ストロンチウム@福島第一原発
ひどいニュースです。東電は7月5日福島第一原発2号機タービン建屋に近い、海から約25メートル離れた井戸の水から、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が1リットルあたり90万ベクレル検出されたと発表しました。事故後に検出された地下水や海水の汚染としては最も高い驚異的な濃度です(写真はストロンチウムでウィキペディアにあったものです)。多分多くはトリチウムに起因するものでしょうが、ストロンチウムも非常に危険なレベルにあるものと思われます。
ストロンチウム90 (半減期28.8年)
→β線+イットリウム90 (半減期64時間)
→β線+ジルコニウム90 (安定)
ストロンチウムはカルシウムと化学的性質が類似するため、動物体内では摂取されると一部は排泄されるものの、大部分が骨に取り込まれて体内で上記のようにβ線を発生し、周辺の細胞を破壊します。イットリウムが発するβ線は非常に強力なもので、健康被害は避けられないでしょう。他の放射性同位元素とくらべて、骨に吸収されるので、生物濃縮がおきやすいことも問題です。
もう海への流出は避けられそうもありませんが(すでに海水のトリチウム濃度は上がっていることがわかっています)、そうなると福島の漁業は永久壊滅ですし、将来は太平洋全体の問題になりかねません。骨を食べなければ魚も大丈夫というわけにはいきません。骨はいつも溶けたり再生したりしているので、ストロンチウムも流出と取り込みを繰り返します。筋肉にもカルシウムはたくさんあるので、ストロンチウムも含まれるでしょう。そのうちサンゴ礁にもストロンチウムが蓄積されてしまうかもしれません。貝殻にも蓄積されるでしょう。もちろんトリチウムも非常に濃厚な汚染なので、ストロンチウム以上に危険です。
小出裕章氏が言っていたように、さっさと海側ににバリヤを作っておけば、かなり時間的余裕を作ることが出来たと思いますが、東電という会社は本当にどうしようもないのですね。現在山側の地下水放出を漁協などと話し合っているというのは遅すぎます。何々を先にやれと政府が命じないと、東電は「会社の利益のためには太平洋の汚染なんてあとまわし」という行動しかしないことは明らかです。
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20130706k0000m040079000c.html
ストロンチウムの危険性:
http://www.cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/8.html
http://aboutradiation.blog.fc2.com/blog-entry-3.html
http://ameblo.jp/sunamerio/entry-11307528086.html
http://onndannka.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-c8f4.html
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