都響と山下洋輔のガーシュウィン@サントリーホール2013年3月17日
2ヶ月ぶりに都響コンサートに出撃。今日は伝説のフリージャズピアニストの山下洋輔氏が出演とあって、早々とチケットは完売で、場内は超満員です。始まる前に「開演に先立って元都響常任指揮者で2月8日に亡くなった故ジェイムス・デプリースト氏を偲んで、彼が好きだったサムエル・バーバーの弦楽のためのアダージョを演奏し黙祷します」というアナウンスが流れました。デプリースト氏は「のだめカンタービレ」にも登場して、多くの日本人の知るところとなった人物です。
本日のコンマスは矢部ちゃん。黒ネクタイです。サブはゆづき。なぜか本日のマエストロであるリットンさんが楽団員より先に出てきて指揮台の上に? 楽団員が出てくると、音合わせもせずいきなり演奏がスタート。どうしてこんなに慌てふためいているのでしょう。今日のプログラムは合計1時間くらいで、尺が足りないと思ったくらいです。実際アンコールを2曲もやったくらいですから。最後にバーンスタインのディベルティメントからワルツをアンコールで演奏したのですが、これをカットすれば十分時間はありました。ソリスト以外のアンコールはやらないのが慣例ですから。
「弦楽のためのアダージョ」は大変素晴らしい演奏でしたが、終了後拍手が・・・いいの?。あれれ・・・黙祷が飛んじゃう。こんなことになったのは、きちんと段取りをアナウンスしておかなかったためで、事務局のミスでしょう。ステージ上の段取りの異常さも含めて、深く反省すべし。
「パリのアメリカ人」はタクシーのクラクション(4種類あって音程が異なる)が大活躍する名曲で、最後列いっぱいに広がった打楽器群が華やかなムードです。特にトランペットなどはいつものクラシックとは異なる演奏なので、どうなるかと思っていましたが、都響はそれらしい雰囲気を醸し出していて、なかなかやってくれますね。トランペットに巾着袋のような布の弱音器をかぶせて演奏しているのはめずらしいと思いました。
そして山下洋輔氏が登場するラプソディーインブルー。古稀を迎えたこのピアニストの演奏は、見たものにしかわからない凄みがあります。都響の名演奏も、この人の名人芸の前にはかすんでしまうくらいの迫力。ヒジやコブシでも演奏しちゃいます。ソロの時はリットンも矢部ちゃんもじっと見入っていました。この素晴らしい瞬間をみんなで共有出来て幸せでした。アンコールに彼流の「サマータイム」をプレゼントしてくれました。
後半はバーンスタインの曲でしたが、最後にラプソディーインブルーを持ってくるべきだったなあと思いました。バーンスタインとガーシュウィンとでは作曲家としての格が違います。今日は演奏者はみんな素晴らしかったので、もう少し構成に配慮して欲しかったと思います。
ラプソディーインブルー: http://www.youtube.com/watch?v=xxb7yNG0DGc
山下洋輔:
http://www.youtube.com/watch?v=JIoKoWWI7IQ
http://www.youtube.com/watch?v=zY8Jf4BkG0U
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コメント
何かの弔事のためにオーケストラがコンサートに先立って演奏する場合、入場時の拍手、音合わせなし。指揮者も場違いの拍手を防ぐ意味もあり、先か一緒に入場。
演奏後は黙祷して、拍手なしに一度退場し、それからその日のプログラムを開始するというのが一般的かなと思います。
という意味で、演奏後の拍手は余分でしたね。
事態が飲み込めない方とその拍手に引きずられた方の拍手だったと感じました。結構、一見さんの割合は高かったように感じました。
投稿: PIYO | 2013年3月17日 (日) 23:36
指揮者が先に出てくるという慣行があるのですか・・・。それは知りませんでした。
2011年のリントゥ指揮の演奏会では、指揮者が通訳を伴って現れ、自ら段取りを説明して演奏と黙祷を行いました。このときは遺漏なくきちんとできたと記憶しています。
今回もそうしていれば、こんなことにはならなかったのにと残念に思います。
投稿: monchan | 2013年3月17日 (日) 23:52