インバルー都響のベートーヴェン交響曲第9番@サントリーホール 2013年12月25日
しばらく年末の第9は遠慮していたのですが、インバル指揮ということで復活しました(写真上)。場所を変えて3ヵ所の演奏会はすべて完売で、ここサントリーホールでもキャンセル待ちの整理券に長い行列ができていました(写真中)。
カラヤン広場には屋台が出ていて、屋外に置かれたベンチで食事などができます(写真下)。屋外用のストーブも設置されていて、暖をとることもできます。いつも不思議に思うのですが、1Fのスターバックスは常に超満員なのに、カラヤン広場のアークヒルズカフェがガラガラなのはなぜなのでしょう?
さすがにほとんどの客席が埋まっていました。午後7時からのコンサートではめずらしいことです。インバル-都響のベートーヴェンはCD(5番&7番など)でもわかるように、都響の美しく精妙なアンサンブルを基盤として、颯爽と若々しく進行する明快な解釈です。細かいフレーズにも、いちいちしつこいくらい緩急強弱をつけるマーラーの演奏とは全く違います。
本日のコンマスは矢部ちゃんで、サブはマキロン。インバルはマキロンとは2回握手したのに、矢部ちゃんとはせず、後ろからドンとたたいただけでした。私は矢部ちゃんがちょっとニュアンスを出し過ぎるので、あっさりめにやろうとするインバル先生と意見が違ったのかなと思いました。しかしまあそれもご愛敬というくらいの名演ではありました。二期会のコーラスも素晴らしい。第9だけでなく、最初のエグモント序曲も素晴らしい名演だったと思います。
あまりにも有名な第9ですが、専門家にとっては大変な曲のようです。ウィキペディアをみると、だいたいどれが正しい楽譜なのかもはっきりしないようです (こちら)。
歌詞も大変難解です。
Freude trinken alle Wesen
An den Brusten der Natur;
Alle Guten, alle Bosen
Folgen ihrer Rosenspur.
Kusse gab sie uns und Reben,
Einen Freund, gepruft im Tod;
Wollust ward dem Wurm gegeben,
und der Cherub steht vor Gott.
これをウィキペディアでは
「すべての被造物は
創造主の乳房から歓喜を飲み、
すべての善人とすべての悪人は
創造主の薔薇の踏み跡をたどる。
口づけと葡萄酒と死の試練を受けた友を
創造主は我々に与えた
快楽は虫けらのような弱い人間にも与えられ
智天使ケルビムは神の御前に立つ」
と訳していますが、月刊都響では
「すべてこの世に在るものは
自然の乳房から喜びを飲む。
善き者も、悪しき者もすべて
自然が作ってくれたバラの道を進んでゆく。
自然は私たちに口づけと葡萄酒を与え、
死の試練にも揺るがない友を授けてくれた。
肉体の快楽は虫けらに投げ与えられ、
そしていま神の御前に立っているのは智天使ケルビムだ。」
という訳になっています。
どちらもハテと思う部分があります。
番外編: ふたりの第9 柴草玲と岩下和了 37分20秒~
https://www.youtube.com/watch?v=gqV3_bP08eI
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