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2011年12月 6日 (火)

洞毛(ひげ)

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ほとんどの動物は体毛(pelage=ペリッジ)と洞毛(vibrissa=ヴァイブリッサ)という2種類の毛を持っています。毛の基本構造はサイズ以外はほとんど同じなのですが、洞毛は毛根のまわりが血洞(血管がふくらんだ部分)で覆われており、感覚神経がその血洞を貫通して毛根まで届き、血洞の外側に横紋筋が配置されているという、かなり大がかりな装置に取り囲まれているという点に違いがあります。

このような装置は巨大な毛根に栄養を供給し、洞毛で感じた刺激を脳に伝える、随意筋で洞毛を動かす・・・というような役割を持っています。このような洞毛が集結している鼻と口の間の皮膚はミスタシアルパッドといって、かなり分厚い皮下組織を持つ特殊な皮膚になっています。

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上の図はラットの洞毛の切片をヘマトキシリン・エオジン染色したものですが、血洞が単に血管がふくらんだ部分ではなく複雑な構造を持っていることがわかります。これはひとつには洞毛の根拠が液体の中でふらふらと不安定な状態にならないよう、ある程度固定する必要から生まれたものなのでしょう。

ヒトの口ひげは残念ながら洞毛ではなく、普通の体毛と似たり寄ったりの毛に退化しています。これはヒトが2足歩行で、暗いときに前をさぐるのに手を使えるということが関係しているのでしょう。鯨やイルカは音波や超音波でまわりを探れるので、やはり洞毛が退化しています。されに彼らは完全に水中で生活するので、毛は保温には役に立たず、水が紫外線による傷害を防いでくれるので、体毛も退化しています。

Ringwulst は専門用語だと思っていたのですが、先日ある腸詰め屋さんの看板に Ringwulst と書いてあったのでびっくりしました。多分湾曲したソーセージですね。ドイツ語が専門用語になっているように、この分野はドイツが本場です。

こちらもどうぞ
cf: http://morph.way-nifty.com/grey/2009/10/longitudinal-se.html

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コメント

はじめまして。洞毛の構造に関する用語の検索をしていてたどり着きました。大変助かりました。今読んでいる英文記事で一部、日本語訳が不明な単語がありますので、もしよろしければお力をお借りできませんでしょうか。ご連絡をお待ちしております。m(_ _)m

投稿: らっこ | 2014年11月12日 (水) 04:21

>らっこ様

ここに書いてくださると、可能ならお答えしますが。

monchan

投稿: monchan | 2014年11月12日 (水) 14:33

monchan様、ありがとうございます。
現在、ラッコのヒゲに関する記事の翻訳に取り組んでいるのですが、専門用語が多く非常に困難を伴っていました。
取り組んでいる記事はこちらです。
http://seaotters.com/2014/11/10/the-sensitive-whiskers-of-sea-otters/
現在、不明な専門用語のリストはこちらになります。もし日本語の用語をご存じでしたらご教授いただけましたら幸いです。
Collagenous Trabeculae
Dermal Capsule
Follicle-Sinus Complex
Merkel-Neurite Complex
Mesenchymal Sheath
最後に、記事の中でmonchan様に一部ご協力を仰いだということで記載させていただいてもよろしいでしょうか。

投稿: らっこ | 2014年11月13日 (木) 02:31

> らっこ 様

名前は勘弁してください。
参考ということでお願いします。

collagenous trabeculae コラーゲン性小柱
dermal capsule 真皮性カプセル
follicle-sinus complex 毛包ー血洞複合体
merkel-neurite complex メルケル細胞-神経突起複合体
mesenchymal sheath 結合組織性毛包

記事が公になりましたら、私も興味がありますのでお知らせいただけると有り難く存じます。

投稿: monchan | 2014年11月13日 (木) 17:14

>らっこ 様

最後の mesenchymal sheath ですが、結合組織性毛根鞘の方が正確だと思うので、修正します。
失礼しました、

投稿: monchan | 2014年11月14日 (金) 03:30

monchan様
素早いご回答、心より感謝申し上げます。
数日中にはまとまるかと存じますので、こちらへご報告させていただきます。
もしご興味がございましたら、他の記事もご覧ください。主に北米の野生のラッコに関する記事や動画などをご紹介しているウェブサイトです。
らっこちゃんねる | Sea Otter Channel
http://seaotter.jimdo.com

投稿: らっこ | 2014年11月14日 (金) 04:13

> らっこ 様

素晴らしいサイトですね 
ゆっくりみさせていただきます

--------
ごたごたしてすみませんが+注釈です

結合組織性毛包という言葉の方が一般的なので、こちらを使ってもかまいません。また結合組織性を真皮性と言い換えてもかまいませn。

注釈ですので、このコメントに返信くださらなくて結構です。では貴兄の記事を楽しみにしております。

ごきげんよう

monchan より

投稿: monchan | 2014年11月14日 (金) 06:11

monchan様、
この度はご指導いただきありがとうございました。
翻訳のほうが完成しましたので、よろしければご覧くださいませ。
http://seaotter.jimdo.com
トップページから11月19日の記事タイトル「【記事】ラッコのヒゲは敏感 | The Sensitive Whiskers of Sea Otters」をお選びください。※記事の直リンクアドレスが長いため

何かお気づきの点がございましたらご指摘いただけましたら幸いです。

ご協力誠にありがとうございました。

投稿: らっこ | 2014年11月20日 (木) 01:31

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