日本で農業をやる意味はないのか?
土曜日になんちゃってシンポジウムがあり、私たちの教室出身者が集合しました。そのなかに農業経済学の専門家になっている変わり種がいて、彼に「日本の農業はこれからどうすればいいのか?」と素人らしい質問をしてみました。すると彼は「こういうことは普段は言わないのですが、日本で農業をやる意味はないと思います」と答えました。
確かに日本の農業従事者の年齢は年々上昇し、価格競争力がなくて延命治療しているような状況なので、TPPが実行されると壊滅への道を歩まざるを得ないというのは(彼はおそらく強固なTPP支持派でしょうから)正直な発言だと思います。実際日本の支配層は原材料輸入&製品輸出という陳腐なスキームにこりかたまっているので、製造産業を維持するためにはTPPなどによって農業が壊滅してもかまわないというのが本音なのでしょう。
しかし食糧を他国に依存するということは、食糧安全保障上大きな問題ですし、まして地球温暖化による異常気象でいつ世界的な食糧不足になるかもしれない状況においては、まさに農業の放棄は自殺行為でしょう。多くの発展途上国が環境保全より経済発展を選択することは明らかなので、気候変動の激化は止められません。人口の増加も止められません。
しかし別の見方をすると、これは農業にとって大きなビジネスチャンスです。食糧価格の上昇は上記のような情勢から避けられませんし、不況も農村への人口回帰を促進します。特にインドアファーム・シティファームの推進が気候変動に耐えるために重要でしょう。
http://ourworld.unu.edu/jp/symbiotic-urban-farming-and-industrial-reuse-in-chicago
ただこれが最近問題となっている派遣会社パソナ(会長はあの竹中平蔵氏、財務省OBも役員になっている)主導でおこなわれるならがっかりですが。
http://www.pasona-nouentai.co.jp/urban-farm/index.php
http://www.j-cast.com/2014/06/02206480.html
週刊実話 6/19号 pp.32~35 総力取材 芸能界の薬物汚染
(なんとこの驚愕の記事はHPには掲載されていません。このタイトルは目隠しで、実は政界・官界・財界に関連した記事)
インドアファームが企業主導となること自体は、多額の投資が必要なことから、ある程度避けられないことだと思います。もちろん地域の農協やそのほかの組合でできればそれにこしたことはありませんが。
帰りは猛烈な豪雨で駅周辺はプール状態でした。昔はこういう雨はめったになかったのに、今では当たり前のようになりました。本当に日本の気候は変わってしまったと実感しました。
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