃のインキュベータが必要です。これが市販品は結構大げさなものが多くて、家庭用冷蔵庫くらいの巨大なものが一般的です。しかし自作または業者に作ってもらうことも可能ですし、お料理用のオーブンでも、温度計を入れて58℃~65℃くらいで安定していることが確認出来れば使えると思います。
試料をいれる容器はホーローのカップなどが便利です。カップは少なくとも3個は必要で、あらかじめすべてにパラフィンを投入し、オーブンの中にいれて暖めて液体にしておきます。


サンプルをパラフィンに浸す(60℃、20分)

新しいパラフィンに浸す(60℃、20分)

新しいパラフィンに浸す(60℃、20分)

あらかじめシャーレにパラフィンを入れてオーブンで温め溶かしておく。そこにカップの中から試料入りのかご(カセット)をひろって投入します。

さてここからがちょっとした勝負です(つづく)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年7月11日 (金)

組織標本の作成 よもやま話 その1 固定

Img_0012標本の固定

1.なぜ固定するのか?

# 標本というのは生のものなので、そのままではどんどん変化します。細胞が持つタンパク質分解酵素などの作用とか、細菌の繁殖とかのために構造が変化してしまうので、生サンプルは直ちに固定液に浸さなければなりません。実験動物の場合、殺して血液中に固定液を流しこむという操作がよく行われます。この操作(灌流固定)を行った場合はあせる必要はありません。固定液がタンパク質と反応すると、タンパク質は機能を失います。タンパク質分解酵素などは活性を失いますし、細菌は死滅します。ただ血液に注入したホルマリンで固定が難しい組織もあります。例えば表皮には血管が来ていないので、手早く切除して固定する必要があります。また生きている人から切除した組織についても同様です。

# 顕微鏡で標本を観察するには、通常標本を薄く切ってスライドグラスに貼り付けて観察します。一般に柔らかいものは、巻き寿司とかできたての食パンのように薄く切ることは困難です。実際には固定した標本に含まれる水分をパラフィンに置き換えたり、凍結させたりして、全体を硬い固体にしてから薄切します。ここではパラフィンに置き換える手法を用いることを前提として、以下に述べます。

2.固定液について

# 電子顕微鏡用の標本の場合、強力な固定剤であるグルタルアルデヒドを用いる場合が多いですが、これは小さなサンプル(1mm 四方くらい)にしか使えません。グルタルアルデヒドは瞬時にしてサンプルの表層をガチガチに固定してしまうので、かえって内部に固定液が浸透しにくくなり、大きなサンプルには使えません。よく実験に使われる線虫(土の中に住んでいる体長1mmくらいの生物)を固定したところ、体表は固定されたが、体内では幼虫が成長したという話を聞いたことがあります。また強力すぎて、抗原の抗体に対する反応性を損なうので、免疫組織化学には使えません。

こちら1

# というわけで、通常はホルマリン液が固定液としてよく使われます。試薬屋さんで売っている10%中性緩衝ホルマリン液でたいていは問題ないと思います。この液には4%のホルムアルデヒドが含まれており、かつリン酸緩衝液でpHが中性に保たれており便利です。ただパラホルムアルデヒドを使う人も多くて(私も以前にはよく使っていました)、この場合粉末の試薬が中性リン酸緩衝液にすんなり溶けてくれないので、水酸化ナトリウムでややアルカリ性にして溶かして、あとでpHを調整する必要があります。まあなれればどうということはありませんが。どちらがよいかは一概には言えません。最初に両者で比較して差がなければ、中性緩衝ホルマリン液がお勧めです。

#中性緩衝ホルマリン液を使いたくないという人の多くは、安定化剤としてメタノールが含まれていることを問題視します。10%中性緩衝ホルマリン液には1%程度のメタノールが含まれています。これで脂質が溶解するというわけではありませんが、何らかの影響はあるかもしれません。しかしたいていの場合は問題ないと思います。ホルマリンはそんなに安定な物質ではないので、安定化剤が含まれていても長期保管は避けるべきでしょう。特に自作のパラホルムアルデヒド液は不安定なので、用時調製が必要です(凍結保存しておけばよいという人もいます)。これが中性緩衝ホルマリンを推奨する主な理由です。最近ではワインエキスでホルマリン臭を消したものも発売されているようです(http://wako-chem.co.jp/siyaku/qa/ccn/pdf/ccn51.pdf

#ここまでの話はあくまでも哺乳類の組織を固定する場合のお話で、無脊椎動物・魚類など他の生物ではホルマリンによる固定はうまくいかないようです。実は大変古典的な実験手技であるにもかかわらず、固定に関する研究はまだまだ進んでいないのが現状です。
http://nrifs.fra.affrc.go.jp/news/news25/2502-1.html

3.固定する時間と温度

室温では4時間、冷蔵庫では一晩とされていますが、もちろん標本の大きさや種類によって違います。私の場合は最も固定されにくい(固定液が浸透しにくい)組織のひとつである毛髪を取り扱うことが多いので、4℃で最低3日間は固定します。長期固定によって抗原が抗体と反応しにくくなることもあり得るので、毛髪研究者は一定のハンデを背負うことになります。

