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2013年7月31日 (水)

ジャポニカ米とインディカ米

Zhuang_people_of_longzhou_guangxiイネは大きく分けてジャポニカ米(日本などの米)とインディカ米(タイなどの米)がありますが、どちらが古いかというのは興味深い問題です。さらに野生のイネから栽培種を育てたのはどのような人々なのかというのも知りたいところです。栽培種のイネの遺伝子配列は2004年にほぼ解明されましたが、野生のイネについてはあまり知られていませんでした。上海の生物科学研究所と三島の遺伝学研究所などからなるグループは野生種と栽培種の遺伝子配列を比較することによって、栽培の起源を探りました。

http://www.nature.com/nature/journal/v490/n7421/full/nature11532.html

同じ人と言っても、あなたとあなたの友人とは遺伝子に差があります。それが全く個人による差であれば単なる突然変異ですが、どちらかの遺伝子について、例えば日本人の1%以上の人が同じ変異を持っている場合、その変異は日本人という集団が持っているSNP(Single Nucleotide Polymorphism=スニップ)と言います。同様にイネについて各種のSNPを研究すれば、同じSNPを持つグループは近縁で、違うグループはある時点で栽培に適したSNPとして選別されたなどの予測が出来ます。昔は特定の塩基配列を切断する酵素で切れるものと切れないもの・・・というような識別法を用いて研究されていましたが、いまでは他にも多くの解析方法があるそうです。

研究の結果、イネが栽培種として確立されたのは、中国の広西チワン族自治区であることがわかりました。チワン族の風貌は日本人とほぼ同じで識別不能でしょう(写真上 from Wikipedia)。ベトナムにも住んでいるそうですが、普通のベトナム人とは少し違うように思います。広西チワン自治区にはいまでも美しい棚田があるそうです(写真中)。

Tanada_220pxlongjiterraces

チワン族が確立した栽培種はジャポニカ米で、インディカ米はそのジャポニカ米と東南アジアの野生種を交配して作成されたものであることがわかりました。つまり栽培種のおおもとはジャポニカ米だというわけです。

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弥生時代に日本にやってきて米作をはじめたのは、チワン族またはチワン族から米作を伝播された揚子江下流の人々だと思われます。

http://www.oct-net.ne.jp/~hatahata/tyoukou.html

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