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2014年6月13日 (金)

理研CDB解体の衝撃

理研の発生・再生科学総合研究センター(CDB)が改革委員会の提言で解体されそうです。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1406/12/news138.html
http://www3.riken.jp/stap/j/d7document15.pdf

CDBは政府の方針(国策)として研究費のバラマキをやめ、発生再生生物学関係の予算をCDBに集中して成果をあげようとした結果できあがった奇形的な研究所です。研究費の1点集中によって地方大学や研究所の発生再生学研究者は干上がってバタバタと討ち死にし、まともな仕事はCDBの期限付き採用の若手研究者によるものがメインになってしまいました。

そもそも研究費を1点豪華主義で運用しようというのは官僚のサル知恵で、本質的に科学というのは研究費をばらまいて、広くアイデアとデータを求めなければいけないものです。もちろん実地応用が近づけば重点的に予算をつけることは必要でしょうが、そこまでくれば民間もだまっちゃいないでしょう。

期限付きの研究者を採用すればよいというのも、ボスの利便にのせられた官僚のサル知恵です。米国が多くの外国人を期限付き採用して成果を上げているのは、その研究者達が自国に帰ればパーマネントのよいポジションを得られるからなのです。先行きが見えない(というより解雇が見えている)仕事で30才台を過ごしてしまうというような、将来設計のできない職業を、頭の良い人が選択するでしょうか。ともあれ短期間に研究者が代わるようなシステムでは、詳しい研究ノートを残してきちんと仕事の引き継ぎをやることが決定的に重要となります。

ところが例えばあなたが主婦だとして、毎日どんなレシピで料理を作り(もちろん塩2g、みりん3mlなどと詳しく記載する)、それがどんな味でどう評価されたか、改善の手はあるかなど、どんなときでも事細かにノートに記さなければならなかったらどうでしょう? 子供が騒ぐこともあれば、旦那が早く帰宅してしまったり、あるはずの食材がなかったり、いろいろな事情は発生するものです。研究の現場でも毎日いろいろな事情が発生することを考えると、詳細な研究ノートをつけるということは結構大きな負担になります。

米国には米国の特殊な事情があり、米国流の研究システムにすれば成果が上がるというのは短絡です。現に多くの日本人ノーベル賞学者はパーマネントなポジションでの仕事が評価されたものですし、山中氏も奈良と京都の大学で、助教授・教授のポジションで仕事をして、その間の業績でノーベル賞に輝いたわけです。

実際毎日夜は研究室で宴会とか、教授は夜しかこないとか、研究費は余らせて業者にストックし日照りに備えるとか、大学院を出て5年目の浪人がうろうろしているとか、ともかく天才・異才・体力勝負・色気・無能・詐欺師・お笑いなどが混在するカオスが研究室の醍醐味で、そんななかから立派な研究も生まれてくるし、良い研究は厳しいチェックやその時点での厳密な評価よりも、月日が経ったときのみんなの評価で定まるもので、それで良いのではないかと思います。

東大の教授陣が改革委員会を主導しているようですが、その東大が捏造の温床でもあります。で・・・東大も解体するのでしょうか?

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