4.ホルマリン固定のメカニズム

ホルマリン固定の化学的なメカニズムについては大まかなことは判明していますが、すべてが明らかにされているとはいえず、現在でも研究が行われています。

http://www.mutokagaku.com/products/reagent/solvent/formalin/
https://www.nichirei.co.jp/bio/tamatebako/pdf/tech_05_dr_fujita.pdf

5.ホルマリンにまつわる話

私たちや病理研究室に勤務する人たちはホルマリンの毒性から逃れられません。学生時代の実習室はいつもホルマリン臭がしていましたし、廊下にホルマリン漬けの標本が多数置いてあったりしてひどいものでした。現在ではさすがに大幅に改善されているようです。そういう職業ではない一般の人も安心はできません。10年くらい前までは養殖のトラフグやヒラメの寄生虫退治のためにホルマリンが使われていたようです。TVでいけすに大量のホルマリンが投入されている様子を見たことがあります。近傍でアコヤガイが壊滅的な被害をうけたことで発覚したようです。現在では多分使われていないと思われますが、海外では知るよしもありません。エビなどではいまだに使われているという情報もあります。感作されてシックハウス症候群になる人が出るのもうなずけます。

こちら2

次の記事  組織標本の作成 よもやま話 その2 パラフィンケーキの作成1 に続く

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年7月 9日 (水)

あまりにも悲惨なブラジルの敗北

Photoブラジルは10分しかもちませんでした。チアゴ・シウバとネイマールが欠場することになったのはもちろん痛かったですが、パウリーニョとダニをスタメンで使わなかったのも不可解です。ベルナルジは力不足でした。バルサの選手がひとりもいないセレソンは淋しい。

ドイツは大部分がFCバイエルンのメンバーで、近年ペップがパスによる攻撃を徹底させた効果が劇的に現れました。カウンターであってもきっちり相手DFの中間につぎつぎと選手が移動してパスを通しながら進むという戦術が目立ちました。これにブラジルDFは対応出来ませんでした。ケディラもエジルもゴール前の自分でもシュートできそうな位置から中央にラストパスを出して、よりイージーなゴールのお膳立てをしていました。大久保君みたかい?

日韓ワールドカップの時と比べると、ドイツの力量は明らかに向上しているのに比べ、ネイマールとシウバを欠いたブラジルは力不足で、残念でした。あのときはロナウド・リバウド・ロナウジーニョがいましたね。

オランダとアルゼンチンはこんな試合にはならないでしょうが、激戦になればなるほどドイツ有利となるわけで、大勝で気分がゆるまなければドイツの優勝は間違いないでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年7月 6日 (日)

都響-下野のドヴォルザーク交響曲第7番@サントリーホール2014年7月6日

今日は急に暑くなった感じです。サントリーホールの都響演奏会はチケット完売だそうです。下野さんはドヴォルザーク交響曲第7番が大好きだそうで、録音モードのマイクセッティングでした。CDを出版するのでしょう。プロムナードコンサートの会員券を持っているので来たわけですが、実は私はこの曲は好きじゃなくて、何度聴いても感動しません。あらゆる部分について、音がうるさく感じます。ドヴォルザークはブラームスを意識しすぎて、失敗したと思います。でもこの曲が好きな人も居るわけですからまあいいか。ただドヴォルザークもそのことに気がついてはいたと思います。その証拠に第8交響曲では、見事にブラームス臭を一掃して、独自の境地を拓きました。

前半のラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲は横山幸雄名人のピアノで見事な演奏でした。横山さんはなぜかピアニストというより寿司職人のようにみえます。自作の曲までアンコールで披露してくれました。朝から夜まで一人で演奏するコンサートとか、超人としか言いようがありません。

1

サントリーホール周辺のイラストがアーク森ビルの壁にありました。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

サラとミーナ142: 梅雨時は室内でリラックス

うちの猫たちは水が体に触るのがきらいです。ミーナは手ぬぐいを下げているだけで逃げ腰になります。これはシェルター時代に強制的にタオルで体を拭かれていたからではないでしょうか? ベランダがぬれていると外に出ませんし、乾いていても雨天だと躊躇します。こんなときはひたすら室内でリラックス。

Img_0001

リラックスといっても、サラは薄目をあけてこちらを観察したりします。

Img_3759


一方ミーナは例によって人間用ソファーでウルトラリラックス。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年7月 5日 (土)

スニーガにはペナルティーが必要だ!

Photo日本代表が早々と敗れたので、ワールドカップはひたすらバルサ選手達の無事を祈るばかりとなりましたが、なんとネイマールが腰椎骨折

犯人はコロンビアのスニーガ。後ろからニーアタックをしかけてきました。あれはプロレス技でしょう。サッカー選手はプロレス選手のような筋肉の鍛え方をしていませんから、重傷になるかもしれないことはわかってるでしょう。悪意が込められたファウルです。レフェリーはこのファウルを流して、カードも出さないという情けない判定でした。当然スニーガには試合後になっても重いペナルティーが必要です。

スアレスの噛みつきは歯形がつく程度ですが、それで4ヶ月のトレーニングを含むサッカー禁止です。このニーアタックは負傷者の神経が損傷すると、日常生活にも支障をきたすおそれもあります。危険性のグレードが違います。

今回のワールドカップでも、危険なプレーに対してレフェリーがカードを出すのをためらう場面が多いように思います。これはサッカーに肉弾の激突を見る楽しさを求めるファンや関係者が多いことが遠因になっています。そういうのが好きならプロレス見てろといいたいですね。

ブラジルとコロンビアの対戦は、後半はファウルで攻撃を止めるのが当然という荒っぽい試合になりました。レフェリーはこういうゲームにならないように、ファウルに対して厳しい姿勢を見せないと、今回のような悲劇がまた起こることになるでしょう。

バルサはかみつき男のスアレスを獲得しようとしているようですが、いくらプレーヤーとして有能でも、こういう精神病のような選手を獲得するのはやめてほしいと思います。ましてやサンチェスを売ってというのはもってのほかです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年7月 4日 (金)

面皰(めんぽう)経験談

Menpohimg

「New皮膚科学」 飯塚・大塚・宮地編 南江堂 より


毛がなくなるという事以外の毛の病気はめずらしいのですが、私はそのめずらしい面皰(めんぽう)という病気(毛根に原因がある吹き出物の一種)にかかったことがあります。図1にあるように毛髪は必ず脂腺という脂質を分泌する組織を伴っており(毛には必ず油が必要ということでしょう)、面皰というのは-その脂腺から出てくる油の通路が角質化する-という皮膚の研究者にとっては興味深い病気です。

それにしてもほとんどまともな毛がない背中で毛の病気になるとは不思議です。

脂腺からの通路が閉塞するので、油と角質が皮膚の中に充満してぐちゃぐちゃになります。進行して図3のような状態になっていたので町医者にかかったのですが、2時間待って背中の患部を数回押しつぶすだけ(有力な治療法ではあるようです)という繰り返しで、数回通っても外見上は治癒した印象はなく、大病院にかかることにしました。

診察したのは若い肥満気味の女性皮膚科医で、「これなら切れますね。今日の午後は空いてますけど・・・」と言うので、「じゃあ今日の午後でお願いします」と答えると、しばらく困った顔をして逡巡しながら「じゃあやりましょう」と言ってくれました(私:どうして逡巡するのだろう? 半休とってデートでもする予定だったのだろうか?)。

午後に再度訪れると、まずカメラで数枚写真を撮影され、裸でうつぶせに寝かされて、その上に騎手のようにくだんの女医がまたがって乗り、手術がはじまりました。すごい景色です。看護師はいません。

女医がメスをふるうわけですが、「痛い?」-「まだまだ」-「じゃもう少し切るね」-「痛い?」-「少し」-「もう少しやろうか」-「痛っ」-「じゃ麻酔刺すね」-「うっ・・・」-「およ~ これは思ったより深い・・・・・で痛い?」-「まだまだ」--- などとSMプレイのような手術を経験しました。最後に女医はホルマリンを満たした瓶を持ってきて、切り取った患部をそっくりいれて見せてくれました。直径1.5cmくらいあったようです。あれは学会発表などに使われたのでしょうか? 現在まで連絡はありません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年7月 2日 (水)

日本を放棄した日

1
麻生の言ったとおり、すなわち「ワイマール憲法が変わってナチス憲法に変わっていったんですよ。誰も気づかないで変わった。あの手口、学んだらどうかね」 ・・・ ナチのやり方を見習って憲法を無効にした安倍政権。安倍政権の政策は個々の政策について国民が支持するかどうかは関係なく、パッケージとしてイエスかノーかを迫るものです。
http://www.asahi.com/articles/ASG712PNYG71UTFK001.html

これによって国論は完全にふたつに分裂しました。安倍政権を支持する人々と批判する人々は水と油になって、いっそのこと国家を分断した方がよいと思うくらいです。

私の意見としては、現実的に自衛隊を容認する以上、憲法9条の第2項は削除しても良いと思っていますし、紛争当事者が合意したPKOおよび正規の国連軍には自衛隊の参加もやむを得ないと考えます。そして個別的自衛権は憲法9条があっても存在していると考えますが、集団的自衛権の行使=日米軍事同盟の強化=上記2例以外の海外での武力行使、は容認できません。日本は集団的自衛権を使わなくても済むような国家のありかたをめざして進むべきだと考えます。

集団的自衛権とはなにか
http://club.pep.ne.jp/~nonoyama/Kyoufu.htm

自衛隊が米軍の下請けになる日
http://iwj.co.jp/wj/open/%E9%9B%86%E5%9B%A3%E7%9A%84%E8%87%AA%E8%A1%9B%E6%A8%A9

自衛隊の役割
http://synodos.jp/society/9633

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2014年6月 | トップページ | 2014年8月 »